「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第7話「カマキリジン 恐怖の儀式」感想

2024年11月19日火曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

t f B! P L

あらすじ

ネオショッカー世界各国支部の幹部連は、最も人間減らし計画の進行が遅れている日本支部に強力な怪人・カマギリジンを送る。カマギリジンは人間を食らう凶暴なサタンカマキリの卵を孵化させる儀式を行うために、ある兄妹をいけにえにしようとする。

狙われた兄妹!サタンカマキリ誕生の儀式を阻止せよ

今回のネオショッカーの怪人はカマキリの怪人であるカマリジン。
サブタイトルは「カマキリジン」だが、正式名称は「カマギリジン」らしい。ややこしい。
両手に持った鎌であらゆるものを切り裂く怪人で、その鎌を持って両手を広げたまま高速回転、敵に向かって突撃する「必殺カマキリブーメラン」の破壊力は侮れない。

そんなカマギリジンは、仮面ライダーの活躍によってネオショッカーの人口減少計画が最も遅れているネオショッカー日本支部に、応援としてヨーロッパ支部より派遣されたエリート怪人。
そして人間減らし計画として、人間を食らう凶暴なサタンカマキリの卵を孵化させる計画を立案。
しかし、その孵化を待てないゼネラルモンスターの指示で、卵を早く孵化させるための儀式を行うことになり、その儀式に必要な13歳と7歳の兄妹を狙うことになった。

なんでも、「13」と「7」はネオショッカーが一番好きな数字らしい。
「13」はいかにも死の数という感じだが、「7」は普通にラッキー7なんだろうか。
ともかく、カマギリジンは見事にその条件に適合した兄妹を見つけ出し、付け狙う。
果たして仮面ライダーは兄妹を守り、カマギリジンの陰謀を阻止できるのか。

フランスの首都・パリ。
世界中にその根を伸ばすネオショッカーは、パリ支部でヨーロッパ連絡会議を行っていた。
世界中から集められたネオショッカー支部長は、コンピューターの計算通りに人口削減を進行していた。しかし、世界中の支部が計画通りに進む中、日本支部だけは計画が遅々として進まない。
それはひとえに、仮面ライダーの奮闘によるものだった。
このヨーロッパ連絡会議は、そんな仮面ライダーを抹殺すべく、強力な改造人間をネオショッカー日本支部にプレゼントするための会議だったのだ。思ったより支部の間の仲が良い。

その頃、東京港では、ネオショッカーの動きを探るために洋が見張りをしていた。
志度博士も労働者の変装をして港に紛れ込んでいる。
「人造人間キカイダー」の光明寺博士のその場しのぎのアルバイトのようだ…。
洋と志度博士は見張りの甲斐あって、ネオショッカーのトラックが何かを輸送するのを発見。
洋はトラックを追跡したが、積み荷の中は空っぽだった。ネオショッカーの陽動だったのだ。

同じ頃、山中でドライブを楽しんでいたアベックが、不審な音を聞きつけた。
アベックは、地図に乗っていない建物からその音がすることに気づく。
その建物の中では、ヨーロッパ支部より送られた怪人・カマギリジンが儀式を行っていた。
カマギリジンは、儀式を目撃してしまったアベックを追跡する。
地中よりアベックの先回りをしたカマギリジンは、両手に持った鎌でアベックに襲いかかる。
アベックはなんとか車の中に逃走したものの、運転を誤り崖から転落してしまった。

アベックを抹殺したカマギリジンは、儀式を再会していた。
ゼネラルモンスターは祈ってばかりいるカマギリジンを、人間抹殺を行うように急かすが、カマギリジンはこの祈りこそが人間抹殺の企みなのだという。
なんでも、カマギリジンの祈りによってサタンカマキリが卵から孵化し、増殖したサタンカマキリが日本中に散らばり人間たちを食い殺すのがカマギリジンの計画なのだ。

だが、妙にせっかちなゼネラルモンスターはそんな悠長な作戦など待てないという。
仮面ライダーによる失敗続きで、ゼネラルモンスターも焦っているようだ。
カマギリジンはそんなせっかちなゼネラルモンスターの要望に答え、サタンカマキリを早く孵化させる方法を話す。13歳の兄と7歳の妹を餌として与えれば、卵は早く孵化するのだ。
ゼネラルモンスターは儀式を中断させ、カマギリジンに条件に合う兄妹の捜索を開始させた。
この場合、儀式を続けさせる方とどっちが早く孵化することになるのだろうか…。

カマギリジンは不気味なピエロに変装して街に繰り出し、子供たちに年齢を尋ねて回る。
あまりにも不審者だ。結局、子供たちの中に条件に合う兄妹はいなかった。
みどりの弟の茂がその中にいたことで、不気味なピエロの存在は志度ハングライダークラブの面々の知るところになる。志度博士によると、13と7はネオショッカーの好きな数字らしい。
13は死の数、7はラッキー7といったところだろうか…。
洋はその不気味なピエロの行き先を茂に尋ね、ピエロを追って遊園地へと向かった。

ピエロは遊園地で子供たちに年齢を尋ね回る。
そして、一計を案じたピエロは、館内放送で条件に合う兄妹を呼び出すことにした。
母親が呼んでいるというその放送を聞いてしまった満と京子の兄妹は、自分たちが条件に合っていることから呼び出しに応じてしまう。そこで待っていたのはカマギリジンだった。
満と京子をアジトであるサタン堂に連行しようとするカマギリジン。
だがそこに、洋が駆けつけた。
兄妹をサタンカマキリの餌にする計画を話したカマギリジンは、壁を突き破り逃亡する。
洋は仮面ライダーに変身した。

