あらすじ
邪悪な太陽神の命令でヘドリアン女王を復活させたヘルサターン総統。
女王の最初の仕事は太陽神にいけにえをささげること。
いけにえとして選ばれたのは2人の女性。サンバルカンは誘拐された2人の女性を捜索する。
ブラックマグマの頂点・黒い太陽神!復活のヘドリアン女王!
太陽戦隊に敗戦を重ねてきたブラックマグマは、戦力を増強すべく、かつてベーダー一族を率いて電子戦隊デンジマンと戦ったヘドリアン女王を仲間に引き入れた。
バンリキ魔王の暗躍によって信頼する部下全てを失い、北極の氷河の地下で眠りについていたヘドリアン女王に、ブラックマグマはその科学力で作り出したメカ心臓を埋め込んで蘇生させたのだ。
もちろん、ヘドリアン女王はブラックマグマに与することを良しとしなかったものの、メカ心臓を埋め込まれたことでブラックマグマ同様機械生命体と化した結果、人類征服のために共通の敵となる太陽戦隊を倒すため、ブラックマグマと手を組むことを決意したのである。
「デンジマン」での曽我町子氏の演技が高く評価されたことで、異例ともなる敵のレギュラーキャストの作品をまたいだ続投となったヘドリアン女王の復活劇。
太陽戦隊はここに、新たなる強敵を迎えることになった。
そして、これまでブラックマグマの頂点に立つと思われていたヘルサターン総統の上に、ブラックマグマの頂点に君臨する「黒い太陽神」が存在することが明かされる。
全能の神である黒い太陽神への信仰心は、ヘルサターン総統にとって最大の弱点であると同時に、機械生命体による世界征服を企てる最大の原動力でもあるのだ。
ヘルサターン総統は蘇生させたヘドリアン女王に、黒い太陽神への生贄となる助成の命を捧げさせるように指令を下す。太陽戦隊は、狙われた女性たちを守ることが出来るのか。
ヘルサターン総統は、新たにマジンモンガーを誕生させた。
だが、マジンモンガーは突然暴れ出す。
ヘルサターン総統は、基地の奥深くにある祭壇に祈りを捧げ始めた。
「助け給え…太陽の神よ…!」
「ヘルサターンよ…眠れる女王を起こすのだ…」
機械生命体を支配するヘルサターン総統にも、意外な弱点があった。
それは、邪悪な太陽神に対する、異常なまでの信仰と恐れであった。
黒い太陽神から啓示を受けたヘルサターン総統は、ヘドリアン女王の蘇生を決意する。
北極の氷河の地下から、眠りについたヘドリアン女王を見つけ出したブラックマグマ。
ヘルサターン総統は、自らヘドリアン女王の胸にメカ心臓を埋め込む。
メカ心臓が作動し、仮死状態に陥っていたヘドリアン女王は蘇生した。
蘇生に伴い、マーベル・コミックの「死の女神ヘラ」がモチーフだった頭部の装飾が形を変え、まるでミラーボールのような丸い形状へと変化している。
北極の氷河の地下で氷漬けとなり眠っていたヘドリアン女王は、ヘルサターン総統の蘇生手術を受け蘇った。目を覚ましたヘドリアン女王は、ベーダー一族を滅ぼした人間への復讐の念を燃やす。
「ここはどこじゃ…?こんなところでグズグズしている暇はない。私は復讐せねばならん!ベーダー一族を滅ぼした、人間どもにな!」
「私と手を組もう。そして人間どもを…」
「フン!誰が機械人間ごときと!そこをどけ!…何がおかしい!」
「ここを離れては生きてはいけん!貴女も機械人間なのだ、ヘドリアン女王…貴女の体内には人工臓器が埋め込まれておる。心臓とて、私が作ったものだ…」
「ぐぬぬ…余計なことをしおって!」
ヘドリアン女王にメカ心臓を埋め込み、ブラックマグマを離れては生きていけない機械人間としたことでヘドリアン女王と手を組むことに成功したヘルサターン総統は、ヘドリアン女王に、黒い太陽神に対して生贄を捧げ、黒太陽のミサを司るように指示を出す。
小学校で、目も虚ろな女教師が屋上へ向かっていた。
それは、ヘドリアン女王の妖術によって操られていたがために起こったことだ。
教師は校庭に姿を現したブラックマグマのオートバイへ向け、屋上から身を投げる。
教師を捕らえたブラックマグマは、そのまま走り去って姿を消した。
教師が屋上から身を投げ姿を消した事件はテレビで取り上げられ、太陽戦隊の面々もその事件を知ることになった。嵐山長官はそこに、鋭く何者かの陰謀を感じ取る。
その頃、協会で結婚式を上げていた花嫁のもとに、ブラックマグマのオートバイが現れた。
またしてもヘドリアン女王の妖術が花嫁を操り、花嫁もオートバイに乗って姿を消す。
通報を受けた嵐山長官は、太陽戦隊に拉致された花嫁の救出を命じた。
太陽戦隊は追跡したオートバイに追いつくが、そこにマシンマンたちが現れる。
花嫁を連れ去ろうとするブラックマグマを追う太陽戦隊の前に、マジンモンガーが現れた。
マジンモンガーは目から閃光を走らせ、「モンガー金縛り」で大地震を起こし動きを封じる。
