「電子戦隊デンジマン」第32話「地獄の大銃撃戦」感想

2024年9月23日月曜日

電子戦隊デンジマン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

黄山の開発した新型銃は標的の神経を20秒間麻痺させる強力なものだった。
一方、街中であきらや緑川を狙撃するベーダー怪物・ダートラーは、あきらと子供たちを人質にアスレチッククラブの送迎バスに立てこもる。電子戦隊とタートラーの壮絶な銃撃戦が始まる。

明日なき銃撃戦!新型銃で子供たちを救え!

今回のベーダー怪物はダーツの的のような顔が特徴のダートラー。
ベーダー一族きっての殺し屋であるダートラーは、デンジマンの暗殺を任務としている。
街中であきらや緑川を狙撃し、デンジマン抹殺を狙うダートラーだが、電子戦隊はそれを逆用し、緑川の死を偽装してベーダー一族を誘き出すことに成功。
電子戦隊にしてやられたダートラーやヘドラー将軍は、電子戦隊の弱点が守るべき人間を犠牲に出来ないことであると看破し、アスレチッククラブの送迎バスを襲い子供たちを人質にしてしまう。

一方、黄山は標的の神経を20秒間麻痺させる新型銃を開発していた。
それは、直接の殺傷力がないために、人質を取られた際に使用することで安全に人質を開放する事が出来る強力なものであり、ダートラーの人質作戦への切り札となる。
しかし、ダートラーもまた射撃の名手であり、拳銃やライフルを駆使した反撃を試みる。
デンジマンはダートラーとの銃撃戦を制し、子供たちを救出することが出来るのか。

デンジランドでは、黄山が新型銃のテストをしていた。
その銃が放つ衝撃波は物凄く、テストを横で見ていた青梅と緑川は気絶してしまう。
海底地震と思えるほどの凄い音に、様子を見に来た赤城も、黄山の銃の完成を祝う。
この新型銃は、発射の際の閃光と衝撃音によって一時的に神経が麻痺し、20秒近く身体が卒倒してしまう。だが、回復後は身体に何の後遺症も見られないのだという。
この新型銃があれば、ハイジャックやバスジャックが起きた際も、人質への被害を最小限に留めたうえで犯人を卒倒させて制圧し、人質を救出することが出来るのだ。

その頃、デンジランドには電子戦隊5人の遺影が送られてきていた。
送り主はもちろん、ベーダー一族である。ヘドリアン女王はビデオメッセージを遺影に添えており、電子戦隊全員を必ずあの世へと送ることを宣言していた。
その頃、あきらは街に出てウィンドウショッピングを楽しんでいた。
だが、そんなあきらを、ビルの屋上からベーダー怪物・ダートラーが狙っていた。
ダートラーの狙撃は周囲を巻き込み、狙撃を躱しつつ、その被害から人々を逃がしたあきらは、デンジランドにベーダー一族の襲撃を知らせる通信を送る。
救援に駆けつけた赤城たち4人は、ダートラーが陣取るビルへ駆け上がっていくのだった。

だが、階段を駆け上がっていた緑川を、ダートラーの狙撃が襲った。
ダートラーの放った弾丸は壁を跳弾し、緑川の胸を撃ち貫く。
ベーダー魔城に戻ったダートラーは、緑川の狙撃に成功した報告をしていた。
ヘドラー将軍は、ベーダーきっての殺し屋であるダートラーが仕損じることはないと厚い信頼を寄せるが、これまで、何度もデンジマン抹殺の報に糠喜びをさせられてきたヘドリアン女王はその報告を信じきれず、ミラーとケラーに緑川の死を確認させる。

その頃、緑川が撃たれた連絡を受けたチーコは、病院の霊安室へと急いでいた。
力なく横たわる緑川を目の当たりにしたチーコは大いに悲しむ。
そして、看護師に変装したミラーとケラーは、その様子を確認すると、ダートラーのもとに戻り、必殺の弾丸でデンジマンの一人を殺した腕前を称賛するのだった。
しかし、その現場に赤城たちが表れた。赤城たちはベーダーの殺し屋の正体を掴むべく、緑川に一芝居打ってもらい、死を偽装してベーダーをおびき寄せたのである。
防弾チョッキを着込んでいた緑川は、ベーダーを誘き寄せるためとはいえ、ガールフレンドを騙す羽目になったことをぼやく。ハードボイルドでカッコいい台詞だ。

デンジマンはデンジスパークし、一気に勝負をつけようとする。
だが、ダートラーとミラー、ケラーはダストラーを出撃させ囮にし、退却した。
ベーダー魔城に戻ったダストラーは、案の定糠喜びをさせられたヘドリアン女王に大いに叱責されていた。ダストラーの腕前を保証していたヘドラー将軍も、どこか居心地が悪そうだ。
ヘドラー将軍はダートラーにもう一度チャンスを与えるようにヘドリアン女王に懇願する。

