「仮面ライダーアマゾン」第6話「インカ縄文字の謎!!」感想

2024年3月29日金曜日

仮面ライダーアマゾン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

アマゾンは傷ついたモグラ獣人を助けた。
だが、「情けなんかいるか」とやせ我慢するモグラ獣人。
そこへ出現する針の弾丸・獣人ヤマアラシ。
インカ縄文字の謎をめぐってアマゾンは戦いを繰り広げる。

明かされるゲドンの謎 無垢なる魂は新たなる絆を紡ぐ

前回、ゲドンの目的が自分の持つギギの腕輪であることを知ったアマゾン。
そして今回、おやじさんの情報網で日本にある古代インカの縄文字の存在を知り、その解読によって、ゲドンが自分を狙う理由、そしてゲドンと戦う理由を明確にすることになる。
さらに、アマゾンの、他者に蹂躙される命を見捨ててはおけない優しさが、また一人友となる存在との絆を紡ぐことになり、ゲドンの非道に抗う力となっていく。
社会からの拒絶に苦しみながら、それでも自分を信じてくれる命を守ろうとする無垢なる魂の想いが多くの人に伝わり、巨悪を挫く力になろうとしていた。

アマゾンライダーに負けて逃げ帰ってきただけでなく、ゲドンの狙いがギギの腕輪であることを話してしまったモグラ獣人を、ただでさえ失敗に狭量な十面鬼が許すわけがなかった。
怒りが収まらない十面鬼ゴルゴスは、二度も失敗したモグラ獣人が最も苦しむ方法での処刑を行うため、地底で暮らすモグラが苦手とする陽の光に晒される苦しみを味あわせるべく、鎖で身動きを封じ、一日中天日に晒して日干しにしてしまおうとする。

最も苦しむ方法での処刑を行う十面鬼の非道が描かれるシーン。
十面鬼が狭量かつ非道なのは今に始まったことではないが、一思いに殺さずに最も苦しむ方法で殺すことで失敗の責任を文字通り死ぬまで追求する残酷さは、ある意味で文明社会から隔絶した地域で成立した、呪術的な要素が強い組織であるゲドンならではの非情さとも言える。

バイクで引きずられ、処刑現場へ連行されるモグラ獣人。その様子をアマゾンが見ていた。
赤ジューシャによって鎖で縛られたモグラ獣人は、強烈な陽の光によって苦しみ、みるみるうちに身体中の水分を失って乾きに苦しむ。そこに、アマゾンが水を差し出した。
敵の情けを受けないと強がるモグラ獣人だが、アマゾンはそんなモグラ獣人を黙らせ、水を飲ませてモグラ獣人の命を救う。だが、その様子を赤ジューシャが見ていた。

例え殺し合いをした相手であっても、無惨に蹂躙され、無駄に殺される命を放って置けるほど、アマゾンは非情ではない。狭量な十面鬼とは見事に対照的で、結果的にこの優しさの差、懐の深さの差が、アマゾンと十面鬼の命運を分けることになる。

赤ジューシャの報告を受けた十面鬼は、ギギの腕輪を持つアマゾンと、アマゾンに情けをかけられた裏切り者のモグラ獣人を両方とも殺そうと、人面石から獣人ヤマアラシを生み出した。
一方、アマゾンとモグラ獣人は処刑場から脱出。アマゾンは調合した薬を塗り、モグラ獣人の傷を癒やすが、モグラ獣人はあくまでも意地を張ってアマゾンの情けを拒絶する。
そこにまさひこが現れた。前回、自分を拉致したモグラ獣人を当然ながら恐れるまさひこだが、アマゾンは怪我をしているモグラ獣人を見捨てられない。自分を拉致した存在にまで優しいことをまさひこに咎められて困惑するアマゾンだが、まさひこもなんだかんだと懐が深く、敵ですら救うアマゾンの優しさを認め、モグラ獣人を治療することを受け入れる。
まさひこはモグラ獣人に、ゲドンがギギの腕輪を狙う理由を尋ねるが、モグラ獣人はあくまでも意地を張って口を割ろうとせず、礼は言わないと強がって何処かに去っていった。

自分を拉致したモグラ獣人のことを恐れ、そんなモグラ獣人を助けるアマゾンを一度は咎めるものの、その敵にすら情けをかける優しさこそがアマゾンの良いところだと理解し、モグラ獣人のことも受け入れるまさひこは、アマゾンとも偏見なく友達になるだけあって懐が深い。
こうしたまさひこの姿勢も、モグラ獣人が後にアマゾンの友となった一因だろう。

だがそこに、獣人ヤマアラシが現れた。
針のついた弾丸になって襲ってくる獣人ヤマアラシの執拗な追跡がアマゾンを襲う。
噛みつかれ、弾丸となる獣人ヤマアラシの猛威にたちまち傷だらけになったアマゾンを見かねて、まさひこは竹を手に取って獣人ヤマアラシを殴打する。
アマゾンはまさひこを危険に巻き込まないために逃亡するのだった。
獣人ヤマアラシから逃亡するアマゾンがまさひこを背負ったまま水に飛び込むのが大胆で、そんなアマゾンに文句一つ言わず身を預けるまさひこのアマゾンへの信頼も伺える。

