「バトルフィーバーJ」第44話「地獄谷の月影一族」感想

2024年5月1日水曜日

バトルフィーバーJ 東映特撮YoutubeOfficial

t f B! P L

あらすじ

地獄谷に隠れ住んでいた月影一族。彼らは妖術を使いこなす一族だった。
そんな月影一族を裏切ったモンシロお蝶が、エゴスに与することになった。
そしてモンシロお蝶はゲンソウ怪人となり、バトルフィーバー隊と月影一族を戦わせる。
さあ、大変だぞ!

策謀渦巻く地獄谷 歴史の影に消えた月影一族との死闘

今回のエゴス怪人は、巨大な蝶の頭部を持つゲンソウ怪人。
妖術を使いこなす能力を持ちながら、平和を望んで歴史の影に消え、地獄谷に隠れ住んでいた月影一族から、私欲のために妖術を悪用しようとして追放された怪盗、モンシロお蝶がエゴスと結託、怪人製造機に入ることでサタンエゴスにエゴス怪人にされた怪人だ。
もともと月影一族として持っていた妖術によって人の心を操り、痺れ毒で相手の自由を奪う幻想殺法・花吹雪を使いこなす強敵怪人である一方、自身を追放した月影一族への復讐のためか、バトルフィーバーと月影一族を互いに争わせ漁夫の利を得ようとする策謀を働かせ、月影一族をエゴスに協力させようとし、それが叶わなければ月影一族の娘を抹殺し、それをバトルフィーバーによる犯行と誤解させることで月影一族をバトルフィーバー抹殺に動かせようとする、卑劣な怪人である。

ヘッダー指揮官のもとに、サロメが女怪盗・モンシロお蝶を連れてきた。
モンシロお蝶は一族全てが妖術を使いこなす、地獄谷に隠れ住む月影一族出身だった。
だが、モンシロお蝶は地獄谷に隠れ住んで一生を終えることに満足できず、妖術を使って華々しく生きようとし、一族を扇動しようとしたことで月影一族から追放されていた。
ヘッダー指揮官は、モンシロお蝶の妖術を使って華々しく生きる望みを叶えてやると告げ、モンシロお蝶を怪人製造機に投入。サタンエゴスはモンシロお蝶を素体に、巨大な極彩色の蝶の頭部を持つエゴス怪人、ゲンソウ怪人を作り出すのだった。

地獄谷に、サロメとゲンソウ怪人が現れた。ゲンソウ怪人は月影一族をバトルフィーバー抹殺に協力させようとするが、月影一族はその申し出を拒絶する。
月影一族は、平和を望んで自身の力を封印し、地獄谷に隠れ住んでいたのだ。
ゲンソウ怪人はその場は退いたが、その夜、音楽の勉強のために東京に住んでいた月影一族の女性・月影麗子が、バトルフィーバーを名乗り、衣服に「J」の文字が刻まれた暗殺集団に襲われ、ゲンソウ怪人の花吹雪によって幻惑されたのち、命を奪われてしまう。
麗子はダイイングメッセージとして「J」の文字を地面に刻み、マッチに火を付ける。
すると、それが狼煙となって月影一族のもとに届いた。
一方、バトルフィーバーもその狼煙を目撃し、狼煙が挙げられた地点に向かう。
麗子が殺された現場に到着したジャパンは、狼煙の上げ方から麗子が旧知の月影一族かもしれないと察知し、マリアに身元の調査を依頼。そして、麗子の体から痺れ薬の痕跡を見つける。

エゴスが新たな怪人としてゲンソウ怪人を生み出したことを掴んだバトルフィーバー。
そして、ロボット九官鳥も恐ろしい敵が山から降りてきていることを忠告する。
その忠告の通り、一族の娘である麗子をバトルフィーバーに殺されたと誤解した月影一族が、その仇を討つため、地獄谷を出て山を降りようとしていた。

マリアの調査で、月影麗子が月影一族の出身であると身元が判明した。
マリアやケイコ隊員たちがビッグベイザーに戻ろうとしていると、そこに月影一族の男が現れる。マリアは強化服を纏いミスアメリカとなるが、月影一族の妖術で自在に動くロープによって翻弄され、月影一族の男の口から放たれた毒液で目を潰されてしまう。
その頃、美容室を訪れたフランスは、そこで美容師に化けた月影一族に襲われ、目から放たれた怪光線が鏡を反射し、鏡に写った相手の動きを封じる月影殺法・鏡縛りをかけられる。
なんとか強化服を纏いその場を脱出したフランスからの連絡を受けたケニアの前にも、道を尋ねるフリをして月影一族が姿を現した。獣の匂いで月影一族であることを察したケニアだが、増援が次々に姿を現し、妹の仇を討とうとする月影一族の猛攻を受ける。
コサックの銃撃でその場を脱したケニアや、フランス、視力が回復したマリアをビッグベイザーに集めたジャパンは、自分と月影一族の接点について話し始めた。

