「仮面ライダーストロンガー」第19話「怪談 呪われた古城!」感想

2024年8月8日木曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

幽霊が出るという噂がある浜松城を探索していた立花藤兵衛と3人の子供たち。
彼らはそこに現れた落ち武者幽霊の正体が、奇械人毒ガマであることを知ってしまう。
奇械人毒ガマは、浜松城内部に作られた毒ガス工場の警護をしていた。

恐怖の毒ガス製造作戦!ジェネラルシャドウとの決斗!

今回のブラックサタンの奇械人は、ガマガエルの奇械人である奇械人毒ガマ。
ブラックサタンが浜松城内部に作り上げた、猛毒ガスの製造工場の警護を任務にしており、浜松城に人を近づけないため、非業の死を遂げた浜松城の主の亡霊に化けて幽霊が出るという噂を流し、肝試しに訪れた人間を恐怖のどん底に陥れていた。
口から放つ毒ガスや、胸部に飼育している毒ガエルを放つことで敵を毒で苦しめる奇械人だ。

百目タイタンは浜松城周辺の街を壊滅状態に陥れるため、猛毒ガスを作り出し大量虐殺を計画。
武力行使で人々を恐怖で支配する計画が密かに進行していた。
城茂は計画を阻止すべくブラックサタンを追うが、その前にストロンガー抹殺の野望を燃やしているジェネラルシャドウが立ちふさがる。好敵手同士の宿命の決斗が始まろうとしていた。

真夜中の浜松城では、三人の子供たちが街を騒がせる幽霊騒動の真相を確かめるべく、肝試しに出かけていた。そこで、子供たちは同じく幽霊騒動の噂を聞き浜松城を調べていたおやじさんと鉢合わせする。子供たちと一緒に浜松城を調べることになったおやじさんは、幽霊の正体見たり枯れ尾花の精神を子供たちに説くが、足が震えていることを指摘されてしまう。
かつて、少年仮面ライダー隊の会長として全国の優秀な子供たちを指導していたおやじさんも、幽霊騒ぎの真相を確かめようとする生意気な子供達には形無しのようだ。

真夜中の浜松城に乗り込んでいくおやじさんと子供たち。だが、その背後には人魂が迫っていた。
子供たちが寒気を感じると、背後に漂っていた人魂に気づく。
おやじさんたちが城の内部に逃げ込むと、扉が閉まり城の中に閉じ込められてしまった。
そして、変な物音が城の内部に響いたと思うと、城に収蔵されていた品の中から、落ち武者の幽霊が姿を現した。それは、この城とともに討ち死にした城の主の幽霊だという。
城に入った人間を一人残らず呪い殺すと宣言した幽霊に、おやじさんは子供達を守るために立ち向かう。だが、おやじさんは圧倒的な力で気絶させられてしまった。
そして、落ち武者の幽霊は、怪しげな鐘を鳴らし、子供たちを催眠四次元世界へと誘う。
子供たちの意識が薄れていき、気づいた時にはいくつもの卒塔婆が立っている空間に迷い込んでいた。そして、落ち武者の幽霊は、奇械人毒ガマへ姿を変える。
口から毒ガスを放ち、子供たちを抹殺せんとする奇械人毒ガマ。だがそこに、城茂の声が響いた。

城茂の声で催眠が解けた子供たちは、急いで逃亡する。城茂は奇械人毒ガマと対峙。
「幽霊の、正体見たり、枯れ尾花、か…。ブラックサタンの奇械人!」
逃亡する子供たちは、人魂やブラックサタン戦闘員に襲われる。
しかしそこに、タックルが駆けつけ、電波投げで戦闘員を排除し子供たちを助けた。
城茂とユリ子は、ブラックサタンが浜松城に幽霊騒ぎを流し、人を遠ざけていることを察知し、ブラックサタンが浜松城で陰謀を巡らせていると踏んで周囲を探っていたのだ。
そこにタイタンが現れる。タイタンはこの地方の人間を、毒ガスで一人残らず殺そうとしていた。

