「仮面ライダーストロンガー」第38話「出現!ライダー1号2号!!」感想

2024年10月10日木曜日

仮面ライダーストロンガー 東映特撮YoutubeOfficial

t f B! P L

あらすじ

仮面ライダーV3とライダーマンが敵の罠に落ちてしまい囚われた。
一方、ストロンガーとジェネラルシャドウの戦いにも終止符が打たれようとしている。
そんな中、奇厳山の人面岩が仮面ライダーとデルザー軍団の戦いを見つめていた。

『伝説』の帰還。世界の平和を守るため、かえってくるライダー!

ジェネラルシャドウとストロンガーの一騎打ちは、全く互角の死闘だった。
チャージアップ・ストロンガーの超電子の力にすら耐えるジェネラルシャドウの執念。
V3とライダーマンを救い、デルザー軍団を倒す使命感に燃えるストロンガーの決意。
信念のぶつかり合いは、果たしてどちらに軍配が上がるのか。

一方、V3とライダーマンを捕らえたデルザー軍団は、ジェネラルシャドウが勝ってストロンガーが死ねば良し、ジェネラルシャドウが負けてもストロンガーはパワーを使い果たすと読んでいた。
そうしてストロンガーを始末すれば、残る敵はXライダーとアマゾンライダーのみ。
正義と悪の決戦は、ついに悪の勝利に終わるのか?

だが、ここでヨロイ騎士が一つの懸念を示す。
仮面ライダーには、1号と2号という戦士がいたという、悪の組織の間に伝わる伝説。
幾多の邪悪を打ち倒し世界に平和をもたらした、2人の改造人間の伝説だ。
だが、勝利を確信したマシーン大元帥は、彼らの存在を伝説に過ぎないと一笑に付す。
V3とライダーマンという先輩が人質になっている以上、Xとアマゾンも手が出せない。
もはや、デルザー軍団を阻むものはいないのか?

しかし、我々は知っている。2人の改造人間が実在したことを。
仮面ライダー1号、本郷猛。仮面ライダー2号、一文字隼人。
世界の平和を守るため、我らを狙う黒い影を倒すべく。『伝説』の改造人間が帰還した。
栄光の7人ライダー、ここに集結。正邪の最終決戦へ向け、ここに役者は揃った。

デルザー軍団の日本全滅作戦を阻まんと富士ダムへ向かった仮面ライダーV3とライダーマンは、敵の手に落ちて囚われた。2人のライダーを助けようとするストロンガーの前に、ついに宿敵・ジェネラルシャドウが決戦を挑んできた。生か死か。2人の戦いは始まった。
そして、その戦いを、不気味に眺める奇厳山の人面岩の秘密は…?

「シャドウの生きがいは、貴様の死だ!」
ジェネラルシャドウの猛攻に、ストロンガーはストロンガー電キックで反撃。
しかし、ジェネラルシャドウはトランプフェードで姿を隠し、いくつものカードを出現させ、ストロンガーを幻惑する。実体を捉えられず、火炎放射で攻められるストロンガー。
「見たか!仮面ライダーストロンガーは、シャドウの敵ではない!死ねっ!」
だが、ストロンガーは全てのカードを破壊することに成功。
ジェネラルシャドウはシャドウ剣を抜くが、もはや武器であるカードは手元にない。
正面からの直接対決は、全くの互角だった。

ストロンガーは切り札の超電子ダイナモを起動させ、チャージアップ・ストロンガーに進化。
チャージアップ・ストロンガーの超電ドリルキックが、ジェネラルシャドウに炸裂する。
だが、ジェネラルシャドウはそれに耐え、なおもストロンガーに襲いかかる。
ストロンガーは決戦に終止符を打つべく、超電子ダイナモのフルパワーを発動。
ジェネラルシャドウもまた、「シャドウパワー」で全パワーを開放する。
チャージアップ・ストロンガーの超電稲妻キックと、ジェネラルシャドウのシャドウ剣が交錯。
超電稲妻キックが炸裂すると同時に、シャドウ剣がストロンガーを貫いた。
勝利を確信するジェネラルシャドウ。だが、超電子の技を2発も受けた彼の体は限界だった。
「…勝った!デルザー軍団、万歳!!」
自ら結成しながら、ついに自分の指揮下に治めることが出来なかったデルザー軍団の栄光を叫び、ジェネラルシャドウは爆炎の中に消えていった。ついにジェネラルシャドウは倒れたのだ。

