「仮面ライダーストロンガー」第14話「謎の大幹部シャドウ出現!」感想

2024年7月18日木曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ストロンガーと一ツ目タイタンとの激しい戦いは終わった。
だが、ブラックサタンが新たに送り込んだ次なる大幹部・ジェネラルシャドウが現れる。
新たなる敵の恐るべき計画が、仮面ライダーストロンガーたちに迫っていた。

好敵手・ジェネラルシャドウ出現!狂気の怪力奇械人を打ち倒せ!

今回のブラックサタンの奇械人は、奇械人メカゴリラ。
素手で4人もの人間を惨殺し、狂気に満ちた目で野獣の如き振る舞いを見せる凶悪犯を素体として改造した奇械人メカゴリラは、脱着可能な巨大な鋏を武器とし、怪力でそれを振り回すだけなく、鋏を射出して飛び道具として使い、逃げる相手を捕らえることも可能とする。
そして、鋏を巨大なハンマーに交換することでその怪力をフルに発揮することが可能となり、ハンマーを大地に叩きつける「ゴリラ地震パンチ」によって局地的な大地震を発生させ、地割れすら引き起こす、圧倒的な腕力を最大の武器とする恐ろしい奇械人だ。

そして、前回のラストシーンでその存在を示唆した戦死した一ツ目タイタンの後任としてブラックサタン大首領に魔の国から招聘された新たな大幹部、ジェネラルシャドウがついにその姿を現す。
武器であるシャドウ剣を振るう剣の技や、トランプのカードを使った変幻自在の技を得意とするジェネラルシャドウは、自らを世界一の実力者と証明すべく、同じく世界一の力を誇るとされるストロンガー抹殺のためにブラックサタンに加わった存在である。
それゆえに、ジェネラルシャドウは真っ向からの対決でストロンガーとの決着を望むだけでなく、ブラックサタン大首領に作戦の指揮を命じられても、自分はストロンガーと戦うためだけにブラックサタンに加わったのだと嘯く大胆不敵な面を見せる、底知れぬ実力者である。
新たなる強敵の出現。果たして、ストロンガーは奇械人メカゴリラを倒すことが出来るのか…。

人気のない森の中、トランプのカードが空を切る。
木に突き刺さったスペードのキングのカードは、怪しい光を放っていた。
そして、ブラックサタン戦闘員たちも、森にその身を隠していた。
やがて、パトカーが山道を通り、戦闘員たちが潜んでいる地点へ近づいてくる。
すると、スペードのキングのカードは再び宙を舞い、パトカーの目前で爆発。
さらに、ブラックサタン戦闘員が姿を現し、パトカーを取り囲んだ。
その爆発音を聞きつけた城茂は、急いで山道へと向かう。

ブラックサタンの狙いは、パトカーが護送していた、素手で4人を殺害した凶悪犯を奇械人の素体とするべく拉致することにあった。
戦闘員によってパトカーから開放された凶悪犯は、野獣の如き唸り声を上げながら戦闘員に襲われている警官を踏みつける。城茂はストロンガーに変身し、山道へと急ぐ。

凶悪犯は一言も言葉を発さず、狂ったような瞳で唸り声を上げる。
ブラックサタンは彼を自分たちの用意した車に乗せ、連れ去ってしまった。
警官たちはそれを追おうとするが、ブラックサタン戦闘員に阻まれる。
そこに駆けつけたストロンガーは戦闘員を排除し、警官たちを救った。

だが、ストロンガーはこれまで出現したブラックサタン戦闘員が見せたこともない、高度な連携と軽業を使う戦闘員の群れに襲われる。一人ひとりを躱すことは簡単でも、数の暴力と連携に押されるストロンガーは、今日のブラックサタン戦闘員がいつもと違うことを感じ取り、戦慄する。
するとそこに謎の声が響き、トランプのカードが吹雪のようにストロンガーを包んだ。
トランプ吹雪を脱出したストロンガーの前に、スペードのキングのカードが現れたかと思うと、カードが巨大化。さらにそこから、白装束に身を包んだ怪人が現れた。

