「仮面ライダーストロンガー」第9話「悪魔の音楽隊がやって来た!!」感想

2024年7月6日土曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ある演奏会で奏でられた音色で、観客たちが猛獣のように猛り狂ってしまった。
その事件もやはり裏でブラックサタンが暗躍していた。
その現場を見張っていた城茂は、謎の人物である紳士・タイタンを目撃する。

人を狂わせる悪魔の音楽 子供と大人の最終戦争が迫る

今回のブラックサタンの奇械人はカマキリ奇械人。
カマキリの目玉が人間の頭蓋骨になっている不気味な容姿を持つこの奇械人は、特別出演としてオープニングにクレジットされ、本人役として出演されたチャーリー石黒氏の体にサタン虫乗り移りを行い、チャーリー石黒氏が結成した楽団「チャーリー石黒と東京パンチョス」の演奏会で洗脳作用のある音楽を奏で、演奏会に訪れた大人たちを洗脳、子供たちを襲わせる作戦を実行。
そして、自分たちを襲撃する大人たちから逃れ、教会に避難した子供たちの前に今度は神父の体に乗り移って現れると、教会のオルガンで子供たちをも洗脳。
子供と大人を互いに争わせ社会を大混乱に陥らせ、人間を全滅させようと目論んだ。

せっかく本人役として特別出演してくれた「チャーリー石黒と東京パンチョス」の方々は、サタン虫に乗り移られて洗脳音楽を奏で、サブタイトルで「悪魔の音楽隊」とまで言われるとなんだか散々な扱い。まあ、あくまでサタン虫に乗り移られているだけなので別にいいのだろうが…。

ある地方都市で、東京からきた楽団「チャーリー石黒と東京パンチョス」による演奏会が開かれていた。その客席には、楽団の様子を監視する城茂と、その城茂を監視するタイタンの姿があった。
城茂は「この町にはそぐわない立派な音楽会」にブラックサタンの陰謀を感じ、音楽会を監視していたのだという。ナチュラルに地方都市に失礼な発言だ。
音楽会は大盛況で15分の休憩に入る。観客が一旦客席を出るのに紛れ、演奏会場を出たタイタンを怪しんだ城茂は、ユリ子に音楽会の監視を任せてタイタンの尾行に向かった。

だが、タイタンの行動は城茂を誘い出すための揺動だった。
タイタンからの連絡を受けたチャーリー石黒氏に、地方都市の市長が挨拶に訪れる。
そこに、偶然外から蝶が飛んできた。
すると、チャーリー石黒氏は蝶に目を奪われ、なんと蝶を食べてしまう。
「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のジュリエッタ・ジュリスばりの異常行動に市長が面食らっていると、チャーリー石黒氏の耳の穴からサタン虫が飛び出し、カマキリ奇械人が現れた。
市長は既にブラックサタン戦闘員に取り囲まれており、カマキリ奇械人は自らの正体を見た市長を両腕に備えた巨大な鎌と鎖分銅で抹殺してしまう。

再び「チャーリー石黒と東京パンチョス」の面々の体内に戻ったカマキリ奇械人たちは、演奏会の第二部を開始した。その頃、城茂が尾行しているタイタンを乗せた車が姿を消してしまう。
だが城茂は慌てることなく、ストロンガーに変身。特殊な赤外線を発して姿を消した敵を見つけるカブトキャッチャーを使い、タイタンを乗せた車を発見し尾行を続けた。
一ツ目タイタンは神経ガスを放つが、ストロンガーには通用しない。
そこで一ツ目タイタンは地雷を撒き、カブトローを爆煙に包んだ。
ストロンガーを始末したと勝ち誇る一ツ目タイタンだが、そこに口笛が聞こえてくる。
生きていたストロンガーは一ツ目タイタンの正体を暴こうと接近するが、一ツ目タイタンも全く動じずにブラックサタン特攻隊を出動させる。ミサイルを背負ったブラックサタン特攻隊はストロンガーに纏わりつき、ミサイルを自爆させてストロンガーを足止め。
一ツ目タイタンはその隙に姿を消し、ストロンガーはタイタンを取り逃がしてしまうのだった。

