あらすじ
ベーダーのたび重なる敗北に、ヘドラー将軍が自ら出陣した。デンジレッド以外の4人はヘドラー将軍に捕らえられ、ヘドラー将軍とデンジレッドは壮烈な一騎打ちを繰り広げる。
一方、ベーダー城では謎の卵が急成長し…。
決戦!デンジマン対ヘドラー将軍 そしてバンリキ魔王大反乱!
見事にバンリキ魔王の反乱を鎮圧し、バンリキ魔王を燭台器に変えたベーダー一族。
後顧の憂いを絶ったヘドラー将軍はついに、電子戦隊との決戦に臨もうとしていた。
前回生み出したカラクリラーと共に前線に出陣したヘドラー将軍は、自ら七変化を披露してデンジマンたちを翻弄。赤城以外の4人を捕らえることに成功する。
ついにデンジレッドとヘドラー将軍の壮烈な一騎打ちが始まろうとしていた。
しかし、バンリキ魔王の反逆の炎はまだ消えていなかった。
ベーダー怪物の卵を生み出す孵卵器の中で、謎の卵が急成長を始めていたのである。
今、ベーダー魔城にも大異変が起ころうとしている。
物語は今、クライマックスへ向けて加速していくのだった。
あきらがテニスのコーチをしていると、そこに容姿端麗な男がケチを付けてきた。
あきらのコーチを批判した男は、次々に強烈な勢いのサーブを叩き込む。
そして、そのボールの中から鋭い刃が飛び出した。
あきらはとっさにそれを躱し、デンジスパークする。
オートバイで逃亡した男を追ったデンジピンクは、廃墟へと誘き出された。
その前に、黒いローブを着た老人が現れる。
老人は男が廃墟の中に入ったと指で示すと、突然姿を消した。
デンジピンクは男の行方を追って廃墟へ潜入した。
そこで待っていたのは、先程の男。それはヘドラー将軍の変装かに思われた。
だが、ヘドラー将軍はさらにカラクリラーに姿を変える。
全てはデンジピンクを誘き出し、孤立させるための罠だった。
カラクリラーがデンジピンクの動きを抑え込むと、そこに本物のヘドラー将軍も現れる。
デンジピンクはカラクリラーによって地下牢に落とされてしまうのだった。
街をゆく青梅の前に、アンパンを食べるタクシー運転手が現れた。
そのタクシー運転手は、ヘドラー将軍の変装である。
アンパンに誘われた青梅は、ヘドラー将軍からアンパンを手渡され、油断したままそれを受け取ってしまい、催涙ガスの餌食になってしまう。そして、タクシーに載せられ拉致されてしまった。
黄山と緑川のところに、チーコが協力を要請するため訪れた。
何でも、怪盗ルパンを上回る大怪盗と言われる、怪盗Xが現れたのだという。
怪盗Xは七変化を駆使する大怪盗で、2億円のダイヤモンドを狙っているのだ。
するとそこに、不審な助成が現れた。それもまた、ヘドラー将軍の変装である。
怪盗Xとは、ヘドラー将軍のことなのだ。
この場面では、ヘドラー将軍を演じる香山浩介氏が女装を披露していて面白い。
黄山と緑川が不審なものを感じていると、女性は怪盗Xの姿になって逃亡した。
黄山と緑川がそれを追うと、先程デンジピンクが捕まった廃墟へ誘き出されてしまう。
黄山と緑川は手分けして廃墟へと踏み込んだ。
すると、緑川の前に鎧甲冑に身を包んだ武士が現れ、日本刀を投げつけてきた。
緑川はデンジグリーンにデンジスパークするが、武士は強い。
熾烈な格闘戦の果て、デンジグリーンは飛び蹴りを躱され、地下牢へ落下してしまった。
その悲鳴を聞きつけた黄山もデンジイエローへデンジスパークする。
その前に、マジシャンに化けたヘドラー将軍が現れた。
ヘドラー将軍はデンジグリーンを巨大丸鋸で胴切りにしようとする。
それを止めようとしたデンジイエローはヘドラー将軍と格闘戦を演じるが、一瞬の隙をつかれ鉄格子の中に閉じ込められ、秘術・ネズミ捕りの餌食となってしまうのだった。
こうして、赤城以外の4人のデンジマンが、ヘドラー将軍の手に落ちてしまう。
遊園地では、ピエロが紙芝居をしていた。
その紙芝居の内容は、デンジマン4人が捕らえられた経緯を語るものだった。
それを監視していた赤城は、そのピエロがベーダー一族であることを察知し尾行するが、ピエロは突然姿を消し、遊園地の各地から自分を見つめる視線を感じるのだった。
そして、遊園地のメリーゴーラウンドが突然動き始める。
メリーゴーラウンドから、これまでヘドラー将軍が披露した七変化が次々に現れ、赤城を幻惑する。そしてついに、ヘドラー将軍の実体が現れた。
ヘドラー将軍は捕らえた4人のデンジマンをジェットコースターに乗せ、幻覚の中で人質にしていたのだ。ジェットコースターを止めない限り、彼らを助ける方法はない。
「屈辱の連続だった…!ワシは恨むぞ、貴様を!電子戦隊のリーダーである貴様を!」
