「仮面ライダーストロンガー」第12話「決闘!!ストロンガーの墓場!?」感想

2024年7月14日日曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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 あらすじ

無人の荒野で繰り広げられる決闘。
タイタンの強力な火炎光線を見事に阻止したその相手こそ、ブラックサタンが改造したクモ奇械人だった。彼らはある町に狙いを定め、城茂を誘い出そうとする。

最強奇械人の挑戦!クモ奇械人は二度死ぬ!!

今回のブラックサタンの奇械人はクモ奇械人。
ブラックサタン大首領直々に「最強の奇械人」であると一目置かれ、城茂すら気絶させた一ツ目タイタンの火炎攻撃を阻止するほどの実力を誇る奇械人だ。
素体となった大和田一郎はブラックサタンによる改造前に父親の鉄平に手紙を送っており、その手紙でブラックサタンの存在を知った鉄平は街でブラックサタンの脅威を訴える活動を始める。
それを知ったブラックサタンは鉄平を抹殺すべく、息子である一郎を改造したクモ奇械人を鉄平に差し向けるが、それにより城茂や岬ユリ子にその存在を知られることになるのだった。

そんなブラックサタン大首領肝いりの最強奇械人であるクモ奇械人だが、ストロンガーとの初戦において口ほどにもなく敗北。しかし、自ら最強奇械人と推薦した手前、簡単に切り捨てられなかった大首領の寛大な措置により失敗の責任を取った処刑を免れ、最強奇械人としてのプライドにかけて苦痛に耐えて強化手術を受けることになり、2倍の強さにパワーアップするのだった。

荒野に佇むタイタンは、何者かにライターを投げ渡される。
煙草に火をつけたタイタンは、ライターを投げ渡した男に蜘蛛を投げ返す。
男の正体はクモ奇械人だった。
一ツ目タイタンはクモ奇械人の実力を図るべく、目を光らせて火炎攻撃を実行。
クモ奇械人はその猛烈な火炎を、蜘蛛の糸で防護壁を作り凌いでみせる。
さらに一ツ目タイタンに一撃を加えてみせたクモ奇械人は、一ツ目タイタンに実力を認められる。
クモ奇械人こそ、前回ブラックサタン大首領が話していた最強の奇械人だった。
実力を示したクモ奇械人は、ストロンガーと戦うため、その居場所を一ツ目タイタンに尋ねる。
一ツ目タイタンは、ストロンガーと戦う前にひと仕事を行うように命ずるのだった。

その頃、街では老人が市民にブラックサタンの脅威を訴えていた。
大和田鉄平というその老人は、懸命に日本が目に見えない敵に狙われていると訴える。
だが、ブラックサタンの脅威など知る由もない普通の市民にとって、目に見えない敵が日本を狙っているという話を訴える鉄平は陰謀論を真に受けてしまった人間にしか見えない。
結果として、彼の話に耳を貸すものはいなかった。
その様子を見ていた城茂とユリ子は、ブラックサタンの存在を知る老人に興味を抱く。
鉄平は、自分の一人息子をブラックサタンに改造されてしまったと涙ながらに訴える。
ユリ子は彼を応援しようとするが、城茂はそんな話など誰も信用しないとシビアな姿勢を見せ、もしかすれば自分たちをおびき出す罠かもしれないと警戒すらしていた。

だがそこに、おやじさんが現れた。おやじさんは鉄平の話に同意し、通行人を強引に止めてブラックサタンが街を狙っていると懸命に訴える。
年甲斐もなく張り切っていると冷ややかな目を向けながら、そこがおやじさんのいいところだと笑う城茂とユリ子。鉄平も同志を得たことで勢いづき、ブラックサタンの脅威を高らかに叫ぶ。
するとそこに、鉄平の息子である一郎が現れた。
一郎は自分は無事なのに何をやっているんだと鉄平を諌め、家に連れて帰る。
一人残され、狐につままれた様子のおやじさんはそれでも懸命にブラックサタンの脅威を訴えるが、突然目の前に巨大な蜘蛛が現れ驚かされる。
さらに、医者の格好をした男たちが現れると、おやじさんを精神病院から抜け出した患者だと触れ回り、抵抗するおやじさんを取り押さえて連行してしまった。
さすがにおやじさんと鉄平を放って置くわけにはいかなくなった城茂とユリ子は、手分けして二人を救うことにし、ユリ子は鉄平のもとに、城茂はおやじさんの元へ向かった。

救急車に運び込まれたおやじさんは、医者を装った人間の耳に黒い痣を見つける。
正体を現したブラックサタン戦闘員がおやじさんを始末しようとすると、突然救急車が止まった。
戦闘員が外に出て確認すると、運転手が気絶させられていた。そこに口笛が響き、城茂が現れる。
「その姿を街の人たちに見せたかったぜ!」
「貴様は城茂!畳んじまえ!!」
「よせやい!お前たちにやられるなんてみっともなくていけねえ。行くぜぇ!」

