「太陽戦隊サンバルカン」第12話「ダイヤを食う女王」感想

2025年1月10日金曜日

太陽戦隊サンバルカン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ヘドリアン女王は機械生命体にダイヤの強奪を命令。
だが、手下が奪ってきたダイヤは女王が欲しいダイヤではなかった。英国の謎の紳士・シャドーXの「キングソロモンの星」なるブルーダイヤこそ、女王の求めるもので…。

女王はダイヤがお好き?熾烈なブルーダイヤ争奪戦!

ヘドリアン女王は、ここのところ悪夢に苦しんでいた。
人間の女性たちにダイヤモンドを自慢され、嘲られるという悪夢だ。その憂さ晴らしをするように、ヘドリアン女王は機械生命体ダイヤモンガーに命じてダイヤモンド強奪を命令する。
だが、ダイヤモンガーはあろうことか、ダイヤモンドを食べて力に変える機械生命体だった。
ブラックマグマは、闇の世界のダイヤブローカー、シャドーXが盗み出したブルーダイヤ「キングソロモンの星」を手に入れるべく、シャドーXに接触する。
そして、ヘドリアン女王は、キングソロモンの星をダイヤモンガーに食べられるくらいならと、なんと自分で食べてしまおうとするサブタイトル回収を行うが、結局吐き出してしまい、キングソロモンの星を食べたダイヤモンガーはパワーアップしてしまうのだった。
果たして太陽戦隊はキングソロモンの星を守り、ダイヤモンガーを倒すことが出来るのか。

ヘドリアン女王は、女性たちに「変な人」と呼ばれ、宝石を見せつけられる悪夢を見ていた。
さすがのゼロワンたちも、悪夢にうなされるヘドリアン女王のことを心配する。
着飾った女性たちにダイヤモンドを自慢された夢に、ヘドリアン女王は憤りを隠せない。
ヘルサターン総統は、このままでは黒い太陽神への祈祷にも差し障りが出ると危惧し、ゼロワンにヘドリアン女王の気を休めるべくダイヤモンドを確保するように命じた。

人間に返送して宝石店を訪れたゼロワンたちは、宝石店の店主をウインクで誘惑。
ウインクに魅了された店主たちが夢現の気分のうちに、ダイヤモンドを盗んでしまった。
誘惑で男を魅了する様子をハートマークの合成で示す演出がユニークだ。
警察の追跡も振り切ったゼロワンたちは、まんまとダイヤモンドを盗み出す。

スナックサファリで嵐山長官が子供たちとヨーヨーで遊んでいると、そこに豹が現れた。
豹は、女強盗がダイヤモンドを白昼堂々盗み出したことを美佐たちに伝える。
「女って怖いねぇ~!」
「私は強盗なんかしないわよ?ダイヤモンドくらい買ってくれる旦那さまを見つけるもん!」
「俺が買ってやるよ、美佐ちゃん!」
「100カラットのエンゲージリングよ!」
美佐にやり込められ、シーシーにも窘められた豹は、あっけらかんと笑う。
いじられキャラでありつつ、本人もそれを楽しむ余裕があるのが豹のいいところだ。

「せっかく奪ってきてあげたのに!」
「恩着せがましく申すな!どれもこれも屑ダイヤばかりではないか!いやしくも私は、ベーダー一族の女王じゃ!女王には女王に相応しいダイヤがあるはず!」
和やかなムードの太陽戦隊と対象的に、ブラックマグマの空気はギスギスしていた。
ゼロワンたちはヘドリアン女王の態度に不満を漏らすが、ヘルサターン総統は同盟者としてヘドリアン女王に一目置いていることもあり、ヘドリアン女王の願いを叶えるべく、ヘドリアン女王に相応しいダイヤモンドを奪うための機械生命体を誕生させる。
「機械生命体、ダイヤモンガーを誕生させろ!ダイヤは地球上で一番硬い鉱石…レーザー銃、機械生命体、あるいはダークQの部品としても欠かせぬもの…」
ブラックマグマの戦力増強にも欠かせないことから、ダイヤモンド確保のためにダイヤモンガーを生み出したブラックマグマ。ヘドリアン女王もまた、地上へ向かい出撃する。

