「バトルフィーバーJ」第45話「心臓停止五分前!」感想

2024年5月14日火曜日

バトルフィーバーJ 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ある日、ケニアとコサックは心臓が弱い少年と出会う。
2人の前で倒れた少年は病院へと運ばれ、手術をしなければ心臓が停止してしまう重体だった。
だが、彼を救える心臓外科医は、シンゾウ怪人を生み出そうとするエゴスに捕らわれていた。

命を繋ぐための決死行 強化心臓を持つ怪人の弱点を暴け

今回のエゴス怪人は、人間の100倍の強さを持つ強化心臓を移植され、人間の100倍の身体能力と、一時間に及ぶ時間、呼吸なしで活動できる規格外のスタミナを持つ強敵、シンゾウ怪人。
さらに、一計を案じたヘッダー指揮官によって、その力の源である強化心臓が人間の心臓の位置に位置しておらず、急所である強化心臓を外部から狙うことも困難。
頭部も特殊合金に守られており鉄壁の守りをも併せ持つ超強力怪人だ。

エゴスはこのシンゾウ怪人を生み出すために、心臓外科医の権威である大沢博士を拉致して強化心臓を移植させており、教授の口から強化心臓を移植した部位の情報が漏れることを防ぐために、もし強化心臓を移植した部位を話せば家族に危害を加える脅しをかけている。
一方、ケニアとコサックがパトロール中に出会った心臓に疾患を抱えていた少年、健太の心臓の手術を行えるのは日本で大沢博士のみであり、健太を救うために大沢博士に接触しようと試みたバトルフィーバーが、エゴスの秘密を知る大沢博士を今後もエゴス怪人の強化に協力させようとして博士を軟禁していたエゴスと激突するというのがこの回の内容である。

コサックとケニアがパトロールをしていると、マサルたちがランニングをしている場に遭遇した。
子供好きのケニアはランニングに励む子供たちと一緒に走り始める。
すると、ランニングをしていた一人、健太少年が突然苦しみ始め、倒れてしまった。
健太は心臓に疾患を抱えていたのだ。ケニアたちは慌てて健太を病院に運び込む。
健太の心臓は手術を急いで行わなければ命に関わるほどの重体だった。
しかし、その手術を日本で出来るのは心臓外科医の権威である大沢博士だけだった。

一方その頃、山中湖の別荘で過ごしていた大沢博士は、エゴスによって拉致されてしまう。
そして、サタンエゴスは怪人製造機から人間の100倍の強さの強化心臓を作り出すと、拉致してきた大沢博士に、エゴス怪人へ強化心臓を移植する手術を行うように命ずる。
自由と引き換えに手術を了承した大沢博士は移植手術を待つエゴス怪人の前に案内され、ヘッダー指揮官は強化心臓を正位置ではない部位へ手術するように命ずるのだった。

山中湖にある大沢博士の別荘に辿り着いたケニアとコサックは、そこでカットマンを発見する。
エゴス怪人への強化心臓移植手術を終えた大沢博士は山中湖の別荘に返された。
だが、エゴスはそれで大沢博士を開放する気は最初からなく、今後もエゴス怪人の強化のために協力させるため、別荘にカットマンを配置し大沢博士を軟禁状態にしてしまった。
エゴスが大沢博士に魔手を伸ばしていることを察したケニアとコサックは別荘へ侵入を試みる。

別荘の屋根から侵入を試みたケニアは足を滑らせ、カットマンが見回りをしているど真ん中に落下しそうになるが、コサックがトランペットを吹いてカットマンの注意を引いた。
このシーンでコサックが吹くトランペットのメロディは、「キカイダー01」のイチローが登場時に吹くトランペットの風切るメロディー。イチローの吹くトランペットを、ジローを演じた伴直弥氏が吹く、キカイダーシリーズファンへのファンサービスが嬉しい。

コサックが注意を引いている隙に別荘内部に侵入したケニアは大沢博士を救出。
カットマンを蹴散らし車の用意をしていたコサックとともに脱出した。
だがそこに、強化心臓を移植されたシンゾウ怪人が恐ろしい速度で車を追ってきた。
強化心臓の働きで驚異的な身体能力を獲得したシンゾウ怪人の執拗な追跡に対し、ケニアと運転を交代したコサックは銃を構え人間で言う心臓の箇所を正確に撃ち抜くが、人間の心臓の位置と異なる位置に強化心臓を移植されたシンゾウ怪人には通じない。
そして、その位置を知る大沢博士も、家族に危害を加えることを仄めかされ、何も話せずにいた。
ついにケニアたちはシンゾウ怪人に追いつかれてしまい、エゴスの包囲網に取り囲まれる。

その頃、健太が運び込まれた病院では、健太の両親が健太を心配そうに見守っていた。
ケニアとコサックが大沢博士を迎えに行ったことを連絡に来たマリアは健太を励ますが、医師は健太の手術にはもはや時間の猶予はないことを伝える。
ケニアは包囲網を突破すべく、自分がシンゾウ怪人を水中に引きずり込んで時間を稼ぐのを買って出て、その間にコサックは大沢博士を連れて包囲網の突破を図る。
水中でも5分間動ける肺活量を持つケニアはシンゾウ怪人を川に引きずり込み、水に沈めて窒息させようとする。だが、シンゾウ怪人は強化心臓によって1時間ものの潜水が可能だった。
ケニアはシンゾウ怪人に逆襲されて水に沈められてしまい、ついに溺れさせられてしまう。
意識を失ったケニアは川を流されていき、シンゾウ怪人たちは再びコサックたちを追い始めた。

