「バトルフィーバーJ」第21話「恐竜半島に突撃!!」感想

2024年2月14日水曜日

バトルフィーバーJ 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

能登半島の宝を狙って、エゴスが動いていた。
宝の秘密を知る千造は、エゴスの手から逃れてバトルフィーバー隊に救われる。
彼が持っていた短剣には、能登半島の宝の在りかが隠されているそうで…。

能登半島の青空の下、丁々発止の謀略戦

エゴス戦闘員たちに追われる男に偶然遭遇したジャパン。
逃げる男の前に姿を現したサロメは、短剣を差し出すように要求する。
短剣は車に置いてきたと答える男に、サロメは手鏡から光線を出して男を恫喝すると、短剣の在り処を話すように迫る。そこにジャパンが駆けつけ、男を救出。
ジャパンはサロメと闘うものの、相変わらずデタラメに強いサロメはジャパンを投げ飛ばし、手鏡から光線を撃ってジャパンを圧倒する。

アジトに戻ったが短剣を見つけることが出来なかったサロメを、ヘッダー指揮官は叱り飛ばす。
師弟愛の元に結ばれている2人だけあって、慇懃無礼なサロメもヘッダー指揮官の言うことは素直に耳を傾け反省しているようだ。エゴスは能登半島から東京まで、数千億円もの価値がある宝の在り処が刻まれているという短剣を持っていた男を追跡していた。
エゴスは宝を手に入れ、世界を支配するための軍資金にしようとしているのだ。
そこに現れた恐竜怪人が、自分が短剣を手に入れ宝をエゴスにもたらすと宣言。
さらにサタンエゴスが諜報部隊を使ってなんとしても宝を手に入れるように指示すると、諜報部隊の女戦士、ゼロワンとゼロツーを呼び出す。
くノ一のような姿のゼロワンとゼロツーはあっという間にエゴス戦闘員たちを蹴散らしてみせ、ヘッダー指揮官もその実力に感心。諜報部隊は短剣を求め出撃する。
「秘密戦隊ゴレンジャー」や「ジャッカー電撃隊」で描かれた、善と悪の組織のスパイ・アクション的な演出を強調する諜報部隊の出現が、これから展開されるであろう宝を巡った攻防戦への期待感を否が応でも盛り上げる展開だ。

バトルフィーバー隊は、基地で男が持っていた短剣を調査。
古代エジプトの王が使っていた短剣であると判明したことに、「俺のご先祖様だ」と反応を見せ、フランスに話の腰を折るなと止められるケニアがお茶目だ。
また、男の正体は石川県能登半島に住む有島千造であることが判明する。
短剣の刀身には隠し文字が彫刻されており、宝の居場所のヒントとなる暗号となっていた。
能登半島の歴史を語る鉄山将軍は、エゴスが宝の居場所を突き止めるために短剣を持つ千造を襲ったと判断。エゴスに宝を渡さないために、バトルフィーバー隊を能登半島に急行させる。

サロメに襲われたショックか、千造は記憶を失い、言葉も満足に話せない廃人のような状態になっていた。能登半島に到着、金沢城を訪れたジャパンとコサックは千造の記憶を取り戻すきっかけになればと話しかけるが、千造はまるで反応を見せない。
そこに、エゴスの諜報部員の2人が変装した娘と老婆が、写真の撮影を頼んできた。
シャッターが切れない偽物のカメラにまんまと騙されたジャパンとコサックが千造から目を離した隙に、諜報部員のゼロワンとゼロツーは千造を拉致。ジャパンとコサックも慌ててそれを追い、海岸を部隊にカーチェイスが展開する。
ゼロワンとゼロツーに写真の撮影を頼まれたコサックが、偽物のカメラのシャッターが切れないと困惑し、普段は真面目なジャパンが「お目々クリクリー!」と楽しそうに写真を撮ろうとする姿は、怒涛の展開の中で一息つけるコメディシーン。

爆弾を投げ、ジャパンとコサックの車を足止めする諜報部員の猛攻に、別働隊として動いていたフランスとケニアもオートバイで海岸に急行、挟み撃ちにする。諜報部員が運転する車はフランスとケニアを避けようとして車を衝突させてしまったゼロワンとゼロツーは、短剣を奪うと逃走した。短剣を奪われたが、ジャパンは平気そうな様子で「能登ロイヤルホテル」へ向かう。
地方での任務の拠点となるホテル名をフルネームで台詞に盛り込むのが、往年の地方ロケ・名所タイアップ回の伝統芸で楽しい描写だ。

