あらすじ
ハングライダーを練習していた青年・筑波洋は、ネオショッカーに追われる志度博士を救った。
しかし、その復讐のため現れた怪人・ガメレオジンは洋の仲間を殺害。
さらに、志度博士を連れ去ろうとし、これを追った洋は瀕死の重傷を負ってしまう。
志度博士は命をかけて自分を救おうとした洋の命を救うため、洋の身体に改造手術を施し…。
新たな勇者が青空に翔ける たったひとつの命をはるかなる愛にかけて
4年の時を経て、「仮面ライダーシリーズ」がTVに帰ってきた。
「スター・ウォーズ」や「スーパーマン」といったハリウッドが生んだSF映画が起こしたSFブームが、日本国内で生み出された特撮作品の再評価をも呼ぶことになり、「仮面ライダーシリーズ」を見て育った世代の熱い支持と期待に答え、新たなる仮面ライダーが生まれることになる。
特撮技術の進歩とともに生まれた新たなるライダーは、大空を翔ぶ戦士・スカイライダーだ。
デルザー軍団壊滅後、新たに現れた悪の軍団・ネオショッカー。
かつてのショッカーの名を継承したこの新たな悪の組織は、来たるべき人口爆発・食糧危機に対して、優秀な人間のみを生き残らせる人口削減を目論む、優生思想に基づいた恐怖の軍団である。
単なる世界征服だけでなく、より現実的な目的に基づいた組織の思想が設定されているのも、SFブームを経てよりリアリティのある設定が求められたがためだろう。
ネオショッカーは優秀な人間を改造人間と変え、その手駒とすることで人口削減と優秀な人間の確保を行い、多くの罪なき命から生きる権利を奪おうとしているのである。
そして、その大首領の声は、かつて「宇宙に帰る」と言った岩石大首領と同じものだった。
果たして、ネオショッカーはかつての悪の組織といかような関係があるのだろうか。
そして、ネオショッカーへの協力を拒んだ科学者・志度博士は、ネオショッカーによって追われていた。そんな志度博士の姿を、ハングライダーの練習中に偶然目撃した青年こそ、筑波洋だ。
正義感が強い筑波洋は志度博士を助けるが、その過程でネオショッカーの末端の構成員であるアリコマンドを殺害してしまい、その報復として、ネオショッカーの構成員である怪人・ガメレオジンによってハングライダーを楽しんでいた仲間を皆殺しにされてしまう。
仲間の命を奪われ、志度博士にネオショッカーの悪を聞かされた筑波洋は、決然とネオショッカーに抗うことを選ぶ。だが、その直後に志度博士はガメレオジンによって拉致されてしまい、志度博士を助けるべくそれを追った筑波洋はガメレオジンに重症を負わされてしまった。
志度博士は、勇敢にも自分を救おうとした筑波洋の命を救うため、ある決断をすることになる。
今、筑波洋は悪と戦い人間の自由を守る戦士・仮面ライダーの宿命を背負うことになるのだった。
「誰かが君を狙っている!何かがやってくる!誰だ!誰だ!誰だ!」
「不滅のライダー」というフレーズが熱い主題歌「燃えろ!仮面ライダー」に合わせたOP。
ラストのナレーションはこの第1話限定のもの。
新たな悪・ネオショッカーが平和を破壊すべく忍び寄る、不穏なムードを煽るものになっている。
城北大学3年生、ハングライダー部に所属する青年・筑波洋。
彼は仲間とともにハングライダーの練習に赴き、滞空時間の新記録に挑戦していた。
そんな中、彼は上空から、1台の車が複数のオートバイに追われるところを目撃する。
正義感が強い洋は、車を助けるべくハングライダーを着陸させた。
車に乗っていたのは、科学者・志度敬太郎博士だった。
オートバイに乗っていた黒尽くめの集団は志度博士を車から引きずり出そうとする。
志度博士は、「絶対に戻らん!」と激しい抵抗を見せるのだった。
無事に着陸した洋は、黒尽くめの集団から志度博士を助ける。