10年前、地獄谷で武道の訓練をしている時に谷底に転落したジャパンは、そこで地獄谷に隠れ住む月影一族に助けられ、手厚い看護で回復した過去を持っていた。
怪我が治るまでの間、月影一族に言葉に尽くせない大恩を受けたジャパンは、彼らが無意味な戦いをするはずがないことから、何者かがバトルフィーバーと月影一族を戦わせる策謀を巡らせていると判断し、月影一族の誤解を解くために月影の頭と会談に向かう。

ジャパンは月影一族に伝わる狼煙を上げた。
するとそこに、次々と月影殺法・木の葉落としの手裏剣が襲いかかる。
そして、姿を現した月影の頭との会談が始まった。
だが、音楽を愛し東京へ留学していた麗子を殺された月影一族の恨みは深かった。
恩人の妹を殺す道理はないと、懸命にバトルフィーバーの無実を訴えるジャパンだが、月影一族はバトルフィーバーが自分たちの力を恐れたのだと聞く耳を持たない。
だが、月影一族の一人の計らいで、ジャパンは月影の頭と剣を交えることになった。
自分たちの潔白を証明するために、ジャパンは迷いなき太刀筋を見せる。
その太刀筋を見た月影の頭は、心清ければ剣もまた清しとし、ジャパンの剣にはやましさがなく、自分たちを信じてほしいという叫びを剣に乗せたジャパンの心を信じると判断する。
ジャパンは、バトルフィーバーを騙り麗子を殺した犯人を見つけ出すことを誓うのだった。

その頃、マリアたちは麗子が殺された現場に居合わせた目撃者の証言から、蝶のような怪人、ゲンソウ怪人がバトルフィーバーの名を騙る暗殺集団を指示していたことを掴む。
だが、ゲンソウ怪人はこのままではバトルフィーバーと月影一族を潰し合わせることが出来ないと行動を起こし、ジャパンの様子を監視するために後をつけていた月影一族の男が、ゲンソウ怪人の幻惑で池に引きずり込まれて、そこにバトルフィーバーの名を騙る暗殺集団が現れた。
このままではまたしてもバトルフィーバーと月影一族の衝突が起こってしまう。
間一髪、コサックとケニアがそこに駆けつけ、バトルフィーバーの名を騙る暗殺集団の姿を捉える。連絡を受けたジャパンたちや、騒ぎを聞きつけた月影一族も駆けつけ、暗殺集団の正体を掴んだバトルフィーバーは、ついに麗子の仇を討とうとする月影一族の誤解を解くことに成功。
偽バトルフィーバーに化けたカットマンたちは月影一族によって始末される。
だがそこに、ゲンソウ怪人たちが現れた。バトルフィーバーとゲンソウ怪人の決戦が始まる。

ゲンソウロボットも現れ、花吹雪が舞う中で死闘が展開される。
バトルシャークが発進、バトルフィーバーロボにジャパンとアメリカが乗り込んた。
蝶のように舞うゲンソウロボットと、痺れ毒とともに放たれる幻想殺法・花吹雪を繰り出すゲンソウ怪人の猛攻がバトルフィーバーを苦しめる。だが、幻想殺法・花吹雪を、木の上に登って回避したバトルフィーバーは、ペンタフォースを叩き込みゲンソウ怪人を倒した。
そしてバトルフィーバーロボも盾であるバトルシールドでゲンソウロボットの花吹雪を防御すると、電光剣唐竹割りでゲンソウロボットを一刀両断する。

バトルフィーバーと月影一族は和解し、ジャパンはいつか村を訪ね、再会することを誓う。
ゲンソウ怪人の謀略は、バトルフィーバーの正義の前に敗れた。
月影一族との友情を胸に、エゴスとの新たな戦いに気を引き締めるバトルフィーバーであった。

強力無比な妖術を使いながら、平和を望んで自らが隠れ住むことを選んだ月影一族と、そんな月影一族の掟に抗い私欲のために力を使おうとした抜け忍・モンシロお蝶が怪人となったゲンソウ怪人との攻防が描かれた回。一族の復讐のためにバトルフィーバーと戦う月影一族だが、かつて交流したジャパンの真心を込めた剣の太刀筋がバトルフィーバーの潔白を証明することに成功し、私欲にまみれたゲンソウ怪人の策謀が、ジャパンの正しき心に基づく剣で粉砕されるのは痛快だ。

ハイド怪人から、怪人製造機に欲望に負けた人間を入れて怪人とするようになったエゴス。
怪人による大規模作戦で人間の心を堕落させるだけでなく、堕落した心を持つ人間を怪人に変えることで、より人間の欲望を強化した怪人を作り出し、大規模な策謀を計画するようになっている。
バトルフィーバーの正しき心は、その陰謀を打破してエゴスを倒すことが出来るだろうか…。

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