「電子戦隊デンジマン」第41話「史上最大の総力戦」感想

2024年10月26日土曜日

電子戦隊デンジマン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

デンジマン打倒に燃えるヘドラー将軍は地震を発生させ、調査に来た黄山を捕獲する。
拷問を受け、デンジランドの場所を言うよう責められる黄山。
絶体絶命の黄山を救うべく、デンジマンはアイシーとの二面作戦で対抗する。

決戦!電子戦隊対ヘドラー将軍 デンジランドを守り抜け!

今回のベーダー怪物は、ヘドラー将軍が生み出した最強の怪物、ジシンラー。
デンジマンに幾多のベーダー怪物を倒され、その悪夢にうなされるヘドリアン女王の心労を払拭するためにヘドラー将軍が生み出した最強クラスのベーダー怪物だ。
最大でマグニチュード9もの震度となる、常識外れの人工大地震を起こす能力を持ち、デンジブーメランの直撃でも倒れない常識外れのタフネスを誇る最強の敵である。
その任務は、地中に高性能爆弾を仕掛け、デンジランドがある地に大地震を起こして壊滅させ、デンジマンの戦力を木端微塵に粉砕してヘドリアン女王の心労を払拭することだ。

ヘドラー将軍は当初、ジシンラーに命じてマグニチュード9の地震を起こし、デンジランドの在処を探り出そうとしていたが、デンジランドには耐震装置がありその大地震にも耐えて失敗。
しかし、大地震の原因を探るべく電子戦隊が地盤調査に乗り出したことを利用し、黄山を捕らえてデンジランドの位置を探り出そうと熾烈な拷問を展開する。
それにも耐えた黄山は脱出を試みるが、ヘドラー将軍はそれすらも読んでおり、黄山がベーダーの作戦を知らせるために放とうとした非常通信ロケットを奪い取ることに成功。
偽のメモを付けてロケットを発射し、デンジマンを誘き寄せようと目論んだ。

一方、アイシーも偽のメモをつけて発見された非常通信ロケットに、2度発射された形跡があることからこの非常通信ロケットが罠であることを見抜く。
アイシーは自らがダイデンジンに乗り込んでジシンラーを誘き寄せ、デンジマンたちに黄山救出のため基地に乗り込ませる二面作戦でベーダーに対抗した。
ベーダーも、電子戦隊も、その戦力をフルに投入した総力戦の幕が切って落とされたのだ。
果たしてデンジマンは黄山を救出し、この総力戦を制することが出来るのか。

デンジマンとベーダー怪物は、幾多にも渡る死闘を繰り広げてきた。
しかし、その全ては、デンジマンの勝利に終わってきた。
ヘドリアン女王は、殺されていったベーダー怪物の無念の声と、デンジマンたちが自分たちベーダー一族を嘲り笑う悪夢に苦しみ、うなされていた。
デンジマンへの憎悪を燃やすヘドリアン女王を安心させるべく、ヘドラー将軍は憎きデンジマンたちを地中深くに埋葬してみせると約束し、ベーダー怪物・ジシンラーを生み出す。

ジシンラーの力で、関東に大地震が起きた。
デンジランドも揺れに襲われるが、耐震装置が働き事なきを得る。
マグニチュード7.5の大激震だが、デンジランドの耐震装置は完璧だった。
ミラーとケラーはジシンラーにさらなる大地震を起こさせ、ついにマグニチュード9を記録。
しかし、デンジランドはビクともせずに、ジシンラーが先に気絶してしまった。

大地震にも何の反応もないデンジランドに、ヘドラー将軍は戦慄する。
これまでの調べである程度デンジランドのある位置は掴めていたが、はっきりとした場所は未だ判明していない。その上、耐震装置まであるデンジランドの破壊は困難を極めていた。
ヘドリアン女王は一刻も早くデンジマンを倒し、静かで安らかな夜を与えるように命ずる。
そこに口を挟んできたバンリキ魔王は手を貸してやろうかと言ってくるが、ヘドラー将軍はそれを拒み、一の手が駄目なら二の手があると自信を覗かせるのだった。

