「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第9話「コブランジンの殺人軍団」感想

2024年11月25日月曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

著名なプロボクサーとプロレスラーが相次いで誘拐された。
そして、洋の師である空手の世界チャンピオン・三好良一が次に狙われる。
その一連の計画は、ネオショッカーの怪人・コブランジンによるものだった。

集結する格闘技世界チャンピオン 狙われた親子の絆を守れ!

今回のネオショッカーの怪人はコブラの改造人間であるコブランジン。
蛇の頭部をもした左手から放つ溶解液や、人間を意のままに操る「コブラ催眠」といった能力を持ち、口笛で毒蛇を使役する能力を持った改造人間である。
そんなコブランジンの目的は、コブラ催眠によって様々な格闘技の達人を操り、仮面ライダー打倒のための殺人軍団を結成すること。そのために、プロボクサーやプロレスラーを拉致した。

そして、そんなコブランジンの新たな標的として狙われたのは、洋の空手の師匠である空手世界チャンピオン・三好良一だった。コブランジンは卑怯にも、良一を確実に誘き出すため、良一の息子であり、洋とも仲が良い少年・良二を拉致する。
洋は、仮面ライダーは良二を救い、コブランジンの陰謀を阻止することが出来るのか。

洋は、空手の師匠である三好良一との組み手に励んでいた。
世界チャンピオンである良一の目から見ても、洋の腕前の上達は著しい。
もう一人の弟子との組み手に洋が励んでいると、良一はその場に息子の良二を残し、外出した。
その頃、ボクシングジムで、世界チャンピオンのパンチャー鈴木がトレーニングを終え、タクシーに乗り込んだ。だが、そのタクシーはネオショッカーのコブランジンが運転していた。
コブランジンはパンチャー鈴木をネオショッカーの殺人軍団に勧誘し、コブラ催眠でパンチャー鈴木の意識を奪う。コブランジン人間体の目の周囲が鱗に包まれているのが、怪人らしくて良い。

コブランジンが狙うのは後2人。
次に狙われたのは、プロレスラーNo.1のミスター怪力だった。
ミスター怪力もまた、コブランジンのコブラ催眠によって自我を奪われる。
試合の時間が近づき、呼びに来たトレーナーに、ミスター怪力が襲いかかった。
そこに通りかかった洋は、サングラスを掛けた薄気味の悪い男がミスター怪力と共に行方不明になったことから、ネオショッカーの暗躍を感じ取っていた。

ネオショッカーのアジトでは、いつの間にかネオショッカー内で昇格したらしいゼネラルモンスターが、コブランジンに昇格を祝われ、殺人軍団計画の進捗を報告されていた。
昇格したゼネラルモンスターは、軍服の色が変わり、片手が鉄の爪になる強化改造を受けている。
しかし、ヨーロッパ支部からも日本支部の作戦進捗が問題視されるほど、ゼネラルモンスターは仮面ライダーの活躍で何の成果も挙げられていないのに、なんで昇格できたのだろう?
コブランジンはプロボクサーやプロレスラー、空手の世界チャンピオンを集め、仮面ライダー抹殺のため、史上最強の殺人軍団を結成することがその任務だったのだ。

コブランジンが次に狙ったのは、空手の世界チャンピオンの良一だった。
コブランジンは良一がもらった楯を破壊する道場荒らしを行う。
良二は慌てて洋を助けに呼んだ。
そして、道場ではもう一人の門下生がコブランジンに暴行を受けていた。
駆けつけた洋が助けに入ったが、コブランジンは洋の顔を知らない様子。
そこに、用事を終えた良一も帰ってきた。コブランジンは良一に襲いかかる。
良一は、改造人間であるコブランジンを上回る技量を発揮する。

追い詰められたコブランジンはコブラ催眠を行おうとするが、良一は正拳を握りしめ、コブランジンの目を見ないことでコブラ催眠を免れる。
コブランジンはコブラ催眠すら打ち破る良一の腕前に感服し、殺人軍団の一員にする決意をより一層固めていた。そこに、尾行していた洋が現れ、その目的を詰問する。
コブランジンは洋に襲いかかり、怪人態の姿を現した。そして、アリコマンドを呼び出す。
洋も一旦姿を隠し、仮面ライダーに変身した。

仮面ライダーとネオショッカーの戦いが始まった。
例によって飛田今太が現れるが、仮面ライダーに跳ね飛ばされたアリコマンドに押しつぶされ気絶。もちろん、今回もそれだけの役回りである。
コブランジンはアリコマンドが仮面ライダーを気を引いている間に撤退した。

