「仮面ライダーストロンガー」第10話「恐怖のガンマー虫!人間を狙う!!」感想

2024年7月7日日曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

一晩で膨大な数にまで繁殖するというガンマー虫。
その虫が人間の体内に入ることで、その人間は命令どおりに動くという。
奇械人ハゲタカンを操るブラックサタンは、「ガンマー虫作戦」を実行に移す。

恐怖の東京乗っ取り計画 見た!ブラックサタン大幹部タイタンの正体

今回のブラックサタンの奇械人は奇械人ハゲタカン。
これまでブラックサタンが人間の体に乗り移るのに使ってきたサタン虫を上回る効果と繁殖力を誇る「ガンマー虫」を空中から散布し、一気に大勢の人間をブラックサタンの支配下に置く作戦を実行する、飛行能力を持つ奇械人だ。

ガンマー虫は劇中で繁殖力の高さこそ説明されていたものの、肝心の耳から人間の体に侵入して身体を乗っ取ってしまう効力に関しては人間の耳から侵入する描写がサタン虫と同じ描写だったこともあり、既存のサタン虫との違いが判然としなかったが、仮面ライダー公式サイトの奇械人ハゲタカンの項目によればサタン虫よりもガンマー虫の方が強力であるということらしい。

サタン虫と用途が被っている虫を新たに生み出した意味がわからなかったが、サタン虫よりも強力であるということを踏まえれば、サタン虫による人間の体の乗っ取りが奇械人が体を押さえつける必要があるのに対し、ガンマー虫は空中から散布するだけで人間の体の乗っ取りを行えるので、ガンマー虫単体でも人間に襲いかかり身体の穴から侵入することが出来るということなのだろう。

ブラックサタンの科学者は、新しい昆虫、ガンマー虫を開発した。
ブラックサタンの大幹部、一ツ目タイタンはガンマー虫を数百、数千に繁殖させ、人間に取り付かせることで大勢の人間を一気に支配下に置こうと企んでいたのだ。
今回、一ツ目タイタンはスーツ上からマントを着用し、怪紳士としてのイメージを強めている。
拉致していた実験人間を使い、ガンマー虫の効力を確かめた一ツ目タイタンは、ガンマー虫によって支配下に置いた実験人間に、実験人間自身の首を絞めて自殺するように命じる。
ガンマー虫によって自我を奪われた人間は自らの首を絞め絶命するのだった。

ガンマー虫の効果に満足した一ツ目タイタンに、ブラックサタン大首領はガンマー虫の培養に適した場所と人材のデータを送信し、ガンマー虫の培養開始を命ずる。
データに従い、東南大学細菌研究所の等々力博士をマークし始めたタイタン。
等々力博士が車で出かけたのを確認したタイタンは、戦闘員に待ち伏せを命令。
等々力博士の乗る車をまきびしで足止めし、等々力博士が車から降りたところを、奇械人ハゲタカンが襲撃した。ブラックサタンへ協力し、ガンマー虫の培養を行うように迫る奇械人ハゲタカンに、等々力博士は決然とした態度でガンマー虫の存在を一笑に付す。
力尽くで協力させようとする奇械人ハゲタカンから逃走する等々力博士だが、奇械人ハゲタカンは翼を羽ばたかせ、等々力博士の体を引き寄せて捕まえてしまう。
だがそこに、口笛が響き、ストロンガーが現れた。

等々力博士はやたらと気骨がある人物のようで、奇械人ハゲタカンが現れても動じず、ガンマー虫の話を聞いたこともない、バカバカしい話だと一笑に付し、ブラックサタンへの協力を拒んで逃亡を図るなどタフなところを見せている。
奇械人ハゲタカンも結論を急ぐタイプのようで、協力するのかしないのかと高圧的に迫った結果、等々力博士の反骨心を煽ってしまったようだ。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーは戦闘員を電タッチで焼き尽くし、等々力博士を連れて逃亡を図る奇械人ハゲタカンを追う。空を飛び逃げる奇械人ハゲタカンに、大ジャンプで迫ったストロンガーだが、さすがに空中戦では翼を持つ奇械人ハゲタカンに一日の長があり、地面に叩き落されてしまった。
奇械人ハゲタカンは足止めのためブラックサタンオートバイ部隊を出動させた。
カブトローに乗ってオートバイ部隊に対抗するストロンガーだが、着地した奇械人ハゲタカンは等々力博士を気絶させると、ストロンガーへ向けて腕に備えた砲塔から砲弾を発射。
砲弾を躱したストロンガーに飛びかかり、翼を羽ばたかせて起こす突風で攻める。
だが、その突風もストロンガーの態勢をわずかに崩すことしか出来ず、ジャンプして奇械人ハゲタカンに接近したストロンガーは連続パンチで奇械人ハゲタカンを痛めつけ、撤退に追い込む。

