あらすじ
忍術を操るニンポーラーがあきらの生徒・秀一少年に取りついた。
優秀な秀一が悪事を働くことに異常を感じたあきらは秀一を守ろうとする。
しかし、あきら自身もニンポーラーに取りつかれてしまい…。
少年に取り付く忍者怪物 悪夢から少年を救い出せ
今回のベーダー怪物は、忍術を操るニンポーラー。
人間の頭脳に取り付き、その身体を意のままに操る能力を持つベーダー怪物だ。
その任務は、あきらの頭脳に取り付きデンジランドに潜入、デンジマンたちを毒殺すること。
そのための布石として、アスレチッククラブであきらに水泳を習う秀才少年・秀一の頭脳に取り付き、悪事を働くことで秀一を心配したあきらを誘き寄せようと目論む。
真面目な秀一が悪事を働くことに異常を感じたあきらは秀一を助けようと近づくが、ついにニンポーラーに頭脳に取り付かれてしまい、身体を意のままに操られてしまうのだった。
電子戦隊は秀一やあきらの異変に気づくものの、あきらの頭脳に取り付いたニンポーラーを除去するには、あきらの肉体に電気ショックを与え、頭脳に取り付いているニンポーラーに苦痛を与えることで物理的に引き剥がすしか方法がなかった。
そしてそのためには、デンジランドにニンポーラーが取り付いたあきらを運ぶ必要がある。
ついに、ベーダー一族にデンジランドの在処が暴かれてしまうのか。
そして、ニンポーラーに取り付かれたあきらはどうなってしまうのか。
電子戦隊はあきらを救い、ニンポーラーを倒すことが出来るのか…。
ヘドラー将軍とバンリキ魔王は、ついに直接ぶつかり合っていた。
ベーダー魔城にとって異物であるバンリキ魔王は、ヘドラー将軍にとって許せないものだた。
ヘドリアン女王はそれを仲裁するが、ベーダー怪物を侮辱されたヘドラー将軍の怒りは激しい。
一方、バンリキ魔王も悪びれずに、ベーダー怪物はへなちょこばかりと罵倒する。
悔しかったらデンジマンを叩きのめしてみろと笑うバンリキ魔王。
そこに、ニンポーラーが現れる。
ニンポーラーは日本古来の忍術をマスターした、恐るべきベーダー怪物なのだ。
バンリキ魔王に烏天狗の出来損ないと罵倒されたニンポーラーは、ベーダー怪物の汚名をそそぐべく、デンジピンクに取り付き、忍法でデンジマンを倒すべく出撃する。
アスレチッククラブで水泳のコーチをするあきらは、教え子の秀一が新記録を出したことを称え、さらに頑張るように目をかけていた。
他の子供たちも、勉強もスポーツも良く出来る秀一のことを尊敬していた。
しかし、そんな秀一に、ニンポーラーが目をつける。
秀一の眼の前に現れたニンポーラーは蜘蛛糸で秀一の動きを封じ、秀一の頭脳に取り付いた。
ニンポーラーに取り憑かれた秀一は公園で暴れまわる。
その知らせを受けた電子戦隊だが、秀才である秀一が悪事を行うなどにわかに信じられない。
知らせを受けた電子戦隊が公園に駆けつけると、秀一は逃亡した。
あきらは秀一の後を追いかけるが、秀一は木の棒を振り回し、あきらに襲いかかる。
あきらがデンジピンクにデンジスパークすると、下忍の格好をしたダストラーが現れた。
ダストラーがデンジピンクの足止めをしている間に、秀一は廃タイヤ置き場に逃亡する。
そこで、秀一の頭脳から飛び出したニンポーラーは、あきらを誘き寄せるために、廃タイヤに火をつけろと迫る。秀一の助けを求める声を聞いたデンジピンクだが、ダストラーの足止めが激しい。
結局、秀一はニンポーラーの脅迫に応じなかったが、ニンポーラーは再び秀一の頭脳に取り付き、秀一を苦しめ、その苦痛に耐えかねた秀一は脅迫に屈してしまうのだった。
秀一を探すあきらは、チーコが乗るパトカーが廃タイヤ置き場に向かうのを見つけ後を追った。
そこでは、秀一がタイヤに放火していた。チーコは秀一を追いかけ、あきらは秀一を庇う。
事情があるとばかり言う電子戦隊の面々に、チーコもいい加減苛立っていたが、あきらの件名の頼みに応じ、後から事情聴取する約束をしてあきらに秀一を任せるのだった。
秀一を問いただすあきらは、秀一に必死に助けを求められる。
しかし、あきらが秀一に接近した瞬間、ニンポーラーがあきらの頭脳へと侵入した。
ついにあきらへ取り付くことに成功したニンポーラーの姿に、ヘドリアン女王もご満悦で、ベーダー怪物の成功を勝ち誇る。だが、バンリキ魔王は勝負はこれからだと不敵な態度を崩さない。
ニンポーラーはあきらの頭脳の中で暴れ、激しい頭痛を引き起こす。