「お前たちが侵略を続ける限り、俺たちは戦いをやめん!」
ヘドラー将軍と赤城は、ついに互いの信念をかけた一騎打ちへと臨む。
デンジレッドとヘドラー将軍の剣技はまさに互角。
遊園地のステージへ戦場は移動し、ヘドラー将軍は瞬間移動でデンジレッドを翻弄する。
「ワシは誓った!この剣で、お前の心臓を抉ってみせるとな!ついにその時が来た!」
ヘドラー将軍の一撃を、なんとか躱したデンジレッド。
だがそこにカラクリラーが現れ、デンジレッドを羽交い締めにした。
だが、一騎打ちに水をさされたヘドラー将軍は激昂する。
「余計なことをするな!これが一騎打ちの勝負だ!余計な真似をするな!」
ヘドリアン女王の指示だったにも関わらず、一騎打ちを邪魔したカラクリラーはヘドラー将軍の一撃を受け昏倒し、デンジレッドはその隙に仲間たちを助けるためジェットコースターに向かう。
ヘドラー将軍は昏倒するカラクリラーによって動きを封じられてしまうのだった。
デンジレッドはジェットコースターを止め、仲間たちを救出した。
デンジマンはヘドラー将軍との決着をつけるべく、決戦へと向かう。
「見よ!電子戦隊!デンジマン!!」
カラクリラーはデンジマンを落ち葉で出来た輪で縛り上げて動きを封じるが、デンジマンはデンジパワーを発揮して拘束を脱出。カラクリラーのカラクリバズーカを躱すと、デンジブーメランを炸裂させ、カラクリラーを打ち破った。
だが、カラクリラーは細胞組織を組み替えて巨大化し、デンジマンもデンジタイガーを呼ぶ。
ダイデンジンに乗り込んだデンジマンは決戦に挑む。
カラクリラーはねじ巻き型の武器でダイデンジンを攻める。
しかし、ダイデンジンも必殺の電子満月斬りを繰り出し、カラクリラーを倒すのだった。
またしても敗北を喫したヘドラー将軍はベーダー魔城に撤退した。
すると、ミラーやケラーが、ベーダー怪物の卵を育てる孵卵器の調子を調べていた。
孵卵器の中に、得体の知れない気味の悪い卵が入っている。
ヘドリアン女王の命を受け、ヘドラー将軍はその卵の処理を開始した。
だが、卵はそれにビクともせず、逆に孵化してしまう。
その中から、不気味な姿の怪物が誕生した。
怪物はベーダー魔城を飛び回り、ヘドリアン女王たちに襲いかかる。
そして、爆発とともに巨大化し、口から煙を吐いた。
その煙は、燭台器となっていたバンリキ魔王を復活させ、ヘドラー将軍を怯ませる。
その怪物の名は、バンリキモンス。バンリキ魔王が仕込んでいた、最強の怪物だった。
バンリキ魔王は、ベーダー魔城の征服を宣言し、逆らうものへの見せしめとして、バンリキモンスの能力でダストラーたちを縮小し、噛み砕いて食べてしまう。
ヘドリアン女王も、ヘドラー将軍も、もはやバンリキ魔王に逆らう力はなかった。
「いいか、これからはワシがこの城の主じゃ!ベーダー城を、征服したぞ!」
こうして、ベーダー魔城は再びバンリキ魔王の手に落ちた。
どうなる!ベーダー一族!!
ついに自ら出陣したヘドラー将軍。次々に電子戦隊4人を捕らえていき、赤城との一騎打ちに臨むその姿は、軍人としての卓越した能力と、武人として一騎打ちに臨む誇りが描かれており、改めて、ヘドラー将軍という男の恐ろしさが描かれたものになっていた。
そして、武人としての誇りゆえに、ヘドリアン女王によるカラクリラーへの助成の命令を拒否したことが敗因に繋がってしまったのも、どこか悲哀のある描写だったと言えよう。
ヘドラー将軍を演じる香山浩介氏本人による七変化も見どころで、特に冒頭に登場したテニス選手としての姿は香山浩介氏の端麗な容姿をストレートに楽しむことが出来る。
普通の人間としての姿をしていると、「スパイダーマン」の山城拓也を思い出す。
そして、敗北したヘドラー将軍を待っていたのは、バンリキ魔王の最後の秘策、バンリキモンスの誕生だった。ベーダー怪物の孵卵器にバンリキモンスの卵をセットしていたバンリキ魔王によって、ついにベーダー魔城はバンリキ魔王によって完全に征服されてしまう。
見せしめとしてダストラーをバンリキモンスの能力で縮小し、噛み砕いて食べてしまう恐怖を見せつけることでベーダー一族すら震え上がらせたバンリキ魔王の恐怖は、まさに絶対的だった。
こうしてついに、ベーダー魔城はバンリキ魔王のものになってしまったのである。
メインライターを勤めた上原正三氏が得意とし、この後の作品でも取り入れられていく悪の勢力争いは、二手三手と策略を巡らせていたバンリキ魔王の勝利に終わるのだった。
果たしてデンジマンは、バンリキ魔王を倒し、ベーダーとの戦いに終止符を打てるのだろうか…。