あらすじ
ライダーマンが、デルザー軍団の日本征服を食い止めるため日本にやってきた。
ライダーマンはV3と合流し、デルザー軍団の地震発生装置による日本壊滅を食い止めようとする。
そして、ジェネラルシャドウとストロンガーによる、生死を懸けた戦いが始まろうとしていた。
ストロンガー対ジェネラルシャドウ、今こそ決着の時!
前回、X・アマゾン・ストロンガーの3人ライダーに敗れた磁石団長とヨロイ騎士。
だが、本人たちが言うように、彼らは不死身にも思える生命力を持っていた。
集結する仮面ライダーたちに対抗すべく、デルザー軍団が進める次の計画は、地震発生装置によって大地震を引き起こし、日本列島を壊滅させる恐怖の計画である。
その陰謀を打ち破るべく、今、歴戦の勇者がまた1人日本へと帰還した。
個人の復讐心を乗り越え、大義のために命を散らす覚悟で戦い抜き、「仮面ライダー4号」と呼ばれるようになった戦士、ライダーマンこそ結城丈二だ。
思い込んだら一本気なところがあり、それゆえにデストロンの正義を信じていた過去や、仇敵ヨロイ元帥に陥れられたことがある結城丈二だが、その性格は今も健在。
偶然遭遇したストロンガーをデルザー軍団を倒す障害と思い込み、あわや一触即発の事態になる。
城茂もまた、自らに襲いかかるライダーマンを、デルザー軍団の仲間だと誤解してしまった。
しかしそこに、かつて両者と共に戦った風見志郎が合流し、誤解は解かれる。
風見志郎と結城丈二は、かつてデストロンと共に戦った時のように連携し、デルザー軍団の陰謀を探り始めるが、デルザー軍団は既に十重二十重の罠を仕掛けていた。
果たしてV3とライダーマンは、この窮地を脱することが出来るのか。
一方、マシーン大元帥が配下の磁石団長とヨロイ騎士を呼び寄せ、新生デルザー軍団の態勢を盤石とする中で、ジェネラルシャドウは急速に組織内の立場を失っていた。
そしてそれは、ストロンガーにマシーン大元帥の進める作戦をリークし、ストロンガーを利用してマシーン大元帥の作戦を失敗させたことが露見したことで決定的なものになり、ジェネラルシャドウはマシーン大元帥にストロンガーとの一騎打ちに臨むことを命じられる。
それはジェネラルシャドウの戦士としての誇りを尊重した判断であると同時に、実質的にはデルザー軍団の敵と独りきりで戦って死ねという、死刑宣告だった。
ジェネラルシャドウは、これまで敵味方双方の運命を占い、その行く末を左右してきたカード占いで自らの死を予見しながら、最後に残された戦士の誇りを胸にストロンガーとの一騎打ちに臨む。
ついに、ストロンガーとジェネラルシャドウの因縁に決着がつく時が来るのだ。
マシーン大元帥は、新たに作り出したデルザー軍団の秘密兵器、地震発生機のテストを開始した。
秘密兵器というだけあって地震発生機の威力は凄まじく、実験場に選ばれた場所には地割れや陥没が起こる大地震が巻き起こり、一瞬にして都市が壊滅してしまう。
磁石団長やヨロイ騎士がその威力に感嘆し、日本列島をズタズタに壊滅させる決意を語る中、ひとりその輪に入ろうとしないジェネラルシャドウの目は冷ややかだった。
軍団の指揮権をマシーン大元帥に奪われた今、ジェネラルシャドウの居場所は軍団内にない。
マシーン大元帥は、第一の攻撃目標として富士ダムを狙うことに決定。
そして、磁石団長とヨロイ騎士が富士ダム破壊作戦を行うことに決まる。
ストロンガーや他のライダーに気づかれないように警告するマシーン大元帥にジェネラルシャドウが口を挟み、ストロンガーは必ず自分が引き受けると宣言するのだった。
デルザー軍団のアジトがあると思われる奇厳山。
おやじさんがデルザー軍団のアジトを探して車を走らせていると、突如地震が発生した。
なんとか難を逃れたおやじさんは城茂と合流。
城茂は、本来地震が起きるはずもないこの地域で、この一週間で5回も地震が連続していることを怪しみ、そこにデルザー軍団の陰謀の気配を感じ取っていた。
