「電子戦隊デンジマン」第44話「不思議ランプ物語」感想

2024年11月4日月曜日

電子戦隊デンジマン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

空腹の老人にあんパンをあげた青梅は、代わりに不思議なランプをもらう。
青梅が「アブラカタブラ」と呪文を唱えると、中から妖艶な美女・アラジンが現れた。
上機嫌の青梅だったが、アラジンの正体は…。

ランプの精の夢を壊すベーダーの工作作戦 ダイデンジン危機一髪!

今回のベーダー怪物は、アラジンのランプの精をモチーフにしたアラジンラー。
デンジランドに潜入してダイデンジンのコントロールを奪うことを目的としている。
そのために、アラジンラーがとった手段は、ダストラーが化けた謎の老人にあんパンを恵んだ青梅がもらった不思議なランプの中に潜み、ランプの精の美女・アラジンに化けること。

青梅の願いに応え欲しいものを何でも出現させることで青梅に取り入り、気を良くした青梅に記憶投射装置を取り付けることに成功したアラジンラーは、デンジランドへの秘密通路を発見。
秘密通路のセキュリティに阻まれるものの、今度はランプをあんパンに化けさせ、ベーダーに狙われていることからデンジランドから出ることを禁じられていた青梅への差し入れとなってデンジランドへ潜入することに成功。ダイデンジンのコクピットに乗り込むことに成功する。
ランプの精の夢を壊す怪物によって、このままダイデンジンはベーダーに奪われてしまうのか。

青梅は、今日もあんパンを大量に買い込んでいた。
生きていてよかったとまで思える上機嫌の青梅は、通りかかった母親が押していたベビーカーに乗っていた赤ちゃんを見て、自分も赤ちゃんがほしい、男の子なら大十郎と名付ける…などと妄想が止まらないまま、赤ちゃんを勝手に大十郎と呼んでひんしゅくを買う。
それもそのはず、その赤ちゃんは女の子だった。
だが、そんなことは意にも介さず上機嫌の青梅は、公園であんパンを食する。
すると、アラビア風の異様な扮装の老人が、物欲しげな目でそれを見てきた。
なんでも、老人はもう3日も何も食べていないのだという。
そう言われると、人情に厚い青梅も老人を見捨ててはおけない。
大事なあんパンを何個も譲ってくれた青梅に、老人はその御礼として怪しげなランプを手渡し、「アブラカタブラ」と呪文を唱えて去っていくのだった。

家に帰った青梅は、試しにあんパンが欲いと願いながら、ランプに向かって呪文を唱えた。
すると、本当にあんパンがランプから飛び出してくる。
まさか、本当に魔法のランプ?青梅は訝しみ、もう一度呪文を唱える。
すると、ランプの中から美女が飛び出してきた。
自分をランプの精、アラジンと名乗る美女は、このランプが本当に魔法のランプだと話す。
青梅も、人間が月に行く時代にこんなおとぎ話のような話など、まやかしだと信じようとしないが、アラジンはなおもランプの実在を信じさせようと、今度は空飛ぶ魔法の絨毯を願うように促す。青梅が願ってみると、本当に魔法の絨毯が出てきた。
おまけに、青梅もアラビア風の扮装に瞬時に変わり、青梅とアラジンは絨毯で東京の空を飛ぶ。

青梅はすっかり魔法のランプが本当だと信じ込んでしまった。
アラジンは、御用の時に呼ぶようにと言い残し、ランプの中に消えていく。
だが、その様子はベーダー魔城のヘドリアン女王にモニタリングされていた。
アラジンの正体はベーダー怪物・アラジンラーであり、青梅に魔法のランプを大事なものと思わせ、肌身離さず持ち歩かせることで、デンジランドの所在を突き止めようとしていたのである。

青梅はアスレチッククラブの子供たちの欲しいものを聞き、魔法のランプにそれを願う。
アラジンラーはそれを出し、青梅はますます魔法のランプを気に入ってしまった。
だが、青梅は仕事をサボっていたらしく、あきらが青梅を呼びに来る。
アラジンラーは、いよいよデンジランドに乗り込めるかと士気を高めるのだった。
だが、あきらは魔法のランプの話を信じず、アスレチッククラブの青梅のロッカーにしまってしまう。ヘドラー将軍はすぐさま第2戦略に切り替える指示を出すのだった。

青梅はデンジランドで、赤城たちに魔法のランプの話を聞かせていた。
だが、あきらは呆れた様子で相手にしない。
結局、赤城に言われて青梅は魔法のランプを実演することになったのだが、既にアラジンラーが第二戦略のために抜け出していた魔法のランプは何の反応も見せない。
赤っ恥をかいた青梅が自宅に戻ると、アラジンが待ち構えていた。
アラジンは、短時間にランプを使いすぎると魔法の威力がなくなるともっともらしい言い訳をすると、用意したごちそうを青梅に振る舞い、青梅はすっかりいい気分になる。
だがそれが、アラジン、いやアラジンラーの狙いだった。

気を良くした青梅に背後から忍び寄ったアラジンラーは、記憶投射装置を青梅に取り付け、デンジランドへの秘密通路・シークレットルートNo.7を聞き出すことに成功する。
そのルートによって、ベーダーはデンジランドへの突入を図った。
デンジランドでそれを知った電子戦隊は、シークレットルートを切り替え、アラジンラーたちを待ち伏せするが、アラジンラーは魔術でそれをあしらうと、なおもシークレットルートを進む。
だが、あきらによってルートチェンジされたシークレットルートはスポーツ用品店へと出てしまい、かろうじてベーダーのデンジランド潜入は阻止された。

