「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第20話「2人の仮面ライダー もう1人はだれだ!」感想

2024年12月27日金曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

香港の九竜島から日本を訪れた怪人・クラゲロンと、インドのガンジスから来たサイダンプ。
魔神提督が呼び寄せた、この2体の強力な怪人が仮面ライダーを襲う。
ライダーの攻撃が怪人たちに通じない危機の中、その戦いを見つめる男がいた。

強敵怪人タッグの挑戦!スカイライダー絶体絶命の危機!

攻勢を強める魔神提督は、海外より2人の強豪怪人を招聘した。
そして、2つの作戦を同時に行うことで、「ひとり」でしかない仮面ライダーが、仮にどちらかの作戦を防いだとしても、どちらかの作戦は成功する二段構えの作戦を取ったのだ。

まず、香港の九龍島から招聘されたのが、クラゲの特質を持つクラゲロン。
伸縮自在の触手と、人間を溶かす毒小クラゲを武器とする怪人で、その柔軟性に優れた肉体は、仮面ライダーの必殺技・スカイキックの衝撃を吸収して無効化してしまう。
その作戦は、毒小クラゲを各地の貯水槽に混入、各地の水道から毒小クラゲを出現させることで、水道を使用した東京都民1000万人の命を奪うことだ。

そしてもう1人、インドのガンジスから招聘されたのが、サイの特質を持つサイダンプ。
かつて、仮面ライダーV3とライダーマンを苦しめた強豪怪人・サイタンクを思わせるこのパワフルな改造人間は、剛力無双の怪力と頭部の角で真正面から敵を打ち砕く。
もちろん、その鎧を纏ったような姿から想像できるように防御力も優れており、尻尾を伸ばし、それを支えにすることで仮面ライダーのスカイキックを真正面から受け止めてしまう。
その作戦は、大山ダムの破壊で下流に済む100万人を溺死させることだ。

仮面ライダーは、この柔と剛、真逆のタイプの強力2怪人の前に、スカイキックが通じず苦戦を強いられてしまう。だが、そんな仮面ライダーに、陰から助言を与える謎の存在が現れた。
謎の声の助けで窮地を逃れていく仮面ライダーだが、ついにクラゲロンとサイダンプの両者と真正面からぶつかり、その連携の前に絶体絶命の危機に陥ってしまう。
2対1の圧倒的に不利な状況。このまま仮面ライダーは倒れてしまうのか。
だがその時、天が、地が、人が。悪を倒せと、正義の戦士を呼んだ。
もう1人の「仮面ライダー」の出現が、仮面ライダー=スカイライダーの苦境を打ち砕く。

とある海岸で、釣り人が釣りをしていた。
その中のひとりの釣り竿が、突然強い引きを見せる。
釣り人が周囲に手伝ってもらって竿を引き上げてみると、海中から怪人が現れた。
「ご苦労だった!たっぷり礼をしてやる!クラゲロン、日本初仕事!」
怪人・クラゲロンは毒小クラゲで釣り人を殺害、姿を消すのだった。

パトロールをしていた洋は、谷からの通信で釣り人が不審な死を遂げた連絡を受け、海岸へ向かい調査を開始する。犠牲となった釣り人は、体の半分が溶けていた。
ネオショッカーの陰謀を感じ取った洋は、何者かに監視されていることに気づくが、洋を監視していたクラゲロンは素早く海中に身を隠して姿を眩ませる。
そして、自分を探す洋へ向けて密かに触手を伸ばすが、その時、何者かの声が洋に危機を伝えた。
その声でなんとか触手から逃れた洋の前に、クラゲロンが姿を現す。
「クラゲロン、日本で大手柄、立ててやる!」

クラゲロンはアリコマンド部隊を呼び出し洋を襲わせた。
アリコマンド部隊の触手に捕まった洋は海中に突き落とされるが、仮面ライダーに変身する。
「貴様は『日本の』仮面ライダー!」
クラゲロンのその言葉は、「日本」以外にも仮面ライダーがいるような口ぶりだった。
そしてその様子を、何者かが物陰から見ていた。悪への怒りを込めた、緑の目で。

クラゲロンの触手攻撃に苦戦を強いられる仮面ライダー。
さらに、クラゲロンの体は柔軟性に富んでおり、仮面ライダーの攻撃の衝撃を吸収してしまう。
攻撃が通じないまま、触手攻撃に追い詰められる仮面ライダーを、クラゲロンは挑発する。
「どうだライダー!スカイキックとやらを試してみるか!」
その挑発に乗った仮面ライダーは、クラゲロンにスカイキックを叩き込む。
だが、なんとクラゲロンの身体は、スカイキックの衝撃すら吸収してしまった。
「そんなキックは、私には効き目ないぃ~!」
小手調べを終えたクラゲロンは、海中へ姿を消し撤退した。
仮面ライダーは、スカイキックが通用しない強敵の出現に戦慄する。
そして、自分に危機を知らせてくれたのは一体誰だったのか、訝しむのだった。
その戦いを見ていた何者かもまた、何処かへ姿を消す。