「仮面ライダーストロンガーとは、お前のことか…」
「何者だ…名を名乗れ!」
「俺か。俺の名を知らぬとは、お前もよほど迂闊な男…」
謎の怪人はトランプのカードを武器として使うトランプショットでストロンガーを攻撃。さらにストロンガーのキックを、トランプで視界を包んで姿を消す、トランプフェイドで躱してみせる。
瞬間移動にも等しい俊敏さを見せ、シャドウ剣で自らと互角に渡り合う剣技を使う謎の怪人の出現に、ストロンガーも戦慄。エレクトロファイヤーすらも躱され、謎の怪人は再びトランプのカードとともに姿を消した。
「ストロンガーよ。これはほんの小手調べだ…」
「お前の正体は!」
「ブラックサタンの、ジェネラルシャドウ。お前はタイタンの葬式の日に死ぬ…」

ブラックサタンの新たなる大幹部である謎の怪人・ジェネラルシャドウは、ストロンガーとの戦いで戦死した一ツ目タイタンの葬式の日程と場所を伝え、姿を消した。
アジトに戻ったジェネラルシャドウは、すれ違った戦闘員が自分を見る目が気に入らなかったのか、態度の悪さを理由にトランプカッターで首と胴体を切断し処刑する。
このあたりは、「仮面ライダー」でショッカー初の大幹部だったゾル大佐が、戦闘員の服装の緩みを指摘した規律に厳しいところを見せた場面のセルフオマージュだろう。

一方、ブラックサタンのアジトに運び入れられた凶悪犯は、奇械人への改造手術を受けていた。
激しい苦痛に襲われる奇械人への改造手術にすら、狂気に満ちた笑みを浮かべる凶悪犯に満足したジェネラルシャドウは、最終処置として凶悪犯の肉体に薬品をかけ、そこに金属片を貼り付ける。薬品の作用によって金属と肉体が一体化した凶悪犯は、奇械人メカゴリラと化した。

その頃、群馬県の伊香保を旅行していた村田一家が、伊香保温泉ホテル天坊を出発しようとしていた。兄のマサオはロープウェイに乗ることを楽しみにしており、妹のミチコは榛名湖遊覧船の白鳥丸に乗りたいと元気な様子を見せ、両親もそんな兄妹を暖かく見守る。
だが、そんな幸せな村田一家は、ブラックサタンに狙われていた。

ブラックサタンは、一ツ目タイタンの葬儀を行うべく、儀式を執り行おうとしていた。
そうとは知らず、ホテル天坊で合流した城茂とユリ子は、ブラックサタンが凶悪犯を拉致し、何を行おうとしているのかを探るべく、二手に別れて調査を開始する。
一方、村田一家は遊覧船で観光を楽しんでいたが、突然、他の乗客たちが白装束に身を包んだブラックサタン戦闘員としての正体を現し、周囲を取り囲まれてしまう。
戦闘員たちは、一ツ目タイタンの葬式の生贄にするためにマサオとミチコを狙っていたのだ。
マサオとミチコは子供達を守ろうとした両親から引き離され、拉致されそうになる。
だがそこに口笛が響き、城茂がモーターボートに乗って現れた。

城茂は戦闘員から村田一家を守り、自分が乗ってきたモーターボートに乗せて逃がす。
なんとか陸にたどり着き、逃亡する村田一家。
幸せな旅行が一転して最悪の思い出に変わる中、村田一家を追って奇械人メカゴリラも現れる。
奇械人メカゴリラが村田一家に襲いかかろうとしたその時、電波人間タックルが駆けつけた。
タックルは電波投げで奇械人メカゴリラを転倒させるが、奇械人メカゴリラは怪力でタックルを苦しめる。それでも村田一家を逃がすため、身を挺して奇械人メカゴリラに立ちはだかるタックルだが、奇械人メカゴリラは左腕に巨大なハンマーを装備。
巨大なハンマーで地面を殴りつけ、局地的な大地震を引き起こす奇械人メカゴリラの「ゴリラ地震パンチ」が大地を揺らし、村田一家は身動きが取れなくなってしまう。
地震を感知したストロンガーは地震の震源に向かい、奇械人メカゴリラに立ちはだかった。