その苦痛に耐えかねたあきらは、ついにニンポーラーの指示に従されてしまうのだった。
一方、ニンポーラーが体から抜け出し気を失っていた秀一は、チーコたちに発見されていた。
秀一はあきらの危機を伝えるべく、電子戦隊の元へと急ぐ。
だが、あきらが先に電子戦隊の元へとたどり着いていた。
ニンポーラーはあきらにコーヒーの中に毒を混入させ、電子戦隊を毒殺しようとしていた。
あきらが淹れたコーヒーを出された電子戦隊だが、間一髪、秀一がそこに駆けつけた。
秀一の口から、あきらの頭脳の中にニンポーラーがいることを聞いた電子戦隊。
あきらはニンポーラーに操られるまま、忍術で電子戦隊に襲いかかる。
今や、あきらはニンポーラーの意のままに操られていた。
あきらの身体からベーダー怪物を科学的に追い出すには、電気によるショック両方や催眠療法を行うしかないが、その場合あきらの肉体に負担がかかってしまう。
赤城は一か八か、デンジランドであきらに電気ショック療法を行うことを決断した。
ニンポーラーがデンジランドの内部に潜入する手柄を上げたことを知ったヘドリアン女王は、これでデンジランドを一気に叩き潰せると上機嫌で、バンリキ魔王に勝ち誇る。
赤城たちは目隠しを付けたあきらをデンジランド内部へと連れていく。
そして、黄山の手で電気ショック療法が開始された。
激しい電流の苦痛が、あきらとニンポーラーを襲う。
ついに、苦痛に耐えかねたニンポーラーがあきらの体から抜け出した。
ニンポーラーはデンジランドからの脱出を図る。
あきらもなんとか目を覚ますのだった。
ニンポーラーは外に出る扉を発見し、その中で飛び込んだ。
しかしそこにあったのは、デンジランドなどではない、日本の古城だった。
電子戦隊は偽のデンジランドを作り、ニンポーラーを騙したのだ。
あきらは、何の罪もない少年の頭に入り込み苦しめたニンポーラーに怒りを爆発させる。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
高らかに名乗りを上げたデンジマンは、ニンポーラーたちと戦いを開始する。
デンジマンはデンジスティックを日本刀に変え、剣戟アクションでダストラーを蹴散らす。
ニンポーラーは無数の糸を放ち動きを封じる蜘蛛絡めや、水鳥の羽を飛ばす忍法・羽根吹雪でデンジマンを攻め立てるが、デンジマンは5人で手を組み、デンジ羽根返しで羽根吹雪を跳ね返す。
その様子を見ていたバンリキ魔王は、最後の詰めが甘いとベーダーを嘲笑うのだった。
火遁の術でデンジマンを攻めるニンポーラーだが、デンジマンは5人全員のデンジドリルでそれを脱出。さらに、デンジ影分身で3人ずつに分身し、計15人になる。
15人がかりのショットガンに、ニンポーラーも「本物だけ来い!」と慌てふためくのだった。
そして、ショットガンからのドラゴンフライ、さらにデンジブーメランが炸裂するのだった。
巨大化したニンポーラー相手に、ダイデンジンが発進する。
ニンポーラーは頭部だけの姿になってダイデンジンを翻弄するが、ダイデンジンは連続パンチでニンポーラーを痛めつけ、足を踏みつけて身軽な動きを封じ連続攻撃を叩き込む。
ニンポーラーの蜘蛛絡めや羽根吹雪をも、デンジ忍法返しで跳ね返したダイデンジンは、必殺の電子満月斬りを炸裂させ、ニンポーラーを一刀両断、打ち破るのだった。
秀一も元に戻り、ニンポーラーに見せられた悪夢を拭うように水泳のレッスンに励む。
悪魔のようなベーダーは、何時でも、何処でも、何処からでも、君たちを狙っている。
油断するな、絶対に!
人間の頭脳に取り付き、頭痛を引き起こすことで意のままに操るニンポーラーの恐ろしさが印象的なエピソード。片頭痛に襲われた経験のある方ので、その恐ろしさが身を持ってわかる。
忍術を操るというだけはある身軽な殺陣も見事な演出で見ごたえのあるものだった。
そして最後には、デンジマンに逆に忍術であるデンジ影分身を受け、動揺したまま倒されるというのも逆転劇として痛快な展開だ。15人ものショットガンが襲いかかるのは、それは恐怖だろう。
ヘドラー将軍とバンリキ魔王の間の対立も深刻なものになってきた。
自らは行動を起こさず、ベーダー怪物の不甲斐なさを嘲笑い続けるバンリキ魔王は、ヘドラー将軍にとって単なる異物という以上に不快な存在なのだろう。
しかし、バンリキ魔王は何故ベーダー魔城に居座り続けるのか。
底知れぬバンリキ魔王の真意は、一体何処にあるのだろうか?