「仮面ライダーアマゾン」第16話「ガランダーの東京火の海作戦!!」感想

2024年5月2日木曜日

仮面ライダーアマゾン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ゼロ大帝の率いる悪の組織、その名はガランダー帝国。
彼の指揮のもと、黒いジューシャが暗躍する。
各地に魔の火の手が上がり、東京が火の海になってしまう。急げ、アマゾン!

恐怖の東京火の海作戦!コンビナート炎上5秒前!!

今回のガランダー帝国の作戦は、ゲンゴロウ獣人が操る火を吹くゲンゴロウを発火物のある施設に差し向け、大規模な火災を次々に起こし東京銃を火の海に包んで焦土に変え、そこにガランダー帝国の新たな都を作り出す「東京火の海作戦」。
ガランダー帝国は歴代でもトップクラスに構成員の少ないミニマムな組織なのだが、仮面ライダー抹殺ではなく世界征服を第一に行動する結果、組織の規模の小ささと反比例するようにやたらとスケールの大きな作戦を次々に繰り広げ、東京を大混乱に陥れている。

ゲンゴロウ獣人は日本の寒い冬ではエネルギーの消耗が激しいらしく、若い女性の血を吸血してエネルギーを補給するため、女性を誘き寄せるアクセサリーを販売する行商人に化ける能力を持つ。
この行商人を演じたのは、「人造人間キカイダー」でダークの首領、プロフェッサー・ギルを演じ、「イナズマンF」「秘密戦隊ゴレンジャー」「スパイダーマン」「宇宙刑事シャリバン」で狂気を孕んだ恐怖の悪を演じてきた名優・安藤三男氏。
怪しげなアクセサリーを売り、呪文を唱えりつ子を襲うその狂気の演技は、搭乗シーンは少ないが存在感抜群。むしろ正体であるゲンゴロウ獣人になってからはゼロ大帝に怯え命乞いをする小物になってしまうので、仮の姿である行商人の方が怖いという稀有なキャラだ。

アマゾンは、黒ジューシャたちが黒い服を着た行商人を抱えて何処かへ向かう様子を尾行していた。だが、アマゾンの尾行に気づいた黒ジューシャたちは行方をくらませてしまう。
アマゾンを撒いた行商人は、駅前の路上でアクセサリーを販売していた。
変わったデザインのアクセサリーに興味を抱いたりつ子たちはアクセサリーを物色する。
りつ子はその中でも、アマゾン特産だというゲンゴロウ型のブローチ、「ゲンゴローブローチ」に惹かれる。ゲンゴローブローチはあまりにもゲンゴロウそのままの形のブローチで、おそらくは行商人の魔力でブローチに魅入られたのだとは思うが、ちょっと趣味が悪い…。

友人たちはゲンゴローブローチのエメラルドみたいな輝きに惹かれつつもその大きさと気味悪さを敬遠するが、りつ子はアマゾン特産のブローチなら、アマゾンに見せるときっと喜ぶと考える。
行商人はわずか100円でゲンゴローブローチをりつ子に売り、そのゲンゴロウは生きていてひとりでに胸に止まるのだと不気味なことを言い始めた。
すると、ゲンゴローブローチは本当にりつ子の胸にひとりでに取り付く。
そして行商人が呪文を唱え始めると、ゲンゴローブローチが動き出し、りつ子の顔に張り付いて血を吸い始めた。虫嫌いからするとあまりにも気持ち悪い…。
さらに行商人はゲンゴロウ獣人となり、りつ子の体に取り付く。
こうして、血を大量に吸い取られたりつ子は貧血を起こして気を失ってしまった。

ガランダー帝国のアジトに戻った行商人は、黒ジューシャにガソリンを集めさせていた。
そこに、りつ子の体から離れたゲンゴロウが戻り、炎を上げるガソリンの中に飛び込む。
そして炎を纏ったゲンゴロウと一体化した行商人は、正体であるゲンゴロウ獣人へ姿を変えた。
ゼロ大帝の元を訪れたゲンゴロウ獣人は、世界征服のために「東京火の海作戦」を命じられる。
成功するか、死ぬかとどちらかだという宣告を受け、ゲンゴロウ獣人は東京火の海作戦へ向かう。
ハチ獣人の成果には満足していたゼロ大帝だが、ゲンゴロウ獣人にはやたらと厳しい。
獣人一人ひとりの性格に応じて、能力を引き出す適切な対応をしているのかもしれない。