その頃、電子戦隊は、昨日の大地震が関東一帯だけに起きた局地的な地震だったことから、地層の調査に乗り出していた。しかし、活断層は発見できない。
そこから黄山は、昨日の地震が人工的な大地震であり、ベーダーの仕業であると推測する。
仲間と別れ、洞窟を調査に出た黄山だが、突然洞窟の出入り口が閉じてしまった。
そして、閉じ込められた黄山を激しい閃光が襲う。
青梅と緑川が洞窟の出入り口がなくなったことを訝しんでいると、そこにジシンラーが現れた。
ジシンラーはすぐさま姿を消す。全ては黄山を拉致するための罠だったのだ。

ベーダーの基地に拉致された黄山は激しい拷問を受け、デンジランドの場所を尋問されていた。
口を割らない黄山は地下牢に囚われる。
一方、黄山を捜索するデンジマンは、ベーダーの基地へと向かっていた。
ベーダーはそれを迎撃するものの、デンジマンは激しい攻撃を突破。
ベーダーも次々に地雷を爆破し、デンジマンの抹殺を目論む。
しかし、次々に起こる爆発を突破するデンジマンに、ついにジシンラーが出撃した。

ジシンラーは巨大な岩となって姿を現し、デンジマンに立ちはだかる。
姿を瞬間的に移動させる巨大な岩に翻弄されるデンジマン。
デンジスティックで巨大な岩を粉砕したデンジマンだが、飛び散る破片でピンクが負傷した。
ジシンラーの罠の前にデンジピンクが負傷し、デンジマンも一時撤退を余儀なくされる。
ジシンラーの強さはまさに無敵だった。
ミラーとケラーはヘドリアン女王のために、デンジマン抹殺を誓う。

地下牢に囚われた黄山は、ベーダーが高性能プラスチック爆弾を用意している様を目撃。
黄山は脱出のため一芝居打つことにした。
水を要求するふりをして、デンジランドの場所を教える芝居をした黄山は、地下牢から出される。
一方、デンジランドに戻った電子戦隊はあきらの治療をし、ジシンラーの強さに戦慄していた。
緑川は、ベーダーが黄山だけを連れ去った目的を訝しんでいた。

黄山はデンジランドの場所をメモに記入するフリをして、ベーダーの目的が地底に高性能プラスチック爆弾を仕掛け、デンジランドを吹き飛ばすことにあると看破する。
そして、ベーダーの監視が緩んだ一瞬の隙に逃走を開始。
高性能プラスチック爆弾の陰に隠れ、誘爆を恐れて手を出せないベーダーの包囲を突破する。
なんとかベーダーの基地の外に出た黄山は、デンジリングに仕込まれた非常通信ロケットを取り出すが、そこにジシンラーが現れた。全てベーダーの手の内だったのだ。

ヘドラー将軍は、非常通信ロケットを逆用し、偽のメモを非常通信ロケットに取り付けた。
偽のメモで黄山を助けに来たデンジマンを誘き寄せ、黄山は基地ごと爆破して始末し、助けに来た4人のデンジマンたちは待ち伏せしたジシンラーが倒す。
デンジマン4人では、ジシンラーに対して手も足も出ないというのがヘドラー将軍の計算だった。
バンリキ魔王は、ヘドラー将軍の自信に冷笑的な態度を見せる。

デンジランドでは、アイシーが非常通信ロケットを発見していた。
非常通信ロケットに取り付けられていた、ベーダーの地下爆破作戦とデンジランドを避難させる旨のメモを見た赤城は、ベーダーが黄山を連れ去った理由がデンジランドの在処を探るためにあったと悟る。そして、用済みになった黄山は基地ごと爆破されてしまう。
そうなれば、デンジランドを避難させても結果は同じ。
あきらは黄山を見殺しに出来ないと助けに行くことを提案するが、アイシーは非常通信ロケットに2度発射された形跡があることから、これがベーダーの罠であることを見抜いていた。
基地へとデンジマンを誘き寄せようとする罠が待ち受けているが、黄山を見殺しに出来ない。
デンジマンは、敗北が許されない、一か八かの総力戦に打って出ることにした。

デンジタイガーが発進した。ヘドラー将軍はベーダー戦闘機隊を発進させる。
デンジタイガーは次々にベーダー戦闘機を破壊していく。
黄山を助けに来るデンジマンを迎え撃つべく、ジシンラーが出撃した。
黄山はプラスチック爆弾に鎖で繋がれてしまい、迂闊に動くことも出来ない。