タイタンの命を受け、奇械人毒ガマが城茂に襲いかかる。
毒ガス攻撃や、跳躍力を生かした攻撃で城茂を翻弄する奇械人毒ガマ。
城茂は一瞬の隙をついてストロンガーに変身し、素早い攻撃を仕掛ける。
しかし、奇械人毒ガマは巨大な手をストロンガーの顔面に張り付かせ、動きを封じた。
窒息寸前に追い込まれたストロンガーは、さらに水中に引きずり込まれてしまった。
だが、反撃のエレクトロファイヤーが炸裂し、奇械人毒ガマは浜松城へ撤退する。
タイタンは、捕らえた立花藤兵衛を湖に叩き込み処刑するように命ずるのだった。

ブラックサタンのアジトに戻ったタイタンは、大首領に城茂が浜松城の毒ガス工場のアジトを突き止めたことを報告していた。そこで、タイタンは浜松城のアジトを放棄し、瀬戸の鬼岬に新たな毒ガス工場のアジトを建造し、そこから毒ガスを放つ計画を立案。
ブラックサタン大首領は計画をタイタンに一任していると、タイタンへの信頼を見せる。
そして、ジェネラルシャドウに負けてはならないと、生え抜きの大幹部を激励するのだった。

この発言を見る限り、ブラックサタン大首領はもはや完全に外様のジェネラルシャドウを持て余し、生え抜きのタイタンに手柄を立てさせるべく作戦を一任する方針を取っている。
ジェネラルシャドウという実力者を、タイタンを発奮させる当て馬にしか使えないこの采配のまずさは、後にブラックサタン大首領の首を絞めることになるのだった。
根本的な問題として、自ら大幹部待遇で呼び寄せておいて、扱いきれないと見るや冷遇し生え抜きのタイタンを優遇するブラックサタン大首領は明確に人事面に難があり、ジェネラルシャドウを飼い殺しにして生え抜きのタイタンが手柄を上げるところを見せつけようとしている嫌がらせにまで走っている狭量さは、組織を束ねる長の域に達していない。
ジェネラルシャドウの実力を完全に見誤ったこの采配が、ブラックサタンを滅ぼすことになる。

大首領の命を受け、タイタンは捕らえた人間を実験台に毒ガスの効果を確かめる。
青い痣を全身に浮かべた実験人間の哀れな姿にほくそ笑むタイタン。
そして、奇械人毒ガマはおやじさんを簀巻きにして、湖に放り投げた。
地上で高笑いを上げる奇械人毒ガマ。だが、湖の中には城茂の姿があった。
城茂は簀巻きにされたおやじさんを救出する。

その頃、ユリ子は助けた子供たちのうちの一人を、自宅だというホテル白山まで送り届けていた。
だが、ホテル白山にはタイタンの姿があった。
城茂と合流したユリ子は引き続きブラックサタンを目撃した子供を守ることになり、城茂はまだ十分に回復していないおやじさんの手当のため、医者を呼ぶべく病院へ向かうことになった。
だが、カブトローを停めた場所へ向かう城茂を、トランプのカードが襲う。
カードが投げられた方面には、巨大なトランプのカードがあった。
そして、巨大トランプは傍らの車に乗り込み、何処かへ向かい始める。
城茂は、それがジェネラルシャドウであることを察知し、急いでカブトローで追跡した。

ロープウェイ乗り場付近の遊園地で停車した車から、巨大トランプがロープウェイへ向かう。
そして、巨大トランプはジェネラルシャドウに姿を変えると、ロープウェイに乗って展望台に向かった。城茂は、ジェネラルシャドウとの決着をつけるべく、ストロンガーに変身する。
ジェネラルシャドウが乗ったロープウェイのゴンドラを、ストロンガーは湖のモーターボートに乗って追撃。ジェネラルシャドウは爆弾を湖に投げ落としモーターボートを狙う。
ストロンガーは次々に巻き上がる水柱を突破していくのだった。

その頃、ホテル白山では、ユリ子はが重症を負ったおやじさんの看病をしていた。
すると、そこに不審な物音が響く。
再び、落ち武者の幽霊に化けた奇械人毒ガマが迫っていたのだ。
様子を見るため部屋を出たユリ子の前に、奇械人毒ガマが姿を現す。
ユリ子はタックルに変身するが、やはり奇械人との力の差は歴然で、電波投げも通じず、奇械人毒ガマの毒ガスを浴びたタックルは気絶し、拉致されてしまうのだった。

