「仮面ライダーアマゾン」第14話「十面鬼死す!そして新しい敵!?」感想

2024年4月25日木曜日

仮面ライダーアマゾン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ゲドンの十面鬼を地獄の底に叩き落としたアマゾンライダー。
その勝利の姿にかかる不気味な影。
闇に笑う新たな敵・ゼロ大帝率いるガランダー帝国とは…!?

ゲドンの落日 新たなる闇がアマゾンを狙う

この第13話・第14話の前後編に登場し、ゲドン最後の獣人となった獣人ヘビトンボ。
幼虫から蛹を経て成虫になるという点では、ショッカー怪人ドクガンダーを思わせる。
幼虫の状態でアマゾンライダーと戦うものの、次々に両腕を切断され絶命寸前だったが、蛹になることで難を逃れた。十面鬼によれば、この蛹は触れればインカの猛毒を発する罠が仕込まれていたようで、蛹となったヘビトンボを追ったアマゾンが蛹に触れることで始末するという、前回から引き続きアマゾン抹殺のための罠の一部であったらしい。
だが、蛹になっている間に謎の黒ジューシャによって連れ去られたヘビトンボは、謎の新組織・ガランダー帝国のアジトで羽化してしまい、運命が狂い始める。

ヘビトンボはアマゾンにゲドンのアジトを尋問されても口を割らない程度には十面鬼に忠誠心を持っていたものの、ガランダー帝国の指導者、ゼロ大帝に既にゲドンが滅びへ向けて衰退していることを説かれ、指揮官のポストを提示されたことで十面鬼を見限る選択をしている。
十面鬼はこれまで失敗した獣人を容赦なく処刑しようとする恐怖によって獣人を支配し、忠誠を誓わせていたが、そんな恐怖による忠誠が長続きするわけもない。
十面鬼の恐怖から開放されただけでなく、ガランダー帝国の指揮官の座という魅力ある提案をされたヘビトンボが十面鬼を見限るのも、当然の成り行きではある。
こうして、最後の獣人からも見放された十面鬼率いるゲドンは、ついに滅びの時を迎える。

獣人ヘビトンボを倒したアマゾンライダーだが、ヘビトンボは蛹となって逃亡。
そこに十面鬼が飛来し、アマゾンライダーは人面石によって押しつぶされようとしていた。
念入りに押しつぶし、アマゾンライダーが圧死したと確信した十面鬼は上昇して死体を確認するが、アマゾンライダーは生きていた。アマゾン抹殺の千載一遇の好機を逃した十面鬼は撤退する。

窮地を脱したアマゾンは、ヘビトンボの蛹を追い、蛹を発見する。
だがそこに突然霧が立ち込めると、女性だけで構成されていた赤ジューシャと違う、男性によって構成された黒いジューシャたちが現れた。これまでと違う相手の出現に混乱するアマゾンの隙をつき、黒ジューシャたちはヘビトンボの蛹を何処かに持ち去ってしまった。
黒ジューシャは黒い服面に白い隈取が特徴的で、ショッカー戦闘員への原点回帰を感じさせる。

その頃、もはや獣人が一人もいなくなったゲドンのアジトでは、十面鬼がヘビトンボの蛹を捜索していた赤ジューシャの報告を受けていた。ヘビトンボの蛹の行方は杳として知れない。
アマゾンが仮に蛹を手中に収めているなら、蛹に触れたことでインカの毒が放出され、インカの毒によってアマゾンの息の根を止めることが出来るはずだった。
十面鬼は赤ジューシャたちにヘビトンボの蛹の捜索を命ずる。

アマゾンは窓からまさひこの病室を訪ねていた。
りつ子もすっかりアマゾンの突飛な行動に慣れ、アマゾンが訪ねてきたことに笑顔を見せる。
まさひこも軽症で数日で退院できることを喜ぶアマゾンに、まさひこと同室の少女・ユミが声をかけてきた。ユミはまさひこからアマゾンの話を聞かされ、アマゾンに興味津々だった。
まさひこの無事を確認し、また窓から帰ろうとするアマゾンに、りつ子はそんなことをすれば泥棒と間違われると玄関へと案内する。アマゾンとりつ子はすっかり打ち解けていた。
退院したらアマゾンとの仲を取り持ち、アマゾンと友達にすると約束したまさひこを、ユミはお礼として病院の地下室で見つけた秘密の場所に案内する。
ユミがまさひこを案内した先にあったのは、ヘビトンボの蛹だった。
そうとは知らず、ユミは毎日少しずつ色が変わっていく様子を観察していたのだという。