結局、太陽戦隊はブラックマグマを取り逃がしてしまうのだった。
嵐山長官は、美佐から拉致された二人の女性が同じ生年月日、それも明日がその日であるという報告を受けていた。嵐山長官は、明日が皆既日食であることから、かつてマヤ帝国やインカ帝国で、皆既日食の黒い太陽に生贄を捧げる儀式が行われていたことを思い出す。
太陽戦隊は、空から皆既日食が観測される場所を撮影し、不審な島を発見。
嵐山長官は、その島がミサイル基地となっていることから、ブラックマグマが皆既日食に生贄を捧げようとしていることを察知し、太陽戦隊を出動させる。
果たして、太陽戦隊が発見した島はブラックマグマがまさに儀式を行おうとしている島だった。
二人の生贄が太陽神に生贄として捧げられようとしている中、嵐山長官と美佐は釣り人に化けて島に潜入、そして、バルパンサーも厚い警備をくぐり抜け、島の内部へと潜入していく。
皆既日食の時が迫る中、ヘドリアン女王はついに黒い太陽神へ捧げるミサを開始した。
ヘルサターン総統が皆既日食に怯え、祭壇へ祈りを捧げる一方、ヘドリアン女王もミサを進めていく。バルパンサーはミサを阻止すべく、素早い動きで基地の奥へ突き進む。
そしてついに、ヘドリアン女王が生贄の命を黒い太陽神に捧げようとしたその時、バルパンサーが到着した。バルパンサーは単身、生贄となった二人を救出すべく戦う。
そして、バルイーグルとバルシャークも、ジャガーバルカンでミサイル基地を攻撃した。
バルパンサーも孤軍奮闘するものの、マジンモンガーたちに苦戦するが、そこにジャガーバルカンからのアンカーが射出され儀式の場を破壊、その隙にバルパンサーたちは脱出する。
生贄を追うマジンモンガーたちの前に、サンバルカンが太陽ジャンプで現れた。
「輝け!太陽戦隊!サン!バルカン!!」
サンバルカンの面々は、バルカンスティックを使った新技を次々に披露。
バルシャークは水柱を放つシャークウォッシャーを、バルパンサーは大地に火柱を走らせ地割れを起こすパンサーギャラクシーを、バルイーグルは火炎放射のイーグルファイヤーを放つ。
追い詰められたマジンモンガーは、次々に大爆発を起こして太陽戦隊を責め立てる。
バルパンサーはパンサーモグラで、地下からマジンモンガーに近づき転倒させた。
デンジブルーのデンジドリルを思わせる攻撃だ。
さらに、バルシャークは海に飛び込み、バルイーグルがマジンモンガーを転倒させたところで海から飛び出し、シャークジョーズで大ダメージを与える。
そして、とどめのバルカンボールを撃ち込み、マジンモンガーを倒した。
マジンモンガーは内部の巨大回路を起動させ、大モンガーとなった。
サンバルカンもまた、ジャガーバルカンからコズモバルカンとブルバルカンを発進させる。
「合体・グランドクロス!」
この第5話で、サンバルカンロボの合体コードである「グランドクロス」が初披露。
スーパー戦隊シリーズ初の合体ロボの、シリーズ初の合体コードにしてこのカッコよさ。
センスの塊だ。
「チェンジ・サンバルカンロボ!」
サンバルカンロボは格闘戦で大モンガーを攻め立て、バルトンファの一撃を喰らわせる。
「太陽剣・オーロラプラズマ返し!」
そして、とどめのオーロラプラズマ返しで、大モンガーを破壊した。
この敗北に、ヘルサターン総統のみならず、ヘドリアン女王も悔しさを滲ませる。
「デンジマンの他に、またしてもサンバルカン…!」
太陽戦隊の活躍で、邪悪な太陽神への生贄は救出した。
だが、ヘルサターン総統の、あくなき陰謀はますますエスカレートするばかりである。
負けるな、太陽戦隊サンバルカン!
「デンジマン」で絶大な印象を残したヘドリアン女王の復活となるエピソード。
敵キャラクターの続投と、それに伴う前作との世界観の連結は長いスーパー戦隊シリーズでも他に類を見ない仕掛けとなっており、それほどの存在感を示したヘドリアン女王というキャラクターのインパクトと、曽我町子氏の確かな演技力の凄まじさを物語るものになっている。
そして、これまでブラックマグマの頂点に君臨すると思われていたヘルサターン総統に、皆既日食による「黒い太陽神」への信仰心という弱点が存在し、ブラックマグマの頂点にさらなる全能の神が存在することを示唆しているのもこのエピソードの特筆すべき点だ。
皆既日食に怯え、黒い太陽へ祈りを捧げ続けるヘルサターン総統の姿によって、機械の体を持つ機械生命体の集団でありながら、「黒い太陽神」への呪術的な信仰によって成り立っているブラックマグマの得体の知れなさが強調されていると言えよう。
こうして、敵味方のレギュラーキャラクターが出揃い、導入編とも言える展開が完了した。
太陽戦隊の、ブラックマグマと長い苦闘の日々が、ここから加速していくことになる。