あらすじ
ネオショッカーに協力を強いられていた今井博士が開発したプラスアルファ爆弾。
その威力は水爆にも匹敵する恐ろしい物であった。
怪人・アリジゴクジンはその爆弾を使い、東京都民を皆殺しにしようとしていた。
東京消滅の危機!十重二十重の罠を突破し爆弾を見つけ出せ!
今回のネオショッカーの怪人は、アリジゴクの特徴を持つアリジゴクジン。
その任務は、水爆級の破壊力を持つ新型爆弾・プラスアルファ爆弾によって、東京を消滅させることである。その任務のため、爆弾を探す仮面ライダーを足止めして自分が東京爆破に巻き込まれて死ぬことも厭わない、ネオショッカーに対して狂信的なまでの忠誠心を持つ怪人だ。
ネオショッカーに拉致されてプラスアルファ爆弾の制作を強要されていた今井博士に脱出されたことで、ネオショッカーの東京爆破作戦を知った筑波洋だが、ネオショッカーは偽の爆弾を使ったブラフを用いて仮面ライダーを撹乱し、なんとしても東京を爆破しようと目論む。
一方、仮面ライダーもレーダー触覚を駆使して爆弾から放たれる電波を感知し、東京を救うべく奔走する。果たして仮面ライダーはプラスアルファ爆弾を解除し、東京を救えるのか。
ネオショッカーは、新型爆弾・プラスアルファ爆弾の実験に成功した。
島1つを容易に吹き飛ばすその威力に、ゼネラルモンスターも大いに満足する。
そして、アリジゴクジンを呼び出すと、プラスアルファ爆弾を用いて東京を消滅させ、一千万人もの人間をこの地球から削減する、恐ろしい計画を命じるのだった。
ネオショッカーにプラスアルファ爆弾の制作を強要されていた今井博士は、プラスアルファ爆弾の東京での使用を拒むが、アリジゴクジンはプラスアルファ爆弾の時限装置を3時間後にセットするように強要し、それでも拒む今井博士に暴行を働く。
「人間の作った爆弾で人間を殺す!…なんと面白いことよ!」
今井博士は結局、プラスアルファ爆弾の時限装置をセットせざるを得なかった。
アリジゴクジンは自らプラスアルファ爆弾を積んだ車を走らせ、東京の地下に設置しようと目論んでいた。そこに、今井博士が脱走したとの知らせが届く。
今井博士は公衆電話で警視庁に電話し、ネオショッカーの東京爆破計画を知らせようとするが、電話に出たのはネオショッカーだった。驚いた今井博士は、今度は交番に駆け込む。
だが、その交番にいた警官も、ネオショッカーによって成り代わられていた。
行く先々でネオショッカーに尽く先回りされている今井博士のシーンは、逃亡者を逃さないネオショッカーの恐ろしさと同時に、今井博士の必死さも相まってちょっと面白い。
ニセ警官から逃亡する今井博士だが、足を銃撃されてしまい倒れ伏す。
そこに、偶然にも筑波洋が通りかかった。
今井博士の口からネオショッカーの名を聞いた洋は、ニセ警官から今井博士を守って戦う。
だが、必死に逃亡する今井博士はまたしてもニセ警官の銃撃を受けてしまった。
洋は仮面ライダーに変身し、ニセ警官に化けていたアリコマンドを倒す。
傷ついた今井博士は、ネオショッカーが3時間後に水爆と同等の破壊力を持つプラスアルファ爆弾で東京を壊滅させようとしている事を話し、それを阻止するには時限装置を解除するしかないことと、東京タワーにそれが仕掛けられようとしていることを仮面ライダーに伝える。
仮面ライダーは、今井博士を銃撃音を聞きつけて駆けつけた志度博士に託し、プラスアルファ爆弾の時限装置の解除のために東京タワーへ向かおうとするのだった。
プラスアルファ爆弾爆発まで、2時間40分。
スカイターボを呼び出そうとした仮面ライダーの前に、その足止めをするべくアリコマンド部隊とアリジゴクジンが現れた。アリジゴクジンは地底に潜り、仮面ライダーの足を鞭で絡め取って蟻地獄へと引き込もうとする。だが、仮面ライダーは跳躍してそれを回避。