その頃、演奏会では突然「チャーリー石黒と東京パンチョス」の奏でる音楽が音程の狂ったものへと変貌。それを聞いていた観客のうち、大人たちだけが苦しみ始めた。
さらに、演奏会場の屋上にいたブラックサタン戦闘員によって、演奏会で奏でられている「チャーリー石黒と東京パンチョス」の狂った演奏が町中に放送される。
それを聞いた大人たちは突然子供たちに憎悪を燃やし始め、子供たちを殺そうと襲い始めた。
アジトに戻った一ツ目タイタンはその様子にほくそ笑み、大首領の声と作戦の成功を喜んでいた。
ブラックサタンは大人たちを狂わせる催眠音楽を全世界中に広げ、大人と子供を互いに憎み合い殺し合わせることで人類を滅亡させようとしていたのだ。

不気味な動きとともに催眠音楽を奏でさせ続けるチャーリー石黒氏を止めるため、ユリ子は電波人間タックルに変身。電波投げでチャーリー石黒氏の動きを止める。
演奏が止まると同時に暴れる大人たちも動きを止めるが、チャーリー石黒氏は東京パンチョスの面々に演奏を続けさせ、大人たちの暴動を再開させた。
そして、チャーリー石黒氏の体内からサタン虫が飛び出し、カマキリ奇械人が出現。
東京パンチョスの面々の体からもブラックサタン戦闘員が出現する。
カマキリ奇械人はタックルを襲うが、そこに演奏会場に戻ったストロンガーの口笛が響いた。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺の名は仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーはタックルに子供たちの避難を任せ、カマキリ奇械人と対峙。
数の暴力でストロンガーを押さえつけようとする戦闘員の人海戦術も、ストロンガーの超パワーには通じない。演奏会場から逃亡したカマキリ奇械人を追い、工事現場での死闘が始まった。
電タッチでブラックサタン戦闘員を焼き尽くすストロンガーに、カマキリ奇械人は巨大な鎌と鎖分銅で挑む。ストロンガーのキックを鎖分銅で撃墜したかに見えたカマキリ奇械人だが、大振りな武器が災いし、地上での接近戦ではストロンガーに手も足も出ない。
巨大な鎌を投げつけても回避され、鎖分銅を絡みつかせれば逆に高圧電流を流される。
直接対決ではあまりにも分が悪いカマキリ奇械人は逃走するのだった。

凶暴化した大人に襲われ、子供たちは大人を見ると逃げ回るようになっていった。
地方都市を訪れたおやじさんは、大人を怖がる子供たちの異常な様子を訝しむ。
子供たちを匿うユリ子と合流したおやじさんは、他の子供たちが隠れている教会まで向かうことになった。教会の神父は、神の護る教会には悪魔の音楽も聞こえないと子供たちを安心させる。
だが、教会は既にブラックサタンの手に落ちており、その奥には一ツ目タイタンがいた。
神父はチャーリー石黒氏から抜け出したカマキリ奇械人に乗り移られていたのだ。

タイタンは教会を出ると、周囲を嗅ぎ回っていた城茂を抹殺すべく、ブラックサタンオートバイ部隊を出動させる。城茂はストロンガーに変身し、カブトローでオートバイ部隊と対決。
周囲を取り囲むオートバイ部隊の包囲を大ジャンプで突破したストロンガーは、一箇所に集まったオートバイ部隊に対し「バッテリーショート」を発動。
オートバイに搭載されている乾電池を一瞬のうちに破壊する電気エネルギーであるバッテリーショートによって、オートバイ部隊は一網打尽にされるのだった。