アスレチッククラブで、あきらに水泳のコーチを受けた子供たちが、送迎バスに乗って帰宅の途に着いた。それを見送ったあきらだが、送迎バスはダストラーに襲撃、バスジャックされてしまう。
自転車で帰宅していた子供たちはその一部始終を目撃し、赤城たちにバスジャックを伝える。
ヘドリアン女王は、ダートラーたちがバスジャックを行ったことにそこまで興味を示さないものの、ヘドラー将軍はこのバスジャックがデンジマン抹殺の罠であると伝えるのだった。

ダートラーは、バスジャックされたバスを見下ろす位置に陣取り、デンジマンを待つ。
子供たちからバスジャックを伝えられたデンジマンは、デンジマシーンとデンジバギーでバスのもとへ向かった。しかし、待ち受けていたダートラーは狙撃を開始。
「弾散らし」で銃弾が四方八方に飛び散る範囲攻撃を受け、デンジマンは苦戦する。
デンジマンは土管に隠れ狙撃を避けながら、ダートラーへ接近を図る。
だが、ダートラーは、瞬間移動で高所へ移動し、今度は弾丸に追跡レーダーを内蔵した「ベーダーシャドー」で、土管に隠れたデンジレッドたちを狙い撃つ。

苦戦するデンジマンは、二手に分かれて人質を救出することに決めた。
デンジレッド・イエロー・グリーンが揺動し、ブルーとピンクがデンジバギーに乗ってバスに近づく。だが、ダートラーも弾散らしでデンジマンをバスに近寄らせない。
さらに、デンジマンがこのまま隠れているようならバスもろとも乗客を崖に落とすことを宣告。
バスは崖へ向かい動き始める中、デンジマンは黄山が開発した新型銃に全てを賭けることにした。

デンジバギーに積み込んでいた新型銃を構え、ブルーがバスへ向けて新型銃を銃撃。
その閃光と衝撃音で、バスを操っていたダストラーは昏倒した。
さらに、デンジバギーを狙撃するダートラーに、デンジレッドがデンジスティックを直撃させる。デンジバギーはバスへと急行し、ブルーとピンクは新型銃で昏倒した子供たちを救出した。
デンジレッドたちがダートラーを押さえつけている間に、バスは安全な場所へと避難する。
そして、デンジマンたちは高らかに名乗りを上げた。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」

正義と悪の大銃撃戦が始まった。
デンジマンは、ベーダーの銃撃をデンジジャンプで躱して接近。
俊敏な動きでベーダーを混乱させ、次から次に数を減らしていく。
ダートラーはベーダーシャドーでそんなデンジマンを狙撃するが、デンジマンはギリギリまで弾を引き付けてから躱し、ダストラーにその弾を当てる。
さらに、ダートラーの銃とイエローの新型銃がかちあい、衝撃波でダートラーはダメージを負う。
デンジマンはそこに電子稲妻落としを炸裂させるのだった。

ダートラーは細胞組織を組み替えて巨大化し、デンジマンもダイデンジンを発進させる。
「戦う電子戦隊デンジマン」をバックに、最終決戦が始まった。
ダイデンジンはダートラーのピストル攻撃や、ライフル攻撃、メガトン砲攻撃を受けるものの、その全てに耐え抜き、デンジダーツを投げつけて反撃する。
そして、連続パンチからの電子満月斬りでダートラーを打ち破るのだった。

平和が戻り、チーコは一度死んだはずの緑川が生きていたことを問い詰めていた。
あきらは緑川とチーコに、もう結婚してしまえばとからかう。
デンジマンのこの笑顔も、一時のものだ。
悪の限りを尽くすベーダーを根こそぎにしない限り、本当の笑顔はない。
頑張れ、デンジマン!

狙撃を得意とするダートラーと、新型銃を開発したデンジマンとの銃撃戦が全編にわたって描かれたアクションに重点が置かれた大娯楽編エピソード。
バスジャックされたバスを囮に、デンジマンを狙撃すべく待ち受けるダートラーと、その狙いを躱し、人質の解放を図るデンジマンの攻防は非常に見ごたえがある。
デンジマン抹殺のため、周囲に被害をもたらすベーダーの非道も強調されており、狙撃の流れ弾で街に被害がもたらされ、バスジャックが行われる、手段を選ばない恐ろしさが強調されていた。

ベーダー怪物すらも昏倒するほどの閃光と衝撃音を出すが、後遺症は残らない新型銃はまさに人質の開放にこれ以上なく適した発明品。やけにピンポイントな用途ではあるが、卑劣なベーダーが人質作戦を行うことを踏まえれば、安全に人質を救出できる手段はあるに越したことはない。
ベーダーの残虐な作戦の前に、デンジマンもただ手をこまねいているわけではないのだ。

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