仮面ライダーは次々にアリコマンドを撃退。
飛田今太も現れたが、即座にカマギリジンを目撃して気絶して出番が終わる。
本当にドラマに何の寄与もしないレギュラーだ…。
ジェットコースターに乗って襲いかかるアリコマンドに足止めされ、カマギリジンを見失った仮面ライダーは、セイリングジャンプしてカマギリジンを探し、発見。
うまくセイリングジャンプを劇中の展開に盛り込んでいる。

カマギリジン相手に仮面ライダーは側転しながらの連続キックを炸裂させた。
カマギリジンは不利を悟って撤退し、満と京子の兄妹は救われる。
アジトに戻ったカマギリジンは、ゼネラルモンスターに許しを請うていた。
何でも、次なる手は既に用意してあるのだという。

自宅に戻った満と京子の兄妹は無事に母親と再開した。
彼らを送っていった志度ハングライダークラブの面々は、お茶でも淹れて寛ぐことにする。
すると、お茶を淹れようとしていたユミがネオショッカーに攫われてしまった。
洋は慌ててそれを追いかけるが、それはネオショッカーの陽動作戦だった。
さっきからやけに陽動作戦に引っかかってばかりいる気がする…。

みどりはミチに、志度博士に電話して連絡するように言うが、目の間でユミを攫われたミチは怯えて使い物にならない。そこに、窓の外から物音を立ててカマギリジンが家の中を覗き始めた。
みどりとミチは家中の窓を閉めて籠城するが、洋がアリコマンドに時間を稼がれている間に、カマギリジンは扉を破って家の中に侵入。京子の悲鳴を聞いた洋は、なんとかユミを救出して慌てて引き返すものの、家についた時には既に満と京子は攫われていた。

洋はネオショッカーの車の痕跡を追跡し、仮面ライダーに変身。
複眼であるDアイ(ディメンション・アイ)の透視能力で、車の行く先を突き止める。
そこに、アリコマンドオートバイ部隊が現れた。
仮面ライダーはスカイターボを華麗に操り、アリコマンドたちを倒す。
だが、カマギリジンは地中に穴を掘って逃げてしまった。
仮面ライダーは、今度は超聴覚能力を持つベルトイヤーで地中の音を聞き、なおも追跡する。
今回は、仮面ライダーの持つ超感覚能力を説明する回にもなっている。

サタン堂に満と京子を運び込んだカマギリジンは、ついに儀式を再会した。
人食いサタンカマキリに兄妹の命を捧げようとするカマギリジン。
仮面ライダーはセイリングジャンプで、サタン堂へと飛んでいく。
カマギリジンが両手に鎌を持ち、満と京子に迫る中、仮面ライダーはDアイでついにサタン堂を発見。スカイターボを呼び、ライダーブレイクでサタン堂の壁を粉砕した。
シリーズ当初の映像的なウリであったセイリングジャンプとライダーブレイクという2大要素だが、毎回のように2つのノルマをこなさないといけないのも大変な展開ではある。

仮面ライダーは満と京子の捕縛を解いて逃がすと、カマギリジンとの決戦を開始した。
次々にアリコマンドを排除した仮面ライダーは、カマギリジンの鎌を華麗に躱していく。
だが、カマギリジンは高い跳躍力で仮面ライダーに飛びかかり、鋭い鎌を振るっていく。
さらに、カマギリジンは高所から岩を落とすものの、仮面ライダーはその全てを粉砕した。
追い込まれたカマギリジンは、必殺技の必殺カマキリブーメランを繰り出す。
鎌を持った両腕を広げ、高速回転して敵に迫る必殺技だ。
だが、京子の声援を受けた仮面ライダーは、カマギリジンの足元がお留守になっていることを察知し、足を挟んで転倒させる。そして、必殺のスカイキックを叩き込み、カマギリジンを倒した。
「負けぬ…まだ死にたくないぃ…!」

カマギリジンの死とともに、サタンカマキリの卵とサタン堂は爆発して木端微塵になった。
満と京子は、仮面ライダーを信じていたと話し、仮面ライダーに感謝を告げるのだった。
カマギリジンの大虐殺計画は、仮面ライダーの活躍で食い止められた。
だが、ネオショッカーの人間減らし計画は、深く、静かに進められている。
仮面ライダーに休息はない!

子供を使った儀式の完遂に執着し、しつこくつきまとうカマギリジンの恐怖描写が秀逸な回。
ショッカー怪人から継承されている、人間の目が見えるマスク造形が、独特の目力を与えていて恐怖の怪人らしさを演出しているカマギリジンの造形が素晴らしかった。

ゼネラルモンスターがサタンカマキリ誕生を急がせたせいで、カマギリジンが兄妹の確保に動き出してしまい、そのせいで洋がネオショッカーの陰謀を知るところになるバタフライ・エフェクトが起こっており、ヨーロッパ支部よりカマギリジンを招聘してまで行った今回の作戦の失敗の遠因はゼネラルモンスターその人なのだが、裏を返せばゼネラルモンスターも自分が指揮する日本支部だけが成果を挙げられていないことに焦りを見せているのだろう。
結局、ヨーロッパ支部の思いやりは無に帰すことになった。
だが、人口削減を掲げ、大量虐殺を辞さないネオショッカーは、今なお世界中で暗躍を続けている。仮面ライダーはこの暗黒の軍団から、日本を守り続けることが出来るのか…?

QooQ