帰宅したまさひこは、家にアマゾンを連れてきていた。そこにおやじさんも尋ねてくる。
マイペースにバナナを食べるアマゾンたちをよそに、おやじさんは城北大学考古学研究室にアマゾンの奥地で掘り出された古代インカの遺物があるという情報を伝え、そんな古代インカの遺物の中にゲドンについての手がかりがあるのではないかと熱弁する。
だが、バナナを差し出すアマゾンに毒気を抜かれてしまうのだった。
まさひこはアマゾンに、ギギの腕輪を狙うゲドンの秘密を探りに行くんだとおやじさんの長い話を要約した内容を伝え、一同は城北大学に向かう。だがそれを、赤ジューシャが尾行していた。

考古学研究室に通された一同は、そこでインカの縄文字を現すキープを発見する。
キープとは、言葉はあったが文字はなかった古代インカで、縄に複雑な結び目を作ることで情報を記録、伝達する縄文字を現す縄である。アマゾンはキープに目の色を変え、おやじさんの仲介で縄文字を間近で見せてもらうことになった。
だがそこに獣人ヤマアラシが現れ、研究室の学生からキープを奪って逃亡。
アマゾンは獣人ヤマアラシを追うが、素早い動きに困惑している間にキープを赤ジューシャに投げ渡されてしまい、獣人ヤマアラシに足止めされてしまう。

アマゾンは獣人ヤマアラシを振り切り、ジャングラーで赤ジューシャのオートバイを追う。
ジャングラーのフロントカウルが開き、放たれた銛が赤ジューシャのオートバイを撃ち抜いたが、赤ジューシャは逃亡し、追いついてきた獣人ヤマアラシがなおもアマゾンを足止めする。
獣人ヤマアラシの体当たり攻撃の連続に苦戦するアマゾン。
しかしそこにモグラ獣人が現れ、アマゾンをトモダチと呼ぶと、向かってくる獣人ヤマアラシからアマゾンを縦穴に隠すことで守った。裏切り者を処刑せんとする獣人ヤマアラシはモグラ獣人を穴から引きずり出すが、アマゾンに阻まれ撤退する。

アマゾンがモグラ獣人にかけた情けが、巡り巡ってアマゾンを助ける展開が描かれた。
社会から拒絶されながら、蹂躙される命を守る使命と優しさを捨てなかったアマゾンの無垢なる魂が報われ、ここにアマゾンは新たなる友を得たのだった。
どんなに拒絶されても信じる者のために戦い、助けを求める命を見捨てない優しさが報われる展開は、大いなる感動を呼んでくれる。

一連の報告を受けた十面鬼ゴルゴスは、モグラ獣人への怒りを爆発させた。
9つの人面も、体中の血を一滴残らず吸い尽くして八つ裂きにすると意気込む。
一方、キープを確保した獣人ヤマアラシの功績を称えた十面鬼は、ゲドンの秘密を示したキープを守り抜くために、赤ジューシャにアジトで保管するように命じる。
だが、赤ジューシャが去った後、アジトにモグラ獣人が潜入してキープを奪還した。
薬草で傷を癒やしていたアマゾンは、モグラ獣人からキープを託される。
改めて、2人の無垢なる魂は「トモダチ」となったのだった。

アマゾンはキープの縄文字を解読する。
100の20倍の昔、2000年前に不思議な科学を持ったインカの国があった。
その謎を解く鍵が、ギギの腕輪とガガの腕輪。
2つの腕輪が合わされば、インカ科学が発見した恐るべき超エネルギーの秘密が解ける。
2つの腕輪を手に入れた者は、超エネルギーの力で世界を自分の物にすることが出来るのだ。
ここに、ゲドンの世界制覇の野望を知ったアマゾンは、世界の平和を守り抜くためにギギの腕輪をゲドンに渡さない決意を固め、モグラ獣人はアマゾンとの友情を確かなものにする。

そこに、ゲドンの目的を知ったアマゾンと裏切り者モグラ獣人を抹殺すべく、獣人ヤマアラシが現れた。アマゾンはキープをモグラ獣人に託し、獣人ヤマアラシとの死闘を開始する。
ゲドンの謎を秘めたキープを改めてモグラ獣人に託すさりげない描写で、アマゾンもまたモグラ獣人を「トモダチ」と認め、信じ抜くと決めたことを無言で語っているのが見事な描写だ。

獣人ヤマアラシの針で傷を負ったアマゾンの鮮血が川を赤く染めていく。
怒りの咆哮を上げたアマゾンはアマゾンライダーに変身し、血で血を洗う死闘を演じる。
噛みつき攻撃で獣人ヤマアラシにダメージを与えていくアマゾンライダー。
回し蹴りが獣人ヤマアラシの防御を粉砕し、続けて決まった大切断が、獣人ヤマアラシの身体を切り裂いた。おびただしい出血。青い血が迸り、獣人ヤマアラシは倒れた。
モグラ獣人はキープをアマゾンライダーに返却し、戦いは終わった。
ついにゲドンの謎を知ったアマゾンに怒りを燃やす十面鬼。
アマゾンの本当の戦いが、ここから始まる。

モグラ獣人が仲間になり、アマゾンがゲドンの目的を知るなど、第1話より展開してきたゲドンに理不尽に追われ、社会からも拒絶されるアマゾンのドラマが劇的な進展を見せた。
「仮面ライダー」シリーズ初の味方側の怪人となるモグラ獣人は、レギュラーとしてコメディ・シリアス両面で活躍し、「仮面ライダーアマゾン」独自のドラマを盛り上げていくことになる。
視聴者としても、まさひことおやじさん以外からは拒絶されてきたアマゾンの優しさを理解する存在が現れたことは1話からの辛い展開の好転を予感させ、カタルシスを感じる展開だ。
こうして、ナレーションが語るように、アマゾンとゲドンの本当の戦いが始まった。

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