おやじさんが車の発進にもたついている間に、城茂はデルザー軍団を捜索しに出発した。
そして、その先で磁石団長とヨロイ騎士を乗せた車が何処かへ向かうのを発見する。
その車に怪しげな装置を発見した城茂は、車の尾行を開始した。
一方、磁石団長とヨロイ騎士は、富士ダムへ向かう道中でガスタンクを発見。
地震発生機のテストとして、ガスタンクを地震で破壊することを思いつく。
磁石団長とヨロイ騎士が車を降りたのに合わせ、城茂もデルザー軍団に接近する。
だがその背後に、何者かの影が迫っていた。その男こそ、結城丈二。
かつて、仮面ライダーV3とともにデストロンと戦った、ライダーマンである。
ヨロイ騎士による地震発生機の起動を食い止めるべく、飛び出した城茂。
だが、それに合わせ結城丈二も飛び出し、城茂に飛びつく。
結城丈二は、城茂が自分の標的であるデルザー軍団打倒の邪魔となると誤解していた。
城茂の接近に気づいた磁石団長とヨロイ騎士は車に戻り逃亡するが、完全に城茂を邪魔者だと誤解した結城丈二は城茂に組みつき、その間にデルザー軍団は逃げてしまう。
結城丈二はヘルメットを取り出し、ライダーマンに変身した。
「ヤー!あいつらは、俺の獲物だ!」
「デルザーの新しい仲間か!」
「邪魔させん!行くぞ!」
城茂も、自分の邪魔をしたライダーマンをデルザー軍団の新しい仲間と誤解してしまう。
城茂を完全に自分の障害と思い込んだライダーマンは、城茂に襲いかかった。
思い込んだら一本気なところは昔と変わっていない結城丈二だが、「仮面ライダーV3」で当初は敵とも味方ともつかないポジションで登場したことを踏襲した展開となっている。
とはいえ、他のライダーが出会ってすぐに以心伝心のコンビネーションを見せていたことを思うと、もともと早とちりするタチとはいえ不憫な立ち回りではある。
ライダーマンの攻撃に、城茂もストロンガーに変身。
対面した2人のライダーは、ついに直接対決の時を迎えてしまう。
だがそこに、両者と面識のある仮面ライダーV3が仲介に駆けつけた。
「2人とも、やめるんだ!味方同士だ!」
「えっ?すると、君は…」
「ああ。俺達の仲間、ギリシャからやってきた、ライダーマンだ!」
「君は、ストロンガーだったのか…」
「ははは…さあ、2人とも、手を握るんだ!」
V3の仲介で、誤解を解いたストロンガーとライダーマンは握手を交わし和解。
ライダーマンは、自分の早とちりでデルザー軍団を逃がしたことを謝罪する。
そこにおやじさんも駆けつけ、ライダーマンとの再会を喜ぶ。
「死んだと思ったライダーマンもどっこい生きていた」ことは知っていたおやじさんだが、その発言によってライダーマンの生存が明かされた「仮面ライダーX」第27話でも直接は会っておらず、ライダーマンを含めた5人ライダーが揃った映画「5人ライダー対キングダーク」でも僅かな時間しか対面していないため、直接言葉を交わすのは「仮面ライダーV3」第51話以来久しぶりのこと。
正義のために自らを犠牲にしたはずの結城丈二と再会を果たせたことは、無上の喜びだ。
おやじさんはライダーたちに、富士ヶ大橋が真っ二つになったという情報を知らせる。
まるで大地震が起きた時のような被害を、ライダーたちはデルザー軍団の仕業と推測。
そして、デルザー軍団の作戦が地震に関係があると推測し、富士ヶ大橋の先にある富士ダムが狙われれば、麓の町が水没する大被害が出る可能性に思い至るのだった。
一方、マシーン大元帥はさらなる策略を巡らせていた。
磁石団長とヨロイ騎士が仮面ライダーたちと遭遇したことを受け、彼らが富士ダムを守りに向かうことを推測し、ライダーがダムの守りに気を取られ、磁石団長やヨロイ騎士と戦っている間に、自ら出撃してコンビナートのジェット燃料パイプを爆破、東京中を火の海にしようとしていたのだ。
その話を聞かされていたジェネラルシャドウは冷淡な態度を見せ、自らも出撃する。
