あらすじ
ネオショッカーが作り出した新たな怪人・アオカビジン。
その体のカビはあらゆる物を溶かし、地盤さえ破壊して東京中に大地震をもたらしていた。
これを阻止しようと仮面ライダーが立ち向かうが…。
全てを溶かし大地を割くカビの恐怖!ライダーよ東京を救え
今回のネオショッカーの怪人は、カビの能力を持ったアオカビジン。
その全身は腐食性の高いカビで覆われており、改造人間の体すら容易に溶解させてしまう。
アオカビ爆弾を投げつけた攻撃力と、攻撃を受けても逆に相手の体を溶かしてしまう恐ろしい能力を併せ持っており、仮面ライダーの体すらそのカビの前には溶かされてしまうのだ。
さらに、オートバイの運転技術にも長け、仮面ライダーと互角のテクニックを持つ。
ひとたび街中に出てカビの胞子を撒き散らせば、次々に人間やビルを溶かしてしまう大惨事を引き起こすほどの、大量殺戮を可能にした恐怖の改造人間である。
そんなアオカビジンの目的は、関東の地盤をカビで溶かし断層地震を発生させ、関東一帯を陥没させて海の底に沈める「関東大地震計画」の実行である。
洋は頻発する地震に不審なものを感じ調査を開始、この地震がネオショッカーの仕業であることを突き止めたものの、アオカビジンの強さはこれまでの改造人間を凌駕していた。
果たして仮面ライダーはアオカビジンを倒し、関東を沈没から救えるのか…。
ネオショッカーの改造手術室で、また新たな改造人間が生まれようとしていた。
アオカビジンというその怪人の身体から放たれるカビは、アジトに充満すればアジトを全滅させるに余りある毒性を秘めており、移動用に専用のカプセルが用意された。
アオカビジンはアリコマンドの1人を犠牲にして自らのカビの威力を確信した。
ゼネラルモンスターはカプセルに入ったまま謁見に訪れたアオカビジンを無礼だと怒るが、アオカビジンのカビの毒性を知る白アリコマンドたちに抑えられる。
アオカビジンは「関東大地震計画」の指揮官であり、身体のカビによって関東の地盤を溶かし、東京、神奈川、埼玉、関東一円を陥没させ、海の底へ沈めてしまう計画を実行しようとしていた。
アオカビジンは仮面ライダーを倒すために改造されたと嘯き、戦いへと意欲を見せる。
アオカビジンはあらゆるものを溶かす強力なカビを大量に地下に流し、地盤を溶解させ断層地震を引き起こした。その被害は凄まじく、マグニチュード8に匹敵する大地震が引き起こされてしまった。筑波洋や、ブランカの仲間たちもその地震の余波を感知する。
洋と谷は、この地震の裏にネオショッカーの陰謀を感じ取っていた。
洋は地震研究所に赴き、地震学の権威である岡田博士を訪ねた。
地震研究所の観測でも、頻発する地震の震源地は本来、地層学的にいって地震が起こり得る可能性のないものであり、この地震が自然に発生したものでないことを物語っていた。
地震研究所から戻る洋は道中、電話回線の工事をしている工事現場員とすれ違うが、彼らはアリコマンドの変装であり、洋の動きはアオカビジンの知るところとなった。
アオカビジンは関東大地震計画から洋の目を逸らすべく、陽動作戦を開始。
オートバイに乗って西部地区に現れると、カビを街中に撒き散らした。
カビは爆発や建物の溶解を引き起こし、大規模な地割れまで引き起こされてしまう。
もう既に、関東大地震計画の必要がないほどの大規模な被害だ…。
アオカビジンのカビは市民をも襲い、多くの人々が犠牲となってしまう。
いくつものビルが溶解していく中、屋上へ避難する人々の中に、飛田今太もいた。
迫りくるカビに追い詰められた飛田今太は、ビルの屋上からジャンプして画面から消える。
この後、果たして大丈夫だったのだろうか?