黒尽くめの集団はヘルメットを外し、小さな角が生えた異形の姿を見せるのだった。
「君!勝ち目はない!逃げ給え!」
「僕は貴方を助けに来たんです。貴方こそ、逃げてください!」
洋の身を案じて逃げるように告げる志度博士に、洋はあくまで志度博士を助ける姿勢を崩さない。
だが、黒尽くめの異形は志度博士をあくまでも攫おうとするのだった。
洋は志度博士を庇いながら逃走し、それをオートバイに乗って追った黒尽くめの異形は木に激突して意識を失った。洋は志度博士と共に岩陰に隠れると、川に手袋を落とし、物音を立てることで水に飛び込んだと偽装し、追手を撒くことに成功する。
気絶した黒尽くめの異形のもとに戻った洋は、その正体を確かめようと考え意識を取り戻させようとするが、突然黒尽くめの異形は顔から煙を吹き、身体が溶解して消えてしまった。
洋は志度博士に事情を確かめようとするが、志度博士は何も知らないほうが身のためだと警告し、ここで起こったことを夢だと思って口外しないように告げる。
志度博士は助けてくれたことに感謝を述べ、自分のことを忘れるように告げて去って行った。
その頃、ハングライダー部の仲間たちは、帰りが遅い洋のことを心配していた。
すると、突然周囲が暗闇に包まれる。
そして、近くにあった木に、異形の顔面が浮かび上がった。
「お前達の仲間が、我々の邪魔をし、部下の一人を殺してしまった…お前達が償いをするのだ!」
その声とともに、突然地中から手が伸び、それに足を掴まれたハングライダー部の学生たちは、助けを求める声も虚しく地中に引きずり込まれてしまう。
一瞬の静寂の後、筑波洋はハングライダー部のキャンプ地点に戻ってきた。
だが、そこで彼が見たものは、助けを求める仲間が地中から伸ばした手。その周囲を急いで掘り返した洋は、ハングライダー部の仲間たちが生き埋めにされ殺害されたことを知る。
ネオショッカーの戦闘員であるアリコマンドが、地中に巣を作る蟻の改造人間であることを活かした地中に引きずり込み生き埋めにする描写は、かなりの恐怖描写。
泡にされて溶かされる、よりも生々しい殺害方法なのが、かえって恐怖感を煽っていて秀逸だ。
仲間たちを無惨に殺された洋の胸には、強い怒りが生まれていた。
そして、仲間たちの死体は赤い光とともに溶解し消えてしまう。
あまりの事態に動揺する洋だが、物陰に黒尽くめの女性が隠れていることに気づき、その後を追う。黒尽くめの女性・叶みどりは、志度博士に言われて洋の安否確認に来たのだという。
洋は、志度博士が仲間たちの死に関係していることを悟り、何故志度博士を助けた時に何も言ってくれなかったのかとみどりを問い詰める。そして、仲間たちの死の真相を知るために、志度博士に会わせるように頼み込み、みどりもそれを了承して志度博士の隠れ家へ案内するのだった。
だが、それを、異形の存在が密かに尾行していた…。
志度博士と対面した洋は、志度博士に謝罪される。
何も知らず殺された仲間の弔いのために、真実を知ろうとする洋。
志度博士は、深入りすれば洋の家族が狙われると警告するが、洋は3年前に両親と妹を事故で一度に失った天涯孤独の身だと伝え、あくまでも真実を知ろうとする。
その決意に折れた志度博士は、真実を知ることは命がけであると最終確認する。
「私の話を聞くのは、命がけになるが、それでもいいのかね?」
「構いません。命がけで、お聞きしましょう」
その傍らでコーヒーを淹れるみどりは、部屋の照明が不気味に点滅していることに気づく。
「君の仲間を襲い、私を狙った相手は、ネオショッカーという、影の組織なんだ」
みどりが点滅する部屋の暗闇の中に異形の存在の顔を目撃する中、志度博士は自らを追う存在が世界の影に存在する秘密結社・ネオショッカーであることを話す。