等々力博士を救出した城茂は、ユリ子と合流した。
意識を取り戻した等々力博士に、城茂はなぜブラックサタンに狙われたのかを尋ねるが、そこに等々力博士の妻がタクシーに乗って駆けつけた。
なんでも、等々力博士の娘の静江が交通事故に遭ったのだという。
等々力博士はタクシーで自宅へと向かい、自宅のベッドで意識を失っている静江に声を掛ける。
だが、静江の耳には、ブラックサタンの支配下にある証の黒い痣があった。
そして、等々力博士の妻の耳にも、黒い痣があった。
等々力博士の妻は、静江の生殺与奪の権は既にブラックサタンに握られていると話す。
困惑する等々力博士の前に、天井に潜んでいた奇械人ハゲタカンが現れた。
一度狙った相手は逃さない奇械人ハゲタカンは、たとえ拒否されても等々力博士に乗り移り、ガンマー虫の培養を行うことを宣言すると、等々力博士に襲いかかった。

等々力博士の悲鳴を追い、城茂は等々力博士の自宅に踏み込んだ。
だが、既に奇械人ハゲタカンに乗り移られていた等々力博士は城茂を追い返す。
その頃、ブラックサタンのアジトでは、一ツ目タイタンが戦闘員にガンマー虫のサンプルを渡し、奇械人ハゲタカンの下へと運ばせようとしていた。
一ツ目タイタンは一晩で数百、数千に数を増やすガンマー虫を培養し、東京の空からガンマー虫を散布することで、東京中の人々を一気に支配下に置こうとしていたのだ。

奇械人ハゲタカンに乗り移られた等々力博士は、東南大学細菌研究所に向かっていた。
その様子を監視していたユリ子は、細菌研究所の前で移動販売車を停め、焼きとうもろこしを売る準備をしていた老人に声をかけ、等々力博士の素性を尋ねる。
老人から等々力博士の名を聞き出したユリ子。だが、老人はなんとタイタンの変装だった。
タイタンは無線機で研究所内で培養を行っている奇械人ハゲタカンに連絡を取り、ユリ子に正体を気取られないように釘を刺す。
タイタンからの忠告を受けた奇械人ハゲタカンは、戦闘員から渡されたガンマー虫のサンプルに培養液をかけ、その数を増やそうとしていた。
「さぁ、さぁ!栄養たっぷりの培養液を飲んで、ドンドコドンドコ増えていくんだぞぉ~!ほ~れ、増えろ増えろ、増えるんだ~!増えるんだ~!!」

だが、奇械人ハゲタカンの手の中にいたガンマー虫の一匹が外へ逃げ出し、東南大学を出た男の衣服に付着。男は気づかずに大学を出てしまった。
それに気づいたタイタンは、奇械人ハゲタカンに慌てて連絡する。
ガンマー虫は衣服を登り、男の耳から体内に侵入。男は苦しみ、気絶してしまった。
そこに通りかかったおやじさんは慌てて男をジープに乗せ、病院へ運ぼうとする。
だが、車のキーがなくなってしまっていた。
キーはブラックサタン戦闘員が変装した男たちに奪われており、ガンマー虫に乗っ取られた男がおやじさんを襲う。だがそこに、城茂が駆けつけた。

城茂は戦闘員を蹴散らし、おやじさんの車のキーを奪い返す。
おやじさんは病院へガンマー虫に乗っ取られた男を運ぼうとするが、そこに奇械人ハゲタカンが現れ、男の体内からガンマー虫を抜き出した。
そのまま逃亡を図る奇械人ハゲタカンの前に、城茂が立ちはだかり、ストロンガーに変身する。