なんとかジェネラルシャドウを倒した城茂だが、超電子ダイナモのフルパワーを使い果たしたことで、その身体からは超電子エネルギーが完全に失われていた。
そこに、マシーン大元帥たちが現れる。もはや、城茂に抵抗する力はない。
マシーン大元帥は、城茂を人質にしてXライダーとアマゾンライダーを誘き寄せようとする。
「流石は、マシーン大元帥!Xライダーとアマゾンも捕まえれば、仮面ライダーは全て生け捕り!」
「いや待て!仮面ライダーには、1号2号というのがいたそうだ!」
マシーン大元帥を称賛する磁石団長に、ヨロイ騎士は1号2号の存在を提言する。
だが、マシーン大元帥はまるで動じない。
「そんなものは伝説だ!間もなく日本は、デルザー軍団のものになる!」
V3の「3」を何のことだと思ってるんだとはなる台詞だが、好意的に解釈すれば1号2号と戦った悪の組織は完膚なきまでに壊滅し、彼らの実在を証明する証拠を遺せなかったのかもしれない。
ともかく、3人のライダーがデルザー軍団の手に落ちてしまった。

城茂や風見志郎、結城丈二を捜索するおやじさんの前に、デルザー軍団が現れた。
彼らはV3たちのマシンに乗って現れ、自分たちが3人ライダーを捕らえた証明とする。
デルザー軍団はおやじさんに、3人のライダーの命を助けたければ、明日の10時、奇厳山の魔人ヶ滝まで来るようにXとアマゾンに伝えるように言い残し去って行った。
3人のライダーが捕まったことに、歴戦の勇士であるおやじさんも戦慄する。
「奇厳山の魔人ヶ滝、明日10時…Xライダーもアマゾンライダーもそれまでに間に合うか…こんな時、1号と2号がいてくれれば、心強いんだが…」
おやじさんは今ここにいない、2人の教え子について思いを馳せる。

デルザー軍団は、奇厳山の魔人ヶ滝ではマシーン大元帥がXライダーとアマゾンライダーを待ち受け、磁石団長とヨロイ騎士が2箇所に分かれて破壊活動を行う計画を立てた。
磁石団長とヨロイ騎士がそれらの地点の占領を完了すれば、日本占領は90%成功する。
人質が3人いる以上、Xライダーとアマゾンライダーも手を出せないはずだった。
デルザー軍団はいよいよ間近に迫る勝利へ向け、結束を高める。

翌日。奇厳山の魔人ヶ滝では、城茂が瀑流の中に吊るされ、晒されていた。
おやじさんはXライダーやアマゾンライダーに接触できず、単身3人の教え子を救出に向かう。
城茂の元へ向かおうとしたおやじさんを、銀色の手袋をつけた何者かが抑えた。
驚きの声を上げようとするおやじさんの手を、銀色の手袋をつけた手が抑える。

マシーン大元帥は、戦闘員にXライダーとアマゾンライダーがヨロイ騎士たちの破壊活動を妨害している報告を受け、ストロンガーたちを見殺しにするつもりなのかと混乱する。
そこで、マシーン大元帥は見せしめに城茂を機関銃で抹殺しようとする。
だが、城茂の姿は瀑流から消えていた。
城茂を救ったのは、仮面ライダー1号と、仮面ライダー2号。
1号はアメリカから、2号はインドから日本へ戻ってきた。
伝説の改造人間たちが、全ての戦いに決着をつけるべく帰還したのである。
先程、おやじさんを抑えた銀色の手袋は仮面ライダー1号のもの。
教え子2人と再会を果たしたおやじさんは大いに喜ぶ。
「驚いたかデルザー!恐れ入ったと両手をつけ!」
「ええい…黙れ!ライダー1号2号、恐れるに足らずだ!やれい!」