ストロンガーはタックルに村田一家を任せ、彼らを逃がそうとする。
だが、奇械人メカゴリラは「ゴリラ地震パンチ」をフルパワーで発動。
大地震と共に地割れが起き、マサオとミチコが地割れに飲み込まれる。
奇械人メカゴリラは身動きが取れない彼らを拉致してしまった。

マサオとミチコを助けるべく、ストロンガーはカブトキャッチャーでその行方を探る。
だが、ブラックサタンは妨害電波をこの一帯に流しており、ストロンガーのカブトキャッチャーや、タックルのアンテナも何も感知することは出来なかった。
タックルはそこに居合わせた釣り人に、マサオとミチコの行方を尋ねるが、釣人は変装したおやじさんで、おやじさんはこの辺が怪しいと踏んで変装し、監視していたのだという。
すると、おやじさんがいた川の上流から、ブラックサタンのマークが刻まれた板が流れてきた。
ストロンガーは、急ぎ川の上流へと向かう。

川の上流では、白装束に身を包んだブラックサタン戦闘員が、タイタンの葬式を執り行っていた。
棺桶の中の一ツ目タイタンの亡骸に、祈りを捧げるブラックサタン戦闘員。
それを目撃した城茂の前に、ジェネラルシャドウが現れる。
マサオとミチコを儀式の生贄にしようとするブラックサタンの非道に、城茂は怒る。
だが、ジェネラルシャドウの返答は意外なものだった。
「あんな幼い子を…!」
「俺も嫌いだ。しかし、ブラックサタンの儀式だ」
「何だと…ブラックサタンの大幹部!」
「俺はブラックサタンの大幹部を引き受けたが、しかし、根っからのブラックサタンではない。お前を倒したいばっかりに引き受けた。世界一は俺だ。世界一は一人でいいのだ」
自らがブラックサタンの大幹部でありながら、ブラックサタンに心酔しているわけではない、いわば客将に過ぎないと語るジェネラルシャドウは、城茂にトランプのカードを差し出す。
「引いてみたまえ」
城茂が引いたカードは、「切り札」のジョーカーだった。
「ジョーカーは万能のカードだ。今日は勘弁してやる。子供達を返してやれ!」
トランプに運命を委ねる、底知れない振る舞いを見せるジェネラルシャドウ。

急ぎマサオとミチコを救出に向かう城茂。だが、奇械人メカゴリラは二人を連れて逃亡した。
ブラックサタン戦闘員は総出で城茂を抑え込むが、そこにタックルが駆けつけ、電波投げで戦闘員を排除。城茂は急ぎ奇械人メカゴリラを追う。
だが、奇械人メカゴリラは二人を連れてロープウェイに乗り込んだ。
城茂は、ジャンプしてロープウェイのゴンドラに飛びつき、執念で追跡。
奇械人メカゴリラは城茂をゴンドラから突き落とそうとし、決死の格闘戦が展開される。
城茂と奇械人メカゴリラが本当にゴンドラの上で格闘を繰り広げる圧巻のスタントシーンは、城茂を演じる荒木しげる氏も命をかけて挑んだ迫力のシーン。
講談社より発行された名著「仮面ライダーをつくった男たち」でも、昭和「仮面ライダー」シリーズのアクションを支えた大野剣友会の逸話を語る中で取り上げられた有名なシーンだ。

城茂は追い詰められながらも、自分を突き落とそうとした奇械人メカゴリラの怪力を逆用し、奇械人メカゴリラをロープウェイから転落させることに成功する。
無事にロープウェイは終点に到着し、城茂はマサオとミチコを両親の元へ送り届けようとする。
だが、ミチコの足を鋭い鋏が掴んだ。
ロープウェイから転落してもなお、奇械人メカゴリラは生きており、その左腕にはワイヤーロープが内蔵され、左腕に装備した鋏を射出することが可能だったのだ。
迫りくる奇械人メカゴリラから二人を庇った城茂は、ミチコを拘束から解放。
駆けつけたユリ子に二人を任せ、奇械人メカゴリラとの最終決戦に挑む。

