「電子戦隊デンジマン」第48話「バンリキ魔王反乱」感想

2024年11月18日月曜日

電子戦隊デンジマン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

女王はデンジマンとの決戦を決意し、ゼロ作戦を命じるが、事前に情報が漏れたため失敗。
次に霧作戦を命じるがこれも失敗する。
内部による裏切りを確信したヘドラーは、怪物・サッカラーを処刑しようとするが…。

ベーダー一族激震!バンリキ魔王の反乱が嵐を呼ぶ!

今回のベーダー怪物はサッカーボールの怪物であるサッカラー。
ついにデンジマンとの決戦を決意したヘドリアン女王の命を受け、ベーダー一族の総力を結集した「ゼロ作戦」の実行を命じられたベーダー怪物だ。
だが、ゼロ作戦は事前に情報が電子戦隊や人間たちに漏れていたため、あえなく失敗。
今度は早朝トレーニング中の電子戦隊をベーダーガスで襲う「霧作戦」を命じられるが、これもやはり電子戦隊に情報がリークされており、ガスも無害なものにすり替えられており失敗する。

この2つの作戦の失敗に、ヘドラー将軍はサッカラーこそが電子戦隊に作戦をリークした裏切り者と判断、サッカラーを処分しようとする。それは確かに当たっていた。
そして、サッカラーをそそのかし反乱を手引していたのは、バンリキ魔王だったのだ。
バンリキ魔王はベーダー魔城で飲み食いしている間にサッカラーやダストラーを抱き込み、勲章を与えるとしてヘドリアン女王たちを裏切らせていたのである。
強固な結束で結ばれていたはずのベーダー一族は、バンリキ魔王によって結束を崩された。

サッカラーたちのクーデターで地下牢に閉じ込められたヘドリアン女王たちは、この苦境を打開すべく、ミラーが水晶玉となってヘドリアン女王の魔力を送り、ベーダー怪物の卵を生み出す孵卵器を操作。新たなベーダー怪物であるケンダマラーとカラクリラーを生み出す。
ケンダマラーとカラクリラーは裏切り者のサッカラーを倒すため行動を開始した。
ついに、ベーダー魔城の覇権を賭けて、ベーダー怪物同士の死闘が展開される。
ついに勃発した悪の権力争いに勝利するのは、ヘドリアン女王か、バンリキ魔王か?

ヘドリアン女王はベーダー一族の精鋭を集め、ついにデンジマンとの決戦に挑む決意をした。
そして、ベーダー怪物・サッカラーを呼び出す。
サッカラーにも他のベーダー怪物と同じく愛情を注ぐヘドリアン女王は、この勝負の天王山となる「ゼロ作戦」をサッカラーに任せ、ついにデンジマンを倒す決意を固めていた。
だが、その様子を、バンリキ魔王が冷ややかな目で見つめていた…。

ベーダー魔城から戦闘機隊が発進し、装甲車部隊が攻撃を開始した。
防衛軍はベーダー一族によって次々に突破されていく。
その様子を喜ぶヘドリアン女王だが、バンリキ魔王はそれを皮肉って嘲笑う。
そして、デンジマンたちが防衛軍の救援に駆けつけた。
デンジマンたちはベーダー一族の出現地点に待ち伏せを仕掛けていたのである。
さらに、戦闘機隊もデンジタイガーによって次々に撃墜される。
ミラーとケラーは不利を悟り、サッカラーたちを撤退させた。
ベーダー一族のゼロ作戦はあらかじめ何者かによってデンジマン陣営にリークされており、デンジマンはそのために敵の侵略地点に待ち伏せして撃退することが出来たのである。

ベーダー魔城で報告を受けたヘドリアン女王は、デンジマンが待ち伏せをしていた事実から裏切った何者かによって作戦がリークされていたことに憤る。
ヘドラー将軍はまずバンリキ魔王に疑いの目を向けるが、バンリキ魔王は1日中ベーダー魔城で食っちゃ寝の自堕落な生活をしており、油断はならないとはいえリークを行った痕跡はない。
ヘドラー将軍は裏切り者の尻尾を掴むため、次なる作戦として「霧作戦」を提案した。
浴びた者は脳の中枢神経を犯され呼吸困難になり消滅する猛毒ガスで、朝からアスレチッククラブの子供たちを連れてランニングをするデンジマンたちを襲う作戦である。
やはりサッカラーがその指揮を行い、毒ガス噴射装置がランニングコースにセットされた。