ネオショッカーのアジトにクラゲロンが到着した。
「香港は、九龍島より馳せ参ぜし、クラゲロン!」
魔神提督はクラゲロンの他に、インドのガンジスからサイダンプも呼び寄せていた。
だが、クラゲロンとサイダンプは反りが合わないらしい。軟体ボディのクラゲロンと、正反対の性質を持つ固いボデイのサイダンプでは、相性も最悪なのだろう。
「えぇ?サイダンプもですかぁ!奴、暴力だけが自慢!頭空っぽよぉ!?」
結局、口答えしたことで魔神提督に小突かれたクラゲロン。
魔神提督はサイダンプの到着と同時に、最大の作戦を開始しようとしていた。

その頃、ダンプカーでドライブをしていた親子の前に、サイダンプが現れた。
全速力のスピードで道路を疾走し、アジトへ急ぐサイダンプに恐れをなした父親は、ダンプカーでサイダンプを轢き潰そうとするが、サイダンプは怪力でダンプカーを押し戻す。
だが、サイダンプは先を急いでいたためか、それ以上の危害は加えず走り去っていった。
無用な手出しをしたために犠牲になることがなくて本当に良かった。
そこに洋と谷が通りかかり、親子の話でまたしても新手の怪人が現れたことを知る。

サイダンプが走り去った方向へ、洋は追跡を開始した。
「アマゾン」の劇伴が流用されているため、「アマゾンダダダ!!」のアレンジが流れている。
さすがに別作品の副主題歌にあたる曲のアレンジが流れると、ちょっと違和感もある。
そして、洋の前にサイダンプが姿を現した。
「インドはガンジスのゾウも逃げ出す、サイダンプ様だ!貴様の首をもぎ取り、魔神提督の土産にしてくれるわ!」
サイダンプは怪力を活かした連続パンチで洋を痛めつけ、そのまま角で串刺しにしようと突進。
だが、洋は寸前で身を躱し、突進を誤爆したサイダンプは角が斜面に刺さってしまった。
洋はその隙に、仮面ライダーに変身する。

仮面ライダーはパンチを叩き込むが、サイダンプの厚い装甲はびくともしない。
「お前の力はその程度か!スカイキックでも何でもやってみろ!」
サイダンプは仮面ライダーを挑発し、仮面ライダーも挑発に乗ってスカイキックを叩き込む。
なんだか、ついさっき見たばかりの既視感のある光景だ。
サイダンプは、尻尾をジャッキスタンドとして伸ばし、3点接地の態勢になる。
そして、スカイキックを真正面から受け止めて、跳ね返してしまった。
「スカイキックとはそんなものか!」
仮面ライダーはもう1度スカイキックを放つが、結果は同じだった。
冷静に考えると、サイダンプは尻尾を使ってしっかりと接地し、スカイキックを完全に受け止めている分、スカイキックの衝撃が逃げることなくフルに伝わっているはずなのだが、それを受け止めてしまうことで、サイダンプの異常なまでの防御力が演出されている。
もしくは、伸縮する尻尾がサスペンションとして衝撃を吸収する働きもしているのかもしれない。

スカイキックが効かない強敵。仮面ライダーはスカイターボを呼び、サイダンプと距離を取った。
サイダンプも小手調べを済ませ、ネオショッカーのアジトへと急行するのだった。
仮面ライダーはサイダンプを追跡する。
サイダンプの行く手には、幼稚園があった。園児たちを引率していた弓子は、園児たちを庇って暴走するサイダンプに踏まれてしまい、洋は弓子を病院に運ぶ。
弓子はなんとか一命を取り留め、園児たちも皆無事だった。
洋と谷は、魔神提督が東南アジアから呼び寄せた、2人の強豪怪人に戦慄する。

「インドよりサイダンプ、只今到着!」
「遅いよ!何もたもたしてた!」
「なんだとこのクラゲロン!もたもたとは何だ!俺のスピードを知らんのか!」
クラゲロンが遅れてきたサイダンプをしばくと、サイダンプも怒ってクラゲロンを殴る。
なんだかんだと、仲がいいやり取りだ。
魔神提督は2人のいざこざを治めると、2人にそれぞれの作戦を説明させる。
クラゲロンは、毒小クラゲを東京中の水という水にばらまくつもりだった。
毒小クラゲの混入した水を飲めば、人間たちに命はない。
一方、サイダンプは、大山ダムを破壊し、下流に住む人間の溺死を目論んでいた。
2人の怪人は、お互いの作戦を手ぬるいと非難し合う。
魔神提督はどうにも相性の悪い2人に呆れながらも、作戦の成功を確信する。
「今度ばかりは仮面ライダーも手が出せまい…身体は1つ、作戦は2つ!」

