「仮面ライダーストロンガー」第6話「先生に化けたクラゲ奇械人!」感想

2024年6月22日土曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

変幻自在に次々と人々の体に乗り移るクラゲ奇械人。
今、1人の少年にブラックサタンの魔の手が伸びようとしていた。
ブラックサタンが企む秀才少年生け捕り作戦を阻止しようと、茂とユリ子が立ち向かう。

先生が変だ!秀才を狙う奇械人の陰謀

今回の奇械人はクラゲ奇械人。
市川治氏の凛々しい声が印象的なこの奇械人は、全国の秀才小学生を拉致し、その脳を奇械人の頭脳として利用する作戦の実行役として選ばれ、秀才小学生の先生にサタン虫として乗り移り、小学生を拉致している。既に何名かの秀才小学生が拉致された中、次なるターゲットとして選ばれた少年・堀文夫を巡って城茂や岬ユリ子との戦いが始まるというのが今回の大まかな流れだ。
奇械人の頭脳として小学生の脳を使うという点に関しては、凝り固まった大人の脳よりも、若い子供の脳の方が柔軟で、洗脳や脳改造が行いやすいというのはあるのかもしれない。

先生や母親が怪人に乗っ取られ拉致されてしまうというのは、前回の学校給食に毒を混入させる作戦と合わせ、視聴層である子供たちにとっての身近な恐怖を演出している。
サタン虫に寄生された人間が身近にいるかもしれないという不気味な怖さに加え、自分たちを直接狙ってくる恐ろしさを演出して、子供たちにとって地に足のついた怖さが強調されている。

平和な小学校。
テストの採点をしていた教師、松本義江に不気味な液体が忍び寄っていた。
白い液体は、100点の答案にまとわりつくと、ブラックサタンのクラゲ奇械人の正体を現す。
何も怖がることはない、お前の肉体を拝借したいだけだと妙に紳士的な態度を見せるクラゲ奇械人は、サタン虫を松本に寄生させ、身体に乗り移る。
悲鳴を聞きつけた用務員をやり過ごすと、松本に憑依したクラゲ奇械人は、100点の答案に書かれた堀文夫を、自らの標的に決める。その耳には、サタン虫に寄生された証の黒い痣があった。

その頃、ブラックサタンのアジトでは、日本中から拉致された秀才少年少女が、機械に身体を囚われて泣き叫び、助けを求めていた。一ツ目タイタンは日本中から選んだ秀才の少年少女が持つ若くて優れた脳を取り出し、奇械人の頭脳にしようとしていた。
機械のスイッチをいれると同時に電流が走り、子供たちは苦しむ。
そこに、クラゲ奇械人からの電話が来た。クラゲ奇械人は、人の名前をMr.タイタンや松本先生と丁寧に呼んでおり、やはり何処か紳士的な言動を見せて印象に残る。
次に拉致する秀才少年として、テストで100点を取った堀文夫をターゲットに決めたことを報告したクラゲ奇械人は、電送写真で文夫の顔写真をタイタンに送信。
その顔つきを見た一ツ目タイタンは、利口そうな顔をしている文夫をターゲットに正式決定するのだった。妙に楽しそうな一ツ目タイタンのテンションの高さも印象的だ。

さすらいの旅をしていた城茂と岬ユリ子の前に、一人の少年が飛び出してきた。
その少年こそ、ブラックサタンに標的にされた文夫だった。
文夫は二人に助けを求める。そこに、松本先生が現れた。文夫を連れて行こうとする松本先生だが、文夫はお前は松本先生じゃないと拒絶。なんでも、手が妙に湿っているらしい。
城茂はいったん文夫を咎めるフリをして松本先生に引き渡し、松本先生の水で濡れた足跡が
残っていることを確認。ユリ子も彼女が怪しいことを察知し、二人は後を追った。

本性を表したクラゲ奇械人が文夫を連れて行こうとするのを、ユリ子が阻んだ。
ブラックサタンだと露見したクラゲ奇械人は、松本先生の身体から離れ奇械人の姿を現す。
戦闘員が出現し、ユリ子を足止めしている間にクラゲ奇械人は文夫を抱えて逃走。
ユリ子はタックルに変身して立ちはだかるものの、クラゲ奇械人の麻酔泡を浴びてしまい、体が動かないまま崖から落下する。勝利を確信したクラゲ奇械人。
だがそこに、城茂が現れた。
「誰だ、出てこい!」
「お望み通り出てきてやったぜぇ」
「貴様は何者だ」
「知りたきゃ教えてやっても良いぜぇ、ブラックサタンと戦う城茂とは、俺様のこったい!」
凛とした声で喋るクラゲ奇械人に対して、なぜかべらんめえ口調で返す城茂。
名乗り口上を上げてから戦う段取りといい、江戸っ子気質のようだ。
城茂はブラックサタン戦闘員を蹴散らし、ストロンガーに変身。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ!」
高台に立ったヒーローを、三方から映すカメラワークが、王道ながらにカッコいい演出だ。
「俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーは電気を帯びた蹴りを叩き込むと、クラゲ奇械人の麻痺泡も回避。
さらにジャンプしてからの電チョップを炸裂させ、クラゲ奇械人に大ダメージを与えた。
液体になって消えたクラゲ奇械人は、狙った獲物は必ず手に入れると捨て台詞を残して逃亡。
ストロンガーの見立てでは、クラゲ奇械人は改造液体人間だったらしく、液体となって逃亡できるのは良いが、ストロンガーの電気技を通しやすいのでストロンガーとの相性は最悪だ。

