あらすじ
ヘドリアン女王へのプレゼントのため、ミス人魚、ミス紅葉、ミス着物など、美女たちが次々と美女が誘拐されてしまい、あきらは自らがおとりとなって捜査する。
あきらは華麗な変装術で七変化を披露し、香月美那子ことデスマスクラーを翻弄するが…。
百面相だよ女戦士 人間採集を目論む悪魔を討て!
今回のベーダー怪物は、デスマスクの怪物であるデスマスクラー。
その任務は、人間態・香月美那子に化けて暗躍し、各分野に優れた女性を10人標本として採集し、ヘドリアン女王に献上する貢物へとしてしまうことである。
そうして、美人コンクールで表彰された女性たちがデスマスクラーの標的として狙われてしまい、彼女たちを守るため、あきらが七変化を披露しベーダーの陰謀に立ち向かうことになった。
バトルフィーバーJ第40話「美人先生危機一髪」に代表されるような、シリーズの伝統となる女戦士の変装による七変化が披露される回となってファンを楽しませてくれる回となっている。
平和な公園を赤いドレスを来て歩くあきらは、次々に七変化を披露。
野球選手や水平、カウガールの格好を華麗に決める。
その頃、ミス人魚コンクールで金賞を受賞した女性が身体を固められ、火に囲まれる恐怖を味わいながら拉致されてしまった。別の場所では、ミス紅葉コンクールで金賞を受賞した女性が舞い散る紅葉に紛れて拉致され、ミス着物女性コンクールで金賞を受賞した女性も天井から伸びた帯に絡め取られ拉致される。さらにはミスシャボン玉も。
なんだそのコンクールは…と思うジャンルも混ざっているが、とにかく美女ばかりが標的とされた拉致事件が次々に発生し、世間を騒がせていた。
さらに、ミスフォトグラフを受賞した女性も拉致されたという知らせが入る。
電子戦隊の面々は、次々に身代金も要求されないこの事件を訝しんでいた。
あきらは女の直感で、この事件が単なる誘拐事件ではないことを悟り、自ら囮となって敵のアジトに潜入することを決断、街中に繰り出す。
街中を歩くあきらは、陰から複数人の怪しい男に尾行され、容姿やファッションセンスを一方的に採点されていた。全てが満点を記録したらしいあきらは、次の標的に選ばれる。
男の性欲を具現化したような醜悪な怪しい男たちは、何者かの指示で拉致する女性を選んでいた。
あきらは尾行に気づき、男たちを誘き出していく。
人形店に入り人形を見ていたあきらに、女性が声をかけてきた。
女性はその人形を前から欲しがっていたといい、人形を譲ってほしいと頼む。
あきらがそれを了承し女性に人形を渡すと、女性の手が死人のように冷たいことに気づく。
女性を怪しんだあきらは、今度は逆に女性を尾行し始めた。
だがそれは罠であり、人気のない場所に誘い出されたあきらに、女性はあきらの顔写真が載せられたベーダー指名手配書を見せつけ、先程の怪しい男たちを呼び出す。
あきらはとったにカンフースタイルに変装し、ヌンチャクで男たちを撃退。
女性が撤退すると、あきらは今度はインディアンスタイルに変装し、勝利のポーズを決めるのだった。もはや何の必然性もない変装の披露が見ていて逆に面白い。
あきらの拉致に失敗した女性・香月美那子は怒り狂っていた。
香月の目的は、美貌に優れた女性を10名集めることである。
その目的のために、質を落としても頭数を揃えようと決意する香月。
すると、チーコがくしゃみをした。噂された、ということなのだろうが、ひどい扱いだ…。
駐車違反を調べていたチーコは、香月が変装した偽警官たちに手錠をかけられ拉致される。
チーコは香月に真意を確かめるが、香月は5日後になれば全てが分かると不敵な態度を見せる。
地下牢に囚われた女性たちはあまりの寒さに苦痛を訴えるが、香月は自身の体温である0度を維持するために地下牢のあるアジトをひどく寒くしていた。
そして、香月は囚われた女性たちを「昆虫たち」と呼び、ローヤルゼリーとレモンジュースを与えるように指示する。女性たちを採集した昆虫と呼ぶ香月の傲慢は極まっていた。
緑川から、チーコが攫われたことを聞かされた電子戦隊は、チーコで拉致された女性が9人になったことを知る。一難落ちるなどと言われたチーコだが、彼女も昨年のミス警視庁だった。
十分すぎるほどの実績だ。
電子戦隊は狙われそうな女性を絞り出し、ガードすることにする。
菊の女王として表彰されていた女性が、先程の怪しい男たちに攫われた。
護衛していたあきらは中国のチーパウ、いわゆるチャイナドレスに身を包んで男たちに対峙。
変装し、偽名を名乗ることでベーダーもあきらだと気づかなくなるらしい。さらにあきらは峰不二子のようなボディスーツや、水兵のセーラー服に変装して男たちを一掃する。
その頃、香月が自ら女子剣道チャンピオンの元を訪れ、拉致しようと目論んでいた。
昆虫として採集すると宣言する香月に、女子剣道チャンピオンも抵抗する。
だが、多勢に無勢で危機に陥ったところに、あきらが今度は剣道着に身を包んで現れた。
あきらは日本刀を振るい、見事に男たちを倒して女子剣道チャンピオンを救出する。
その後を追った男たちは、通りかかったシスターにあきらたちの行方を尋ねる。
だが、そのシスターもあきらの変装だ。
見当違いの方向を教えられた後、変装に気づいた男たちだが、今度は水兵の変装をしたあきらにあしらわれる。さらに引き換えした男たちに、あきらはマリリン・モンローのような変装を披露。
