「仮面ライダーストロンガー」第20話「恐怖の大砂漠!二人の藤兵衛!?」感想

2024年8月9日金曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

砂塵の舞う大砂丘で、仮面ライダーストロンガーとタイタンの決闘が始まろうとしていた。
一方、立花藤兵衛は自分とそっくりな顔の立木博士と間違われ、ブラックサタンに誘拐される。

囚われの立花藤兵衛を救え!砂塵の果ての死闘!

百目タイタンは、ストロンガーとの決着を自らつけるべく、砂漠で一対一の決斗を挑んだ。
死闘の果てに、ストロンガーのエレクトロファイヤーを「ファイヤー返し」で返した百目タイタンは、ストロンガーと相打ちになってしまう。
生え抜きの大幹部であるタイタンの生命がどうしても惜しいブラックサタン大首領は、ジェネラルシャドウに命じて、タイタンの治療を行える科学者、立木博士の拉致を命じた。
そして、立木博士拉致の任務の実行犯となったのが、今回の奇械人である奇械人アリジゴクだ。

だが、ここでブラックサタンや奇械人アリジゴクに誤算が生じる。
立木博士は、ストロンガーを治療してもらうために博士の元を訪れた立花藤兵衛と瓜二つだったのだ。奇械人アリジゴクは、まんまと立花藤兵衛を立木博士と間違えて拉致してしまう。
その後、立花藤兵衛を救出するために砂漠へ奇械人アリジゴクを追ってきた城茂と岬ユリ子は、地中を自在に移動し、蟻地獄で獲物を捕縛する奇械人アリジゴクに捕まってしまう。
上昇する気温の中、ブラックサタンに捕縛された城茂とユリ子、おやじさんの3人は砂漠に埋められ、死を待つのみになってしまった。果たして、城茂はこの危機を脱することが出来るのか。

馬に乗り、砂漠を訪れたストロンガー。
生物の骨が転がる死の大砂漠を訪れたその理由は、百目タイタンとの決斗に臨むためだった。
そして、百目タイタンも、スーツを脱いだ戦闘スタイルで砂漠に姿を現す。
百目タイタンから、仮面ライダーストロンガーに贈られた挑戦状。
場所は、大砂漠。百目タイタンはストロンガーに決斗を挑んだ。勝負は1対1。
果たして、この砂漠が最後の対決の場となるか…。

先に仕掛けたのは百目タイタンだった。一進一退の死闘が砂漠に展開される。
百目タイタンは銃でストロンガーを攻め、ストロンガーは電キックで反撃する。
激闘は、ストロンガーのエレクトロファイヤーと、百目タイタンのファイヤー返しが相打ちとなり、お互いに立ち上がれないほどのダメージを負う痛み分けで幕を閉じた。
百目タイタンはアジトへと撤退し、ストロンガーは救援に来たおやじさんに助けられる。
ストロンガーの身体を治せるのは、原子力研究所の立木博士しかいないのだという。
気絶した城茂は、おやじさんの車で原子力研究所へ運び込まれるのだった。

原子力研究所に通されたおやじさんは城茂をベッドに横たえ、立木博士の到着を待った。
すると、部屋を訪れた立木博士は、なんとおやじさんと瓜二つの顔をしている。
おやじさんと立木博士は、この偶然に驚きを隠せない。
一方、ブラックサタンのアジトでは、ブラックサタン大首領が生え抜きの大幹部である百目タイタンを死なせるわけにはいかないと焦り、百目タイタンの再生手術を行うことが出来る立木博士の拉致をジェネラルシャドウに命じていた。
ジェネラルシャドウを疎み、百目タイタンに肩入れするブラックサタン大首領は、寵愛する百目タイタンの治療のために冷遇しているジェネラルシャドウを扱き使う。
ジェネラルシャドウも素直に命令に応じ、立木博士の拉致を既に進めていたが、このブラックサタン大首領の依怙贔屓とも思える態度に不満を隠せずにいた。

おやじさんは立木博士に城茂を預け、ユリ子を探しに出発しようとしていた。
だが、車に乗り込んだおやじさんを、黒スーツに身を包んだ怪しい男が取り囲む。
男たちはおやじさんを立木博士と勘違いし、車に連れ込んで拉致してしまった。
大金をちらつかせて立木博士を利用しようとする怪しい男たちは、おやじさんを砂漠の真ん中まで連行する。そこで待ち受けていたのは、地中に潜んでいた奇械人アリジゴクだった。
奇械人アリジゴクは、おやじさんを地中へ引きずり込みアジトへ連行する。

