あらすじ
オリエンテーリングに紛れ込み、罠を仕掛けるブラックサタンの一味。
そして、真夜中に出現しては子供たちの血を吸う吸血奇械人・ブブンガー。
彼らの謎めいた企みに立ち向かうべく、茂とユリ子が動き始める。
地獄へのオリエンテーリングの景品は、吸血奇械人を呼ぶ目印
今回のブラックサタンの奇械人は、奇械人ブブンガー。
蚊の奇械人である奇械人ブブンガーは、下田ビューホテル近辺で開催されたオリエンテーリングに参加した、体力が優秀な少年たちの血を吸って洗脳し、やがては自分と同じ怪人ブブンガーに変え、ブラックサタンの一員にしてしまう「ブブンガー計画」を遂行することを使命としている。
無数の棘が生えた左腕が武器であり、その左手を鋭い刺突剣に変え相手に突き立てる技が得意だ。
奇械人ブブンガーに血を吸われた子供たちは洗脳されてしまい、奇械人ブブンガーの意のままに操られてしまう。奇械人ブブンガーはストロンガーに洗脳した子供たちをけしかけ、
子供たちに手を出せないストロンガーを困惑させる。
果たして、ストロンガーは子供たちをブブンガー計画の魔手から救うことが出来るのか…。
平和な山々では、オリエンテーリング大会に参加する子供達が集まっていた。
おやじさんとユリ子は、下田ビューホテルに宿泊していた少年・ヒロシとともにオリエンテーリング大会に参加することになったが、そこに城茂の姿はない。
初めてのオリエンテーリングで、城茂をあてにしていたおやじさんは、城茂の不在を愚痴る。
その頃、城茂は怪しい気配を負って海岸沿いを走っていた。
山中でオリエンテーリングを楽しむおやじさんたち。
コースを見失ったおやじさんは、地図の見方をヒロシに教えられる。
すっかり頼りにならないおじさん扱いされてしまうおやじさん。
平和なオリエンテーリング。だが、その様子を監視する巨大な目があった。
その気配を察知したユリ子の前に、ブラックサタン戦闘員が姿を現す。
ブラックサタン戦闘員は、ヒロシを狙っているようだった。
ヒロシを守り戦うユリ子は、電波人間タックルに変身。
電波投げを連発し、戦闘員を吹き飛ばすタックル。
だが、ブラックサタン戦闘員の別働隊がおやじさんたちを取り囲む。
おやじさんとヒロシは、協力しながらそれを撃退し、逃亡を続ける。
なんとか戦闘員を一掃したタックルとおやじさん。
だが、ヒロシは二人の奮闘むなしく、足を地面から飛び出す巨大な鈎爪に捕らえられてしまった。
鈎爪の主は、地中に潜んでいた奇械人ブブンガー。
ヒロシの助けを求める声に応え、タックルが走る。
ヒロシを標的にする奇械人ブブンガーとタックルとの戦いに巻き込まれ、ヒロシは砂浜を転げ落ちてしまった。そこに、城茂が現れ、ヒロシを救出。
城茂は、高らかに名乗りを上げ奇械人ブブンガーに向かっていく。
城茂は、ヒロシをオリエンテーリング大会に参加させるために、タックルとヒロシを逃がす。
おやじさんと合流したヒロシは何故か異常に好戦的で、城茂と一緒に奇械人ブブンガーを倒しにに戻ろうと言い出すが、タックルにたしなめられてオリエンテーリング大会に戻った。
ヒロシの後を追おうとする奇械人ブブンガーに、城茂が立ちはだかり、ストロンガーに変身する。
「天が呼ぶ。地が呼ぶ。人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ」
戦闘員を蹴散らしながら、高らかに悪を滅ぼす正義の戦士の名乗りを上げるストロンガー。
「俺は正義の戦士。仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーは次々に戦闘員を排除。奇械人ブブンガー相手にも優勢に戦いを進める。
左手を刺突剣に変え、ストロンガーを貫こうとする奇械人ブブンガー。
だが、ストロンガーは真剣白刃取りの要領で刺突剣を受け止める。
不利を悟った奇械人ブブンガーは撤退した。
オリエンテーリング大会に戻ったヒロシたちは、無事に決勝点に到着。
順位は最下位だったが、参加することに意義があるのだと健闘を称えられる。
すると、係員が参加した少年たちに記念品を配り始め、ヒロシも記念品をもらう。
それは、タツノオトシゴ型のキーホルダーと、タツノオトシゴの卵が入っているという袋だった。
ヒロシは両親に呼ばれ、下田ビューホテルの部屋に戻っていく。
その夜、自室で眠っていたヒロシの部屋に、怪しげな光と煙が充満しようとしていた。
タツノオトシゴのキーホルダーを眠っていたヒロシに、タツノオトシゴの卵が入っているという袋から付加した、不気味かつ巨大なボウフラが忍び寄る。
そして、ボウフラは奇械人ブブンガーへと姿を変えると、ヒロシの血を吸い始める。
奇械人ブブンガーは、オリエンテーリングに参加し、記念品をもらった少年たちの部屋に侵入し、その血を吸い取る。血を吸われた子供たちは、正気を失い部屋を抜け出すのだった。
奇械人ブブンガーは、正気を失った子供たちにアジトへ向けて歩くように指示する。
「来たか子供たちよ、歩け!歩き続けろ!お前たちは、俺と同じブブンガーになるのだ!」