展望台に到着したシャドウは、そこで百目タイタンと遭遇する。
「シャドウ。俺の仕事に手を貸すとは珍しいな」
「勘違いするな。俺の目的はあくまで仮面ライダーを消すこと。そのために、少しばかりお前の仕事を利用したまでだ」
「フフフ…貴様に仮面ライダーを消されてたまるか」
「とはいっても、お前には大首領の命令があるはずだ。毒ガスの大量生産という任務がな…」
大首領の期待に応え、手柄を上げるためにストロンガー抹殺を目論む百目タイタンだが、大首領の期待を背負っている生え抜きであるがゆえに、他ならぬ大首領の命令に従い、今は仮面ライダー抹殺よりも毒ガス大量生産を優先しなければならなかった。
ジェネラルシャドウはそんな百目タイタンを出し抜き、ストロンガー抹殺へ動いたのである。
互いに相手を出し抜き、ストロンガー抹殺を目論む大幹部同士の、緊張感あるやり取りだ。

だがそこに、ストロンガーの笑い声が響いた。
「ハハハ…その工場は何処にある!」
「ほう…運良く助かったな、ライダーストロンガー」
「百目タイタン!シャドウ!ブラックサタンの大幹部が二人、いいところで会ったな!一気に片付けてやる!」
ここで一気にブラックサタンの戦力を削ぐため、大幹部二人を始末しようとするストロンガー。
だが、その前にジェネラルシャドウが立ちはだかった。
「タイタンにはブラックサタンの目的がある。お前の相手はシャドウだ!」
だが、その宿命の対決に水を差すように、百目タイタンが口を挟んできた。
「シャドウと戦い、勝った時には鬼岬に来い!毒ガマが、タックルを人質に待っている!」
タックルが捕まっていることを知ったストロンガー。
だが、シャドウもついに訪れたストロンガーとの1対1の戦いの機会を逃すつもりはない。
「まず、鬼岬には行けまいな…」
タックルを救うには、眼の前のシャドウを倒さなくてはならない。
ストロンガーの声には、焦りの色が見えていた。

その頃、奇械人毒ガマは、捕らえたユリ子の手足を封じて、毒ガエルをけしかけていた。
ユリ子の全身に、毒ガエルが張り付き、毒ガスを放ち始める。
あまりにも残酷な毒ガス責めに、苦悶の表情を浮かべるユリ子。
そして、ストロンガーも焦りから動きに精彩を欠き、シャドウに苦戦を強いられていた。
ジェネラルシャドウは、ストロンガーにとどめを刺すべく二人に分身。
さらに、二人のシャドウがいくつもの幻影を作り出し、ストロンガーを幻惑する。
「俺が何故『シャドウ』と呼ばれているか…それは、『影』を持つからだ!」
分身した二人のシャドウに囲まれたストロンガーは、幻影に囲まれどれが本物かわからない。
すると、なんと全く異なる場所に3人目の、本物のジェネラルシャドウが出現した。
本物のジェネラルシャドウはトランプショットをストロンガーの目に炸裂させ、ストロンガーは崖を転がり落ちる。そこにトドメのトランプショットが放たれ、ストロンガーは爆煙に消えた。

その頃、ブラックサタンのアジトでは、タイタンが、ストロンガーがジェネラルシャドウに倒された映像を見て、手柄を奪われたことに悔しさをにじませていた。
しかし、これで邪魔者が消えたのだと気を取り直したタイタンは、改めて奇械人毒ガマの毒ガス作戦をやり直そうとする。そこに、不審なモーターボートが鬼岬に接近しつつある報告が入った。
鬼岬では、毒ガスに身体を侵されたユリ子が苦しんでいた。
奇械人毒ガマは不審なモーターボートの接近を告げられ、急いで湖へ向かう。
だが、奇械人毒ガマが離れた隙に、生きていた城茂がユリ子を助けに現れた。