黄山は、ベーダーがデンジランドを襲撃したにも関わらず、呼び出しに応じなかった青梅に憤る。
赤城は緑川とあきらに、魔法のランプに魅入られ様子がおかしい青梅を見張らせた。
その頃、青梅も魔法のランプがベーダーに関係している可能性に気づき、ランプを破壊することを決意。だが、ランプの中からアラジンが現れ、青梅の動きを封じる。
その様子を監視していたあきらは、青梅のランプが本当に魔力を秘めていたことを知るのだった。
緑川はデンジスパークし、アラジンがアラジンラーとなって青梅を襲おうとすることを知ると、デンジピンクとともに青梅の部屋に突入。グリーンスピンキックでアラジンラーを撤退させる。

青梅に正体が露見し、デンジランドへの手がかりを失ったアラジンラーはベーダー魔城に戻り、自らの失敗を謝罪していた。ここまで必死に反省する怪人も逆に珍しい。
ヘドリアン女王も、あと一歩でダイデンジンを手に入れられたと無念の表情を浮かべる。
ヘドラー将軍は、諦めるのはまだ早いとアラジンラーを励ます。
その様子を見ていたバンリキ魔王は、ダイデンジンを手に入れようとするより、自分を戦力として頼るほうがよっぽど頼りになると、ベーダーを嘲笑うのだった。

シークレットルートに潜入されたことで、デンジマンはシークレットルートの総点検をしていた。
一方、ベーダーに狙われた青梅は、アイシーの監視下でデンジランドに閉じ込められていた。
ロッカールームまで行けず、好物のあんパンも食べられない青梅はイライラしていた。
あきらは青梅のために、ロッカールームまで行ってあんパンを取ってくることになる。

その頃、アスレチッククラブのロッカールームに忍び込んだアラジンラーは、あんパンの入った青梅のロッカーを開け、魔法のランプをアンパンに変えてロッカーに入り込んだ。
そこに、青梅のあんパン好きに呆れた様子のあきらが現れる。
あきらがたまたま手に取ったあんパンは、アラジンラーの入ったランプの変形だった。

あきらからあんパンを渡された青梅は、1つだけ包装されていないあんパンを手に取る。
それこそが、アラジンラーの入ったあんパンだ。
青梅がそれにかじりつくと、なんだか異様に固い。
中から飛び出したアラジンラーたちが、煙幕でデンジマンの目をくらまし、デンジタイガーを強奪、デンジランドから発進させることに成功する。
アイシーはデンジマンを出動させ、デンジタイガーの後を追わせた。
アラジンラーはデンジファイターを発進させるが、満足に操縦することが出来ない。
だが、なんとかデンジファイターはダイデンジンに変形した。
アラジンラーはそのままデンジボールを出しデンジマンを攻撃させようとするが、突如コクピットの床が抜け、アラジンラーたちは外へ排出される。
ダイデンジンの武器回路は、デンジマンの操縦以外はすべて拒否するのである。

アラジンラーたちに対し、デンジマンは高らかに名乗りを上げる。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
破れかぶれのアラジンラーと、デンジマンの最終決戦が始まった。
デンジブルーは逆立ちでアラジンラーの頭部を何度も蹴りつけ攻撃。
アラジンラーは投げ縄を使って反撃、一時はデンジブルーを首吊り状態にする。
だが、デンジブルーは仲間の救出で難を逃れ、5人全員のデンジスティック火柱走りからの、ブルーロケットを炸裂させ、アラジンラーに大ダメージを与えるのだった。

アラジンラーは巨大化し、デンジマンはダイデンジンに乗り込んだ。
「戦う電子戦隊デンジマン」のインストをバックに、ダイデンジンが戦う。
瞬間移動でダイデンジンを翻弄するアラジンラーは、さらに頭部を擦って魔法でダイデンジンを攻撃するが、ダイデンジンは「デンジ魔法返し」でそれを返し、デンジボールで反撃。
怯んだアラジンラーに、電子満月斬りを繰り出したダイデンジンが勝利するのだった。

またしても公園であんパンを食べる青梅は、アラジンの可愛さを回想していた。
そこに、アラジンが現れ、青梅は喜んで近づいていく。だが、近づいてみるとそれはあきらの変装だった。まだ懲りていない青梅を、赤城は戒めるのだった。
魔法のランプに気をつけろ!
もし美女やプラモデルが出るようなら、それはきっと、ベーダーの陰謀に違いないのだ…!

アラジンの魔法のランプの夢を壊すベーダーの悪辣さが印象的なエピソード。
青梅に魔法のランプを信じ込ませ、肌身離さず持ち歩かせることでデンジランドへ潜入を目論見、それが失敗すれば記憶投射装置でデンジランドへの通路を探る第2戦術に切り替える十重二十重の策も恐ろしく、ベーダーもここにきて電子戦隊打倒のために死力を尽くしている。
魔法のランプに気を良くして仕事や戦いをすっぽかしてしまい信頼を失いかける青梅の描写も、安易な欲望に流れれば大事なものを失ってしまうという教訓を感じることが出来る回だった。

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