「仮面ライダーアマゾン」第4話「走れ!怒りのジャングラー!!」感想

2024年3月22日金曜日

仮面ライダーアマゾン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

十面鬼が持つガガの腕輪と、アマゾンが持つギギの腕輪の秘密。
それは、山村という人に会えばきっとわかると思い、アマゾンの心は躍った。
倉庫、工場、そしてビルからビルへとアマゾンは走る。
やっと山村に会えたアマゾンを待ち受けていたものは!?

始動、炎のジャングラー 闇に葬られた腕輪の秘密

十面鬼は、まだアマゾンを仕留めきれない獣人大ムカデに憤っていた。
視聴者目線では出てきたばかりなのに、まだアマゾンを仕留めきれないと怒られている獣人大ムカデがひたすら気の毒だが、多分、これまでの獣人たちとの連帯責任で怒られているのだろう。
十面鬼はアマゾンがギギの腕輪の秘密を探る前に消すように命ずる。
獣人大ムカデは命に変えてもアマゾンを殺すと意気込み、十面鬼ゴルゴスはその勇敢さを喜ぶ。さっきまで叱っておいて急に褒めるあたりの情緒不安定さが怖い。
その上で失敗したら処断に躊躇がないので、地獄みたいな上司だ。
さらに、9つの人面たちはゲドンのオートバイチームにも出撃を命ずるのだった。

おやじさんは、スクラップ置き場で部品を集め、設計図を見ながら何かを作っていた。
ゲドンの脅威に役立たせるために、必ずこれを完成させると意気込むおやじさん。
その頃、まさひこと語らうアマゾンは、ゲドンがなぜ自分を狙うのかまさひこに聞いていたが、
当然まさひこもそんなことがわかるはずもない。
そこにおやじさんが良い知らせがあるとやってきたが、2人の話に入れてもらえない。
まさひこは頼りになると話に入ろうとするおやじさんを疎んで、アマゾンと移動しようとする。
かつては少年仮面ライダー隊を率い、幾多の修羅場をくぐってきたおやじさんの経歴を知らないので、自分とアマゾンの秘密の仲に割り込んでくる変なおじさんくらいの認識なのだろう。
おやじさんはそれでもめげずに、どこまでもついていこうとするのだった。

まさひこは、高坂教授と一緒にジャングル探検に行った人を訪ねれば、アマゾンがゲドンに狙われる理由が何かわかるはずだと推測し、高坂教授のアルバムを見ていた。
アマゾンに深く関われば危険だと心配するりつ子だが、まさひこは、悪いのはゲドンで、アマゾンは良い人間であり、たとえ一人でも自分はアマゾンの味方であると宣言。
そして、山村という男が高坂教授と一緒にジャングル探検に行ったことを突き止める。

前回、釣り人からも殺人犯と誤解され、りつ子もまさひこの心情は理解するがアマゾンを信じたわけでない状況で、アマゾンが社会からの孤独を噛み締め続けているのは間違いない。
しかし、まさひことおやじさんという理解者は、彼の孤独を理解し、寄り添おうとしている。
まさひこは父を物心がつく前に失ったことで孤独を味わい、おやじさんも歴代の仮面ライダーたちの苦しみに寄り添ってその孤独を分かち合ってきた人だ。
孤独を知るからこそ、他者の孤独に寄り添うことが出来る。孤独を知った人は、他者の孤独をも理解できる優しさも知れるはずだという希望が描かれている展開だ。

まさひこは、山村の屋敷にアマゾンを連れてきた。
しかし、そこでは赤ジューシャたちが山村を捜索していた。
アマゾンたちは赤ジューシャたち入れ替わりに山村の屋敷に潜入するが、そこはもぬけの殻だった。アマゾンは、山村の部屋で山村と娘の雅美、愛犬のリリーの写真を見つける。
その頃、山村と雅美、リリーは都内のホテルで隠れ住んでいた。
山村はゲドンの秘密を知っているがために、ゲドンに狙われていたのだ。
アマゾンはビルからビルへと飛び回り、山村を捜索していた。自分がなぜゲドンに狙われるのかを突き止めるために、どうしても山村に会わなくてはならない。
必死に探すアマゾンは、山村を捜索する赤ジューシャたちを見つけると、赤ジューシャたちがホテルに向かう様子を見て山村がそこにいることを確信する。

雅美は部屋を抜け出し、犬のリリーの散歩をしていた。
それを見つけたまさひこは、追いかけてきたおやじさんとともに後を追ってホテルに入る。
山村は慌てて雅美を部屋に連れ戻すが、赤ジューシャがそれを尾行していた。
まさひこたちも山村を探すが、部屋が多すぎてどこにいるのかわからない。
一部屋ずつ虱潰しに探そうとしたおやじさんたちは、助けを求める雅美の声を聞く。
窓から侵入したアマゾンも駆けつけ赤ジューシャを追い払い、山村たちは事なきを得た。

山村を屋敷まで護衛し、おやじさんを通して、山村に高坂教授がジャングルで見たもの、ゲドンについて知っていることを尋ねるアマゾンたち。
おやじさんはゲドンに追われ続け苦しむアマゾンの孤独を訴え、情報を聞き出そうとするが、山村はゲドンの秘密を話せば自分たちが殺されてしまう恐怖に怯えて口を噤んでしまう。
ゲドンの強大な組織力と、何の関係もない者すら容赦なく殺す非情さに怯える山村。
アマゾンは犬のリリーと通じ合う様子を見せ、雅美はアマゾンに笑顔を見せるが、山村はひたすらにアマゾンたちを拒絶する。しかし、おやじさんも山村を守ることを自分たちの義務とし、ゲドンに怯える山村を守り抜くことをアマゾンに促す。
アマゾンは山村を恐怖に怯えさせるゲドンへの怒りを滾らせるのだった。