デルザー軍団の車が来た方面に戻り、手がかりを探していた城茂の前に、ジェネラルシャドウが出現した。ジェネラルシャドウは巨大なカードに身を隠し、城茂を翻弄する。
シャドウ剣で襲いかかるジェネラルシャドウの猛威に、城茂もストロンガーに変身した。
ストロンガーとジェネラルシャドウの戦いは、一進一退の攻防を見せる。
「こうなったからは、逃げも隠れもせん!デルザー軍団はマシーン大元帥のものとなった今、俺の目的はただ貴様を殺すことだけなのだ!行くぞストロンガー!」
瞬間移動でストロンガーを幻惑するジェネラルシャドウ。
だが、ストロンガーの裏拳が、偶然背後に回ったジェネラルシャドウの顔面にヒットし、ストロンガーはその隙を逃さず一気に連続パンチを叩き込む。
すると、ジェネラルシャドウは突然敗北を認め、自らを殺すように申し出てきた。
いかにデルザーの改造魔人でも、無抵抗の相手を殺せないストロンガーは、命を助けるのと引き換えに、ジェネラルシャドウにマシーン大元帥の行く手を尋問する。
ジェネラルシャドウはマシーン大元帥がジェット燃料パイプを爆破に向かったことを話す。
さらに、自分がその場所へと案内すると言い出した。
ストロンガーがそれに応じると、ジェネラルシャドウはシャドウ剣を納め、案内を始める。
マシーン大元帥は、石油基地に入るトラックを奪い、それに爆弾を仕掛けて突入させようとしていた。そこに、ちょうど石油基地へ入ろうとしているトラックがやってくる。
石油基地の入口は有刺鉄線のバリケードが張られており、それをどかそうとした運転手はマシーン大元帥配下の戦闘員に襲われ気絶してしまった。
戦闘員たちはバケツリレー形式で、トラックに次々と爆弾を積み込んでいく。
そして、爆弾を満載したトラックの運転席に、気絶した運転手を口減らしとして乗せた。
トラックが石油基地へ突進していく様子を見て、大爆発を確信し高笑いするマシーン大元帥。
だが、トラックが突然逆走を始め、マシーン大元帥たちに突っ込んできた。
マシーン大元帥は辛くも難を逃れるが、火薬はトラックの荷台から落ちて爆発する。
トラックの運転手は城茂の変装だったのだ。マシーン大元帥は作戦の失敗を悟り撤退する。
「俺の作戦を防いでも、富士ダムの破壊は絶対に成功する!そしてお前の仲間は囚われるのだ!」
不吉な予言を残し、マシーン大元帥たちは姿を消した。
一方、ジェネラルシャドウはまんまと自分の思惑通りに事が運んだとほくそ笑む。
マシーン大元帥の作戦を失敗させ、マシーン大元帥を失脚させることが、ジェネラルシャドウの目的だった。そのためにストロンガーに戦いを挑み敗北、命乞いをするフリをして、マシーン大元帥の作戦内容と場所をリークしたのである。
「城茂。ちょいとお前を利用したまでのことよ!シャドウは負けたのではない!」
ジェネラルシャドウも姿を消した。
城茂は、V3とライダーマンが捕まる予言を信じまいとするが、同時に不吉な予感に襲われる。
富士ダムに到着した風見志郎と結城丈二は、手分けをしてデルザー軍団を探すことにした。
「デルザー軍団でも、俺と風見さんの姿を見れば、恐れをなして逃げるでしょう!」
「だといいんだがな!」
笑顔で軽口を飛ばす2人の関係性に、デストロンとの激戦を共に潜り抜けた信頼が見える。
「V3」当時は対等の関係だった風見志郎に、何故か敬語を使い始めている結城丈二だが、「仮面ライダー4号」に任命されたことで、先輩後輩の上下関係を意識し始めたか、誰かに叩き込まれたのかもしれない。ともかく、2人は富士ダムを捜索したが、猫の子一匹見つからなかった。
だが、磁石団長とヨロイ騎士は、既に地震発生機を富士ダムの上流に設置していた。
地震発生機は作動してしまい、大地震が富士ダムを襲う。
そして、ダムは決壊し、激流が迸る中に風見志郎と結城丈二は飲み込まれてしまった。
磁石団長は勝利を確信し、ヨロイ騎士は二人を捕らえるべく下流へ捜索に向かった。
