あらすじ
ジェネラルシャドウが率いるデルザー軍団が、仮面ライダーストロンガーに迫る。
行く手を阻む新たな敵・鋼鉄参謀には、ストロンガーの電キックも効かない。
城茂は、圧倒的な敵の力に徐々に追い詰められていく。
最強軍団・デルザー襲来!鋼鉄の巨人が絶望をもたらす!
ブラックサタンにクーデターを仕掛け、ストロンガーを利用して見事にブラックサタンを滅ぼしたジェネラルシャドウは、故郷である遠い魔の国から改造魔人たちを招集した。
彼らはかつて、人間たちを恐怖に突き落とした黄金魔人、狼男、フランケンシュタインといった伝説上の魔人たちの子孫であり、もともと強力な魔人としての肉体を機械化改造することで、人間をベースにした改造人間を遥かに凌駕する未曾有の戦力を誇る。
そんな彼らが結成した「デルザー軍団」は、組織を構成する改造魔人ひとりひとりが、これまでの悪の組織における大幹部級の戦闘能力を持つ、一騎当千の実力者である最強軍団。
対等の同盟者である彼らは軍団の指揮権をめぐり、ジェネラルシャドウの提案で仮面ライダーストロンガーを抹殺したものが軍団の指揮権を握るというゲームを行うことで合意。
だが、この提案と、上下関係がない対等の関係として軍団としてのまとまりを欠くことが災いし、ストロンガー抹殺と指揮権を巡った改造魔人同士の争いを起こすことも多いのが唯一の弱点だ。
しかし、軍団員全員がまともに戦えば改造電気人間としてのストロンガーを遥かに凌駕する実力を持っていることに間違いはなく、ストロンガーは常に命がけの戦いを強いられることになった。
そして、そんなデルザー軍団の改造魔人として、最初にストロンガーと戦う権利を得たのが、白夜の際にフィンランドに現れるという黄金魔人の子孫である鋼鉄参謀だ。
巨大な鉄球を振り回す怪力と、ストロンガーの電気エネルギーを逆流させる防御力を誇る鋼鉄の装甲を併せ持つ、攻防に優れた圧倒的な力を持つ改造魔人である。
また、堂々とした勝負で正面から相手を蹂躙する武人肌の性格でもあり、そのことから同じく卑怯な戦術を好まないジェネラルシャドウとは互いを認め合っていることを伺わせる。
ストロンガーはこの強敵を前に、攻撃は通じず、打撃を受ければ大ダメージという劣勢に追い込まれることになってしまう。果たして、ストロンガーはこの窮地を生き残れるのか?
ブラックサタン大首領はついにストロンガーの手で倒され、ブラックサタンは滅び去った。
その直後、闇の中から現れた、不気味な謎の一団があった。
これこそ、ジェネラルシャドウが故郷である遠い魔の国から呼び寄せた、同族である改造魔人によって結成されたデルザー軍団なのである。
ブラックサタン大首領が、最期に何かに怯えたまま滅んだことが気にかかっていた城茂が、ブラックサタンの本拠地の辺りを調べていると、その耳に不気味な足音が聞こえてきた。
それは、デルザー軍団の改造魔人たちが、ジェネラルシャドウが地上に用意したアジトへと移動する足音だった。城茂は、果敢にその後を追跡する。
ブラックサタンの本拠地への通路があった岩山へ、デルザー軍団を追って潜入した城茂。
デルザー軍団の正体を突き止めるため、通路へのドアを開けた城茂だが、ドアの向こうは切り立った崖だった。城茂は奈落の底へと落ちていく。
城茂とはぐれたユリ子は通信で呼びかけるが、その通信は主なきカブトローに届くばかりだった。
おやじさんは、ブラックサタンが滅んだことですっかり安心しており、城茂が罠にかかって危機に陥っているなどとは夢にも思わずにいた。
ジェネラルシャドウの案内で、7人の改造魔人が奇厳山内のアジトに集結した。
彼らは皆対等であり、それを現すようにアジトには円卓が置かれている。
ジェネラルシャドウは、ストロンガーを利用しブラックサタンを労せずして滅ぼし、デルザー軍団が取って代わることが出来たことの祝杯を上げる。
デルザー軍団の一人、荒ワシ師団長は、ジェネラルシャドウがリーダーを気取り軍団の主導権を握っていることに不満を漏らすが、ジェネラルシャドウに牽制され押し黙る。