ゼロワンとゼロツーが奪った短剣はバトルフィーバー隊が用意した偽物だった。
お互いに裏をかき、宝を巡る激しい攻防戦が展開されるスパイ・アクションものの魅力が全開で演出される。一方、能登ロイヤルホテルで仲間と合流したダイアンは、千造の娘であるしのぶを連れてきていた。記憶を失い言葉も話せない父親の姿を悲しむしのぶを慰めるダイアン。
バトルフィーバー隊は短剣の暗号を解くため、暗号に書かれた「龍の頭」を手分けして捜索を開始し、コサックとケニアは千造としのぶを連れ名所を巡る。地方ロケ回ならではの名所巡りをドラマの自然な流れとして挿入しているのが見事な作劇だ。また、コサックが変わり果てた父親の姿を悲しむしのぶの面倒を見ているのも、子供に優しい性格設定が活かされている。

一方、フランスとダイアンは海中を捜索しているうちに気分が良くなったと、龍の頭を探すのも忘れて海水浴を楽しんでいた。それを咎めたコサックとケニアも、ビーチで日光浴を楽しむグラマーな美女の姿に目を奪われる。相変わらずどこか自由人の集まりであるバトルフィーバー隊。
鉄山将軍が自分の不在時に口うるさいロボット九官鳥を見張りとして基地に置いているのもこういうところがあるからなのだろう。
そうこうしている間に、千造が行方をくらませてしまった。一人真面目に龍の頭を捜索していたジャパンは、しのぶを連れて千造を捜索するコサックと合流。しのぶから、千造が好きだった篝火堂の存在を教えられると、そこに向かった可能性があると急行し、無事に千造を発見する。

能登ロイヤルホテルに戻ったバトルフィーバー隊は、短剣の暗号の解読に挑んでいた。
一方、バトルフィーバー隊の部屋に向かっていたしのぶを、ゼロワンとゼロツーが捕えてしまい、ゼロワンはしのぶに変装する。能登半島の地図を見ていたジャパンは、能登半島の形が恐竜の頭のような形であることに気づくと、暗号の龍の頭はそれを指していると推理。
さらに他の暗号と地図を照らし合わせ、宝は関野鼻の岩石地帯に隠されていると考えた。
翌日、ジャパンとコサックは千造とゼロワンが変装した偽物のしのぶを連れ関野鼻に向かう。
関野鼻の洞窟で、短剣をはめ込む鍵穴を発見したジャパンたちは、短剣を鍵として隠し扉を開き、ついに宝を発見するが、そこでゼロワンがジャパンたちをおびき寄せるために変装を解き逃亡。宝の居場所をエゴスに報告させまいと追跡したジャパンとコサックの前に恐竜怪人が姿を表す。バトルフィーバー隊も全員集合し、能登の雄大な大自然の中で決戦が始まった。

恐竜怪人を追い詰めたバトルフィーバー隊の前に、サロメが横笛を吹きながら現れる。
恐竜怪人は「恐竜砂嵐」でバトルフィーバー隊の視界を奪い逃亡。
そしてバトルフィーバー隊を引き付けている間に、諜報部員の二人はまんまと宝を入手することに成功する。用済みとなったしのぶを開放し、去っていくサロメ。
こうしてバトルフィーバー隊は、宝の争奪戦に敗北してしまうのだった。

能登半島の雄大なロケーションを舞台に展開する、バトルフィーバー隊とエゴスの諜報部員との騙し合いが見ごたえのあるドラマを展開したエピソード。
バトルフィーバー隊が偽物の短剣でエゴスを出し抜けば、エゴスは偽物のしのぶとなって接近し、自らの存在で陽動作戦を行うことで宝を入手するという丁々発止の騙し合いが、地方ロケ回に相応しい大娯楽編として見るものを楽しませてくれる。そして続く次回ではさらなる思惑が絡み合い、能登半島を舞台にした宝の争奪戦は一層ヒートアップしていくのだった。

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