翌朝。電子戦隊の面々は子供たちを連れ、冷たい朝の空気の中でランニングに励んでいた。
そして、セットされた毒ガス噴射装置が起動する。
だが、電子戦隊の面々や子供たちには何事も起こらなかった。
青梅に至ってはアンパンを食べている。
いったい、これはどういうことなのか?ヘドラー将軍はサッカラーに電子戦隊襲撃を命じた。
電子戦隊はデンジスパークし、サッカラーたちと戦闘を開始する。

サッカラーのサッカー爆弾が炸裂する。
サッカー爆弾と言いつつ、手で投げているのが面白い。
デンジマンはデンジジャンプで跳躍し、サッカー爆弾を次々に蹴り返した。
サッカラーは巨大なサッカーボールになって撤退する。
それを追ったデンジマンは、毒ガス噴射装置が隠されていたことと、その中には無害なガス子か入っていないことを発見し、何かの手違いで毒ガスを仕掛け損ねたと推測する。

ベーダー魔城に戻ったサッカラーを、ヘドラー将軍は裏切り者と断じる。
毒ガスの容器をすり替えることが出来るのは、サッカラーしかいない。
ヘドラー将軍の推測では、ゼロ作戦をデンジマンにリークしたのもサッカラーだった。
裏切り者は死あるのみ。ヘドリアン女王の命で、ヘドラー将軍はサッカラーの処刑を開始する。
だがそこに、バンリキ魔王が割って入った。
ついに、不倶戴天の敵であるヘドラー将軍とバンリキ魔王の一騎打ちが始まったのだ。

ヘドラー将軍とバンリキ魔王の対決はまさに互角の死闘だった。
2人は巨大化して街に現れたかと思えば、今度は街中に転移。さらに、ベーダー魔城に戻ったと思えば電車の中へと舞台を変え、いつ終わるとも知れぬ死闘を繰り広げていく。
ヘドリアン女王は、サッカラーにヘドラー将軍に助成するように命じた。
だが、サッカラーはその命令に背くどころか、バンリキ魔王の呼びかけに応じて巨大なサッカーボールと姿を変え、毒ガスを噴射してヘドリアン女王たちを襲った。
そして、バンリキ魔王とダストラーたちは事前に用意したガスマスクを付けている。
バンリキ魔王は既にサッカラーとダストラーたちを抱き込んでおり、ヘドリアン女王への反逆の機会を窺っていたのである。猛烈な毒ガスによって、ヘドリアン女王も、ヘドラー将軍も、ミラーとケラーも動きを封じられ、地下牢へと幽閉されてしまった。
ヘドラー将軍にいたっては両腕を完全に封じられてしまっている。

勝利を収めたバンリキ魔王は、サッカラーやダストラーたちに宴席を用意させた。
サッカラーはバンリキ魔王に自分に付けば勲章を与えると言われ、裏切りを決意したのである。
ベーダー怪物としてヘドリアン女王から愛情を受けていたはずのサッカラーだが、その愛情はヘドリアン女王の一方通行に終わっていたのだった。バンリキ魔王はそんなサッカラーたちを、勲章目当てに本当に裏切ったウジ虫どもと蔑み、嘲笑うのだった。

地下牢へと幽閉されてしまったヘドリアン女王だが、ヘドラー将軍はバンリキ魔王たちが完全に油断した今が反撃のときだと提言。ミラーが水晶玉となり、ヘドリアン女王が妖術を仕掛ける。
そして、ヘドリアン女王の妖術がベーダー怪物の卵を生む孵卵器を操作し、2つの卵が孵化した。
ベーダー怪物・ケンダマラーとカラクリラーである。
バンリキ魔王はサッカラーをケンダマラーとカラクリラーに差し向ける。
ベーダー魔城から出た3体の怪物は皆巨大化し、怪物同士の同士討ちを始めた。