雅美は、庭に咲く花をアマゾンに手渡した。
そして山村にも花を渡そうとする雅美だが、山村は部屋の隠し通路を通って脱出を試みる。
しかし、隠し通路の先には獣人大ムカデが待ち構えていた。
雅美を追って部屋にたどり着いたアマゾンは、雅美が持っていた花が部屋に落ちていたことや、床下から聞こえる獣人大ムカデの叫びを聞き、隠し通路を発見して山村たちの後を追う。
しかし、山村たちは既にゲドンの手に落ちていた。
オートバイで連れ去られる山村に、アマゾンは追いつけない。どうすることも出来ないもどかしさに苦しむアマゾンに、まさひことおやじさんが翼のついた赤いオートバイを持って現れた。
それは、高坂教授がアマゾンから持ち帰った設計図を元に、おやじさんが部品を集めて作り上げたアマゾン専用のオートバイ、ジャングラーだ!

かつて、本郷や滝と共同で新サイクロン号を制作したこともあるおやじさんだけに、設計図があればライダー専用のマシンを作るのもお手の物。しかし、滝を通してFBIのツテで十分な資材を用意できたであろう新サイクロン号の時とは異なり、描写されている映像の限りでは廃材を集めて組み上げてしまうメカニックとしての才能は凄まじい。
ジャングラーは設定によれば古代インカの秘宝である「太陽の石」をエネルギー源にしているとのことだが、おそらくは高坂教授が設計図とともに持ち帰っていたものだろう。

ジャングラーは瞬く間にゲドンに追いつき、アマゾンは次々にゲドンのオートバイ部隊を倒していく。そして山村たちを乗せたジープに飛び移ったアマゾンは赤ジューシャを排除し、ジープを停車させる。山村たちを連れて逃亡するアマゾンだが、地中から獣人大ムカデが現れた。
山村は雅美を逃がすが、赤ジューシャに捕まってしまう。
アマゾンは獣人大ムカデの身体をもぎ取るが、獣人大ムカデの鋏で身体に傷を追う。
飛び散る鮮血。アマゾンは咆哮し、アマゾンライダーに変身した。

獣人大ムカデとの死闘のさなか、アマゾンライダーは山村が赤ジューシャに捕まったのを目の当たりにするが、巨大ムカデに変態した獣人大ムカデに組みつかれ、身動きが取れない。
いくら振り払っても巨大ムカデになって何度も向かってくる獣人大ムカデをアマゾンが振り払えない間に、赤ジューシャは、サーベルで山村を滅多刺しにして致命傷を追わせる。
ゲドンの悪魔の如き卑怯さに、山村は自らの判断の過ちを後悔する。

十面鬼の今回の目的は、アマゾンがギギの腕輪の秘密を探ることを阻止すること。
そのため、唯一の手がかりである山村を始末することが今回のゲドンの勝利条件だった。
その勝利条件を果たすため、赤ジューシャに山村を始末させる間、自分はひたすらにアマゾンの身体にまとわりついて助けに行くことを阻止し続ける獣人大ムカデは、自分がアマゾンを始末できずとも腕輪の秘密をアマゾンが知ることは阻止するため、唯一の手がかりである山村の始末だけは完遂させる戦術をとっており、組織に最も貢献出来る行動を理解している恐ろしさがある。

不死身かと思える獣人大ムカデのタフネス。だが、怒りのまま繰り出されるアマゾンの噛みつきと、腕ヒレでの一撃がついに獣人大ムカデの体を切り裂き、血が迸った。
そして大切断が決まり、ついに獣人大ムカデは息絶えた。だが、山村も既に虫の息だった。
山村は、自分の判断の過ちをアマゾンに謝罪し、ゲドンがガガの腕輪を持つ十面鬼が率いる組織であること、そしてガガの腕輪とアマゾンの腕輪がなにか関係していることを話すが、その詳細について話しきれぬままに息絶えてしまった。
そこに十面鬼が姿を見せ、次はアマゾンを殺すと宣言して姿を消す。
自分がゲドンに狙われる理由である腕輪の謎についての全ての手がかりが消えた。
十面鬼、そしてゲドンへの怒りが、アマゾンの胸中を駆け巡るのだった。

獣人大ムカデこそ倒したが、腕輪の秘密を握る、唯一の手がかりであった山村を守りきれずに失ってしまう、アマゾンにとっての実質的な敗北が描かれた回。
アマゾンは社会からの孤独を味わうだけでなく、守るべき人間すら守れなかった無力感を味わい、自分を狙うだけでなく人々を次々に殺戮するゲドンへの怒りを燃やすことになる。

十面鬼の命令の意図を把握し、アマゾンを殺すのは自分でなくても、自分に課せられたアマゾンが腕輪の秘密を知ることを防ぐことだけは完遂しきった獣人大ムカデの執念も恐ろしく、手段を選ばない非情のゲドンの恐ろしさがさらに強調されていく。
果たして、アマゾンは自らが狙われる理由を、ギギの腕輪に秘められた謎を解くことが出来るのだろうか。アマゾンの孤独な戦いは続く。

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