「僕は、人を守りたいと思う、自分の心を信じる」
仮面ライダー生誕50周年を記念して企画され、2023年3月17日18時、最速公開された映画、「シン・仮面ライダー」。
「新世紀エヴァンゲリオン」「シン・ゴジラ」などで知られるクリエイター、庵野秀明氏により、原典である「仮面ライダー」のTV版や、石ノ森章太郎氏によって描かれた萬画版のエッセンスを、現代に再構成し、その魅力を新たに伝え直した渾身の一作である。そんな「シン・仮面ライダー」に登場する、「仮面ライダー」をアクションフィギュアとして立体化したのがこの「S.H.figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」だ。
映画の正式公開日である2023年3月18日に発売され、17日の最速公開時に既に販売していた劇場もあったようだ。
原典の「仮面ライダー」の姿が当時見ていた子どもたちにもたらした絶大なインパクトをそのままに、現代に沿った解像度を高めたディテールを施した、伝統の継承と革新を同時に果たしたそのデザインを、約1/12スケールの手のひらサイズのフィギュアで精密に再現。プロポーションも、本郷猛を演じた池松壮亮氏が身に纏ったライブスーツの体型をイメージしたものとなっており、非常に迫真性の高い仕上がりになっている。
さらにティザービジュアルや劇中で絶大な印象を残したコートを身に纏った姿を再現するべく、布製コートが付属し、実際に着用させることが可能。広い可動範囲と豊富な手首パーツで劇中のアクションや、原典の「仮面ライダー」をイメージしたポージングを再現することが出来る。
さらにティザービジュアルや劇中で絶大な印象を残したコートを身に纏った姿を再現するべく、布製コートが付属し、実際に着用させることが可能。広い可動範囲と豊富な手首パーツで劇中のアクションや、原典の「仮面ライダー」をイメージしたポージングを再現することが出来る。
原典である「仮面ライダー」、その最初期に登場した、所謂「旧1号」のイメージを継承した、ダークグリーンとダークブルーが基調のカラーリングは精密に再現されている。
首元からベルトまで伸びるマフラーの長さも劇中のイメージ通りの仕上がりだ。
仮面を被った頭部の大きさなど、プロポーションのバランスも良好で、劇中同様のスマートかつ細すぎない、洗練されたスタイリングを約1/12スケールで再現している。
背面から見ても彩色が精密に施されており、隙のない仕上がりを見せている。
ベルトの装飾なども丁寧に塗り分けられており、完成度を高めている。
仮面の後ろから覗く後ろ髪も造形で再現され、劇中イメージを再現している。
真正面から見てもプロポーションに破綻はない。
スーツの黒い部分はシボ加工が施されつや消しの質感になっており、落ち着いた印象となっている。胸部コンバーターラングや仮面のネジ穴モールドも銀色で塗り分けられ、情報量の多いデザインの魅力が再現されている。
仮面の複眼はクリアパーツで再現され、内部構造も造形されている。
ブレードアンテナとなった触覚もシャープな造形で、精密感を高めている。
眉間のOシグナルも抜かりなく塗り分けられている。
「仮面ライダー」の象徴として映画劇中で非常に印象的に描かれた真紅のマフラーは、ベルトのあたりまで伸びた劇中イメージ通りの長さで造形されており、結び目の部分がボールジョイントになっているため可動させる事が可能。残念ながら風にたなびいた状態の交換用マフラーなどは付属しておらず、このアイテムの数少ない難点となっている。
首元のマフラー部分は回転軸が仕込まれており、マフラーの結び目の位置を調整することが可能。この可動と結び目の部分のボールジョイントの効果で、ある程度はマフラーにポージングに応じた表情付けをすることが出来る。胸部コンバーターラングの上段部分は基部がボールジョイントになっており、僅かではあるが中央に寄せることや、浮かせる事が可能になっている。僅かな可動範囲ではあるが、この可動のお陰で腕を中央に寄せる際、腕部とコンバーターラングの干渉を避けることが可能で、ライダー・ファイトのポージングに効果を発揮する。
ベルトの「タイフーン プラーナ強制排出補助機構付初期型」は、非常に精密なモールドと彩色で再現され、仮面ライダーの力の源であるプラーナを取り込む、あるいは変身解除時にプラーナを排出するため回る風車もディテールで再現されている。装飾も細かく彩色されているのは前述の通りで、手のひらサイズのフィギュアとは思えないほどの仕上がりだ。マスクの後ろにはバッタオーグのアイコンなどがプリントされており、肉眼では判別できないような小サイズながら写真で拡大してみると一文字一文字が視認できる精密さで再現されている。