一方、赤い妖花の改造魔人、ドクターケイトはブラックサタンを倒したジェネラルシャドウの手柄を認め、鋼鉄の巨人、鋼鉄参謀に話を振る。
「まあ、いずれにせよブラックサタンを倒した手柄は認めなくちゃならないわね。そうでしょ、鋼鉄参謀?」
「ともかく!手柄話はそれくらいにして、今後の計画を聞こう!ジェネラルシャドウ、貴方の考えは?」
円卓に集まった、荒ワシ師団長、ドクターケイト、鋼鉄参謀、ドクロ少佐、狼長官、隊長ブランク、岩石男爵たちが見つめる中、ジェネラルシャドウは口を開いた。
「ブラックサタン亡き後、我ら、デルザー軍団が地上の世界を支配する日は、目前に迫っている。まず最初の目的地は日本である。ただ…ここに一人だけ、我らの計画を邪魔する者がいる」
「我々に逆らえる者がいるとでも言うのか?」
鋼鉄参謀の問いに、ジェネラルシャドウは答える。
「城茂。またの名を、仮面ライダーストロンガー」
「何だ。誰のことかと思えば、たかが改造電気人間じゃないか。奴のことなら俺たちは、とっくに研究済みだ!」
ストロンガーの名を聞いた荒ワシ師団長は、ストロンガーなど問題にしない余裕を見せる。
岩石男爵やドクロ少佐もまた、ストロンガーなど取るに足りない存在と見ていた。
「俺たちを何だと思っておる。遠い昔、散々人間どもを震え上がらせた、魔人の子孫だぞ。電気パワーに負けるものなんか、一人もおりはせん!」
「よし!俺が片付けてしまおう!」
ストロンガー抹殺に名乗りを上げたのは、鋼鉄参謀だ。だがそこに、荒ワシ師団長が口を挟む。
「待て!ライダーストロンガーを倒した者は、なにか得があるのか?」
ジェネラルシャドウがその問いに答えた。
「そりゃあ、無論だ…デルザー軍団のリーダーになる資格があると思う」
「それなら、俺がやる!」
リーダーの座に目が眩んだ荒ワシ師団長の発言をきっかけに、改造魔人たちはストロンガー抹殺の権利を巡って言い争い始めた。ジェネラルシャドウはそれを制す。
「諸君!お静かに。この際、やはり…一番先に名乗り出た、鋼鉄参謀にやって頂こうじゃないか…。やって頂けますな、鋼鉄参謀」
「よし!引き受けた!この鋼鉄の、身体にかけて!作戦は、明日行う。期待しててもらおう!」
鋼鉄参謀は、堂々とした勝負を挑み、正面から相手を粉砕する戦術を得意とする。
それは、改造魔人としての規格外のパワーとタフネスに裏打ちされたものだ。
こうした武人肌の気質が、同じく正々堂々とした戦いを流儀とするジェネラルシャドウと気が合うのか、ジェネラルシャドウを「貴方」と呼ぶ敬意を見せている。
ジェネラルシャドウもまた、鋼鉄参謀にストロンガー抹殺の第1陣を任せるなど、この二人の間にはどこか通じ合うものがあるようだ。
こうして、鋼鉄参謀がまずストロンガー抹殺に乗り出すことになり、城茂を誘き寄せるための作戦が、翌日決行されることに決まった。
そして翌日。建設作業所で働く人々が、鋼鉄参謀の配下である戦闘員に襲撃された。
人々は懸命に抵抗するものの、次々に捕らえられてしまい、鋼鉄参謀やその配下によって、鎖で縛り上げられ、巨大な鉄球をぶつけられる残虐な処刑の手にかかってしまう。
デルザー軍団の面々は、それぞれが固有の仮面をつけた直属の配下である戦闘員を有する。
こうした描写も、軍団を構成する改造魔人それぞれが対等の関係であり、それぞれが独立した指揮系統を持っていることを巧みに説明しており、秀逸な描写だ。
その頃、テントローのアンテナで怪電波をキャッチしたユリ子は、おやじさんに連絡し怪電波の発信地を探すことになった。だが、城茂は未だに行方不明のままである。
城茂が危惧していた、ブラックサタン大首領の最期の言葉。ブラックサタンが滅んでも、もっと恐ろしい存在がやってくるという悪魔の予言。
ユリ子は、怪電波と大首領の言葉に関係があるのではないかと危惧していた。