志度博士が言うには、ネオショッカーは、今全国で起きているという謎の蒸発事件、ビルの爆破事件、政治家の暗殺という数々の事件に関わっているのだという。
洋が衝撃の事実に驚いていると、そこにみどりの悲鳴が響いた。
洋と志度博士が悲鳴の聞こえた部屋に向かうと、みどりが気絶していた。
目を覚ましたみどりは、部屋の暗闇に恐ろしい顔が浮かんでいたことを話す。
志度博士は、ついにこの隠れ家にまでネオショッカーの追手が現れたことを悟るのだった。
洋はネオショッカーの追手を探すため志度博士の隠れ家の外に出ると、怪しい人物がいた。
男は名ルポライター、飛田今太と名乗る。
飛田今太はこの後、仮面ライダーとネオショッカーの戦場に鉢合わせし、ネオショッカーを撮影しようとするが、即座にネオショッカーを間近で目撃して気絶する「だけ」の人物。
この第1話ではともかく、次回以降ドラマに何も寄与することない「無」の存在だ。
コメディリリーフキャラが本筋にしゃしゃり出るとうざったい、というのはよく聞く気もするが、本当に何の意味もない虚無のまま消えたことでかえって伝説になった、気はする。
志度博士がショックを受けたみどりを励ましながら隠れ家の奥へ隠れようとすると、そこに、先程ハングライダー部を抹殺すべく現れた異形の声が響いてきた。
「志度博士…お迎えに参上した…」
なんと、志度博士が励ましていたみどりは異形の存在・ガメレオジンの変装だったのだ。
「ネオショッカーのガメレオジンが、直々に迎えに来た!」
洋が引き返すと、そこに志度博士の姿はなく、本物のみどりが気絶していた。
そこに聞こえてきた飛田今太の悲鳴で、志度博士がネオショッカーに拉致されたことを知った洋は、オートバイに乗ってネオショッカーの車を追跡する。
ガメレオジンの指示で、黒尽くめの異形・アリコマンドのオートバイ部隊が洋に襲いかかるが、洋はそれを突破し、志度博士が囚われた車に並走する。
だが、窓から顔を出したガメレオジンは、洋に舌をを伸ばし、強烈な一撃を喰らわせる。
洋は転倒し、頭部を強打して重症を負ってしまった。
ガメレオジンは志度博士に絶望を味わわせようと、あえて車を停める。
志度博士は、重症を負った洋を目の当たりにし、深い絶望と後悔に襲われるのだった。
「死は、時間の問題だな…」
「私は…今日5人の若者を死なせ…今またこの青年を死なせようとしている…」
だが、洋の脈を取った志度博士は、洋がまだ生きていることを知った。
「まだチャンスはあるぞ…ガメレオジン!私の頼みを聞いてくれ!私はこの青年を死なせたくない…この青年の…改造手術をさせてくれ!」
「俺の一存では決められん…」
志度博士は、洋の命を救うべく、洋を改造人間として蘇らせる決意をした。志度博士はもともと、ネオショッカーで人体改造を担当していたが、脱走したところを追われていたのである。
渋るガメレオジンだが、そこに軍服を着た男が現れた。
その男こそ、ネオショッカーの陣頭指揮を執る大幹部・ゼネラルモンスターだ。
「許可しよう、志度博士…ただし、こちらの要求も聞け!」
ゼネラルモンスターの許可で、ネオショッカー秘密基地に運び込まれた筑波洋。
白いアリコマンドを助手に、志度博士は洋の改造手術を開始する。
レーザー光線が洋の身体に照射され、洋の肉体が人ならざるモノへ作り変えられていく。
「我々が何故、その青年・筑波洋に改造手術の許可を与えたか、わかるかね、志度博士…。我々は筑波洋に興味を持った。我々のコンピューターは、筑波洋を有能と答えを出した。つまり、ネオショッカーにとって、必要とする人間である!」
混濁する意識の中で、洋は犠牲となった仲間たちや、自身を襲ったネオショッカーのビジョンを見ていた。洋が目を覚ました時、そこには誰もいなかった。
