「バトルフィーバーJ」第28話「謎のボートを追え」感想

2024年3月6日水曜日

バトルフィーバーJ 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

移動中だったビッグべイザーの姿を、カメラマンが偶然写真に収めてしまった。
バトルフィーバー隊の貴重な情報を得たカメラマン。
エゴスはそのカメラマンに目をつけて捕らえると、バトルフィーバー隊調査に協力させる。
海上の基地破壊作戦に全力を上げるエゴス。戦いは海上に移るのだった。

いざ鎌倉 引き裂かれた親子の絆を救え

ボートで海に出ようとする男を、妻とおもしき女性と息子が見つめていた。
顔を曇らせる息子・哲也が見送る中、男を乗せたボートが海に出る。
ボートを操縦していたのは、エゴスだった。

ケニアとマリア、ケイコ隊員とマサルとトモコ隊員は、鎌倉にレジャーに来ていた。
ケニアはさだまさしの「縁切寺」を歌い、鎌倉には寺がいっぱいだと上機嫌。
一方で、マサルは逗子マリーナに行きたいらしい。
一同はタクシーで逗子マリーナに向かう。やたらと鎌倉に詳しい様子を見せるケニア。
逗子マリーナに着いたマサルは、ミニスーパーカーが走っている様子を笑顔で眺める。
25話でミニスーパーカーレースに参加していた描写が活かされた描写だ。
ケニアがこんな豪華なところに一同を引き連れてきた訳は、逗子マリーナの会員券を持っているかららしい。ケイコ隊員たちは、本当にケニアが会員券を持っているのかと心配する。
豪華な部屋に一同を案内したケニア。しかし、ケニアが持っていた会員権は、スナックケニヤのマスター・青木茂雄のものを拝借してきたものだった。
ケニアはまたしても「縁切寺」を歌ってごまかすが、調子の良さをマリアにツッコまれる。

21話・22話の能登半島編における能登ロイヤルホテル滞在といい、やたらと豪華なロケーションでのタイアップとおもしき展開が多い。
新鮮なロケーションが多いので、見ている分には楽しい展開だ。

逗子マリーナで、ミニスーパーカーレースを楽しむ子供たちを笑顔で眺めていたケニアは、冒頭の少年、哲也が母親に反発し、ミニスーパーカーから降りて逃亡する様子を目撃。
哲也が心配になったケニアは後を追いかけるが、母親の正体はエゴスのクラゲウニ怪人だった。
一目で顔を思い出せなかったものの、写真を見てケニアの正体を察知したクラゲウニ怪人はヘッダー指揮官に連絡を入れる。ケニアたちはレジャーに来ている以上、エゴスの目的には気づいていないと判断したヘッダー指揮官は、ケニアを隠密に始末するように告げる。
エゴスはこの逗子マリーナを拠点にバトルフィーバー基地を破壊する計画を立てていたのだ。

哲也を見つけたケニア。母親の正体を知らないケニアは、母親に反抗する哲也に母を知らない自分の身の上を告げると、母を大事にするように諭す。
そんなケニアに、哲也は父親がボートに囚えられていると訴えるが、そこにクラゲウニ怪人が変装した母親が現れ、哲也を連れ去ってしまった。
本物の哲也の母親はエゴスに軟禁されていた。クラゲウニ怪人は本物の母親を、哲也ともども地下に監禁してしまう。サロメはボートに乗って海に出た際に偶然バトルフィーバー基地を写真に収めてしまったカメラマン・信也を捕らえると、息子である哲也と妻の秋子を人質にして、写真を撮影した地点の付近まで信也を連行し、バトルフィーバー基地の所在地を探させていたのだ。

哲也の様子を不審に思っていたケニアは、逗子マリーナのプールでカットマンに襲われる。
マリアも助けに入り、プールの中での格闘戦の果て、ケニア抹殺に失敗したエゴスは撤退。
ケニアとマリアは哲也の一件にエゴスが絡んでいると考え、哲也の父親を助けるために港へ向かうが、そこでもクラゲウニ怪人とカットマンが襲撃してきた。
ウニ爆弾を投げるクラゲウニ怪人の猛攻に苦戦するケニアとアメリカは、信也とサロメが乗ったボートが帰港してくるのを確認し、一時撤退。
一計を案じ、警備員に変装したケニアは、アジトへ帰還しようとするサロメたちが乗った車を停車させ、そこにマリアがミニスーパーカーを走らせると、すれ違いざまにサロメの車に発信機を仕掛けた。ケニアは発信機の信号を追って哲也たちが監禁されている屋敷に向かう。

夜になり屋敷に潜入したケニアは、バトルフィーバー基地・ビッグべイザーが写った写真を発見。写真を外で待機するトモコ隊員に渡すが、ケニアがやすやすと潜入出来たのはサロメの罠だった。哲也たちを人質に取られたケニアとアメリカは、クラゲウニ怪人が発生させる3万ボルトの電流で苦しみ、ついにエゴスに捕まってしまう。