付属するオプションパーツは交換用手首パーツ3種類6個と、布製コート。
交換用手首パーツは握り拳や手刀、指を伸ばした平手が付属し、劇中のアクションに沿ったポージングを可能にする。
布製コートは淵の部分に針金が仕込まれており、ポージングに応じた表情付けが可能だ。
布製コートは仮面ライダー本体に着用させることが出来る。
着せやすさと着用した状態での可動を優先したためか、やや大きくダボッとした印象を受けるのは難点でもあり、同時に遊びやすさという意味では長所でもあるのが悩ましいところ。
布製コートは前述の通り針金が仕込まれており、本体のポージングに応じてたなびいた状態を再現できる。コートを着用した姿は劇中でも極めて印象的に描かれており、その姿を手軽に再現して遊べることは嬉しい。
交換用手首と合わせることで、原典である「仮面ライダー」から継承したライダー・ファイトのポージングもキメることが出来る。コートが大きめに作られ余裕があることで、コートを着せたままでも関節を可動させポージングが可能だ。
コートが布製で動きに追従できることもあり、下半身周りの可動はほぼ妨げられることなく自由なポージングが出来る。足刀蹴りのポージングなども可能だ。
股関節部分は可動させても隙間ができないような構造になっており、ポーズを付けても見た目が崩れることはない。
コートを着たシン・仮面ライダーならではの佇まいは非常に映える。
2023年8月発送予定の「S.H.figuarts 仮面ライダー第2号(シン・仮面ライダー)」(2023年7月現在受注終了)にも同様の布製コートが付属するため、コート姿のダブルライダーを並べることが可能だ。
コートを脱がせた状態ならその可動範囲をフルに活用したポージングが可能になる。
足首の可動範囲がやや狭く接地性はそこまで良好ではないが、ある程度の範囲なら足を広げても自立可能だ。
マフラーを可動させれば風にたなびいたイメージも再現できる。
両肘部分は回転軸を備えており、原典である「仮面ライダー」を思わせるポージングや、ライダー・ファイトのポーズに対応できる。原典のイメージを色濃く残したデザインを持つシン・仮面ライダーの仮面ライダーだからこそ、原典の本郷ライダーが見せたポージングも非常に似合う。映画劇中で見せたライダー・ファイトのポーズにも対応した広い可動範囲で、劇中さながらのポージングをキメることが可能だ。「人を守りたいと思う自分の心」を信じ、悪しき「兄弟」を討つ悲壮な戦いに身を投じる本郷猛=仮面ライダーの姿を机上で楽しむことが出来る。
上体にボールジョイントが仕込まれ、体を捻ったポージングにも対応。
バッタの能力を体現する跳躍力で飛び、第2バッタオーグと見せた熾烈な空中戦をイメージしたポージングも、別売りの魂Stageを用いて再現することが出来る。
稲妻を呼び、嵐に乗ってぶち当たる必殺技・ライダーキック。
戦いに終止符を打つ必殺の蹴撃も自然にキメることが出来る。
ブーツの底面まで塗り分けられており、ここでも隙のない仕上がりを楽しめる。
このS.H.figuartsで再現できるのは派手なアクションポーズだけにとどまらず、人を守るために人を殺めなくてはならない哀しみを背負い、殺めた相手の死を悼む姿をも再現できる。
本郷猛の罪を背負う覚悟と深い哀しみを、フィギュアからも感じ取れるだろう。
映画公開に合わせたベストなタイミングで発売されたこの「S.H.figuarts 仮面ライダー(シン・仮面ライダー)」は、映画を見た興奮のまま遊ぶのに十分すぎるほどのスペックを備えた、非常に完成度の高いフィギュアだった。布製コートのフィット感や交換用マフラーが存在しないなどの難点も存在するが、映画の印象そのままのリアルな佇まいと広い可動範囲でライダー・ファイトのポーズがキマることで、映画の追体験を机上で楽しめる。
布製コートなど同様のスペックを備えた仮面ライダー第2号や、最大の敵として立ちはだかった仮面ライダー第0号、そして相棒であるサイクロン号など、脇を固めるシリーズも充実しており、揃えて遊ぶことで映画の興奮が蘇るはずだ。
布製コートなど同様のスペックを備えた仮面ライダー第2号や、最大の敵として立ちはだかった仮面ライダー第0号、そして相棒であるサイクロン号など、脇を固めるシリーズも充実しており、揃えて遊ぶことで映画の興奮が蘇るはずだ。
2023年7月現在では、この商品の彩色を映画劇中の見え様に合わせ調整し、マフラーを布製に変更、さらに本郷猛の素顔を再現した頭部が付属する(ただしコートは付属しない)「S.H.figuarts 仮面ライダー/本郷猛(シン・仮面ライダー)」が受注中、2023年12月の発送を控えている。S.H.figuarts シン・仮面ライダーシリーズのさらなる発展を期待したい。