「僕は…僕は生きているのか?」
ゼネラルモンスターが監視カメラで見つめる中、洋は秘密基地の外へと脱出する。
高原に出た洋を取り囲むように、アリコマンドの群れが現れた。
アリコマンドの群れに襲われた洋は、自分の体が以前と異なる力を秘めていることに気づく。
そこに、ガメレオジンが志度博士を連れ現れた。
「お前も今では、俺の仲間となった身だ!博士、説明してやれ!」
だが、志度博士は黙して語らない。洋は身体の異変について、博士に懸命に問いかける。
すると、ガメレオジンが口を開いた。
「俺が言ってやろう。今のお前の姿は、本当のお前の姿ではない!」
「本当の姿は、どうなんだ!」
「俺と同様の、改造人間だ!」
自分が今や改造人間となったことを知った洋は、自分の掌を見つめる。
本当に人間でなくなったのかどうか、自分の体に問いかけるように…。
「博士。どうやれば本当の姿になるか、たっぷりと教えてやれ!」
「私には出来ない…!」
罪悪感から口を閉ざし続ける志度博士に、ガメレオジンは制裁を与えようとする。
洋は博士を助けるべく、アリコマンドの群れを蹴散らしていく。
すると、アリコマンドを蹴散らしていく拳の動きが偶然にも、洋の身体を人ならざるモノへと変える、スイッチとなる動き―「変身ポーズ」となった!
洋の腰に出現した変身ベルト「トルネード」の風車が回り、激しい閃光が走る。
跳躍後、着地した洋の顔が、水面に映る。そこに映る姿は、赤い瞳を持った、仮面の戦士だった。
「これは…?この顔は…?これが俺の姿か…?」
岩をも握りつぶせる怪力を得たことで、洋は自らが本当に改造人間となったことを悟る。
変身ベルトの作動とともに跳躍した洋を探すガメレオジン。
その前に、仮面の戦士となった洋が現れた。
ゼネラルモンスターはアリコマンドに、改造手術の分析の報告を受けていた。
そこに、ネオショッカー大首領の声が響く。
それは、4年前、栄光の7人ライダーが討ち滅ぼした岩石大首領と同じ声色だった。
「ゼネラルモンスター、改造手術は失敗だ!ネオショッカーにとって、危険人物になる恐れがある。直ちに処分するのだ!」
ゼネラルモンスターは、志度博士が洋の脳改造を行わなかったことを悟るのだった。
「話し合いは終わりだ。これからは…」
「これからは?」
「殺し合いだ!」
話し合いなど欠片もしていなかった気はするが、ともかくガメレオジンは臨戦態勢となる。
「貴様を始末しろとの命令だ!」
「簡単にはやられない!」
ガメレオジンは舌を伸ばして洋の首に巻き付け、縛り上げる。
「そんな姿でどう生きていく?死んだ方が身のためだ!」
ガメレオジンは、改造人間となった身にどこか諦観を持っているような発言をする。
もちろん、人ならざるモノと化した洋を挑発する意図なのだろうが、同時に自分自身もまた改造人間となったことで、「こんな姿でどう生きていく」のかという諦めを抱きネオショッカーに与しているかのようなドラマを感じさせる台詞だ。だが、洋は強い意志を持ってそれを否定してみせる。
「その心配は…無用だ!」
洋はガメレオジンを蹴り飛ばす。すると、その先に飛田今太がいた。
ガメレオジンを見た飛田今太は気絶する。この男はこの先、ずっとこれだけの役回り。
ガメレオジンは木に溶け込み隠れるが、洋は地面の血痕を辿りガメレオジンを発見。
強烈な一撃でガメレオジンにダメージを与えていく。
洋を崖下に転落させたガメレオジンは岩石を落とす。すると、岩石はアリコマンドになった。
アリコマンドの連携を跳ね除けた洋は、ガメレオジンに組み付き、投げ飛ばす。
そして、跳躍すると必殺の一撃―「スカイキック」を炸裂させるのだった。