そして、その予感は的中していた。鋼鉄参謀の配下から逃亡した男と出くわしたユリ子とおやじさんは、男が所属する建設作業所が怪しい集団に襲撃され、全滅させられたという話を聞く。
そしてそこに、地響きのような足音が聞こえてきた。足音を聞いた男は、追手が来たことに震え上がり、ユリ子とおやじさんにとても助からないので逃げるように警告する。
ユリ子はおやじさんに男を任せ、足音の聞こえる方へと向かった。
周囲を警戒しながら、足音の方へと向かったユリ子。
だが、一瞬、足音が止まったことに気を取られた隙に、全身を鎖で縛り上げられてしまう。
鋼鉄参謀配下の戦闘員を見たユリ子は、ブラックサタンではない新たな脅威の存在に戦慄する。
そして、爆煙とともに、鋼鉄参謀が現れた。
「一体何者なの!?」
「俺か?遠い魔の国から、世界を征服するためにやってきた、デルザー軍団の一人。鋼鉄参謀だ!城茂の仲間というのはお前だな。まず血祭りに上げてやるから、覚悟しろ!」
ユリ子を捕らえながら、タイタンのように人質として利用することもなく、城茂を恐怖と絶望のどん底に落とすため、血祭りに上げようとする鋼鉄参謀。
鋼鉄参謀がユリ子に迫り、とどめを刺そうとしたその時。城茂の口笛が戦場に響いた。
「来たな。城茂」
「デルザー軍団の鋼鉄参謀とか言ったな!相手になってやる!」
城茂が変身する前に、先にユリ子を抹殺しようとする鋼鉄参謀だが、自分のことを気にせず戦うように促すユリ子の声に応え、城茂は鋼鉄参謀へ向かっていく。
鋼鉄参謀もまた、その覚悟を認めたかのように、ユリ子から離れ城茂と対峙した。
鋼鉄参謀が城茂と対峙している隙に、おやじさんが現れユリ子を救出。
万全の体制で戦えるようになった城茂は、ストロンガーに変身する。
しかし、鋼鉄参謀配下の戦闘員も精鋭であり、ストロンガーを取り囲んで襲いかかる。
ユリ子はタックルに変身し、電波投げで戦闘員を攻撃するが、戦闘員は電波返しで電波投げを無効化。戦闘員ですら、奇械人と同等の耐電波能力を持つ脅威が迫る。
鋼鉄参謀は戦闘員に命じ、ストロンガーとタックルを鎖で縛り上げる。
だが、ストロンガーはエレクトロファイヤーで鎖に電流を流し、戦闘員を撃退。
ついに、鋼鉄参謀との一騎打ちに挑む。
巨大な鉄球を振り回す鋼鉄参謀に、俊敏な動きで対抗するストロンガー。
しかし、ストロンガーの攻撃は鋼鉄参謀に全く通じない。
ストロンガーは、ストロンガー電キックで一気に勝負を決しようとする。
だが、ストロンガー電キックが直撃したにも関わらず、鋼鉄参謀にはダメージが通らない。
それどころか、電キックの電気エネルギーがストロンガーに逆流し、ストロンガーが大ダメージを負ってしまった。改造魔人の肉体には、ストロンガーの電気エネルギーは通じないのだ。
「驚いたか!俺の身体に電気パワーを加えれば、それは直ちにお前自身に逆流するのだ!」
鋼鉄参謀の未曾有の脅威を悟ったストロンガーは、タックルとおやじさんを逃がし、時間を稼いだ後に自らもカブトローに乗って撤退した。
そして、鋼鉄参謀とストロンガーの戦いを、空から監視するものがいた。
赤い仮面と翼を持つ、荒ワシ師団長配下の戦闘員だ。
荒ワシ師団長のアジトへ帰還した戦闘員は、鋼鉄参謀がストロンガーを逃がしたことを報告する。
荒ワシ師団長は鋼鉄参謀のヘマを笑い、ストロンガーの監視を続けるように命じる。
鋼鉄参謀に襲撃された建設作業所へ向かった城茂たちは、生存者を探す。
物陰に隠れていた少年を発見した城茂たちは、少年の案内で作業所の所長たちと出会う。
所長は子供たちを連れて逃亡したことで無事だったが、残りの者は必死に抵抗したものの、殺され、僅かな生き残りも奴隷として拉致されてしまったのだという。
ブラックサタンとは比べ物にならない、あまりの非道に言葉を失う城茂とユリ子。
そこに、ジェネラルシャドウが現れた。
「ジェネラルシャドウ!さては貴様…デルザー軍団!」