アーク・フラッシュが迸り、ストロンガーが現れた。
ストロンガーは奇械人ハゲタカンに、等々力博士を狙った理由を尋ねる。
「奇械人ハゲタカン!等々力博士を狙ったワケは何だ!」
「知りたいか、ライダーストロンガー!死ねぇ!!」
会話のドッジボールが展開されているが、奇械人ハゲタカンからしたらここで等々力博士を狙った理由を話してしまって計画が露見すれば全てが水の泡。
計画を邪魔される怒りに流されず、冷静に作戦を秘匿しているのは有能だ。
ストロンガーは奇械人ハゲタカンに猛攻を加え、なおも等々力博士を狙った理由を尋問する。
「さぁ言え!等々力博士を何故狙った!!」
「煩い!!」
奇械人ハゲタカンはストロンガーの顔面を殴り距離を取ると、翼を羽ばたかせて起こす突風でストロンガーを吹き飛ばし、その隙に逃亡した。

奇械人ハゲタカンが何を企んでいるのか、訝しむストロンガー。
そこに、ガンマー虫に乗っ取られた男を病院に運んだおやじさんが戻ってきた。
おやじさんはストロンガーに、奇械人ハゲタカンが男の耳から変な虫を取り出したことを教える。
ストロンガーは、等々力博士が狙われた理由にその虫が関係していることを悟るのだった。

その頃、ユリ子は東南大学細菌研究所に潜入していた。
等々力博士の研究室が留守であることから、ユリ子はタックルに変身し潜入する。
タックルはそこで、ガンマー虫が恐ろしい速さで数を増やしている現場を目撃する。
そこに、タイタンが現れた。
見てはならないものを見てしまったタックルを、タイタンはここで始末せんとする。

戦闘員が現れ、タックルを襲う。
タックルは電波投げで戦闘員を倒すが、そこに奇械人ハゲタカンが現れた。
「今度こそライダーストロンガーより先に、このタックルが片付けてやる!」
「身の程知らずめ!」
奇械人ハゲタカンが翼を羽ばたかせ強風を起こすと、タックルは気絶してしまった。
いくらなんでも弱すぎる気もするが、逆にストロンガーが相手ではなかったら奇械人ハゲタカンの起こす強風はこれほどまでに強力なのだと思っておこう。

囚われの身となったユリ子は、奇械人ハゲタカンによってガンマー虫を体内に埋め込まれ、ブラックサタンに逆らえない、本当の奇械人へと改造されようとしていた。
そこにタイタンから城茂が接近している旨の通信が入り、奇械人ハゲタカンは戦闘員にユリ子の見張りを任せると、等々力博士の体に乗り移って城茂を出迎えた。
奇械人ハゲタカンに乗り移られた等々力博士はまたしても城茂を追い返す。

城茂が東南大学細菌研究所を出たことを確認したタイタンは、奇械人ハゲタカンに通信で連絡を取っていた。だが、城茂は焼きとうもろこし売りの格好をしていたタイタンに、焼きとうもろこしを買うふりをして声を掛ける。
「どうしたんだよ?耳が遠いのか。とうもろこし、とうもろこしくれよ!」
タイタンが変装した老人が代金を受け取ろうとした時、城茂はその腕を取り、隠し持っていた無線機を取り上げ、老人の顔をしながら手が若いと詰問し、正体を明かすように迫る。
「この補聴器は無線機にもなんのか。一見老人だが手は若い。そろそろ正体を見せたらどうだ!」
逃亡した老人は、追ってきた城茂の前でついに怪紳士タイタンの顔を見せる。
「度々お目にかかったことがあるぜ!」
「今一つの顔を知るまい…ブラックサタン大幹部。その名も、Mr.タイタン!」
タイタンは怪人としての姿である、一ツ目タイタンとなった。
ついにタイタンの正体を暴いた城茂は、タイタンを倒してブラックサタンの陰謀を砕くべく戦いを挑む。だが、一ツ目タイタンはその目から熱線を放ち、城茂を高熱の炎で襲う。