あきらは様々な変装で男たちを混乱させ、撤退させることに成功するのだった。
ベーダー魔城では、香月の正体であるベーダー怪物・デスマスクラーがあきらへの怒りを燃やしていた。そこに現れたバンリキ魔王は、不気味な容姿のデスマスクラーを美人と気に入る。
「キカイダー01」で不気味な人魚ロボットを美人だと言い張っていたギルハカイダーのようだ…。
「さしつさされつ一杯やらんか」と、妙に生々しい口説き方をするバンリキ魔王だが、デスマスクラーの手の冷たさに驚く。ヘドリアン女王はバンリキ魔王をやりこめられてご満悦だ。
ヘドラー将軍に作戦の進捗を訪ねられたデスマスクラーは、10人目の昆虫としてあきらを狙うことに決定。そのために、あきらを孤立させる作戦を開始していた。
電子戦隊のもとに、誘拐された女性たちの家族の元へ、身代金を要求する電話がかかってきたという知らせが入った。身代金を要求され電話をかけてきた男は、身代金を要求する電話に、電子戦隊がいるアスレチッククラブへ連絡するように言われたのだという。
赤城は、ベーダーが身代金を要求してきたことの不自然さを訝しむ。
これはおそらく電子戦隊を誘き出し、10人目の標本となる女性を拉致するための罠。
全国の名だたる「ミス〇〇」を受賞した美女は、電子戦隊の保護下にあるものの、ただひとり、ディスコの女王として名を馳せる女性のみ、保護の申し出を跳ね除けたのだという。
あきらがその助成の護衛に向かうことになり、赤城たちは身代金の受渡現場へ向かった。
ディスコの女王を、香月の指示で怪しい男たちが取り囲んだ。
そこに現れたあきらは、網タイツのバニーガールの扮装を披露。正義の使者・ミスバニーとして素早い動きで男たちを蹴散らし、今度はカウガールの格好になって逃げた香月を追いかける。
だが、それが香月=デスマスクラーの罠だった。
デスマスクラーの投げ縄で動きを封じられたあきらは、その手中に落ちてしまう。
その頃、身代金の受渡現場で拉致された娘の父親を護衛していたデンジレッドたちは、時間になってもベーダーが現れないことから、やはりこの一連の事態が罠だったことを悟る。
さらに、妨害電波であきらと連絡を取ることも出来なかった。
しかし、デンジイエローが妨害電波を発信していたダストラーを発見することに成功する。
あきらを捕らえたデスマスクラーは、あきらを標本にすることを宣言。デスマスクラーが10人の美女の標本を集めていたのは、ヘドリアン女王のバースデープレゼントにするためだった。
デスマスクラーは氷の剣で身も心も凍らせ、荒野に24時間さらした挙げ句標本にすると宣言し、あきらを十字架に貼り付けにしてしまうのだった。
十字架に氷の剣を突き刺し、その冷たさで苦しめることを宣言したデスマスクラーは、ヘドリアン女王へ報告するために、ダストラーに24時間後のあきら回収を命じて去っていく。
だが、妨害電波を出していたダストラーを尋問しその目論見を知ったデンジレッドたちが、あきら救出に駆けつけた。あきらはなんとか意識を取り戻す。
その頃、地下牢では、チーコたち拉致された9人の美女が、あきらと同じように十字架に貼り付けにされ、人間標本へ変えられようとしていた。そこに、あきらが入ったという棺が運ばれてくる。
その中に入っていたのは、ダストラー。…に化けたあきらだった。
あきらはシェイクスピア文学の貴族のような格好に扮し、チーコを救出。
さらに、棺を運んできたダストラーもデンジレッドたちの変装だった。
逃走した香月の正体を暴いたあきらは、デンジピンクにデンジスパーク。
5人揃ったデンジマンは、高らかに名乗りを上げる。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
「戦う電子戦隊デンジマン」をBGMに、工業地帯で戦うデンジマン。
デンジピンクはレイピアを駆使し、デスマスクラーと剣戟で戦う。
そして、デンジマンの連続キックから、デンジスティックの火柱が直撃。
大ダメージを負ったデスマスクラーは巨大化し、デンジマンもダイデンジンに乗り込む。
アンブレラ型の杖や投げ縄を使って戦うデスマスクラーだが、ダイデンジンはデンジ剣で投げ縄を切り裂き、デンジパワーを発動させると、電子満月斬りでデスマスクラーを打ち破った。
デスマスクラーから開放された美女たちはアスレチッククラブに通い、赤城の稽古を受けていた。
自分を守るために護身術を習うことにしたのだという。そんな美女を見つめるあきらは、「女の武器はこれよ!」と叫び、とびきりの笑顔と様々な変装を披露するのだった。
美女たちを蝶の代わりに標本にしようとしたデスマスクラーの恐るべき企みは、デンジマンによって打ち砕かれた。明日も戦え!デンジマン!
七つ以上に様々な変装を披露したあきらの笑顔が見ていて楽しいエピソード。
冒頭とラストカットがあきらの変装でサンドイッチされている構成なのも、今回がヒロイン七変化が見どころであるエピソードであることを全力で主張している。
美女を採点し、蝶の代わりに採集してヘドリアン女王のバースデープレゼントにしようとするデスマスクラーの、人間を人間とも思わぬ所業の恐ろしさも見事な演出となっており、そんなデスマスクラーを華麗に圧倒するあきらの美しき不死蝶ぶりが印象深い回だった。