コサックたちのもとに追いついたシンゾウ怪人に、コサックはケニアをやられた怒りの銃弾を炸裂させるが、頭部を正確に撃ち抜いた射撃もシンゾウ怪人には通じない。
シンゾウ怪人の頭部は特殊合金に守られていたのだ。コサックは決死の覚悟で博士だけでも助けるため、強化服を纏い奮戦。大沢博士を逃がし、病院へ向かわせようとする。
だが、カットマンの執拗な追跡に焦った大沢博士は山道で足を滑らせ、崖底に落下しそうになってしまう。そしてコサックも、シンゾウ怪人の強烈な一撃で川に落とされてしまった。

なんとか川から脱出したコサックは、川を流されていたケニアを発見。
ケニアはなんとか蘇生し、二人ははぐれてしまった大沢博士を探し始める。
夜になり、闇夜に包まれた山中でエゴスの執拗な追跡をなんとか躱す大沢博士だが、健太の残された時間は少ない。大沢博士を探すコサックとケニアのもとに、フランスとマリアが応援に来た。
コサックから指示を受けたマリアは大沢博士の自宅へ向かい、博士の家族を保護してケイコ隊員たちに託すと、博士の娘の制服を着て娘に変装し、エゴスを誘き寄せようとする。
そこに、大沢博士の娘を確保しようとしたカットマンたちが現れる。

朝になり、大沢博士はエゴスについに捕まってしまった。
だが、そこにジャパンが馬に乗って駆けつけ、博士を救出しエゴスの包囲網を突破するものの、シンゾウ怪人はその脅威の身体能力で馬に追いつき、ジャパンを捕捉。
そこに駆けつけたコサックたち3人も加わり、シンゾウ怪人との決戦が始まる。

ジャパンは槍をシンゾウ怪人に投げつけ、胸に突き刺すが、シンゾウ怪人の心臓はそこにはない。
家族に危害を加えると仄めかされ、シンゾウ怪人の秘密を話せない大沢博士が苦悩する中、サロメが大沢博士の娘を連れて現れ、秘密を話せば娘に危害を加えると大沢博士を脅す。
だが、サロメが連れてきた博士の娘はマリアの変装だった。マリアの口から家族の無事を伝えられた大沢博士は、シンゾウ怪人の心臓は頭部にあることを教える。
そして、シンゾウ怪人の後頭部は防弾処理されておらず、そこが唯一の弱点だった。
バトルフィーバーはついに逆襲に転じる。そこにシンゾウロボットが現れた。
バトルフィーバーはコマンドバットをヌンチャクへと変形させカットマンを蹴散らしていく。
一方、シンゾウロボットは回転し、強烈な毒ガスを発生させてバトルフィーバーを攻める。

バトルフィーバーロボが発進し、ジャパンが乗り込んだ。
シンゾウ怪人は脅威のスピードとパワーでバトルフィーバーを圧倒する。
周囲を走り回り、目を回そうとしてくるシンゾウ怪人の戦法に苦戦するバトルフィーバーだが、逆にスクラムを組んで回転することで連続キックを叩き込む戦法で反撃。
そして、後頭部にペンタフォースを炸裂させてシンゾウ怪人を倒した。
残すシンゾウロボットも、真剣白刃取りからの電光剣唐竹割りで粉砕。
バトルフィーバーの勝利だ。

こうして大沢博士は無事に病院に送り届けられ、ケンタの手術は無事に成功した。
バトルフィーバー必死の救助作戦が功を奏し、心臓停止五分前の少年は救われたのだ。

大沢博士がシンゾウ怪人の秘密を知りながら話せずにいることを、家族に危害を加えることを仄めかされたことで口を割れないのだと看破したバトルフィーバーがいち早く博士の家族を保護。さらにマリアが自ら博士の娘に変装することで博士を脅そうとしたエゴスの目論見を粉砕するなど、バトルフィーバーの組織力と駆け引きの巧みさで見事にエゴスを出し抜く描写が痛快なエピソード。

しかし一方で、シンゾウ怪人の力の源である強化心臓をあえて人間と異なる場所に位置させ、シンゾウ怪人の力の源であると同時に唯一の弱点である強化心臓を容易に攻略させない知略を見せたヘッダー指揮官の恐ろしさも演出されている。
シンゾウ怪人がもしそれに加えて完全に強化合金で頭部を囲んで強化心臓をガードしていれば、バトルフィーバーがシンゾウ怪人の驚異的な身体能力に圧倒されていたことは想像に難くなく、物語も終盤になるに伴い、エゴスの脅威も徐々に増している。

前述の通り、コサックが「キカイダー01」のイチローが吹くトランペットの風切るメロディーを吹くのは、キカイダーシリーズのファンには嬉しいファンサービス。
ジローがイチローのトランペットのメロディーを吹く夢のシーンは、キカイダーシリーズと同じく渡辺宙明氏が音楽を担当している作品ならではのコラボレーションだ。

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