そして、ついに奇械人ハゲタカンによるガンマー虫の培養も成功してしまった。
「ガンマー虫の培養は成功したぞ…これだけあれば、東京都民の半分に取り付く。ブラックサタンの東京乗っ取り作戦の開始だ!」
奇械人ハゲタカンはその前に、捕らえた城茂と岬ユリ子の処刑を宣言。
ブラックサタンの処刑場へ二人を運び、死刑にしようとするのだった。
ブラックサタンの裏切り者に相応しい死に様として、火葬場で焼死させようとするタイタンと奇械人ハゲタカン。城茂が目を覚ました時には既に遅く、戦闘員によって火をつけられてしまう。
城茂はこの窮地を脱するために、身体を電気分解して脱出を図るのだった。
サラッと凄いことを言っているが、この身体を電気分解する能力は映像としては描写されず、台詞で電気分解して脱出した、ということだけが言及されるにとどまっている。

裏切り者のあっけない最後に勝ち誇る奇械人ハゲタカン。
だがそこに、城茂の高笑いが響いた。城茂とユリ子は無事に脱出したのだ。
「ハゲタカン!俺の力を見くびったようだな!」
「何を!どうして抜け出た!」
「その秘密はお前たちには明かさん!」
またしても会話のドッジボールが展開されているが、下手にブラックサタンに脱出方法を教えれば次から対策を打たれることは必至。
なので、秘密の切り札として身体の電気分解能力を隠しておくのは正しい判断。
とはいえ、「そんなこと、俺が知るか!」なみに乱暴というか、パワフルな台詞ではある。

煙突の上で高笑いする城茂に、奇械人ハゲタカンは戦闘員を向かわせる。
だが、城茂は煙突の梯子に高圧電流を流し、戦闘員の身体を焼き尽くす。
「ははっ、ちょっと電気が強すぎたかな!変身…ストロンガー!!」
城茂はストロンガーに変身し、ユリ子もタックルになった。
ストロンガーはタックルに戦闘員を任せ、逃亡を図る奇械人ハゲタカンを追う。
奇械人ハゲタカンの大砲攻撃は躱され、反撃のチョップを食らう奇械人ハゲタカン。

奇械人ハゲタカンはなんとか距離を取り、再び大砲攻撃を行うが、ストロンガーはその砲撃を見えない電磁波の防御膜を張る「ストロンガーバーリア」で防ぐ。
最大火力を防がれた奇械人ハゲタカンは、そこから繰り出されたストロンガー電キックにはなんとか耐え抜き、追い詰められガンマー虫を東京中にばらまこうと飛び立った。
ストロンガーは空に逃げた奇械人ハゲタカンに、「エレクトロサンダー」を発動。
超高圧の電流を空中に発射し、雷雲を呼び寄せ、人工的に落雷を起こさせるエレクトロサンダーにより、落雷が奇械人ハゲタカンに直撃。奇械人ハゲタカンはガンマー虫もろとも爆散した。

等々力博士一家にも笑顔が戻り、城茂は再びブラックサタンを求めてあてなき旅に出た。
仮面ライダーストロンガーの活躍で、東京乗っ取り作戦は失敗した。
だが、ブラックサタンの魔の手は、日本に伸びている。頑張れ、仮面ライダーストロンガー!

奇械人ハゲタカンとストロンガーによる、お互いに手の内を明かさずに好き放題言い合ってぶつかり合う丁々発止の対決が楽しいエピソード。
焼却炉に閉じ込められてからの脱出といえば、「仮面ライダーV3」第3話「死刑台のV3」と第4話「V3の26の秘密!?」では風見志郎が棺桶に閉じ込められ、あわや焼死に追い込まれたが、こちらは高熱によって起こった風でダブルタイフーンが起動し、V3に変身して脱出という流れだったのに対し、城茂は身体を電気分解して脱出しており、あくまで改造電気人間であるストロンガーの力の源である「電気」にこだわったフレーズでの脱出を行っている。
後に放つストロンガーバーリアやエレクトロサンダーと合わせ、電気の力を使いこなしあらゆる窮地を脱してみせる、圧倒的に強い頼もしいヒーロー像が徹底されていて痛快だ。

この回で、ついにブラックサタンあるところ姿を見せていた怪紳士の正体がブラックサタンの大幹部・タイタンであることを掴んだ城茂。
だが、一ツ目タイタンはストロンガーの電気に対して炎を操り、城茂を一敗地にまみれさせ、捕えることに成功しており、奇械人と桁違いの強敵であることが演出された。
この強敵に対し、城茂とユリ子はどう挑んでいくのか。
ブラックサタンとの戦いは、新たな局面を迎えることになる。

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