プラスアルファ爆弾の解除を優先し、スカイターボを呼んで東京タワーへ向かった。
東京タワーの展望台に到着した仮面ライダーだが、プラスアルファ爆弾は発見できない。
そこに、志度博士から今井博士が重体であるという連絡が届いた。
仮面ライダーから爆弾が見つからないことを聞いた志度博士は大いに驚く。
志度博士は今回が最後の登場なのだが、その分やたらとオーバーリアクションで面白い。
プラスアルファ爆弾爆破まで、後2時間18分。
志度ハングライダークラブの面々も、東京壊滅の危機にパニック状態に陥る。
今井博士に爆弾の設置場所を聞こうにも、重体の今井博士に尋ねることも出来なかった。
志度博士の通報を受けたのであろう警視庁も、全力を上げ爆弾の捜索を開始した。
仮面ライダーもセイリングジャンプし、空からプラスアルファ爆弾を捜索する。
そして、ビルの屋上にアリコマンドたちがいるのを発見した。
アリコマンドを蹴散らし、プラスアルファ爆弾の設置場所を尋問する仮面ライダー。
しかし、アリコマンドたちも次々に現れ仮面ライダーを足止めする。
乱戦の中、アリコマンドの1人が「仮面ライダーを地下室に行かせるな」と発言した。
それを聞きつけた仮面ライダーは、地下室にプラスアルファ爆弾があると直感する。
ネオショッカーのうっかりミスが作戦を瓦解させるかと思われた。
だが、その地下室にあったプラスアルファ爆弾は、通信機が仕掛けられた偽物だった。
アリコマンドの発言は単なるうっかりミスではなく、仮面ライダーを誘き出すためのブラフだったのだ。地下室の扉が閉ざされ、壁からは無数の鋭い針が出現する。
そして、鋭い針を備えた壁が、仮面ライダーを圧殺すべく動き始めたのである。
仮面ライダーBLACK RXならバイオライダーになりそうな状況だ。
仮面ライダーは壁に潰される寸前、なんとか壁を押し戻す。
そして、再び壁が迫るまでの一瞬の隙を突き、地下室の扉を破壊して脱出に成功した。
だが、ゼネラルモンスターは本物の爆弾が発見されない限り、作戦は万全とほくそ笑む。
仮面ライダーはスカイターボを飛ばし、本物の爆弾の捜索を再開した。
プラスアルファ爆弾爆発まで、後1時間10分。
その頃、アリジゴクジンは、「船の科学館」の地下室へとプラスアルファ爆弾を運び入れていた。
このままでは、1時間後には東京は全滅してしまう。
志度ハングライダークラブの面々がパニックになり、今井博士の意識も戻らない。
本物の爆弾の手がかりも掴めない中、仮面ライダーと志度博士の通信はネオショッカーに探知され、今井博士が入院している病院の場所がネオショッカーに露見してしまった。
病室をアリコマンドたちが襲撃する。だが、仮面ライダーたちはこんなこともあろうかと今井博士を別の病室へと移していた。駆けつけた仮面ライダーがアリコマンドを排除する。
そして、今井博士は意識を取り戻し、仮面ライダーに、プラスアルファ爆弾の時限装置が起動すれば1500ヘルツの強力な電波が発信されることを伝えるのだった。
仮面ライダーはレーダー触覚で1500ヘルツの電波を探知した。
そして、「船の科学館」の方向からその電波が発信されていることを感知する。
遺された時間は後40分。仮面ライダーの脳裏に、プラスアルファ爆弾が起爆した際の地獄絵図のイメージが浮かび、爆弾の起爆を阻止する決意を新たにするのだった。
今回、プラスアルファ爆弾の脅威を強調するためか、やたらとプラスアルファ爆弾が爆発した場合の地獄絵図をイメージしたカットが多く挿入されており、ちょっと面白い。
爆弾の設置を完了したアリジゴクジンたちは退避を開始する。