ブランカの面々は、スカイキックの効かない強敵2怪人の出現に困惑していた。
一方、洋は退院した弓子を幼稚園へと送っていっていた。
しかしそこに、弓子の幼稚園を毒小クラゲの実験場にしようとしたクラゲロンが現れる。
幼稚園の水道から毒小クラゲが吹き出し、園児が襲われた。
洋は、クラゲロンが既に作戦を開始していることを察知し、周辺を捜索する。

クラゲロンは、自分を捜索する洋の背後から触手を伸ばし、洋を襲おうとした。
だがそこに、またしても危機を知らせる何者かの声が響き、洋は危機を脱する。
弓子が園児たちを急いで帰宅させようとしていると、そこにサイダンプが現れた。
弓子を拉致したサイダンプを、仮面ライダーは追う。その様子を、何者かが見ていた。
白いブーツと緑の目。
少しずつ姿が映る時間が長くなっていくのが、視聴者の期待感をこの上なく煽ってくれる。

仮面ライダーはサイダンプに追いついた。
だが、弓子を攫ったのは、仮面ライダーを誘き出すための罠だったのだ。
サイダンプの呼び出しに応じ、クラゲロンが姿を現す。
「見ろサイダンプ!やはり俺様の言う通りライダーがついてきた!俺の方が頭が良いんだい!」
「俺が誘き寄せたんだ!俺が片付けてやるわい!」
やっぱりこの2人、仲が良い。

サイダンプは突進攻撃で仮面ライダーを苦しめる。
「得意のスカイキックは通じないぞ!」
「さて、どうする?仮面ライダー!」
仮面ライダーはスカイキックをサイダンプに叩き込むが、やはり通じない。
しかし、その反動でクラゲロンに飛びかかり、なんとか弓子を救出した。
だが、スカイキックの通じない相手に、勝機を見出すことが出来ない。

「1人でも手強い相手だ…しかし、どうしても倒さなくてはならない!」
クラゲロンの触手攻撃が、サイダンプの突進が、仮面ライダーに襲いかかる。
仮面ライダーは弓子を逃がしたが、クラゲロンの触手に首を絞められ、身動きできないところにサイダンプの連続攻撃を食らってしまう。仮面ライダー、絶体絶命の危機。
「2対1ではどうにもなるまい!」
だがそこに、ここまで洋を助けてきた、何者かのの声が高らかに響いた。
「待てぃ!2対1ではない!2対2だ!」

そこに現れたのは、胸に輝くSマークを刻んだ、もう1人の「仮面ライダー」。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと俺を呼ぶ。俺は正義の戦士!仮面ライダーストロンガー!」
高らかな名乗りとともに姿を現したのは、かつて、ブラックサタンやデルザー軍団と戦い、日本の平和を守るため戦った正義の戦士、仮面ライダーストロンガーだった。
クラゲロン、そしてサイダンプの日本上陸を知り、それを追って日本に帰国したのである。

絶体絶命のスカイライダーの前に、ストロンガーが出現した。
果たして、ストロンガーの出現は、スカイライダーを救えるだろうか!

今回の、ストロンガーの登場に端を発する先輩ライダー客演編の開始で、複数の「仮面ライダー」が登場することになった「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」。
この回の最後のナレーションで、主題歌「燃えろ!仮面ライダー」や当初主題歌の予定だった楽曲の「変身!仮面ライダー」で謳われていた、もう1つの名である「スカイライダー」が本編でも正式に使用されることになり、先輩ライダーとの区別をつけるようになっている。

次回予告では、筑波洋とストロンガーが握手を交わした。
「来週は、2人で戦うぞ!」と嬉しそうに語る洋の姿からは、本編外の描写とはいえ、改造人間の宿命を分かち合える先達の出現を心から喜ぶ想いが伝わってくる。

性質は異なれど、どちらもスカイキックが通用しない強豪2怪人を呼び寄せたネオショッカーの二面攻撃とともに、海外から招聘された怪人を追って先輩ライダーが駆けつける、スケールの大きな展開を見せた大娯楽編の前編となるエピソード。
スカイライダーを初めて見たクラゲロンが(ストロンガーの顔は知らなかったらしいが)「日本の」仮面ライダーか、と口走ることで、海外のネオショッカー相手に先輩ライダーたちが戦いを繰り広げており、スケールの大きな世界観を演出している。
仮面ライダーの身体が1つである以上、同時に2つの作戦を実行すれば対応しきれないという魔神提督の戦略はあまりにも理にかなっており、1人だけでもスカイキックが通じない強敵が2人もいる絶望感と、そこからのストロンガー登場のカタルシスが見事な演出だ。

こうして、スカイライダー絶体絶命の危機に、ストロンガーが駆けつけた。
果たしてスカイライダーは、スカイキックが通じない強敵を倒すことが出来るのか。
今、2人の仮面ライダーと強敵2怪人の、世紀のタッグマッチが幕を開ける。

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