「仮面ライダーストロンガー」第15話「死を呼ぶシャドウのトランプ!!」感想

2024年7月25日木曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

重力制御装置の研究成果を盗もうと、黒木博士を捕らえて拷問するクワガタ奇械人。
ストロンガーは博士を救出しようと、ブラックサタンが待ち受ける中へ飛び込んでいく。
だが、ストロンガーを待ち受けていたのはジェネラルシャドウが仕掛けた罠だった。

ブラックサタンの腕自慢・ジェネラルシャドウの挑戦!

今回のブラックサタンの奇械人は、クワガタ奇械人。
ストロンガーのモチーフであるカブトムシのライバル昆虫であるクワガタムシの奇械人で、両腕がクワガタの大顎を模した鋭い刃物となっており、獲物を挟み込んで攻撃する。
また、頭部にもクワガタの大顎を模した角を持つだけでなく、角と同じ投擲武器や、目から放つ怪光線、瞬間移動能力も持つなど、多彩な能力を持つハイスペックな奇械人だ。

そんなクワガタ奇械人が狙うのは、黒木博士が研究していた重力制御装置の研究成果。
黒木博士の助手に憑依したクワガタ奇械人は、博士をブラックサタンのアジトに拉致して拷問にかけ、重力制御装置の研究成果を盗もうとしていた。
しかし、黒木博士は熾烈な拷問にも耐えぬき、クワガタ奇械人はジェネラルシャドウの入れ知恵で黒木博士の娘を拉致し、娘を人質に研究成果を渡すように脅迫しようと目論む。
果たしてストロンガーとタックルは、クワガタ奇械人の魔手から黒木博士親子を救えるのか。
そして、ストロンガー抹殺を目論むジェネラルシャドウの挑戦に、どう立ち向かうのか…。

砂浜で、一人の少女が砂の部屋を作って遊んでいた。
重力制御装置を研究する黒木博士の一人娘の淳子は、研究に忙しい父のことを慮る優しさと、父と共に過ごせる日を夢見て、父とともに暮らす部屋を砂で作って空想する純粋さを持つ少女だった。
黒木博士は研究で家を空けており、父とともに過ごせずに寂しがっていた娘を思って研究室の近くにある下田ビューホテルに部屋をとり、娘を滞在させていた。
だが、重力制御装置の研究は忙しさを極めており、黒木博士はなかなか娘と共に過ごせずにいた。

そんな折、黒木博士は助手の矢沢に、博士に計算を頼まれた計算式がコンピューターでも解答不能になっていると連絡を受け、研究室へと戻る。黒木博士が計算式を確かめると、コンピューターにかけられていた計算式は、博士が矢沢に計算を依頼した計算式とは異なっていた。
どこからこのデータを持ってきたのかと問う黒木博士に、矢沢は、何故助手である自分にも重力制御法が完成しているのを隠しているのかと質問に質問で返す。
矢沢は執拗に、黒木博士が重力制御法を完成させたはずだと問い詰め、その異様な様子に、黒木博士は眼の前の矢沢が、自分の知る矢沢ではないと直感する。
矢沢の耳には、サタン虫に乗り移られた証の黒い痣が浮かんでいた。

矢沢は態度を豹変させ、重力制御法の本物のデータを渡すように要求。
黒木博士は電話で警察を呼ぼうとするが、電話線が切断される。
矢沢の身体から出現したクワガタ奇械人の仕業だ。
クワガタ奇械人は黒木博士を、クワガタの大顎を模した両腕で捕らえる。
そして、目から放つ怪光線で黒木博士を気絶させると、博士をアジトへ拉致してしまった。

その頃、ブラックサタンの陰謀を追う城茂も、下田ビューホテル付近の海岸に来ていた。
だがそこに、トランプのカードが舞い降り、城茂の目に貼り付いて視力を奪う。
トランプのカードの主は、ジェネラルシャドウだった。
ジェネラルシャドウは黒木博士は既にブラックサタンの手中にあることを宣言し、城茂に命が惜しくば引き下がるように宣告する。そこに、ユリ子が駆けつけた。
視力を奪われた城茂を抹殺しようとするジェネラルシャドウから城茂を守るべく、ユリ子は電波人間タックルに変身する。だが、力の差は歴然だった。
それでも立ち向かおうとするタックルの覚悟の前に、ジェネラルシャドウもシャドウ剣を抜く。
だが、タックルに向き合うジェネラルシャドウが城茂に背を向けた瞬間、城茂はジェネラルシャドウに背後から一撃を加える。城茂は視力を奪われたフリをして、ジェネラルシャドウを罠にかけたのだ。城茂はそのまま、ストロンガーに変身する。