その頃、ブラックサタンのアジトでは、重症を負った百目タイタンが苦しんでいた。
戦闘員に励まされる百目タイタンを、ジェネラルシャドウは嘲笑う。
「俺の占いに逆らってストロンガーと戦うから、そんな目に遭うのだ…」
そこに、奇械人アリジゴクが到着した。だが、もちろん奇械人アリジゴクが連れてきたのは、立木博士ではなくおやじさんだ。おやじさんと面識のあるジェネラルシャドウは、人違いでしくじった奇械人アリジゴクを叱責し、おやじさんを地下牢に閉じ込める。
そして、本物の立木博士を連れてくるように奇械人アリジゴクに命ずるのだった。

その頃、原子力研究所では城茂がすっかり回復を見せていた。
おやじさんとそっくりの顔をしていることから、城茂と立木博士はすっかり打ち解ける。
ユリ子を探しに行ったおやじさんの帰りが遅いことを心配した城茂が表に出ると、そこにはおやじさんの車だけが残されていた。不穏なものを感じた城茂は、駆けつけたユリ子と合流する。

一方、原子力研究所の職務に戻った立木博士に、奇械人アリジゴクが迫っていた。
腕のドリルで壁を掘り進み、立木博士を襲う奇械人アリジゴク。
だがそこに、城茂とユリ子が立ちはだかった。
奇械人アリジゴクは、奇械人の存在を知る二人を訝しんでおり、城茂の顔を知らなかったようだ。おやじさんと立木博士を確認もせず間違えたりと、どこかそそっかしい。
城茂は立木博士をユリ子に任せ、奇械人アリジゴクと対峙し、本物の立木博士を連れて行く、という奇械人アリジゴクの発言からおやじさんがブラックサタンに拉致されたことを察知した。
うっかり口を滑らせるあたり、やはりどこか迂闊な奇械人アリジゴク。
城茂は立木博士を守るため、部屋の外へ奇械人アリジゴクを誘い出すが、そこにジェネラルシャドウが現れ、トランプパンチでユリ子を気絶させ、立木博士を襲うのだった。

研究所の外に出た奇械人アリジゴクは、赤い体毛を伸ばし城茂の身体を絡め取る。
そのまま振り回され、地面に叩きつけられた城茂は、ストロンガーに変身した。
「変身…ストロンガー!天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!さあ言え、アリジゴク!立花のおやじさんは何処だ!」
奇械人アリジゴクはおやじさんが大砂漠の地底に捕らわれていることを話すと、胸の装甲板を投げつけストロンガーの隙を作り、ドリルで地下へと逃亡した。
そこに、意識を取り戻したユリ子が合流。
二人は、おやじさんと立木博士を救うべく大砂漠へ向かうことになった。

大砂漠では、二人のバイクも使えない。熱砂の中、城茂とユリ子はアジトを懸命に捜索する。
その頃、地下牢に閉じ込められたおやじさんも、脱出のために一か八か、水を求める声をかけて戦闘員を呼び寄せ、近づいたところを気絶、鍵を奪って逃亡を図る。
だが、その動きはジェネラルシャドウに既に察知されていた。
そして、アジトに連行された立木博士は百目タイタンの再生手術を強制される。
おやじさんはなんとかアジトから地上に出ることに成功する。
だが、大砂漠のど真ん中で何処に行けばいいのかもわからなかった。

大砂漠のど真ん中で、アジトを探す城茂とユリ子。
持ち込んだ水は僅かな中、一向にアジトもおやじさんも見つからない。
大砂漠を彷徨うおやじさんも喉の乾きで体力の限界を迎えつつあった。
気を失い、斜面を転がり落ちたおやじさんの声を聞きつけ、城茂たちはなんとかおやじさんを発見することが出来た。僅かな水を口に含み、なんとか意識を取り戻すおやじさん。
おやじさんの口から、負傷したタイタンの再生手術のために立木博士が拉致されたことを知った城茂は、おやじさんの足跡を辿ってアジトへ向かおうとする。
だがそこに、おやじさんを尾行していたジェネラルシャドウが現れた。

城茂たちを取り囲むように、砂の中から戦闘員たちが現れた。
そして、地中に潜んでいた奇械人アリジゴクが、流砂を作り出し城茂の動きを封じる。
奇械人アリジゴクが砂漠にアジトがあることを話したのは、待ち伏せのための罠だった。
地中に引きずり込まれた城茂は、身動きの取れないまま殴られ続ける。
体力を消耗したユリ子やおやじさんも戦闘員に抵抗できず、ユリ子はタックルに変身しようとしたところにシャドウのトランプパンチを受け、気絶してしまうのだった。