城茂は戦闘員を軽く蹴散らし、救急車からおやじさんを逃がそうとする。
だが、救急車から出てきたのはタイタンだった。
タイタンは、城茂が一人で動き、ユリ子が鉄平のもとに向かったことを知ると、クモ奇械人にとっては相手が違って不足だろうと、余裕の構えを見せ煙草を燻らせる。
ユリ子とて電波人間タックルである以上、むざむざやられるわけがないと言い返す城茂だったが、タイタンはブラックサタン最強の奇械人であるクモ奇械人には相手が悪いとほくそ笑む。
ユリ子を助けに行こうとする城茂だが、タイタンはその相手は自分がすると宣言し、一ツ目タイタンとなる。城茂もストロンガーに変身し、宿命の対決の幕が切って落とされた。

ストロンガーと一ツ目タイタンは互角に打ち合うが、一ツ目タイタンは目を光らせ火炎攻撃を炸裂させんとする。だが、救急車に潜んでいたおやじさんが、一ツ目タイタンに背後から救急車のシーツを被せて視界を奪い、ストロンガーにユリ子を助けに向かわせる。
自分は死んでもいいと決死の覚悟で足止めするおやじさんの覚悟に応え、ストロンガーはカブトローを飛ばす。ストロンガーを逃がしたタイタンは、おやじさんを気絶させその場を去るのだった。

その頃、大和田邸では、連れ帰られた鉄平が息子の一郎を本物かと問いただしていた。
一郎は、ブラックサタンに改造される寸前、父親の鉄平に手紙を送っており、鉄平はその手紙によってブラックサタンの陰謀を知ったのである。
窓の外からその会話を盗聴していたユリ子は、一郎の様子がおかしいことに気づく。
鉄平は、本物の一郎の耳には黒いほくろがなかったはずだと問い詰める。
すると、一郎はついにブラックサタンの手先としての正体を現した。
「お前の息子の姿であって、息子ではない。大和田一郎は、脳まですっかり改造されて、今ではブラックサタンに忠誠を誓った奇械人」
ブラックサタンは、その暗躍を訴える演説をした鉄平を抹殺すべく、鉄平の息子である一郎を改造したクモ奇械人を派遣したのだ。鉄平を救うべく、ユリ子はタックルに変身して部屋に乱入。
しかし、クモ奇械人はあっさりとタックルを跳ね除け、蜘蛛の糸となるワイヤーで鉄平の身体を絡め取り絞め上げ殺害。そして、タックルの電波投げもクモ奇械人に通用しない。
捕まったタックルは、クモ奇械人の口内の注射器から毒液を注入され、気を失うのだった。

城茂は、大和田家を出た一郎、いやクモ奇械人を尾行していた。
クモ奇械人は城茂を墓場まで連れ出し、墓場に作った「ストロンガーの墓」を見せつける。
「親切なこったぜ。俺の墓まで用意してくれるとはな。これでいつ死んでも安心だ!」
城茂はストロンガーに変身。エレクトラーがスパークし、アーク・フラッシュが迸る!
「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士!仮面ライダーストロンガー!」
クモ奇械人は、タックルをブラックサタンの裏切り者に相応しい殺し方をすると宣言。
ストロンガーはタックルを救うべく、クモ奇械人に勝負を挑む。

ワイヤーの蜘蛛の糸でストロンガーを絡め取ろうとしたクモ奇械人だが、このようにストロンガーを拘束した相手のお約束として、電タッチにより高圧電流を流され感電。
クモ奇械人は、ならば防御に徹するとばかりに蜘蛛の糸の防護壁に篭るが、ストロンガーは蹴りが通じないと見るや、電ショックで高圧電流を流し、防護壁の中を高熱にすることでクモ奇械人を外に引きずり出す。最強の奇械人ですらストロンガーに手の内が通じない。

そこに、一ツ目タイタンが救援に現れ、ユリ子とおやじさんを人質にしたことを告げてストロンガーの動きを封じ、クモ奇械人を回収してアジトへと戻る。
なんとかアジトへ生還したものの、最強の奇械人という触れ込みにも関わらず、口ほどにもない醜態を見せたクモ奇械人に失望した一ツ目タイタン。
クモ奇械人は今一度自分にチャンスを与えるように懇願する。
そこに、ブラックサタン大首領の声が響き、クモ奇械人に強化手術を行うように命じた。
どんな苦痛にも耐えられると改造手術を懇願するクモ奇械人に、大首領は最後のチャンスを与え、大首領の命令に逆らえないタイタンは不満を表情に浮かべながら強化手術を行うのだった。