ヘドリアン女王は水晶玉を通し、自らに相応しいダイヤモンドを捜索した。
そしてついに、日本国立銀行にあるダイヤモンドを発見し、ゼロワンたちとダイヤモンガーが日本国立銀行の地下金庫に向かった。
ダイヤモンガーが、モンガーつるはしで物理的に壁に穴を開ける力技を見せる。
日本国立銀行の通報を受け、太陽戦隊が出動した。

ゼロワンたちはついに地下金庫からダイヤモンドを発見。
ダイヤモンドの輝きに思わずテンションが上がっているのがなんだか面白い。
任務を果たし撤退しようとするブラックマグマの前に、太陽戦隊が立ちふさがった。
ゼロワンたちは個々の武器を使い、サンバルカンと死闘を演じる。
だが、サンバルカンの前に苦戦を強いられたゼロワンたちはダイヤモンガーを太陽戦隊にけしかけ、ダイヤモンガーはダイヤモンドビームで太陽戦隊を怯ませ、その隙に撤退する。

ゼロワンたちから、銀行から奪ってきたダイヤを受け取ったヘドリアン女王。
今度のダイヤはヘドリアン女王も気に入ったようで、満面の笑みを浮かべる。
だが、なんとダイヤモンガーがせっかく奪ったダイヤモンドを食べてしまった。
なんでも、ダイヤモンドはダイヤモンガーのエネルギー源らしい。
食べてしまってから「申し訳ない…」と謝るダイヤモンガーが面白い。

嵐山長官は、ロンドンの秘宝展の会場で、裏の世界のダイヤブローカー、シャドーXに盗まれた、「キングソロモンの星」というブルーダイヤの情報を太陽戦隊に伝える。
そして、シャドーXは日本へ向かっており、ブラックマグマと接触しようとしていた。
太陽戦隊はシャドーXをマークするため、シャドーXが日本に滞在するホテルへ潜入する。

ホテルのベッドメイクスタッフを装った美佐は、キングソロモンの星の有無を確認するべくシャドーXの部屋を訪ねた。だが、シャドーXは部屋に籠もり、自ら動きを見せようとしない。
そこで、シャドーXが食事のために部屋を出た隙を狙い、豹がホテルの屋上からロープを伝い、窓から部屋に潜入。しかし、部屋からはキングソロモンの星を発見できなかった。
そこで美佐は、ウェイターに扮し、わざと水をこぼしてシャドーXの衣服を調べる。
だがやはり、キングソロモンの星は発見できなかった。

シャドーXの部屋を盗聴していた豹と美佐を、機関銃を持った男が襲った。
豹はバルパンサーに変身し、男を倒す。男の正体はダークQだった。
太陽戦隊はシャドーXの部屋に急行するものの、シャドーXは既に部屋を脱出。
車でブラックマグマとの取引現場へと向かっていた。
太陽戦隊は急ぎシャドーXの車を追うが、そこにマシンマンが出現。
バルイーグルとバルシャークは、バルパンサーに車の追跡を任せマシンマンと戦う。
バルパンサーは車の天井に張り付くことに成功するのだった。