こうして、城茂たち三人はみな意識を失い捕らわれてしまった。
シャドウが城茂たちを始末しようとしたその時、再生手術を終えたタイタンが口を挟んできた。
生え抜きの大幹部としてのプライドで、雇われ幹部のシャドウに手柄を奪われるわけにはいかないタイタンは、ブラックサタン大首領が好む残忍な方法での抹殺を目論んでいた。
「シャドウ…勝手な真似はさせん!」
「どうするつもりかね、タイタン?」
「憎い3人だ、むざむざとは殺さん。長い時間をかけ力を奪い、地獄の責め苦を味あわせてやる!」
「俺の性には合わんやり口だな。ま、好きなようにやれ。後は知らん…」
ブラックサタンの組織内の立場しか見えていないタイタンに対し、ジェネラルシャドウは泰然とした態度で三人の抹殺という手柄を譲り去っていく。
格の違いを見せつけられながら、それに気づかないタイタンは、三人を生き埋めにし、砂漠の暑さと太陽の熱で焼き殺すように命じるのだった。

砂漠に肩まで埋められた城茂たち。
勝利を確信したタイタンは、現場を奇械人アリジゴクに任せ去っていく。
意識を取り戻した城茂が水を求めると、完全に油断した奇械人アリジゴクは、眼の前で水が失われる絶望を味合わせようという浅知恵で、城茂に見せつけるように眼の前の砂に水を零す。
だが、それこそが、ブラックサタンの性根の腐り方を計算した城茂逆転の秘策だった。
地中でコイルアームを露出させた城茂は、砂に染み込んだ水のショックでエネルギーを取り戻し、復活。一気に砂中から脱出してストロンガーに変身した!

復活したストロンガーはブラックサタン戦闘員を一掃。
さらに、胸の装甲板を投げつけてくる奇械人アリジゴクの攻撃を躱し、飛び蹴りを食らわせる。
奇械人アリジゴクはストロンガーに組み付き、投げ飛ばした隙に地中へ潜ると、再び蟻地獄の罠として流砂を作り出し、ストロンガーを地中に引きずり込む。
だが、ストロンガーはエレクトロファイヤーで奇械人アリジゴクを感電させ脱出。
さらに、エレクトロファイヤーからの飛び蹴りで大ダメージを与えたところに、最後のトドメのストロンガー電キックを炸裂させ、奇械人アリジゴクを粉砕するのだった。

戦いは終わり、脱出したユリ子と合流したストロンガーは、おやじさんが脱出の際につけていた目印を頼りにアジトを発見し、気絶していた立木博士を救出。
すると、そこにブラックサタン大首領の声が響き、アジトは自爆させられるのだった。
無事に脱出した城茂たちは、おやじさんと合流。
自分のために危険な目にあったことを謝るおやじさんに、城茂はおやじさんのおかげでブラックサタンのアジトが潰せ、立木博士を助けられたのだと逆に感謝する。
苦しませて死なせようという自らの判断ミスで失敗したタイタンは、恨みの炎を燃やすのだった。

砂漠での苦しい戦いは終わった。
だが、城茂とブラックサタンとの戦いは、まだ終わっていないのである。

ストロンガーとの一騎打ちで相打ちに終わった百目タイタンだが、生え抜きであるという理由だけでタイタンの命を惜しんだブラックサタン大首領は、あれだけ疎み、飼い殺しにしていたジェネラルシャドウをタイタンの命を救わせるために行動させる。
もはや完全にジェネラルシャドウをタイタンのバックアップ要員としか考えておらず、その能力を無駄遣いした結果、タイタンは無事に復帰できたものの、そのタイタンの判断ミスでまたしてもストロンガーの前に一敗地に塗れることになった。
ジェネラルシャドウも、もはやタイタンのやり方ではストロンガーを倒せないことを悟っており、タイタンが口を挟んできたや否や、あっさりと引き下がって無用な軋轢を避けている。
ジェネラルシャドウではなく生え抜きの大幹部にストロンガー抹殺の手柄を上げさせたいブラックサタン大首領と、ジェネラルシャドウを追い落とし、ブラックサタンの大幹部として君臨する組織内の立場しか見えていないタイタンは、もはや完全に戦う相手を見誤っていた。

おやじさんと立木博士を間違えたり、城茂の顔を知らなかったりと何処か迂闊な印象があった奇械人アリジゴクだが、都市部での戦いではストロンガーに分が悪いと見るや、テリトリーである砂漠での待ち伏せに方針を切り替え、おやじさんを捕らえていることを暴露してストロンガーを誘い出すなど、戦いでの駆け引きには長けている一面を見せた。
だが、勝利を確信した満身のあまり、喉の乾きを訴える城茂に見せつけるように水を零すという性根の腐りきった面を見せたばかりに敗北したのは因果応報としか言いようがない。

組織内での手柄争いに目が眩み、精彩を欠くブラックサタン大首領と百目タイタン。
ストロンガー抹殺だけを望むジェネラルシャドウは、意図せずしてブラックサタンの体制を引っ掻き回すトリックスターとなっていた。ブラックサタン崩壊の時は近い。

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