その頃、教会では神父がユリ子やおやじさん、子供たちに飲み物を持ってきて、和やかな時間が流れていた。だがそこに、外からトンボが飛んでくる。
トンボに目を奪われたカマキリ奇械人は、食欲を我慢できずトンボを捕らえ、食べてしまった。
あまりに気持ち悪い光景にユリ子は目を背け、おやじさんや子供たちも呆然とする。だが神父は怪しまれているとは思わなかったのか、みんなの気を静めるためにオルガンを弾くと言い始めた。
神父のオルガンの音色は、最初は普通だったものの、やがて神父の身体が不気味に痙攣すると同時に音程が狂い始め、子供たちへの催眠音楽へと変わっていく。
ユリ子とおやじさんは、神父にカマキリ奇械人が乗り移っていたことに気づいたものの、催眠音楽によって凶暴化し、大人に憎悪を燃やす子供たちに囲まれてしまう。
そして、ブラックサタン戦闘員と子供たちによって、ユリ子とおやじさんは囚われてしまった。

十字架にかけられたユリ子とおやじさんは、カマキリ奇械人によって操られた子供たちによって、カマキリ奇械人が打楽器で鳴らす不気味なリズムが響く中で処刑されそうになる。
十字架の周りで、カマキリ奇械人が鳴らすリズムに合わせ「戦いの踊り」を踊る子供たち。
「ミッドサマー」のような不気味な儀式が進行し、いよいよ子供たちが石を手に持ち、ユリ子とおやじさんに投げつけて殺そうとしたその時、ストロンガーの口笛が響いた。
口笛のメロディーがカマキリ奇械人のリズムをかき消し、操られていた子供たちは気絶。
ストロンガーはエレクトロファイヤーでユリ子とおやじさんの拘束を解き、子供たちの救助を任せてカマキリ奇械人との決戦に挑むのだった。

軽業師のような身軽な動きでストロンガーを取り囲むブラックサタン戦闘員。
だがストロンガーは動じずに、一人ずつ冷静に戦闘員を排除していく。
カマキリ奇械人は戦闘員の攻撃に紛れて鎌を飛ばすが、ストロンガーはそれも冷静に回避。
鎖分銅を振り回すカマキリ奇械人の懐に飛び込んで連続攻撃を加えると、電タッチで鎌を吹き飛ばした。ストロンガーは反撃の隙を与えずにストロンガー電キックを炸裂させる。
カマキリ奇械人はなんとか電キックを耐え抜くが、ストロンガーは新たな技、地面から拭き上げる強力な電気の滝、「エレクトロウォーターフォール」を発動。
周囲一体が逃げ場のない電気エネルギーと化したことで、カマキリ奇械人は爆散するのだった。

こうして、子供も大人も正気に戻り、地方都市に平和が戻った。
ブラックサタンの支配から開放された「チャーリー石黒と東京パンチョス」は改めて演奏会を開き、美しい音色がユリ子やおやじさん、町の人々を楽しませる。
だが、城茂はそれを聞くこともなく、ブラックサタンとの次の戦いへ旅立っていた。
人の心を狂わせる、恐ろしい悪魔の音楽会は終わった。
だが、ブラックサタンの次の狙いは何か。負けるな、仮面ライダーストロンガー!

カマキリ奇械人はどうも虫を見ると食べずにはいられないほど食欲が旺盛なようで、この行動によって市長に正体が露見し、ユリ子やおやじさんにも怪しまれている。
それをきっかけに正体を詰問されることはなかったとはいえ、せっかく人間の体を乗っ取って暗躍しているのに随分迂闊な立ち回りではあった。

毎回のように電気人間としての能力を使いこなした新たな技を披露するストロンガーだが、今回は「バッテリーショート」と「エレクトロウォーターフォール」を披露。
バッテリーショートは毎回活用すればブラックサタンオートバイ部隊を速攻で無力化出来てしまう強力な能力で、バッテリーに大電流を流してショートさせ破裂させる技なのだろう。
エレクトロウォーターフォールはエレクトロファイヤーの規模を拡大し、敵へ向けて電流を走らせるだけでなく周囲一体に電気を流し、滝のように吹き上げる強力な技。
水中でしか使えない電気ストリーム以上に万能かつ逃げ場のない技だ。
電気を駆使した様々な技が用いられることで、ストロンガーの「改造電気人間」という最大の個性と頼れるヒーローとしての絶対の強さが十全に演出されている。

ブラックサタンを壊滅させるために、その裏で暗躍するタイタンの影を追い続ける城茂。
今回は逃げられてしまったものの、その直接対決の時も近い。

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