カラクリラーが巨大な頭部となってサッカラーの動きを封じ、ケンダマラーがけん玉状の武器でサッカラーを痛めつける。サッカラーのサッカー爆弾もケンダマラーに弾かれた。
そして、巨大けん玉がサッカラーの体を貫き、サッカラーは敗れ去る。
ケンダマラーとカラクリラーはヘドリアン女王たちを救出し、バンリキ魔王は捕縛された。
ヘドリアン女王は自らに屈辱を味わわせたバンリキ魔王をただ殺すだけでは飽き足らず、蝋で固めて燭台器にするという屈辱を味わわせて殺すことを思いつく。
「お前をただ殺しては私の気が済まぬ…燭台器にしてやるわ!」
「なんとでもしやがれ!だが言っておくぞ!ワシは負けたんじゃない!」
バンリキ魔王は蝋で固められ燭台器となる。だが、その瞳から光は消えていなかった…。

ベーダーはケンダマラーに命じてゼロ作戦を続行することになった。
毒ガスを仕掛ける計画を進めるケンダマラーを発見するため、デンジマンは検問を行う。
デンジスコープでケンダマラーの潜むトラックを発見したデンジマン。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
ケンダマラーはけん玉型の武器を地面に叩きつけ、けん玉地震を起こしてデンジマンを襲う。
さらに、けん玉を飛ばしてデンジマンたちを寄せ付けないケンダマラー。
だが、ブルーとグリーンが交差して攻撃する戦法でケンダマラーを転ばせ、デンジスティックで地面に火柱を走らせる攻撃でケンダマラーに大ダメージを与えた。

ケンダマラーは巨大化し、デンジマンもデンジタイガーを呼び、ダイデンジンを発進させた。
ケンダマラーの巨大けん玉武器は強く、ダイデンジンも怯む。
ダイデンジンはデンジボールでけん玉を撃ち落とし、電子満月斬りで勝利するのだった。

敗北を惜しむヘドリアン女王。
ヘドラー将軍はデンジマンを倒すために戦略が必要だと感じていた。
そして、燭台器にされたバンリキ魔王を蔑むように見つめる。
だが、バンリキ魔王の目も、逆襲の機を窺うように光り続ける。

電子戦隊は、ベーダーの毒ガス作戦を阻止した。
だが、燭台器にされたバンリキ魔王の目が、ギラリと光った。
逆襲のチャンスを窺う、バンリキ魔王…!

ベーダー魔城で嫌味を言うだけかに見えたバンリキ魔王だが、ヘドリアン女王たちの気づかないところでサッカラーやダストラーたちを抱き込んでおり、一度は見事に反逆を成功させているというバンリキ魔王の底知れぬ恐ろしさがついに発揮されたエピソード。
脚本の上原正三氏が得意とし、後に「太陽戦隊サンバルカン」「宇宙刑事ギャバン」「宇宙刑事シャリバン」「時空戦士スピルバン」でも展開され、どれもドラマ後半のシリーズ展開を盛り上げた悪の組織内の内紛が描かれたサスペンスとなっている。

何者かによってベーダーの作戦がリークされているという緊張感溢れる展開から、ついに直接対決に至ったヘドラー将軍とバンリキ魔王の激突、サッカラーの反逆、そしてヘドリアン女王の逆転劇という、二転三転する怒涛の展開がテンポ良く展開されていく構成は圧巻で、見どころしかない回、という形容がふさわしい見ごたえのあるエピソードだった。
バンリキ魔王の反逆は今回は失敗に終わったが、燭台器にされてなお、その瞳から光が消えていないというサスペンスで次回に続く、緊張感溢れる展開からもう目が離せない。

そしてついに次回、自ら電子戦隊の抹殺に乗り出すヘドラー将軍との直接対決の時が来る。
迫りくる電子戦隊とベーダー一族との決着の時。果たして電子戦隊は勝利を収められるのか?
そして、今なお反逆の炎を燃やし続けるバンリキ魔王とベーダーの命運や、いかに…。

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