ストロンガーの狙いは、ジェネラルシャドウを自分が引き付けることで、ブラックサタンに狙われている黒木博士の娘である淳子を、タックルに安全に保護させることにあった。
タックルを下田ビューホテルの順子の部屋に向かわせたストロンガーは、ジェネラルシャドウとの一騎打ちに挑む。ストロンガーとジェネラルシャドウの戦いは互角だったが、ジェネラルシャドウは戦闘員を呼び出し、ストロンガーの足止めをさせている間に撤退した。

その頃、ブラックサタンのアジトでは、椅子に拘束された黒木博士が拷問を受けていた。
ブラックサタンは独自に重力制御装置を開発していたものの、装置は未完成のままであり、完成させるには黒木博士が解明した重力制御法が必要だったのだ。
ブラックサタンの大幹部の座をちらつかせ、黒木博士に重力制御装置の完成を迫るクワガタ奇械人。だが、黒木博士は人間としての良心でそれに抗い、拷問に耐えていた。
そこに現れたジェネラルシャドウは、ただ痛めつけるだけしか脳のないクワガタ奇械人を咎めると、黒木博士に対してハートのQのカードを見せ、娘の居場所を知っていることを示唆し、ブラックサタンに従わなければ娘の命がないと脅迫するのだった。

下田ビューホテルの、淳子の部屋にクワガタ奇械人が現れた。
だが、既にそこにはタックルが到着しており、淳子は安全な場所に保護されていた。
大顎の如き腕を振り回すクワガタ奇械人は、さらに戦闘員を呼び出してタックルを襲う。
クワガタ奇械人の両腕にタックルが危機に陥った時、城茂の口笛が戦場に響いた。
城茂は、仮面ライダーストロンガーに変身する!

「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ」
ストロンガーは、名乗りを上げながらブラックサタン戦闘員を次々に排除していく。
「俺は正義の戦士。仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーとクワガタ奇械人の戦いが始まった。タックルも電波投げで戦闘員を投げ飛ばす。
大顎型の武器をいくつも投げ、ストロンガーの動きを封じるクワガタ奇械人。
だが、ストロンガーは持ち前のパワーでその拘束を打ち破り、ウルトラパンチで反撃。
大ダメージを負ったクワガタ奇械人は、戦闘員と共に車で逃亡を図る。
ストロンガーもカブトローに乗り、それを追跡した。

クワガタ奇械人たちを乗せた車に追いついたストロンガーは、電気マグネットで車を引き寄せる。だが、クワガタ奇械人たちは既に脱出しており、車内はもぬけの殻だった。
そこに、ジェネラルシャドウが現れる。
ジェネラルシャドウがクワガタ奇械人たちを脱出させていたのだ。
再び、ストロンガーとクワガタ奇械人たちの戦いが始まった。

ジェネラルシャドウはシャドウ剣とナイフを駆使し、ストロンガーに襲いかかる。
乱戦の中、ストロンガーはクワガタ奇械人を追い詰めるが、ジェネラルシャドウはトランプフェイドで姿を消し、クワガタ奇械人たちもそれに紛れて逃亡した。
その頃、下田ビューホテルでは、おやじさんとユリ子が淳子を保護して身を隠していた。
そこに、ドアをノックする音が響く。
おやじさんは、万一に備えて淳子を部屋の奥に隠し、ユリ子がドアを開けて外を確認する。
だが、外には誰もいない。
おやじさんとユリ子が呆然としていると、部屋の奥から淳子の悲鳴が響いた。
クワガタ奇械人がホテルの壁を破壊して部屋に侵入し、淳子を襲ったのだ。

逃亡する淳子を追うクワガタ奇械人。
それを追うユリ子とおやじさんは、戦闘員たちに足止めされてしまう。
おやじさんが電波投げと口走ると、なんと戦闘員たちが吹っ飛んだ。
自分も電波投げが出来たのかと喜ぶおやじさんだが、背後にはタックルの姿が。
からかわれたおやじさんはがっくりと肩を落とす。

淳子を捕らえたクワガタ奇械人の前に、待ち伏せしていたストロンガーが現れた。
クワガタ奇械人はストロンガーを排除すべく、淳子を降ろして戦いを挑む。
大振りなクワガタ奇械人の攻撃を躱し、素早く攻撃を仕掛けるストロンガー。
クワガタ奇械人は最大の武器である大顎を模した腕を踏みつけられたことで動きを封じられ、連続攻撃を食らってしまい大ダメージを負って撤退する。