「その通り。お前が大首領を殺してくれたおかげで、俺たちは一人の戦闘員も失うことなくブラックサタンに取って代わる事が出来た。その御礼に忠告したくてやってきた。デルザー軍団の実力を知ったからには、大人しく身を引いたらどうだ?」
「何を馬鹿な…断る!人間が貴様たちの奴隷にされるのを、黙って見ているわけにはいかん!俺に命のある限り、どこまでも貴様たちと戦うぞ!」
デルザー軍団への徹底抗戦を宣言した城茂に、ジェネラルシャドウが襲いかかった。
城茂はストロンガーに変身する。
「変身…ストロンガー!天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー!」
ジェネラルシャドウはシャドウ分身でストロンガーを幻惑し、ストロンガーはカブトキャッチャーで本体を把握しようとするが、カブトキャッチャーでも二人までしか絞り込めない。
戦いは互角かに見えたが、突然ジェネラルシャドウが一人に戻った。
鋼鉄参謀が、ストロンガーを追って現れたのだ。
ジェネラルシャドウは鋼鉄参謀のストロンガー抹殺の権利を差し置いたわけではなく、鋼鉄参謀がストロンガーのもとに到着する時間稼ぎをしたのだった。
ジェネラルシャドウは後を鋼鉄参謀に任せ、トランプフェイドで姿を消す。
荒ワシ師団長配下の戦闘員が監視する中、ストロンガーと鋼鉄参謀の死闘が続く。
ストロンガーの打撃は鋼鉄参謀に通じず、正面から受け止められてしまう。
そして、鋼鉄参謀の一撃でストロンガーが怯んだ隙に、鋼鉄参謀配下の戦闘員が現れ、鎖でストロンガーを縛り上げると、その鎖を地面に突き立てる。
これこそが、鋼鉄参謀のストロンガー抹殺作戦。
鎖を通してストロンガーの電気エネルギーを地面に吸い取らせ、無力化する作戦だった。
鎖を破壊しようとエレクトロファイヤーを出すストロンガーだが、その電気パワーは全て地面に吸い取られてしまう。弱ったストロンガーに、鋼鉄参謀の巨大鉄球が直撃した。
鋼鉄参謀の一撃を受けたストロンガーは、崖を転がり落ち、変身が解けてしまう。
勝利を確信した鋼鉄参謀が、配下の戦闘員に城茂を捕らえさせようとしたその時。
空中から荒ワシ師団長が飛来し、斧を投擲して鋼鉄参謀配下の戦闘員の動きを封じた。
そして、鎖に縛り上げられた城茂を連れ、空へと逃亡する。荒ワシ師団長は、デルザー軍団の指揮権を握るべく、ストロンガー抹殺の手柄を奪おうとしていたのだ!
「この獲物は、ワシが預かっていく!」
「ぬうう…おのれ、荒ワシめ!」
鋼鉄参謀の物凄い一撃を受けて気を失った城茂は、突然現れた荒ワシ師団長に攫われ、空高く連れ去られていこうとしている。頑張れ、城茂。負けるな、城茂!
ジェネラルシャドウが遠い魔の国から招聘した、7人の改造魔人。
ここでは、改めてその7人を振り返っておきたい。
最初にストロンガーへの挑戦権を得た、鋼鉄参謀は、フィンランドの白夜に出現するという黄金魔神の子孫である改造魔人。デルザー軍団屈指の実力派であり、その絶大なパワーに裏打ちされた、堂々と正面から相手を打ち破る戦いを得意とする戦士だ。
ストロンガーの電気パワーが通じないだけでなく、逆流してしまう鋼鉄のボディは、「イナズマンF」に登場したデスパー怪人を思わせる硬質な造形でその防御力を表現している。
怪力で巨大鉄球を振り回し、その一撃はストロンガーも変身解除に追い込まれるほどの威力だ。
そんな鋼鉄参謀から、ストロンガー抹殺の手柄を奪うべく行動していた荒ワシ師団長は、トルコの砂漠の上空に棲むという竜巻魔人エキムの子孫の改造魔人。
ジェネラルシャドウが軍団を取り仕切ることに不満を漏らし、デルザー軍団の指揮権を得るために他の改造魔人を出し抜こうとする策略家であるが、それはかつて友人に裏切られたことで、疑い深い人間不信に陥ったためであるという。
卑怯な手段や姑息な策略を好む一方、直接対決においても手斧と盾を武器とした空中からの奇襲を得意とし、ストロンガーの電気技が通じない頑強な肉体は決して侮れない。