仮面ライダーはスカイターボを飛ばし、「船の科学館」へと急行した。
仮面ライダーの接近を知ったアリジゴクジンは、ネオショッカーオートバイ部隊を発進させた。
仮面ライダーの足止めを目論むネオショッカーオートバイ部隊を、仮面ライダーはスカイターボを華麗に操り粉砕していく。だが、その間にも刻一刻と東京爆破の時間は近づいていった。
レーダー触覚で、プラスアルファ爆弾が地下室にあることを感知した仮面ライダーの目前に、アリコマンド部隊、そしてアリジゴクジンが足止めのために現れた。
プラスアルファ爆弾爆破まで、後6分。
プラスアルファ爆弾が爆破すれば、アリジゴクジンも死ぬと告げる仮面ライダー。
だが、アリジゴクジンは東京都民一千万人の命と引き換えなら死んでも本望だと、ネオショッカーの人類削減という目的に対して狂信的な忠誠を見せる。
自らの命すら厭わない狂信的な姿は、ネオショッカーの洗脳の恐ろしさを物語っていて秀逸だ。
仮面ライダーはそんなアリジゴクジンの相手をしていられないと、地下室へ向かおうとする。
だが、アリジゴクジンも地底に潜って仮面ライダーの先回りをし、必殺地獄ムチを構え、あくまでも仮面ライダーを足止めし、プラスアルファ爆弾爆破を成功させようとする。
仮面ライダーは地獄ムチをなんとか躱し、チョップや連続パンチを叩き込む。
だが、アリジゴクジンも執念で仮面ライダーを足止めし、仮面ライダーの足元に蟻地獄を作って仮面ライダーを地下へと引き込もうと目論む。仮面ライダーはそれを跳躍して逃れると、地上に出てきたアリジゴクジンを「遠心投げ」で投げ飛ばす。
遠心投げで振り回されたことで目を回し、前後不覚になったアリジゴクジンに、仮面ライダーはスカイキックを叩き込む。アリジゴクジンは無念を叫びながら、青い光となって消えるのだった。
志度ハングライダークラブの面々が駆けつけ、共にプラスアルファ爆弾解除へ向かうことになった。プラスアルファ爆弾爆発まで、後3分しかない。
地下室へ辿り着いた仮面ライダーたちは、起爆装置の解除を開始した。
志度ハングライダークラブの面々が残り時間をカウントして急かす中、仮面ライダーは脳裏に爆弾が爆発した際の地獄絵図をイメージしながら、起爆装置の解除を進めていく。
そして、爆発まで残り1秒というところで、なんとか爆破阻止に成功するのだった。
東京一千万人を守り抜いた志度博士は、笑顔とともに仮面ライダーと握手を交わすのだった。
そういえば、今回はついに飛田今太が登場していない。
爆弾爆発までのタイムリミットサスペンスということもあり、出てくる暇がなかったようだ。
ネオショッカーの東京全滅作戦は、仮面ライダーの活躍で阻止することが出来た。
だが、ネオショッカーは次の牙を研いでいるのだ!
新型爆弾による東京壊滅を阻止すべく奔走する仮面ライダーの勇姿が描かれた、タイムリミットサスペンスが手に汗握る展開を見せたエピソード。
ネオショッカーの人類削減という目的のために自らを犠牲にすることを厭わないアリジゴクジンの狂信的な忠誠心もキャラが立っており、ネオショッカーが単なる世界征服でなく人類を削減するという、大量殺戮を厭わない狂信的な集団である恐ろしさも改めて描かれている。
アリコマンドが話した爆弾が地下室にあることを示唆する発言が、仮面ライダーを誘き出すためのブラフであるという、秘密のはずの爆弾の場所をうっかり話してしまうという、悪の組織のよくあるミスを逆手に取った展開も面白く、予想もつかない展開で見応えがある。
今回を最後に志度博士がレギュラーから外れ、番組自体も1クールを過ぎ多くの路線転換を見せることになる。仮面ライダーとネオショッカーとの戦いも新たなステージへと移るのだった。