1号の技が、2号の力が。デルザー軍団を次々に打ち砕いていく。
1号のライダーキックが、マシーン大元帥に炸裂し、マシーン大元帥を制圧した。
1号と2号は、マシーン大元帥にV3とライダーマンが捕まっている地下牢まで案内させる。
城茂を介抱しながらその姿を見ていたおやじさんは、涙ぐむのだった。
「帰ってきた…1号2号。これで7人の仮面ライダーが全部揃ったってわけだ!嬉しくて…」
「鬼の目に、涙か!」
「こいつめ、いつの間に気がついて!」
意識を取り戻した城茂にからかわれるおやじさんだが、その表情は明るい。
それは、「仮面ライダー」から5年間、紆余曲折あり幾多のアクシデントを乗り越えながら「変身ブーム」を牽引し続けた「仮面ライダーシリーズ」を見守り続け、今主演を努めた若者たちが大成して帰還したことを目の当たりにした、演者の小林昭二氏の思いそのままの表情なのだろう。

マシーン大元帥によって、デルザー軍団アジト内の地下牢に続く扉の前に辿り着いた1号と2号。
しかし、うっかり自分たちで扉を開ければ、中にどんな罠があるかわからない。
歴戦の勇士の勘で、1号と2号はマシーン大元帥に扉を開けさせようとする。
だが、突然扉の前の床が抜け、マシーン大元帥が地下に消えた。
なんと、扉の前の床が脱出口になっていたのだ。
「馬鹿め!裏の裏をかいたのだ!」
脱出したマシーン大元帥の指示で、入口が閉ざされたアジトに毒ガスが充満する。
地下牢に続くという扉はただのダミーで、扉を剥がした先は壁だった。
1号と2号が苦しむ中、こんなことだろうと判断し、後を追ってきていたストロンガーがドリルキックで壁を粉砕して助けに来た。1号は、脱出の寸前、デルザー軍団の作戦計画書を発見。
これで、ヨロイ騎士や磁石団長が襲撃しようとしている地点も判明した。

3人のライダーは、作戦計画書に書かれた地点へと急行する。
1号と2号を仕留め損なったことに気づいたマシーン大元帥は、今度は通り道にある吊り橋に爆薬を仕掛け、3人のライダーが通ろうとしたところで爆破。
十重二十重の罠を仕掛けるあたり、最後の敵に相応しい用意周到さだ。
3人のライダーは、爆炎の中に消えてしまう。

その頃、磁石団長は、とある島に大量の爆薬を仕掛けて爆破し、港に水を逆流させて津波を起こすことで東京を水の底に鎮めようとする大規模破壊計画を進めていた。
マシーン大元帥は戦闘員に3人のライダーの死体を確認させるが、見つからない。
それもそのはず、3人のライダーは生きていた。3人ライダーはマシーン大元帥と戦う。
一方、磁石団長は配下の戦闘員に爆薬を運ばせ、島へ設置していた。
その姿は、ちょっとした現場監督だ。
「グズグズするなぁ~!どんどこやれ、どんどこ!」

マシーン大元帥を2号に任せ、1号とストロンガーは磁石団長の下へ向かう。
そこに、ヨロイ騎士の一味が足止めに現れた。
1号がヨロイ騎士を引き受け、ストロンガーは磁石団長の下へ向かう。
1号は流れるような攻撃でヨロイ騎士を圧倒し、次々に戦闘員を排除する。

爆薬の設置を終えた磁石団長たちは安全地帯まで交代し、起爆装置のスイッチを押す。
「さぁ~面白いもの見せてやるぞ!…ん?ん?何だ、こりゃあ!こらあ、ヌケサク!もう一度爆薬を仕掛け直してこい!とっとと行け!モタモタするなあ!」
だが、何度スイッチを押しても爆薬は起動しない。戦闘員たちが爆薬を再度設置することになったが、どうにも信用できない磁石団長は、自分で直々に爆薬を仕掛けることにするのだった。
「どうもアイツら頼りにならん。俺が自分で直々に仕掛けるか…」