一方、基地で待機していたジャパンたちはビッグべイザーに帰還したトモコ隊員からビッグべイザーが収められた写真を受け取り、この写真がビッグべイザーが相模湾海底を移動していた際に撮られたものであると推測。海底移動基地であるビッグベイザーは既に相模湾から離れていたが、そうとは知らないエゴスが相模湾で捜索を続け、哲也たちを苦しめていたのだ。
トモコ隊員はケニアとアメリカに連絡を取ろうとするが、二人に連絡がつかない。
ロボット九官鳥の指示でジャパンたちも逗子マリーナへ向かった。

逗子マリーナで待機していたケイコ隊員から、ケニアとマリア、そして哲也一家もエゴスにボートで海上に連れ攫われてしまった報告を受けたジャパンたちも、ボートに載ってエゴスを追跡。バトルフィーバーとエゴス、二隻のボートの海上追撃戦が始まった。

クラゲウニ怪人はケニアとマリアを海中に沈めて始末しようとする。
窮地に陥っても、哲也たちを希望を捨てないように励ますケニアの姿は、ヒーローとして守るべき人々を不安にさせまいとする優しさを感じさせて良い。
だが、ジャパンたちのボートの執拗な追撃に、エゴスもついに帰港を余儀なくされた。
ケニアとアメリカも自らを縛る捕縛を解き、反撃を開始。
アメリカは哲也たちを救出することに成功し、バトルフィーバーはカットマンを蹴散らす。

裏山に撤退したクラゲウニ怪人を追ったバトルフィーバーだったが、そこにはクラゲウニロボットが待ち構えていた。名乗りを上げながらカットマンを蹴散らすバトルフィーバー。
クラゲウ二ロボットが無茶苦茶に暴れまわる中、戦いは乱戦の様相を呈する。
クラゲウニ怪人はかなりの強豪。バトルジャパンですら一対一では分が悪い。
さらにクラゲウニロボットも暴れ回る窮地に、バトルフィーバーはバトルシャークを呼ぶ。
5人がかりでも動きを抑えられず、ウニ爆弾を無茶苦茶に投げてくるクラゲウニ怪人に苦戦するバトルフィーバーだったが、距離を取ってペンタフォースを放つことに成功。
なんとかクラゲウニ怪人を撃破する。

残すはクラゲウニロボットのみ。バトルフィーバーロボはアタックランサーを使って応戦、クラゲウニロボットの胴体を踏みつけ頭部を分離させるが、なんと頭部が単独で宙を飛び、胴体との同時攻撃を行ってきた。バトルフィーバーロボは頭部が繰り出す放電に苦戦しながらも、頭部が胴体の元に戻ったところに電光剣唐竹割りを決め、勝利する。

こうして鎌倉に平和が戻った。
海水浴に興ずるバトルフィーバーは、哲也たち一家がボートで海に出る様子を見る。
ビッグベイザーを破壊せんと執念を燃やすエゴスの野望は阻止されたのだった。

ケニアを主人公に、鎌倉で展開されるバトルフィーバー隊とエゴスの熾烈な戦いを描いた回。
ケニアとサロメの策略同士の騙し合い、ボートを使った海上での追撃戦とスパイ・アクション的な見せ場が続出する娯楽編として飽きさせない作りになっているだけにとどまらず、母親を亡くした身の上だからこそ母親に反発する子供を諭す(とはいえ、今回は反発している母親がエゴス怪人の変装ではあったが…)ケニアの優しさも描かれ、ケニアのキャラクターをより一層掘り下げた回にもなっているのが見事だ。

クラゲウニ怪人はかなり強く、クラゲウニロボットが待機した自分に有利な戦場におびき寄せる戦術を用いるだけでなく、最強の男とエゴスに一目置かれるジャパンですら一対一では分が悪い強豪。5人がかりでも動きを抑えられず、さらにウニ爆弾を無尽蔵に投げてくるなど隙がない。
しかしバトルフィーバーを5人まとめて吹き飛ばした際に距離が空いてしまい、ペンタフォースを撃つ隙を与えてしまったのが命取りとなった。
弟であるクラゲウニロボットも頭部を分離させて胴体と同時攻撃を行うなどトリッキーな戦法と高圧電流でバトルフィーバーロボを苦しめ、強豪として記憶に残る。

27話に続き、バトルフィーバー隊の素性を暴いたエゴスは、今度はバトルフィーバー基地・ビッグベイザーを破壊しようと暗躍を続けている。秘密通路を突き止めての直接侵入作戦が上手くいかないと見るや、目撃情報を洗い出し基地の所在を突き止めようとする戦略の柔軟性は驚嘆に値する。バトルフィーバー隊も、まだまだ油断はできない。

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