デンジファイターに乗り込んだアイシーは、デンジタイガーから発進。
デンジファイターはダイデンジンに変形した。
ジシンラーは巨大化し、ダイデンジンを格闘戦を開始する。
アイシーがジシンラーを誘き寄せている間に、地上ではデンジマンたちがベーダーの基地へ向かっていた。ダストラーの砲撃を突破し、デンジマンは黄山の救出へと向かう。

ヘドラー将軍の裏の裏をかき、デンジマンは基地へと突入。
次々にダストラーを蹴散らし、無事に黄山の救出に成功する。
一方、アイシーも懸命にダイデンジンを操り、ジシンラーと戦っていた。
5人揃ったデンジマンは高らかに名乗りを上げ、ジシンラーは縮小しデンジマンに相対する。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」

海岸を舞台に、デンジマンの戦いが始まった。
デンジイエローのハンマーパンチが、ダストラーを次々に蹴散らしていく。
ジシンラーはマグニチュード7、そしてマグニチュード9の地震を起こし、地割れを引き起こしてデンジピンクを地割れの底へと飲み込んでしまう。だが、デンジブルーがデンジドリルでジシンラーの足元に接近、動きを封じている間にデンジピンクは救出された。
ジシンラーは次なる攻撃として岩の雨、岩石シャワーを浴びせかけるが、アイシーがダイデンジンの岩石シャワー返しを発動して岩石シャワーを跳ね返し、デンジマンを援護する。
デンジマンは怯んだジシンラーにデンジブーメランを直撃させるが、なんとジシンラーはデンジブーメランに耐え抜き、再び大地震を引き起こし始めた。
デンジマンは電子稲妻落としを炸裂させ、今度こそジシンラーに大ダメージを与える。

巨大化したジシンラーは、左肩のナマズの口から閃光を放ちデンジマンを攻撃。
デンジマンはダイデンジンに乗り込み、ジシンラーとの最終決戦に挑む。
ダイデンジンのデンジボールが炸裂するが、ジシンラーは再び大地震を起こし、岩石シャワーで攻撃。さらに左肩のナマズの口から岩石爆弾を放つ。
ダイデンジンはダイデンジンブーメランでナマズの口を破壊すると、必殺の電子満月斬りを放ち、ついに強敵ジシンラーの息の根を止めることに成功するのだった。

敗北という悪夢をふたたび見ることになったヘドリアン女王は現実を受け止められない。
ヘドラー将軍は謝罪し、バンリキ魔王はベーダー一族を嘲笑うのだった。

電子戦隊は、力を合わせて強敵ジシンラーを打ち破った。
しかし、ベーダーとの戦いがこれで終わったわけではない。
明日はまた、どんな攻撃が待ち受けているのか。
頑張れ、デンジマン。負けるな、デンジマン!

デンジタイガーの活躍や、デンジファイターからダイデンジンへの変形シーン、アイシーが操縦するダイデンジンとデンジマンたちの二面作戦と、サブタイトルにある通りの「総力戦」に相応しいメカ描写のオンパレードが描かれた大娯楽編エピソード。
デンジブーメランにすら耐える強敵・ジシンラーの強さも非常に印象的で、デンジブーメランから電子稲妻落としの二段攻撃でようやくノックアウト出来たタフネスはまさに脅威だ。

ジシンラーのデザインも面白く、地震を引き起こすイメージのある火山と、大鯰を融合させたその姿は、まさに「地震」そのもののカリカチュアライズとして秀逸。
そんなジシンラーが引き起こす、マグニチュード7や9といった、劇中の破壊描写からすると大げさ過ぎる数字が続出する大地震能力は、ある意味時代を感じさせる。

自ら侵略を目論みながら、デンジマンに愛するベーダー怪物を倒され続けて悪夢に苦しむヘドリアン女王は因果応報ながら、敵対者には絶対的に冷酷ながら身内のベーダー怪物には深い愛情を注ぐヘドリアン女王の二面性が良く演出された描写だろう。
この二面性を演じきる曽我町子氏の確かな演技力で、ヘドリアン女王は行動や言動に非常に説得力のあるキャラクターとして成立している。

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