だが、ヨロイ騎士たちがいくら探しても二人の姿はない。
V3とライダーマンは変身し、なんとか難を逃れていたのだ。
「ハハハ…探しているのは俺たちか!」
「それとも、魚でも探しているのか!」
ライダーマンはヨロイ騎士と、V3は磁石団長と戦うことになった。
「V3!俺はギリシャからヨロイ騎士を追ってきた、任せてくれ!」
ライダーマンは俊敏な動きでヨロイ騎士に対抗するが、ヨロイ騎士の剣技は鋭い。
一方、V3は地震発生機で地震が起きる中、戦闘員に囲まれてしまう。
川の水に足を取られたライダーマンは、ヨロイ騎士に苦戦し、捕らえられる。
そして、V3もまた、地震発生機によって引き起こされた地割れに飲み込まれてしまった。
こうして、V3とライダーマンはデルザー軍団の手に落ちてしまった。
ライダーへの勝利を収めたマシーン大元帥たちは乾杯する。
だが、ジェネラルシャドウはまたしてもひとりその輪に入ろうとしなかった。
「俺の乾杯はストロンガーが死んだ時だ…」
「その、ストロンガーを殺ってもらうぞ、シャドウ?」
「まだ、その時ではあるまい…」
「嫌とは言わさん。お前がストロンガーに、俺の作戦を邪魔させたのはわかっている!」
マシーン大元帥は、ジェネラルシャドウの叛心をとっくに見抜いていたのである。
そして、ストロンガーを殺すための捨て石にすることを、既に決定していたのだ。
それは、ジェネラルシャドウに独りきりで戦って死ねという処刑宣告であると同時に、戦士として宿敵と戦う機会を与えたという点では、温情でもあったのかもしれない。
「黙れ!殺せと言うなら、いつでも殺してみせる…!」
だが、途中だったカード占いのカードの中から、スペードのエースのカードが床に落ちる。
それは、ジェネラルシャドウの死を予見する、死のカードだった。
「死のカード…?馬鹿な!俺が死ぬ?馬鹿な!死ぬのは、ストロンガーだ!」
その頃、ストロンガーはV3とライダーマンを救うべく、富士ダム方面に向かっていた。
そこに、ジェネラルシャドウが現れる。
もはやジェネラルシャドウには、ストロンガーと戦って生き残るしか道はない。
そして、ストロンガーとジェネラルシャドウが対峙する様子を、奇厳山の人面石が見つめていた。
「今度こそ最後の勝負だ。貴様を殺らねば、俺が危なくなった…行くぞ!」
ついに、ストロンガーとジェネラルシャドウは対決した。果たして勝利は?
捕らえられたV3とライダーマンの運命は、どうなるのであろうか?
これまで、カード占いで多くの運命を見通し、時には破滅を、時には幸運を占ってきたジェネラルシャドウ。しかし、ついに彼はその占いで自らの死を予見してしまう。
デルザー軍団の指揮権だけでなく、軍団そのものをマシーン大元帥たちに奪われた今、彼に残されたのはストロンガーとの決着を望む戦士としての誇りだけである。
ストロンガーの戦いを命ずることで実質的にジェネラルシャドウに死刑を宣告したマシーン大元帥だが、戦士としてストロンガーと決着を望むジェネラルシャドウに戦いの機会を用意したことは、デルザー軍団という組織を結成した彼へ向けた最後の温情だったのかもしれない。
トリックスターとして、ブラックサタンやデルザー軍団の改造魔人たちの運命を狂わせてきたジェネラルシャドウが最後の戦いに臨まざるを得なくなったことで、戦いは最終局面に突入した。
歴戦の勇士であるV3とライダーマンすらもマシーン大元帥の十重二十重の策の前に囚われてしまい、ここにきてデルザー軍団が一気に戦いを優勢に進め始めた。
大地震発生装置を設置したことで地の利を得た磁石団長と、V3とライダーマンの分断に成功したヨロイ騎士の作戦勝ちであり、マシーン大元帥一派の連携が勝利した形になる。
果たして、仮面ライダーたちはこの窮地を脱することが出来るのか。
そして、仮面ライダーとデルザー軍団の戦いを見つめる、奇厳山の人面岩の正体は…。
今、物語は最終決戦へ向けて突き進んでいく。