淳子を保護したストロンガーは、ついにブラックサタンのアジトを発見。
父を思う淳子も共にアジトへ乗り込んだ。
一方、再び矢沢に憑依したクワガタ奇械人は、小型の重力制御装置なら完成させることは出来たものの、巨大な装置を作るにはまだ秘密が多いことを突き止めていた。
ジェネラルシャドウは小型の重力制御装置のテストのため、スイッチを入れ起動させる。
重力制御装置は確かに作動した。

アジトの奥底に入り込んだストロンガーと淳子は、黒木博士を拘束から開放する。
だが、戦闘員が一人もいないあまりの静けさに、不吉な予感を隠せないストロンガー。
その不安は的中した。
ジェネラルシャドウの罠に落ちたストロンガーは、部屋の出入り口を檻で封じられる。
そして、ジェネラルシャドウはこのアジトを1分後に自爆させることを宣告するのだった。
小型の重力制御装置の完成を経て、黒木博士をも殺すことを厭わないジェネラルシャドウは、ストロンガーの抹殺だけを目的しているのだと高笑いして去っていく。
ストロンガーは電ショックで檻を破壊しようとするが、檻に取り付けられたエネルギー吸収装置が電ショックのエネルギーを吸収し、檻を破壊できない。
ストロンガー最大の危機。そして、ついにアジトが爆発した。

アジトの爆発を目の当たりにしたユリ子とおやじさんは悲嘆に暮れる。
だが、その悲痛な叫びが嘘のように、ストロンガーと黒木博士たちはあっさりと地上に現れた。
ストロンガーはともかく、黒木博士たちも何故無事だったのかは全く語られずに危機は去った。
クワガタ奇械人は、ストロンガーと黒木博士たちを始末しようと立ちはだかる。
ストロンガーはおやじさんとユリ子に黒木博士たちを任せ、クワガタ奇械人との決戦に挑んだ。

クワガタ奇械人は大顎の投擲武器で攻撃するが、武器が本体とワイヤーで接続されていたのが災いし、ストロンガーのエレクトロファイヤーで反撃されてしまう。
瞬間移動能力でストロンガーを幻惑する戦法に切り替えたクワガタ奇械人だが、最後のトドメを刺そうとした一撃を受け止められると、反撃のストロンガー電キックを喰らい爆散した。

黒木博士の重力制御装置の開発は、実用化までまだまだ時間がかかる。
ブラックサタンに狙われたことで、逆に自分の研究に自信を持った黒木博士は、世界のため、人類のため、娘のためにも研究の完成を誓うのだった。
一方、ジェネラルシャドウは、アジトでストロンガーへの復讐を誓っていた。
そこに、ブラックサタン大首領の声が響く。
大首領は、黒木博士を逃がし、ストロンガーを殺し損なったジェネラルシャドウを責める。
だが、ストロンガー抹殺を誓うジェネラルシャドウの怒りの炎は静かに燃えていた。
ストロンガー抹殺だけを目的に、必殺の機を伺うジェネラルシャドウ。
負けるな、仮面ライダーストロンガー!

ブラックサタンの重力制御装置開発は、小型なれど成功しているのが珍しいエピソード。
より大型の重力制御装置を開発するには未だ解明されていない秘密が多くあり、それは黒木博士もまだ知る由もないがゆえに、ジェネラルシャドウは人質である黒木博士をストロンガー抹殺のための罠として切り捨てたのだと思われる。
とはいえこれも推測に過ぎず、小型の重力制御装置が完成した描写はその後触れられることなく終わってしまうので、なんだか釈然としない消化不良感は残る。

電ショックを吸収する檻に囲まれ、もはや脱出しようがないと諦めていたストロンガーが、あっさりとアジトの爆発から生還し、黒木博士たちも救うに至る理由も何の説明もないまま終わる。
単純にアジトの爆発がそこまで大規模なものではなかったのかも知れないし、ストロンガーが土壇場でエネルギー吸収装置で吸収しきれないほどの超高圧電流を放ち、檻を破壊したのかも知れないが、何故生還できたのかという説明は一言くらいあっても良かったかもしれない。
もちろん、そんな理屈抜きの生還劇は「ストロンガー」だけに留まらず、昭和「仮面ライダー」シリーズには多々見られる展開ではあるが…。

今回は、一対一の武人としての決闘だけにとどまらず、罠を仕掛けてのストロンガー抹殺をも躊躇しないジェネラルシャドウのストロンガー抹殺への執念もよく描かれたエピソード。
卑怯な手をも厭わない策略家と、直接対決にも自信をのぞかせる武人としての強さを併せ持つ強敵としての存在感は絶大で、ストロンガーとの直接対決も互角という強さを見せつけている。
果たしてストロンガーは、ジェネラルシャドウの魔手を打ち破ることが出来るのか…。

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