翌朝、なにか不吉な気配を感じて飛び起きた城茂の元に、おやじさんやヒロシたちの両親がやってくる。オリエンテーリングに参加した子供たちが、みんな行方不明になったのだ。
ヒロシの部屋を調べた城茂は、オリエンテーリング大会の記念品として配られたタツノオトシゴのキーホルダーを見つけ、これがブラックサタンが標的に定めた子供たちの印だったことに気づく。
海岸へ急行したストロンガーは、カブトキャッチャーで洞窟へ向かう子供たちの痕跡を発見。
奇械人ブブンガーに操られた子供たちは、アジトの洞窟へ到着してしまった。
タックルとおやじさんも、ジープに乗って子供達を探し始める。
そして、城茂も洞窟へ到着。ストロンガーに変身し、カブトキャッチャーで子供たちの行方を探る。アジトの中では、ボウフラの中に閉じ込められた子供たちがブブンガーに作り変えられようとしていた。子供たちを救ったストロンガーの前に、奇械人ブブンガーが現れる。
逃亡した奇械人ブブンガーを追い、洞窟の外に出たストロンガー。
すると、経緯はよくわからないが、タックルが戦闘員と戦って危機に陥っていた。
タックルを助けに行こうとするストロンガーだが、そこに子供たちが襲いかかる。
子供たちに取り囲まれ、タコ殴りにされるストロンガー。
子供たちは未だ奇械人ブブンガーのコントロール下にあったのだ。
「ライダー!もう手遅れだ!子供たちはお前の敵だ!」
子供たちに手を出せないストロンガーだが、いくらタコ殴りにされているとはいえ、所詮は子供の力でしかない。あっさりと子供たちの包囲から脱出したストロンガー。
奇械人ブブンガーは、用済みとなった子供達を気絶させ、自らストロンガーを始末にかかる。
だが、直接対決でストロンガーに敵うはずもない奇械人ブブンガー。
あっさりと追い込まれ、ストロンガーがとどめの電パンチを炸裂させようとしたその時、突然閃光が走り、ストロンガーの目が眩む。ジェネラルシャドウの妨害が入ったのだ。
ジェネラルシャドウはタックルとおやじさんを人質にしてしまう。
人質を取られたことで抵抗できず、奇械人ブブンガーの刺突剣で胸を貫かれるストロンガー。
絶体絶命の危機に、ジェネラルシャドウが油断してタックルとおやじさんから離れた一瞬。
ストロンガーは刺突剣を通してエレクトロファイヤーで反撃し、奇械人ブブンガーを感電させる。
さらに、人質にされている状況は何も解決していないのだが、タックルにおやじさんを連れて逃げるように促すと、戦闘員相手に暴れ始めるストロンガー。
奇械人ブブンガーはといえば、刺突剣が砂浜に刺さり、身動きが取れなくなっていたところをストロンガーに蹴り飛ばされて大ダメージを負う。
ジェネラルシャドウは、付き合ってられないとばかりにトランプフェードで姿を消した。
もはや奇械人ブブンガーに逆転の目はなく、ストロンガー電キックを喰らい爆散。
こうして、ブラックサタンのブブンガー計画は阻止された。
アジトに戻ったジェネラルシャドウは、ブブンガー作戦の失敗を大首領に報告していた。
だが、大首領は、ストロンガー打倒の次なる作戦を既に立てているという。
その頃、ストロンガーは、ブブンガーの毒液に身体を冒されたヒロシたち4人の少年を救うべく、自らの血と子供達の血を交換する荒業を行い、なんとか無事にヒロシたちを回復させる。
翌朝、すっかり回復したヒロシたちは無事に家族と再会。
モーターボートに乗って去っていくストロンガーを笑顔で見送るのだった。
ストロンガーを倒すため大幹部になったジェネラルシャドウ。
その胸には、さらに次なる恐怖の作戦が秘められている。
負けるな!仮面ライダーストロンガー!
なんだかよくわからない計画だったブブンガー計画。
オリエンテーリング大会終了後に奇械人ブブンガーの卵を配るなら、前半、オリエンテーリング大会中に奇械人ブブンガーがヒロシだけを攫おうとした理由が不明で、結果的に城茂たちにむやみに計画が露見するリスクだけを背負っている。
子供たちに手を出せないストロンガーの弱点を利用した、吸血によって洗脳した子供たちにストロンガーを襲わせる展開は、大人の上に改造人間であるストロンガーにとって子供たちの力ではいくら殴られても何のダメージもなく、周囲を取り囲んでも脱出も容易いため、あっさりと突破される妙にリアルな描写がされているのはなんだか面白い。
なんだか杜撰だったブブンガー計画だが、最後の大首領の台詞からすると大首領直々に考えた計画だったようだ。この後明かされるブラックサタン大首領の正体が巨大なサタン虫であることを思うと、作戦が多少杜撰でもむべなるかなと思わなくもない。
ジェネラルシャドウもいちおう人質作戦で奇械人ブブンガーのアシストをするものの、あまり乗り気でなかったのか、タックルとおやじさんが脱出していないうちから一人だけ帰っているのがなんだか面白い。このあたりから既にブラックサタン大首領とジェネラルシャドウの反りの合わなさが露呈しつつあるのは、ブラックサタン壊滅への伏線だろうか…。