崖下で気絶していたユリ子はおやじさんに発見されて助けられる。
一方、城茂は文夫を家まで送り届けていた。
文夫を出迎えた母親は、文夫を連れて家の中に入っていき、凄い教育ママだと感心する城茂。
文夫の部屋には、松本先生が待っていた。当然文夫は警戒し、ブラックサタンの奇械人だと訴え逃げてしまう。松本先生が怪訝に思っていると、窓から城茂が入ってきた。
城茂は松本先生の様子を確かめ、本物だと確信。だがそこに落ちていた、文夫の母親がつけていた手袋が濡れていたことから、クラゲ奇械人は今度は文夫の母親に憑依していると察知する。

文夫の母親の後を追う城茂を監視していたタイタンは、ブラックサタンオートバイ部隊を出動させる。ストロンガーとブラックサタンオートバイ部隊の熾烈なバイクチェイスが砂浜で展開された。
敵のオートバイを蹴散らし、砂浜で大ジャンプするカブトローがカッコいい。
「ストロンガー」は企画段階で「仮面ライダー」シリーズのウリであるバイクアクションを見せ場にすることが意図されており、カブトローもベース車両が異なる車両が3種類用意され、城茂が普段から乗り回すオンロード用のカブトローの他に、ストロンガーが戦闘時に乗り込むオフロード(モトクロッサー)タイプとトライアラータイプがシーンによって使い分けられている。
オンロード用のカブトローはテール部分にテールカウルを備えているが、オフロード用の2台はそのテールカウルも省略された、ヒーローが乗るマシンとしては異例とも言えるほどにシンプルなフォルムで派手なバイクアクションに対応している。

その頃、文夫は母親に連れられてどこかの森の中にいた。だが、文夫が母親の手が濡れていることに気づくと、クラゲ奇械人は母親の身体から抜け出し、文夫を襲う。
ブラックサタンオートバイ部隊の執拗な追跡を、エレクトロファイヤーを走らせ一掃したストロンガーは、急いで文夫のもとへ向かう。
一方、おやじさんに助けられ意識を取り戻し、おやじさんのジープで移動していたユリ子は、文夫の助けを求める声を聞き、タックルに変身して駆けつける。
電波投げでクラゲ奇械人を足止めしたタックルだが、そこにブラックサタン戦闘員が現れ、今度は自分が足止めされてしまう。だが、文夫を抱えて逃げるクラゲ奇械人の前に城茂が現れた。
クラゲ奇械人は再び液体になって姿を消し、アジトへ戻る。
だが、城茂はクラゲ奇械人が移動した後に、体液が付着している痕跡を発見するのだった。

アジトに戻ったクラゲ奇械人は、文夫を脳を取り出す機械にセット。
城茂に助けを求める文夫を嘲笑う一ツ目タイタン。だがそこに、城茂の口笛が聞こえてきた。
激しい電流とともに、壁を突き破って現れたストロンガー。
体液の痕跡を残してくるドジを踏んだクラゲ奇械人を叱責した一ツ目タイタンは、ストロンガーの抹殺を命じて自分は姿を消す。いよいよクラゲ奇械人との決戦が始まった。
助太刀に来たタックルに子供たちの救出を任せ、ストロンガーは戦う。

崖から叩き落としたブラックサタン戦闘員に、自らも飛び降りて電撃の追い打ちを仕掛けるストロンガー。立体的なアクションがカッコいいシーンだ。
クラゲ奇械人は液体となって姿を消し、不意をついて現れる戦法でストロンガーを撹乱する。
だが、触手でストロンガーを捕らえたのが災いし、逆に電気を流されて感電。
そこに、ストロンガー電キックが炸裂した。
とどめを刺したかに見えたが、クラゲ奇械人は巨大な頭部を破壊されてもなお生きており、白い服免状の素顔が露となる。とは言え、ダメージは大きく抵抗する力が残されていないクラゲ奇械人は、ストロンガーに海に投げ飛ばされ、水中に強力な超高圧電流の渦を流し、あらゆる物質を一瞬のうちに分裂・破壊する電気ストリームをでとどめを刺される。
タイタンは燻らせた煙草を踏み潰し、ストロンガーへの憎しみを募らせるのだった。

クラゲ奇械人の、巨大な頭部の下に素顔にあたる頭部があるというのは「アマゾン」のガマ獣人を思わせるギミック。とはいえ、ガマ獣人は巨大な頭部を武器として投げつけるというインパクトがあったが、クラゲ奇械人の場合は巨大な頭部を破壊された段階で抵抗する力が残されておらず、素顔を晒したところに追い打ち気味に電気ストリームで分解されてとどめを刺されるという、ちょっと可愛そうな段取りのためのギミックになっている。

無事に救出した子供たちに見送られ、城茂たちが出発しようとしたその時。
おやじさんが、自らもブラックサタンと戦う仲間に入れてほしいと申し出てきた。
握手を交わす城茂とおやじさんだが、城茂とユリ子はおやじさんを無視して去っていく。
ブラックサタンを求めて、城茂のあてなき旅は続く。その旅は、終わりのなき旅であろうか。

クラゲ奇械人の、紳士的な口調と追い打ちを食らって爆散する末路が印象的な回。
また、中盤でかなりの尺を取って演出されたカブトローとブラックサタンオートバイ部隊の死闘も印象的で、バイクアクションを見どころにした「ストロンガー」らしいエピソードになっている。
城茂のべらんめえ口調や、子供たちを苦しめて妙に楽しそうな一ツ目タイタンのオーバーリアクションなど、全体的にテンションが高めの演出が楽しい回だった。

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