スカイキックは足先の映像だけが喰らう怪人の画に合成される演出で演出されており、新鮮だ。
致命傷を負ったガメレオジンは、自分の負けを認めるが、同時に洋の敗北をも宣告する。
「俺の負けだ…しかし、お前も負けたな!ここはネオショッカーの処刑場だ…生きては戻れん!」
ガメレオジンは発光しながら消滅した。すると、突然周囲に大爆発が起きる。
ネオショッカーの処刑場とは、処刑を受ける相手もろとも自爆する仕掛けだったのだ。
爆発に巻き込まれた洋は、ベルトの側面のレバーを下げる。
すると、洋の肉体は風に乗り、大空を滑空するのだった。
「空を…俺は空を翔んでいる!空を翔べるんだ!」
爆発した処刑場の惨状を目の当たりにした志度博士は、洋を犠牲にしたことを悔やむ。
「私は…何のためにあの青年を蘇らせたのか!」
だが、そこに無事に脱出した洋が姿を現した。
「志度博士!悪と戦えとの願いからではありませんか!」
「無事だったのか!」
「死ぬのは、一度でたくさんです」
人ならざる身となりながら、気丈にも軽口を叩く洋に、志度博士は詫びる。
「すまん…君には詫びる言葉もない。私は、元通りの君で生き返らせたかった。そんな姿にしてしまって…私を憎んでくれ!」
「博士、元気を出してください。私は、少しも博士を恨んだり、憎んだりしません。逆に、今は感謝する気持ちです。ネオショッカーの悪を知った今、それと戦える力を与えてくれたことに、感謝します!私は悪を憎みます。ネオショッカーと戦います」
洋は、本心からそう思い、志度博士と共に、ネオショッカーと戦う決意をしていた。
「本心からそう思ってくれるのか…!」
「前の私にはなかった力が、今はあります。それも、素晴らしい力が!」
他者を蹂躙する悪を打ち破る力。そして、大空を翔ける力。
「いいですか、博士。私は大空を翔べるのです。見てください。セイリング・ジャンプ!」
ベルトの重力低減装置を作動させてセイリングジャンプした洋は、大空を翔ける。
その姿を見て心を救われた志度博士は、涙ながらに、洋に新たな名前を授けるのだった。
「筑波くん…君こそ、君こそ『仮面ライダー』だ!」
大空を舞う仮面ライダー。
その心には、ネオショッカーに対する怒りが、炎のように燃えていた!
エンディングテーマ「はるかなる愛にかけて」は、「仮面ライダーシリーズ」全体のテーマソングとも言える、愛のためにたったひとつの命をかけて戦う男の姿を謳った名曲。
4年ぶりのシリーズ再開ということもあり、「仮面ライダー」という作品の原点に回帰したテーマ性を感じさせる曲が、番組のクロージングを引き締めている。
新たなる「仮面ライダー」誕生を描いた第1話は、筑波洋の強い意志が描かれた名編。
人ならざる身となったことを受け入れ、逆に悪と戦う力、そして大空を翔ける夢を実現する力を与えられたのだと肯定的に受け止める心の強さが強く描かれている。
その心の強さは、自分を巻き込み、運命を狂わせて改造人間としてしまった罪悪感を抱いていた志度博士を励まし、その悲しみを止めてみせた。
人々の悲しみを止めるのがヒーローなら、筑波洋はその心の強さで志度博士の悲しみを止めた瞬間、まさにヒーローに、仮面ライダーになったのだ。
志度博士が自身の悲しみを止めた洋に「仮面ライダー」の名を授けたのも、その強い心がネオショッカーの改造人間とは違う、「仮面ライダー」であることを悟ったからに違いない。
こうして生まれた新たな仮面ライダーは、改造人間となった哀しみを、悪と戦う力を与えられたこと、大空を翔ぶ力を与えられたことで乗り越えた強き心を持つ戦士だった。
新たなる悪、ネオショッカーの恐怖から人間の自由を守るため、大空を翔ける『スカイライダー』が、敢然と立ち上がったのだ。今、新たなる斗いの陽が昇る。