蛹を見たまさひこは、これがもしかしたらアマゾンたちが探しているヘビトンボの蛹ではないかと思い、アマゾンに伝えようとする。りつ子と合流し、アマゾンを蛹の場所まで案内するためにアマゾンを探し始めたまさひこ。そこにモグラ獣人が現れ、話を聞いたモグラ獣人がまさひこの案内で蛹がヘビトンボかどうかを確認することになった。
りつ子は引き続きアマゾンを探し、アマゾンとおやじさんと合流、病院の地下室に向かう。
地下室で蛹を見たモグラ獣人は、これが間違いなくヘビトンボで、しかももうすぐ羽化すると察知。するとそこに、何者かの足音が聞こえてきた。

身を隠したモグラ獣人とまさひこたちは、地下室に入ってきた白衣の男たちと黒ジューシャたちが、ヘビトンボの蛹を何処かへ運び出そうとしているのを目撃。
それに驚いたまさひことユミが物音を立て、黒ジューシャに捕まってしまう。
怯えてまさひこたちを助けることもしなかったモグラ獣人は、先程の黒ジューシャが男だったことから、ゲドンに男のジューシャなどいたかと訝しむ。
そこにアマゾンたちが駆けつけたが、既にもぬけの殻だった。モグラ獣人はまさひこたちが攫われたことをおやじさんに責められると、拗ねて何処かに行ってしまう。
アマゾンは蛹についていたインカの毒の匂いを感知し、後を追う。
りつ子もアマゾンを信じ、まさひこの救出を任せるのだった。
りつ子がアマゾンのせいでまさひこが危険に巻き込まれると思っていた頃を思うと、アマゾンならまさひこをゲドンから助けられると信じ、アマゾンを後押しする姿が感慨深い。

黒ジューシャたちが呪文を唱える中、ついにヘビトンボの蛹が羽化の時を迎える。
成虫と化した獣人ヘビトンボは十面鬼を探すが、周囲を取り囲む黒ジューシャに困惑する。
そこに、何者かの声が聞こえてきた。
ここはゲドンではなく、ゲドンの新しい組織は十面鬼から自分に鞍替えしたのだと語るその声は、新たなる悪の組織、ガランダー帝国を支配する暴君、ゼロ大帝のものだった。
既にゲドンには力がないと語るゼロ大帝は、十面鬼ゴルゴスを倒してゲドンに取って代わり、ガランダー帝国がガガの腕輪を手に入れると宣言する。
そしてヘビトンボに、新たな仕事として十面鬼からガガの腕輪を奪うことを命令する。
失敗や裏切りを許さず処刑を行う十面鬼への恐怖からゲドンを裏切れないヘビトンボだったが、まだ十面鬼がヘビトンボへの信任を持つことに付け入る隙があると説かれた上に、成功すればガランダー帝国の指揮官の座に就くことが出来るという条件をちらつかされる。
ヘビトンボは逡巡の果てに、ついにガランダー帝国の傘下に就くことを選択。
ゼロ大帝は、まさひこたちを生贄として献上するフリをして十面鬼に近づくように命ずる。

敵組織の劇的な交代劇として印象的で、同じ塚田正煕氏が監督した「イナズマン」第25話・第26話では、デスパー軍団が戦力を手に入れるため尖兵としてウデスパーをファントム軍団内部に送り込み、クーデターでファントム軍団を壊滅、既にファントム軍団が崩壊に向かっていることと死の恐怖をちらつかせてファントム兵士を離反させ、デスパー兵士としてデスパー軍団に取り込んだ。
ゼロ大帝がヘビトンボを組織に取り込む手法も、既にゲドンが崩壊しているという事実を突きつけ、ゲドンに忠誠を誓っても未来はないことを囁き離反させることに成功している。
結果的にガランダー帝国は自前の戦力を消耗することなく、十面鬼ゴルゴスの抹殺とガガの腕輪の奪取を成し遂げており、戦力を温存してアマゾンとの戦いに備える狡猾さを見せている。
この策略家としての一面で、ゼロ大帝が十面鬼と桁違いの強敵であることが演出されている。