赤い妖花の改造魔人であるドクターケイトは、妖花アルラウネの子孫であり、東ドイツに潜在する毒殺部隊の長でもある、魔女の血を引く毒花の化身。
全身から猛毒を放ち、奸智に長けているが、真の恐ろしさは狙った獲物を逃さない執念深さだ。
デルザー軍団きっての殺し屋と呼ばれるドクロ少佐は、幽霊騎士の子孫でありイタリアに地盤を持つ忍者集団=D.D.D.のボス。白骨化した不気味な姿は、暗殺のために体重を軽くするため、骨以外のものを身体から切り捨てたためだとされる。
火炎隠れ、ドクロ分体、ドクロ火炎、ドクロ機関銃といった7つの暗殺忍術はストロンガーの戦力を凌駕しており、格闘術にも長けた脅威の改造魔人である。
スフィンクスの末裔である岩石男爵は、改造特訓のために地底に潜り、岩を喰らうことで岩石の結晶エネルギーの剛力を得た岩石人間。ストロンガーをねじ伏せる怪力を誇る一方、ジェネラルシャドウに「どうしようもない単細胞」と称されるほど頭脳戦には弱く、デルザー軍団内のリーダーを巡る駆け引きでは他の改造魔人に一杯食わされることも多い。
だが、直接対決となればその無双の怪力は脅威である。
ショッカー怪人、ゾル大佐の正体とは違う、西洋妖怪の狼男の子孫である狼長官は、デルザー軍団きっての策略家だ。デルザー軍団の指揮権を巡る駆け引きでも、岩石男爵や城茂を利用し、成り上がり者と蔑むジェネラルシャドウの排斥を密かに企てている。
それは、西洋妖怪の名門である狼男の子孫であるという誇りによるものだった。
一族に通じる儀式「満月の誓い」を果たせば、その肉体は不死身になるという。
「フランケンシュタインの怪物」の血を引く改造魔人が、隊長ブランクだ。
知能は他の改造魔人に劣るものの、怪力による格闘戦や、ナイフを撃ち出す特製ライフルを用いた射撃にも秀でており、その有り余るパワーが最大の武器である。
この7人の改造魔人が、ジェネラルシャドウの招聘に応じて遠い魔の国から地上に現れた。
ジェネラルシャドウは、彼らの功名心を煽り、ストロンガー抹殺や日本への破壊活動を行うべく、ストロンガーを抹殺した者がデルザー軍団の指揮権を握るというゲームを提案。
各々が人間を震え上がらせた魔人の子孫であるという誇りを背負った改造魔人たちは、デルザー軍団の指揮権を巡り、ストロンガー抹殺に乗り出すことになった。
彼らは皆、改造電気人間であるストロンガーの戦力を遥かに凌駕した力を持ち、正面から戦えば、今のストロンガーに勝ち目はない。ただ一つ、付け入る隙があるとすれば、それは功名争いをしているがための内輪揉めによる、軍団内の潰し合いだけなのだ。
そして、デルザー軍団の先方としてストロンガー抹殺に乗り出した鋼鉄参謀は、デルザー軍団の改造魔人の力を、あまりにも絶望的に見せつけることになった。
鋼鉄でありながら、ストロンガーの電気パワーが逆流する防御力。
ストロンガーの打撃技を正面から受けてもびくともしないタフネス。
ストロンガーを一撃で変身解除に追い込む、怪力と巨大鉄球の一撃の破壊力。
全てがブラックサタンの奇械人と格の違う、圧倒的な力を見せつけた鋼鉄参謀。
このインパクトがあまりにも鮮烈だったのは、ストロンガーのブラックサタンとの戦いぶりが、圧倒的な無敵ぶりを見せてきた描写を全て前フリにしてしまったからだろう。
奇械人を相手に多彩な電気技を駆使し、幾多の奇械人や大幹部のタイタン、デッドライオンを圧倒してきた無敵のストロンガーが、攻撃は通じず一撃で昏倒する絶体絶命の危機に追い込まれる。
これまでストロンガーが無敵だったゆえに、そのストロンガーが手も足も出ない改造魔人、鋼鉄参謀の脅威が圧倒的な説得力を持って演出されたのは、あまりにも見事な展開だ。
そして、その鋼鉄参謀と同等の改造魔人が、まだ6人いる。
既に、荒ワシ師団長がストロンガー抹殺のために行動を開始した。
鋼鉄参謀に勝機を見い出せぬまま、次の脅威が既に飛来したのだ。
果たして城茂は、この危機を脱することが出来るのか?
そして、デルザー軍団の脅威の前に、勝機を見出すことが出来るのか…?