強化手術を行ったクモ奇械人は、ブラックサタン戦闘員を蹂躙することでその力を見せる。
その力の程を確認したタイタンは、ストロンガーを貨物船に誘き出す用意をするのだった。
その頃、城茂はユリ子の行方を追って、大和田邸を調べていた。
そこに一ツ目タイタンが奇襲をかけ、わざと尾行されるように港まで移動することで城茂を貨物船に誘き出す。タイタンは、地獄の底へ向かうストロンガーを嘲笑うのだった。

その頃、貨物船の中では、捕まったユリ子とおやじさんが吊るし上げられていた。
そこに現れたクモ奇械人は、よせばいいのに冥土の土産でブラックサタンの計画を話し始める。
貨物船の積み荷は世界中に送られる輸出食料であり、クモ奇械人はその食料を毒ガスであるタランチュラガスで汚染して輸出し、日本の国際社会からの信用を失墜させようとしていたのだ。

ユリ子とおやじさんの目前でタランチュラガス発生装置を作動させたクモ奇械人は、貨物船の甲板の上に出る。だがそこでクモ奇械人が見たのは、既に排除された戦闘員たちの姿だった。
クモ奇械人が混乱していると、貨物船内部で爆発音が響いた。
タイタンの罠を見抜いていたストロンガーが既に貨物船内部に侵入しており、ユリ子とおやじさんを救ってタランチュラガス発生装置を破壊していたのだ。

ユリ子とおやじさんは協力して戦闘員を蹴散らし、ストロンガーはクモ奇械人と対決。
「輸出食品を汚染させる…お前の企みも終わりだ!」
強化手術を受けたクモ奇械人は、倍増した怪力でストロンガーを押さえつける。
貨物船から脱出したタックルはおやじさんと協力して戦闘員を倒す。
電波投げのポーズを二人揃って決めているのが面白い。
倒した戦闘員を前に、勝ち誇るおやじさん。確かに年甲斐もない。

反撃に転じたストロンガーは、連続攻撃でクモ奇械人を痛めつける。
小さな蜘蛛となってストロンガーを撹乱するクモ奇械人だが、ワイヤーで絡め取る攻撃はストロンガーにまたしても通じず、電タッチでワイヤーを切断される。
だが、パワーアップの効果で電ショックには耐えたクモ奇械人は、一旦姿を隠す。
クモ奇械人は貨物船の陰に隠れながら移動し、船のマストの上で決着をつけようとしたのか、ストロンガーに上がってくるように要求する。
だが、そんな見え透いた罠に嵌るストロンガーではない。
ストロンガーは船のマストへ向け、エレクトロファイヤーで高圧電流を流す。
クモ奇械人はエレクトロファイヤーで感電してマストから墜落。そこにストロンガー電キックが決まり、2倍にパワーアップした最強の奇械人はあえなく散った。

タイタンは、最強の奇械人であるクモ奇械人がパワーを2倍に上げてもストロンガーに勝てないことから、奇械人をさらに強化しなければならないとストロンガーへの憎悪を燃やす。
ユリ子とおやじさんは、戦いを終えたストロンガーに倒した戦闘員の数を誇る。
だが、ストロンガーは相手にせずに去っていくのだった。
ブラックサタンの陰謀は、まだまだ続く。
それを追う仮面ライダーストロンガーの活躍は、果てしなく続くのである。

前回ラストで、大首領直々に最強を宣言する奇械人の登場が予告されるという前フリが行われながら、初戦ではストロンガーに攻めも守りも通じず、強化手術を受け2倍にパワーアップしてもなおストロンガーに力及ばないクモ奇械人は、その強さを大々的にアピールしていたがゆえにかえってその弱さが目立ってしまった面白いキャラクター。
タックルの電波投げが全く通じないという点では、電波投げで怯ませることが出来たこれまでの奇械人よりも確かに強いのだが、タックルより強いという強さの指標はこれまでの話数を見ているとどの奇械人も達成しているので、目立った戦果とは言い難い。
大首領が強化手術を容認したのも、自分が最強の奇械人だと推薦した手前、引っ込みがつかなくなってしまったようにも見えて面白い構図だった。

大体的にアピールされた強さはたいしたことがなかったクモ奇械人だが、ブラックサタンの脅威を知る男に対し、その息子を奇械人に改造して抹殺するための刺客として差し向ける、親殺しを命じるブラックサタンの残酷さを演出するのには一役買っている。
抹殺する対象への刺客として、その身内を利用する残酷な構図は、次回現れる、岬ユリ子の兄を名乗る奇械人エレキイカ登場の伏線としても機能しているのが面白い。

ストロンガーの活躍で尽く奇械人を打ち破られ、追い詰められた一ツ目タイタン。
ストロンガーと彼の決着の日も近い。
果たしてストロンガーとタックルは、一ツ目タイタンの脅威を打ち破ることが出来るのか…。

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