まさひこたちを抱えてゲドンのアジトへ向かうヘビトンボの前に、毒の匂いを追跡してきたアマゾンが現れた。ヘビトンボの吐く溶解液を躱したアマゾンはアマゾンライダーに変身。
アマゾンライダーの飛び蹴りを受けたヘビトンボは、まさひこたちを開放する代わりに自分に手を貸すように交渉を持ちかける。十面鬼を裏切ろうとするヘビトンボの提案に困惑しながら、アマゾンライダーは十面鬼を打倒するために、ヘビトンボとの一時休戦を選択するのだった。

まさひこたちを無事に連れて帰ったアマゾンだが、その表情は暗い。それを訝しむおやじさんに、アマゾンはヘビトンボのゲドンへの裏切りに裏の思惑があるのではないかという不安を吐露する。
その頃、ゲドンのアジトに戻ったヘビトンボは、既に頼れる獣人がヘビトンボしかいない十面鬼に無事を喜ばれ、アマゾンを襲ってギギの腕輪を奪うことを命じられる。
だが、ヘビトンボはアマゾンを既に劔岳に捕らえていると騙して、十面鬼を誘き寄せるのだった。
アマゾンからヘビトンボの裏切りについて聞いたおやじさんは、それが何かの罠だと忠告するが、それでもアマゾンは千載一遇の好機として、罠を承知で十面鬼との対決に挑む覚悟を決めていた。

十面鬼とヘビトンボが劔岳へと飛来すると、そこにアマゾンライダーが姿を見せる。
混乱する十面鬼に、ヘビトンボはついにゲドンへの反逆を宣言。
既に十面鬼にゲドンの指揮権はないと突きつけるヘビトンボに、十面鬼は怒りを爆発させる。
十面鬼はその魔力で周囲を爆発させる猛攻を加えるが、アマゾンライダーの反撃でまた一つ人面の息の根が止められ、石化した。「ブラック・オン・ゴールド」の呪文で再び周囲を暗闇に包んだ十面鬼だが、アマゾンライダーとヘビトンボの同時攻撃が炸裂する。
さらにアマゾンライダーの腕ヒレの一撃が次々に人面の息の根を止めていく。

だが、突然ヘビトンボがアマゾンライダーをも裏切り、アマゾンライダーに攻撃を加え始めた。
アマゾンライダーも十面鬼も殺し、ギギの腕輪とガガの腕輪を一気に手に入れようとするヘビトンボだが、ヘビトンボの卑劣さを見切っていたアマゾンライダーの大切断で首を撥ねられる。
さらに十面鬼に飛びついたアマゾンライダーは、大切断で十面鬼の右腕を切断した。
最期を悟った十面鬼は自爆し、水爆級の大爆発が起きる。十面鬼は死んだ。
だが、アマゾンライダーはヘビトンボの裏切りとゲドンの壊滅の裏に、新しい敵の出現を感じ取り、あの十面鬼をも上回る脅威に戦慄。新たな敵への怒りの咆哮を上げる。
その頃、ガランダー帝国の基地では、回収されたガガの腕輪が、ゼロ大帝の手に渡っていた。
ゲドンが滅び、2つの腕輪の争奪戦はここに新たな局面を見せることになる。

処刑をちらつかせる恐怖による忠誠に組織の維持を頼っていた十面鬼は、カリスマ性の欠如で恐怖でしか獣人を縛れなかったがゆえに、結果的に自身にとって未来ある選択をちらつかされたヘビトンボの裏切りを招いてしまい、組織崩壊を決定づけてしまった。
それは、アマゾンが友達を信じ、友のために命をかける行動で多くの人たちの信頼を勝ち取り、そうした人々の助けがアマゾンを救っていくのと対象的ですらある。
ヘビトンボに裏切られ、アマゾンライダーに追い詰められた十面鬼を救おうとするものは、誰もいなかった。情けは人のためならず。
非情の掟で他者を支配しようとした十面鬼の末路は、因果応報としか言いようがない。

こうして、ガガの腕輪を密かに手に入れたゼロ大帝率いるガランダー帝国との死闘が始まる。

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