ブラックマグマとの取引現場に到着したシャドーXは、10億円と引き換えにキングソロモンの星を渡す取引を交わす。キングソロモンの星は、シャドーXのつけた眼帯の下に隠されていた。
キングソロモンの星の輝きを見たヘドリアン女王は、その輝きに喜色満面、大喜びする。
だが、そこに姿を現したバルパンサーがヘドリアン女王に一撃を加えた。
地面に落ちたキングソロモンの星に、ダイヤモンガーが食いつこうとする。
「お前に食べられるくらいなら、この私が食べる!」
ダイヤモンガーにキングソロモンの星を食べられかけたヘドリアン女王は、なんとキングソロモンの星を食べようとする。サブタイトル回収だ。
だが、ヘドリアン女王はキングソロモンの星を喉につまらせてしまった。
あわててゼロワンたちがヘドリアン女王の背中を叩き、ヘドリアン女王の口から飛び出したキングソロモンの星をダイヤモンガーが今度こそ食べてしまう。
最高級のブルーダイヤを食べたダイヤモンガーは、エネルギー全開になってしまった。
ダイヤモンドを食べてしまったヘドリアン女王に唖然とするゼロワンたちが面白い。

10億円を持って逃げようとしたシャドーXは、ゼロワンの投げナイフで倒された。
一方、バルパンサーもエネルギー全開のダイヤモンガーに追い詰められる。
ついに、ダイヤモンガーがモンガーつるはしでバルパンサーにとどめを刺そうと近づいたその時、バルイーグルとバルシャークが駆けつけた。ヘドリアン女王たちは撤退する。
「輝け!太陽戦隊!サン!バルカン!!」
軽快な技でマシンマンたちを破壊していくサンバルカンたち。
マシンマンの頭を足で挟み込み、首を捻って倒すバルシャークの攻撃がエグい。
ダイヤモンガーはパワーアップしたダイヤモンドビームやダイヤモンドシャインで攻撃。
さらに、念力で敵の身体を操るダイヤモンドでんぐり返しで太陽戦隊を弄ぶ。
サンバルカンはバルカンスティックを合わせた太陽シャワーで反撃すると、さらに太陽キックを叩き込む。その衝撃で、ダイヤモンガーの体内からキングソロモンの星が飛び出した。
キングソロモンの星を奪い返そうと、モンガーつるはしで暴れるダイヤモンガー。
サンバルカンはバルカンボールをダイヤモンガーに撃ち込み、見事にこれを倒すのだった。

ダイヤモンガーは巨大化回路を作動させ、大モンガーとなった。
サンバルカンはジャガーバルカンの発進を要請する。
「合体、グランドクロス!チェンジ!サンバルカンロボ!」
コズモバルカンとブルバルカンが発進し、サンバルカンロボに合体した。
大モンガーはダイヤモンドビームで攻撃するが、サンバルカンロボはバルカン砲で反撃。
さらに、バルハンドで大モンガーを痛めつける。
「太陽剣!オーロラプラズマ返し!」
必殺のオーロラプラズマ返しが決まり、大モンガーは倒されるのだった。

太陽戦隊の面々は、美佐と共に宝石店を訪れていた。
「綺麗ねえ、ダイヤモンドっていつ見ても!」
「ダイヤに魅せられるのも、程々にしろよ、美佐ちゃん!」
「100カラットと言わないで、1カラットくらいで我慢しない?」
「とんでもない!怪物に飲み込まれても無傷だったのよ、キングソロモンの星!あたし、エンゲージリングは絶対、ブルーダイヤにするわ!」
「ひょひょー、駄目だこりゃ!」
朗らかに笑う太陽戦隊。
ヘドリアン女王の心を捉えたキングソロモンの星は、サンバルカンの活躍で守られた。
輝け、太陽戦隊サンバルカン!

ハードな展開を見せた前回から打って変わって、夢見が悪いと言うだけでダイヤモンドに執着を始め、あげくにダイヤモンドを食べようとしてしまうヘドリアン女王や、そんなヘドリアン女王になんだか優しいヘルサターン総統、ゼロワンたちのやり取りが面白いエピソード。
ダイヤモンドを見ると我慢できずに食べようとしてしまうダイヤモンガーも、ダイヤの採掘をイメージしたのであろう武器のつるはしも相まってキャラが立っている怪人だった。
一方で、シャドーXをマークし、キングソロモンの星の在処を突き止めようとする太陽戦隊や美佐の活躍はスパイアクション的な要素もあり、見どころ満載の名作エピソードだろう。

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