次々にビルが溶解し、中の人たちもカビの犠牲になっていく地獄絵図が展開されていく。
その頃、街中で調査をしていた谷とみどりは、地割れに行く手を阻まれた。
谷たちが引き返そうとすると、地割れの中からアオカビジンが現れた。
谷はアオカビジンに、ガソリンの入った一斗缶を投げつけるが、弾き飛ばされる。
怒ったアオカビジンが谷へ向かいカビを投げつけようとしたその時、一斗缶から溢れたガソリンに火が引火。火が苦手であるアオカビジンは、たまらず逃走した。
その頃、洋は地震の原因を突き止めるべく、断層地震の起こった場所へ向かっていた。
そこにも巨大な地震があり、その中からアオカビジンが現れる。
アオカビジンはアリコマンド部隊を呼び出し、洋を襲わせた。
洋は仮面ライダーに変身する。
「貴様が仮面ライダーか…」
「いかにも、仮面ライダーだ!」
アオカビジンはアオカビ爆弾を投げつけ攻撃するだけでなく、仮面ライダーの立つ周囲の地面をカビで埋め尽くし、仮面ライダーの身体をカビで溶かそうとする。
仮面ライダーは跳躍し、鉄塔を蹴り倒してアオカビジンにぶつけた。
ダメージを負ったアオカビジンは撤退する。
「貴様もいつか俺のカビの餌食になるのだ。俺が生きている限り、カビは増え続ける!」
「カビで物を溶かすとは…恐ろしい奴だ!」
洋は姿を消したアオカビジンを捜索していた。
一方、アオカビジンは関東大地震計画を進めるべく、地下にカビを運び入れさせていた。
超高層ビルの真下にアオカビを設置させようとしたアオカビジンだが、そこに地震研究所の岡田博士たちが、地震の原因を突き止めるべく調査をしている報告が入る。
岡田博士たちは、地盤が溶けている地点を突き止めたものの、そこにアオカビジンが現れた。
アオカビジンはアオカビ爆弾で、地震研究所の所員たちを次々に殺害していく。
岡田博士もカビの犠牲となってしまい、通りかかった洋に東京の危機を伝え溶解してしまった。
目の前で岡田博士を失った洋は、ネオショッカーへの怒りを燃やす。
洋は懸命にアオカビジンを探すが、その間にも地盤の溶解は進んでいた。
アオカビジンは地盤を溶かしている地点から洋を引き離すべく、洋の眼の前に現れる。
洋は仮面ライダーに変身。柱に隠れた一瞬で変身するスピーディーな演出だ。
アオカビジンはアオカビ爆弾を投げつけ、その隙に撤退。
アオカビジンを探す仮面ライダーは、地盤が緩み地震が始まっている音を聞きつけた。
早くアオカビジンを倒さなければ、関東は全滅する。
すると、アオカビジンはオートバイに乗って、何処かへと逃亡を開始した。
仮面ライダーもスカイターボに乗り、それを追跡する。
アオカビジンを追って、仮面ライダーは郊外へと出た。
アオカビジンはアリコマンドオートバイ部隊を出撃させ、その隙に逃亡を続ける。
オートバイをジャンプさせ、アオカビジンと仮面ライダーのチェイスは続く。
だが、突然アオカビジンは姿を消してしまった。
アオカビジンを見失った仮面ライダーが混乱している隙に、その足元にアオカビジンのカビが迫り、地割れが引き起こされる。仮面ライダーはスカイターボをジャンプさせて地割れを避けるが、アオカビジンはスカイターボがジャンプした先にも地割れを引き起こす。
ついに、仮面ライダーは地割れの中に落ちてしまった。
アオカビジンは地割れを閉じ、仮面ライダーを押しつぶそうとする。
だが、仮面ライダーはスカイターボで壁を登り、地割れから脱出した。
そのままアオカビジンのオートバイに追突し、アオカビジンをオートバイから引きずり下ろした仮面ライダーは、アオカビジンとの決戦に挑む。
アオカビジンはアオカビ爆弾を投げまくり、仮面ライダーを近寄らせない。
刻一刻と大地震発生が迫る中、仮面ライダーは一気に勝負をつけようと連続パンチを決める。
だが、それによってアオカビジンの身体のカビが仮面ライダーの拳に付着し、仮面ライダーの身体が溶け始めてしまった。アオカビジンはさらに仮面ライダーに組み付き、仮面ライダーの身体はカビまみれになって溶け始めてしまう。
「このままでは…改造人間の俺でも溶けてしまう!」
「苦しんで死ね!仮面ライダー!俺は東京大地震を見届けてくる!」
勝利を確信したアオカビジンが去ろうとしたその時、駆けつけた谷とみどりが、仮面ライダーにアオカビジンの弱点が火であることを伝える。
そして、ガソリンが充満したドラム缶を岩にぶつけ爆破、炎上させた。
仮面ライダーは燃え盛る炎の中へアオカビジンを抱え迫り、火によってアオカビジンを弱らせる。
そして、弱ったアオカビジンにスカイキックを炸裂させ、勝利。
こうして、ネオショッカーの関東大地震計画は阻止された。
恐ろしいネオショッカーの東京大地震計画は、ライダーの手によって阻止された。
次はどんな手で襲ってくるのか。頑張れ!ライダー!
地盤を溶かして大地震を起こすのみならず、仮面ライダーの身体すら溶解せしめる強力なカビを持つアオカビジンの恐ろしさが十全に演出されたエピソード。
アオカビジンを生み出したネオショッカーすら、アジト内でカビの胞子を撒き散らされれば自滅してしまうため、アオカビジンの移動の際にはアジト内では特製のカプセルを必要とするという描写からも、アオカビジンの恐ろしさが強調されており、秀逸な描写だった。
アオカビジンを殴りつけた仮面ライダーの拳の方が逆に溶かされダメージを負う描写は強敵怪人と呼ぶに相応しく、谷が偶然にも火が弱点であることを知ることがなければ勝機を見出せなかった。
ネオショッカーの怪人もまた、徐々にその力を高めているということだろう。
また、仮面ライダーとアオカビジンのバイクチェイスシーンも大きな見どころだった。
ライダーブレイクこそ披露されなかったものの、地割れをジャンプで躱し、地割れの底に落ちても垂直に走り地割れから脱出するスカイターボのスーパーマシンぶりも印象深い。