コブランジンが集めた殺人軍団員は、仮面ライダー抹殺のための訓練を重ねていた。
プロボクサーやプロレスラーだけでなく、中国拳法や剣道の達人も加わっている。
もしそこに、空手の世界チャンピオンである良一が参加すれば殺人軍団が完成してしまうのだ。
病院に、門下生の見舞いに来た洋はアリコマンドに襲われる。
そして、病室にいた良二のもとに、壁を溶かしながらコブランジンが現れた。
コブランジンがまず門下生に襲いかかり、気絶させて良二を拉致する。
洋は仮面ライダーに変身し、セイリングジャンプで良二を探した。
そして、強い嗅覚でコブラ独特の生臭い匂いを感じ取り、見事にコブランジンの車を発見する。

だが、コブランジンは良二を人質にして仮面ライダーに手出しをさせまいとした。
「卑怯結構!この子はな、コブランジンの殺人軍団のために人質に取ったのだ!史上最強の殺人軍団だ!では、また会おう!」
コブランジンは溶解液を吐いて仮面ライダーを怯ませ、撤退する。
さらに、良一の道場にコブランジンの殺人軍団参加を迫るメッセージを送った。
毅然とそれを拒否する良一だが、良二の助けを求める声を聞かせられたことでその意志は揺らぎ、コブランジンの脅迫に屈してしまいそうになる。
洋はそれを止め、自分が良二を助けると諭すが、息子を攫われた良一は冷静でなかった。
「筑波くん。親というものは、子供には弱い。親は過去、子供は未来…。どちらが生きるか、どちらが生きるかとなれば、未来が生きるべきだ!」
「先生。僕はその未来のために戦います!」
良一は洋を巻き込みたくないのか、自分たち親子の問題だと話しコブランジンのもとへ向かった。

コブランジンの元へ向かった良一が見たのは、木に縛られ身動きができないまま、コブランジンが口笛で操る毒蛇に、今にも襲われそうになっている良二の姿だった。
コブラ催眠が効かず、子供を取り返せば自分が死のうと思っている良一を操るには息子の命を人質に言うことを聞かせるしかないというのが、コブランジンの結論だった。
だがそこに、仮面ライダーが駆けつけ、良二を救出する。
コブランジンは殺人軍団を呼び出し、仮面ライダー抹殺を命じた。
仮面ライダーは殺人軍団の攻撃をなんとか躱し、良一も息子を守って奮戦する。
アリコマンドまで現れる中、仮面ライダーはコブランジンを倒すまでの間、良一に耐えるように頼むのだった。飛田今太も現れるが、毒蛇を目撃して気絶。それだけ。

仮面ライダーはアリコマンドを蹴散らし、コブランジンとの決戦に挑む。
仮面ライダーのチョップがコブランジンの頭部に炸裂し、さらに空中を旋回した仮面ライダーはスカイキックを叩き込み、コブランジンを打ち破るのだった。
そして、コブランジンの死とともに、殺人軍団にされた人々の催眠も解けた。
夕陽の中、去っていく仮面ライダーに、良二はその正体が誰だろうと不思議に思う。
三好先生にも、仲良しの良二にも、仮面ライダーはいまひとつの名前は教えられない。
しかし、それでいいと、仮面ライダーは思っていた!

今回から次回予告の方式が変わり、筑波洋が自ら次回の見どころを語る形式になった。
より視聴者と距離が近い、親しみやすいヒーロー像を狙った変化と言えるだろう。

「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」の特徴として、仮面ライダー=筑波洋と子どもとの交流が描かれたエピソードが多いことがあり、この回もその中の1つ。
空手の師匠である良一から、「未来」である子供を守って戦う意味をも学び、戦う意味を見出していくのだった。そしてその戦いに賞賛を求めていないからこそ、仮面ライダーはいまひとつの名前を教えられなくても、それでいいと思うことが出来るのである。
賞賛や見返りのためでなく、未来のために戦う意義を描いた名シチュエーションと言えるだろう。

様々な格闘技の達人を集めたコブランジンの殺人軍団は、目のつけどころは良かったもののの一人ひとりに改造手術を施すことなく、コブラ催眠で操るのみに留めていたためか、肝心の仮面ライダー対策として今ひとつ効果を見せることは出来なかった。
また、コブランジン自体も、まだ仮面ライダーが改造されて間もなかったクモンジン回のころはともかく、仮面ライダーの存在が問題視されていて久しいこの時点で筑波洋の顔を知らないあたり、少々杜撰なところが見受けられる。
せっかく昇格したゼネラルモンスターだが、この調子で大丈夫なのだろうか?

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