戻ってきた戦闘員を排除した城茂は、改めてユリ子の拘束を解く。
モーターボートを操縦していたのは、城茂に変装したおやじさんだった。
騙されたことを悟った奇械人毒ガマの耳に、ストロンガーの声が響く。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
ストロンガーと、パワーを取り戻したタックルが戦場に躍り出る。一度のジャンプで、両足を使い二人の戦闘員を一気に蹴り飛ばすダブルキックを炸裂させるストロンガー。
いよいよ、奇械人毒ガマとの決戦の時。
奇械人毒ガマは、胸のボックスから毒ガエルを放ち、毒ガスでストロンガーを襲う。
ストロンガーはタックルから毒ガスの存在を教えられ、ジャンプで毒ガエルを飛び越え奇械人毒ガマに接近戦を挑む。奇械人毒ガマは不利を悟り逃亡するが、悪を逃がすストロンガーではない。

奇械人毒ガマは、再び巨大な手をストロンガーの顔面に張り付かせ窒息させようとする。
ストロンガーはなんとかそれを振りほどくものの、奇械人毒ガマは奥の手として、舌を長く伸ばし、舌の先端から火花を吹き出してストロンガーを襲う。
ストロンガーと互角の跳躍力を持つ奇械人毒ガマとの死闘は、果てることなく続いた。
だが、奇械人毒ガマはジャンプした体当たりを躱され、転倒してしまう。
ストロンガーはその隙を見逃さず、ストロンガー電キックを叩き込んで奇械人毒ガマを倒した。

毒ガス作戦失敗を悟ったタイタンは、ストロンガーにアジトの所在を明らかにされ、ブラックサタンの機密が漏れる可能性を危惧したのか、アジトを自ら爆破する。
ジェネラルシャドウは、生き延びていた城茂を、次こそ抹殺することを誓う。
だが、そこに現れた百目タイタンは、ジェネラルシャドウのカードを持つ手を捻り上げ、ストロンガーを仕留め損ねて自らの作戦を失敗させたシャドウを罵倒する。
「間抜けめ。何がストロンガーを倒すだ。大口をたたいてヘマばかりやりおって!」
「うるさい!」
「二度と手出しをするな!」
ジェネラルシャドウは、ブラックサタンの組織の中で手柄を上げることにこだわっている百タイタンごときを相手にしないかのように、笑いながら去っていくのだった。

ブラックサタンの毒ガス作戦は潰れた。しかし、何処かで既に次の作戦は始まっている。
行け!城茂!自由と、正義の戦士!仮面ライダーストロンガー!

浜松城の幽霊騒ぎから始まり、幽霊の正体が奇械人であることが発覚。
そこに城茂が駆けつけ、一戦交えた後に捕まったおやじさんを救出。
しかし、ストロンガー抹殺に動くジェネラルシャドウの挑戦と、毒ガス作戦を実行しようとするタイタンの策謀が交錯し、捕まったユリ子を助けるために一芝居打つ城茂。
そして、奇械人毒ガマとの決着と、タイタンとシャドウの大幹部同士の手柄争い。
1話の間に非常に多くの見せ場が盛り込まれ、激しい場面転換と敵味方お互いの出し抜き合いが連続する密度の濃い作劇は、脚本を担当した伊上勝氏の真骨彫。
見終わった頃には、サブタイトルの「怪談 呪われた古城」って何のことだっけ?となってしまうほど、激動の展開が連続する見ごたえのあるエピソードになっている。

シリーズの縦軸となるドラマとしても、迫るブラックサタンの壊滅へ向けて、ジェネラルシャドウを疎むブラックサタン大首領や百目タイタンと、ジェネラルシャドウとの軋轢が顕となっていく描写もしっかりと盛り込まれ、ブラックサタンの不協和音は隠しきれなくなっている。

今回、ストロンガーとジェネラルシャドウとの一対一の決斗がついに展開された。
その勝負はタックルの救出に向かわなくてはならない焦りもあってストロンガーが動きに精彩を欠き、ついに分身能力を披露したシャドウに苦戦を強いられることとなった。
だが、ストロンガーは敗北を偽装して勝負から離脱し、見事にタックルを救出。
ストロンガーは一対一の決斗には負けたが、ブラックサタンとの勝負には勝った形となった。
今なお底知れぬ力を持ち、ストロンガーを苦戦させるジェネラルシャドウ。世界一の実力を証明すべく、仮面ライダー抹殺を狙う改造魔人に、ストロンガーは勝てるのか…。

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