「変身…ストロンガー!天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
鋭い鋏を振り回し、ストロンガーを襲う奇械人メカゴリラ。
距離を取ったストロンガーに、奇械人メカゴリラは鋏を射出してその足を掴む。
だが、ストロンガーは奇械人メカゴリラが鋏を射出して伸ばしている間は、本体が身動きできないという弱点を見抜くと、逆に鋏から伸びるワイヤーロープを振り回し、奇械人メカゴリラの身体を幾度も地面に叩きつけてダメージを与え、エレクトロファイヤーを流して感電させる。
奇械人メカゴリラはそれでも戦意を奮い起こし、今度は左手にハンマーを装備するが、ストロンガーのキックでハンマーを破壊される。完全にグロッキー状態になった奇械人メカゴリラ。
ストロンガーはついに、とどめのストロンガー電キックを炸裂させ、死闘に終止符を打った。

ブラックサタンのアジトに戻ったジェネラルシャドウは大首領に詰問されていた。
タイタンの葬式を不首尾に終わったジェネラルシャドウに、その償いを求める大首領。
だが、ジェネラルシャドウはタイタンの葬式のことなど引き受けておらず、自分が引き受けたのはストロンガーを倒すことのみであると言い放つ。
大首領は、自ら客将として迎えたはずのジェネラルシャドウを、制御できずにいた。

こうして、村田一家を救った城茂とユリ子は、再びブラックサタンを追うさすらいの旅に出た。
ストロンガーを倒すために大幹部になった、恐るべきジェネラルシャドウ。
その胸には、第二、第三の恐怖の策略が秘められている。
負けるな、仮面ライダーストロンガー!

奇械人メカゴリラに改造された凶悪犯は、素手で人を4人も殺め、言葉を発さず唸り続け、ドラミングをするなど、人間と言うよりも野獣というほかない存在。
ややもすると、日本で生まれ育った(のであろう)にも関わらず、周囲から野獣扱いされていたアマゾンよりもずっと野獣としか言いようがない凶暴さの片鱗を見せていて、印象に残る。
奇械人メカゴリラもその凶悪犯が持つ、素手で人を殺める怪力をそのまま伸ばす方面で改造を加えられており、ハンマーで大地を揺らすそのパワフルさは脅威だった。

今回から、「ストロンガー」後半の物語を牽引する名キャラクター・ジェネラルシャドウが登場。
ストロンガーを倒すためだけにブラックサタン大首領の招聘に応じ、雇われ大幹部となりながら、トランプのカード次第ではブラックサタンの作戦に反して城茂を見逃し人質を開放するなど、独自の美学を感じさせる振る舞いが、ライバルキャラクターとして非情に魅力的なキャラクターだ。
この辺は、元祖ライダーのライバルキャラと言われるアポロガイストがGOD秘密警察の任務に忠実で、GODのためにXライダーを倒すべく死に際の悪足掻きアーム爆弾も厭わなかった性格とは異なる個性を持たされており、組織人のアポロガイストより武人としての側面が強調されている。

そんなジェネラルシャドウの、「雇われ大幹部」という個性を強烈に印象付けたのが、アジトですれ違った戦闘員に、ブラックサタン生え抜きの存在ではないことから不審な目で見られ、その態度の悪さを理由に処刑して見せるシーンだろう。
大幹部が戦闘員を粛清するシーンは「仮面ライダー」初の大幹部だったゾル大佐が服装の緩みを指摘して規律を正すシーンのセルフオマージュだろうが、ゾル大佐が組織の一員として構成員の規律を正したのに対し、ジェネラルシャドウは戦闘員が雇われとはいえ大幹部である余所者扱いするような態度の悪さに腹を立て処刑しており、全く性格の異なるシーンになっていて面白い。

ストロンガーを倒すべく、魔の国から実力者であるジェネラルシャドウを招聘したブラックサタン大首領。だが、武人としてストロンガーとの堂々とした対決を望み、独自の信念すら持っているジェネラルシャドウは、大首領の思惑で自由に動かせるような存在ではない。
結果として、ブラックサタン大首領はジェネラルシャドウの存在を持て余すようになっていく。
果たして、ジェネラルシャドウの出現はブラックサタンに何をもたらすのか。
ストロンガーとジェネラルシャドウの対決は、まだ始まったばかりである。

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