磁石団長が爆薬設置場所に向かうと、戦闘員たちが揃いも揃って気絶していた。
「おいおい、このザマ…何だぁ、どいつも、こいつも…だらしねえ!」
だが、戦闘員のひとりが突然起き上がり、磁石団長の足を取る!
「誰だ、突然、馴れ馴れしい!」
右往左往する磁石団長は、ちょっと可愛い。ともかく、その戦闘員は城茂の変装である。
「生憎だな、磁石団長!壊れた爆薬装置では、役に立たねえなぁ!」
「じゃかましい!貴様ごとき相手は、俺様ひとりで十分なんだいっ!
磁石団長は城茂を水の中に突き落とすが、城茂はストロンガーに変身して水中を脱出。
「ヨロイ騎士、マシーン大元帥も今頃ライダー1号2号に倒されている!デルザー軍団の最後だ!」

「仮面ライダー讃歌」が流れる中、1号がヨロイ騎士と戦い、2号もマシーン大元帥を追い詰める。
その戦いの様子を、奇厳山の人面岩は見つめ続けていた。
磁石団長を追い詰めるストロンガー。正義と悪の戦いは、最終局面を迎えていた。

ついに、7人の仮面ライダーが、日本に勢揃いした。
デルザー軍団との最後の決戦は、果たしてどうなるのであろうか。
そして、謎を秘める奇厳山の正体は、一体何なのであろう…。

次回は、5年間に渡る「仮面ライダーシリーズ」の最終回。
それに相応しく、次回予告のアナウンスも、特別な趣向が凝らされた。
「ストロンガー最終回」ではなく、「『仮面ライダー』最終回」とアナウンスされたのだ。
7人の仮面ライダーが集結し、それぞれに課せられた戦いの運命に終止符を打つ。
シリーズ最大のクライマックスが、もうすぐそこに迫っている。

ついに、「ストロンガー」シリーズ中盤から後半までのドラマをトリックスターとして牽引し続けたジェネラルシャドウとの決着が果たされた。
ストロンガーとジェネラルシャドウの死闘はまさに一進一退の互角の攻防で、ジェネラルシャドウの切り札である巨大カードを用いた幻術をストロンガーが打ち破れば、ジェネラルシャドウはストロンガーの切り札である超電子の技に一度は耐えてみせる。
そして、続けて放たれた最強技・超電稲妻キックに対してもシャドウ剣で相打ちに持ち込み、超電稲妻キックには耐えきれず爆死したものの、ストロンガーの超電子のパワーを尽きさせた姿は、まさにストロンガーの宿敵と呼ばれる相応しいベストバウトだった。
そして、自ら結成しながらも、ついに指揮権を握ることが叶わなかったデルザー軍団の栄光を叫び散っていく姿は、自らの信念に殉じて生き、散っていった壮烈な生き様を強く印象付けた。
まさに、「仮面ライダーストロンガー」というシリーズを象徴する名キャラクターだろう。

ライダー1号2号の帰還に合わせ、Xライダーとアマゾンライダーは先んじてヨロイ騎士や磁石団長と戦っていたという台詞での描写からは、仮面ライダー同士の信頼関係が窺える。
Xライダーとアマゾンライダーは、先輩ライダーたちが助け合うことを信じていたからこそ、自分たちは成すべき使命を成すために磁石団長やヨロイ騎士の元へと向かっていたのだろう。
彼らの妨害によってデルザー軍団の日本征服は既のところで阻止されており、今回のエピソードにおける仮面ライダーたちの逆転劇の隠れたバイプレーヤーとなっている。

1号と2号の帰還を目の当たりにし、涙するおやじさん。
それは「仮面ライダー」という番組の第1話よりこのシリーズを支え、今、5年間にわたるシリーズのフィナーレを見届けようとする小林昭二氏の想いそのままだったのだろう。
幾多のアクシデントを乗り越えて作品を成功させ、「変身ブーム」という社会現象を巻き起こした2人の教え子が立派に大成して、シリーズのフィナーレを見届けるべく帰還したのだ。
その感慨が並々ならぬものだったことは、想像に難くない。

こうして、ついに7人の仮面ライダーが日本に集結した。
今、彼らが背負った悪と戦う宿命の全てに、終止符を打つ時が来た。
全ての謎は奇厳山の人面岩に収束していき、正邪の最終決戦が始まる。

QooQ