病院で目を覚ましたりつ子は、アマゾンたちにゲンゴローブローチを売った行商人の話をする。
その頃、ゲンゴロウ獣人は、火薬工場にゲンゴロウを飛ばしていた。
そして、ゲンゴロウが火を放ち、火薬工場を爆破。さらに同様の手口でガソリンスタンドなど発火性のある建物が次々に爆発炎上し、東京のあちこちが火の海となる地獄絵図が展開される。
その様子を目撃したモグラ獣人から、一連の火事がガランダー帝国の仕業であると教えられたアマゾンは、ジャングラーを飛ばして火事の現場に向かい、火災に巻き込まれかけた子供たちを救う。
そこに、ゲンゴロウ獣人が現れ、アマゾンを襲った。
ゲンゴロウ獣人の猛威に苦戦するアマゾンは川に引きずり込まれる。
アマゾンはアマゾンライダーに変身して反撃。
腕ヒレの一撃を炸裂させるが、ゲンゴロウ獣人は呪文を唱え瞬間移動で逃亡した。

命からがらアジトに戻ったゲンゴロウ獣人は、ゼロ大帝に東京火の海作戦の半ばでアマゾンライダーに追い詰められたことを叱責され、宣告された通り死刑を言い渡される。
ゲンゴロウ獣人は東京火の海作戦は上手く進行している成果を強調し、アマゾンライダーにしてやられたのは冬の寒さでエネルギーが不足しているためだと弁解。
再びりつ子の血を吸ってエネルギーを補充すればアマゾンライダーに勝てると助命を懇願し、その様子にゼロ大帝も一度だけチャンスを与えることにした。

退院したりつ子は黒ジューシャに拉致され、それを目撃したモグラ獣人はアマゾンに連絡する。
ゲンゴロウ獣人は再びゲンゴロウにりつ子の血を吸わせようとするが、うっかり次はコンビナートを襲うと口を滑らせてしまう。東京火の海作戦の真の目的とは、東京を焼け野原にし、そこにガランダー帝国の新たな都を作り出すことだったのだ。
りつ子は血を吸い取られたが、助けに来たアマゾンの声掛けで目を覚ますと、ゲンゴロウ獣人が次はコンビナートを襲うと言っていたことを教える。
コンビナートを炎上させ、東京を新たなガランダー帝国の都にしようと意気込むゲンゴロウ獣人は、ついにコンビナートめがけてゲンゴロウを飛ばす。だが、間一髪アマゾンライダーが現れ、ゲンゴロウを始末。ついにアマゾンライダーとゲンゴロウ獣人の死闘が始まった。

コンドラーのロープでゲンゴロウ獣人の動きを封じ、次々に攻撃を加えるアマゾンライダー。
連続パンチからの大切断でゲンゴロウ獣人の額を裂き、緑色の血が噴出する中とどめを刺した。
ゲンゴロウ獣人は最期に分身のゲンゴロウをガランダー帝国に帰還させ、ガランダー帝国への忠誠を叫びながら散る。だがその忠誠は報われることはなく、東京火の海作戦の失敗に憤るゼロ大帝は戻ったゲンゴロウを容赦なく処刑。
そして、ガランダー帝国の全てを捧げる全能の支配者へ、第一の作戦の失敗を謝罪する。
すると、全能の支配者の声が聞こえてきた。自身の力は無限だと囁く全能の支配者は、ゼロ大帝に一刻も早くガランダー帝国の支配を完成させるように告げる。
果たして、ゼロ大帝の上に立つ全能の支配者とは何者なのだろうか…。

行商人としての底知れない不気味さから一転、獣人としての正体を現すとゼロ大帝にやたら死をちらつかされて怯えたり、どうせ血を吸うなら美味い血であるらしいりつ子の血を吸うことにこだわったり、そのりつ子の前で口を滑らせて次の作戦目標がコンビナートであることを喋ってしまったりするゲンゴロウ獣人のなんとも言えない冴えない立ち回りが面白い回。
りつ子がアマゾンの知人であることは知っており、なぜりつ子に拘るのかをゼロ大帝に問われた際にはそれをりつ子の血を吸う名目としていたので、余計に次の作戦目標を調子に乗って話してしまったうっかりぶりが印象に残る。
想定では貧血に陥ったりつ子が目を覚ますことはないと思ったのかもしれないが…。
だが一方で、そんな冴えないゲンゴロウ獣人によってすら、東京火の海作戦は半ば成功し、大規模火災が続出した東京が大混乱に陥ったことは、ひとえにガランダー帝国の強大さを象徴している。
アマゾンは、この脅威のガランダー帝国を打ち破ることが出来るのか。
そして、ゼロ大帝の上にいる全能の支配者とは…?

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