「太陽戦隊サンバルカン」第13話「生命を持つ黒い玉 (ブラックボール)」感想

2025年1月20日月曜日

太陽戦隊サンバルカン 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

サンバルカンはブラックマグマから黒い玉を奪った。
分析の結果、玉を構成する物質が火山石であることが判明。「超重量金」と命名された。
超重量金は、ヘドリアン女王の妖魔術によって北極へ召還されるが…。

美佐を求めるブラックボール 明かされるブラックマグマの目的

ブラックマグマは日本のマグマから、小さな黒い鉄球のような生命体を生み出した。
エネルギーを吸収することで4トンもの質量を更に増やしていくそれは、ブラックマグマによって輸送されるさなか、サンバルカンに奪取され「超重量金」と名付けられる。
ブラックマグマは超重量金を改造し、機械生命体アイアンモンガーを生み出そうとしていた。

しかし、ここでブラックマグマに誤算が生じる。
サンバルカンが超重量金について調査する際に、美佐がエネルギーを与えたことで、動物が生まれたばかりの時期に眼の前を動く物体を親と思い込み、追従する刷り込み現象が超重量金に発生し、機械生命体アイアンモンガーとなった後も、美佐を慕い後を追いかけ回すようになったのだ。
果たして、サンバルカンはアイアンモンガーから美佐を守りぬくことが出来るのか。

1台のトラックが、積荷の重さで脱輪、スタックしていた。
その荷台に積まれていたのは、漆黒の球体である。
スタックからトラックを助けるべく手を貸した男たちは、トラックの運転手に化けていたダークQに、秘密を目撃したとして殺されてしまう。トラックはブラックマグマの輸送車だった。
現場を暴走運転で離れるトラックとすれ違った鮫島と豹は、トラックが脱輪していた現場で生存者から話を聞き、バルシャークとバルパンサーに変身。
ブラックマグマのトラックを追跡し、ダークQを破壊して積荷を奪うことに成功する。

積荷となっていた黒い球体は、ボーリングの球程度の大きさでありながら、4トンもの重量を持っていた。嵐山長官は地球平和守備隊基地に球体を持ち帰らせ、調査することにした。
一方、黒い球体を太陽戦隊に奪われたことを知ったヘルサターン総統は、奪回する必要はなく、黒い球体=超重量金は自ら戻ってくると宣言する。

太陽戦隊は超重量金をコンピューターにセットし、分析を開始した。
美佐は、分析にかけられる超重量金が、ブラックマグマが作った機械生命体の基になるものだとも知らず、優しく声を掛ける。その後の展開を思うと、この優しさが裏目に出てしまったようだ。
分析の結果、超重量金は火山石、特にマグマの性質と同じ成分で出来ていることが判明した。
だが、マグマと同じ成分で出来ている物質が、なぜこれほどまでの質量を持っているのか。
美佐は、超重量金は超重力の渦であるブラックホールで4トンの物質が小さく圧縮されたものではないかと仮説を立てるが、太陽戦隊は地球の気圧でそうなら元に戻るはずだと相手にしない。

何にせよ、超重量金はブラックマグマが何らかの目的で作り上げた物質である。
嵐山長官が警戒していると、分析室で保管されていた超重量金がひとりでに司令室まで動き出し、美佐の足元まで転がってきた。さすがの美佐も、不気味なものを感じ取る。
太陽戦隊は超重量金を切断し、内部構造を調べることにした。
美佐は自分につきまとう超重量金を気味悪く感じ、別室に残っている。
超重量金はレーザー光線を持ってしても切断することが出来ず、逆にレーザー光線のエネルギーを吸収。そして、みるみるうちにその大きさを増していく。

レーザーエネルギーを吸収し巨大化した超重量金は、その重量を8トンまで増やし、地球平和守備隊基地の中をひとりでに転がり暴れまわった。
サンバルカンは超重量金を取り押さえようとすうが、8トンもの重量でぶつかられてしまえば、サンバルカンの強化服ですらひとたまりもない。嵐山長官と美佐は地上へ避難した。
すると、美佐が地上に出た途端、超重量金は目的を失ったように跳ね回る。
その様子を水晶玉で見ていたヘドリアン女王は、超重量金に工場へ帰るように指令を出す。

美佐を見失った超重量金は、その大きさを自在に変えながら太陽戦隊を翻弄する。
バルカンスティックの一撃すら極小サイズになった超重量金に避けられ、さらに極小サイズになりながら重量はそのままである超重量金が足の上を跳ね回ったことで、バルイーグルが負傷する。
8トンの重量をもろにくらっており、骨折ではとても済まなそうなダメージだ。
そして、極小サイズの超重量金はそのまま排水溝を抜け地下へ消えていく。

本能で動く原始生命体に過ぎなかった超重量金は、ヘドリアン女王の妖魔術のサポートを受けることで自在に動き、太陽戦隊を翻弄していた。超重量金を見事に妖魔術で操ったヘドリアン女王の妖魔術の実力を、ヘルサターン総統も称賛する。
直々に蘇らせたこともあり、ヘルサターン総統はヘドリアン女王に一目置いていることが伝わる。
超重量金を回収したブラックマグマは、超重量金を機械生命体として作り変える。
そして、超重量金を基に、機械生命体アイアンモンガーが誕生した。
偶然だろうが、マーベル・コミックのコミック作品に登場し、アイアンマンの宿敵であるスーパーヴィラン・アイアンモンガーと同名なのが面白い。
ヘルサターン総統は、アイアンモンガーに超重量金製造工場の防衛を命じるのだった。

超重量金が機械生命体を作る材料となる金属であり、同時にそれがマグマから生み出されることを知った太陽戦隊は、火山国であるこの日本に超重量金の製造工場があると推測した。
ブラックマグマがまず日本を襲撃したのは、機械生命体の材料となる超重量金を作り出すために、火山国である日本を制圧、そのマグマを手中に収めるためだったのだ。
バルイーグルはコズモバルカンに乗り、超重量金の製造工場の場所を暴き出すために、超重量金が姿を消した付近一帯の航空写真を撮影した。しかし、超重量金製造工場は、赤外線写真では撮影できない一種のジャミング機能を備えており、航空写真で発見することは出来なかった。
サンバルカンは仕方なく、超重量金が姿を消した一帯を虱潰しに調査することにした。
しかし、必死の調査も虚しく、超重量金製造工場を見つけ出すことは出来なかった。
太陽戦隊が製造工場を発見できないと踏んだブラックマグマは、超重量金の生産を急がせる。

調査を終え、スナックサファリに戻ってきた太陽戦隊。すると、美佐がいない。
何でも、美佐は毎年春になると子供たちを伴い、奥多摩へ鱒釣りに行くのだという。
奥多摩の山中で、鱒釣りを楽しむ美佐と子供たち。
すると、超重量金製造工場にいたアイアンモンガーが何かを察知した様子を見せ、パトロールと称し製造工場の外へ出ていってしまった。アイアンモンガーは美佐の気配を察知したのだ。
超重量金が太陽戦隊に調査にかけられる際、美佐が超重量金に声をかけ、手を触れた。
その刺激が、生まれたばかりの動物が眼の前を動く物体を親と思い込み、追従する刷り込み現象を超重量金に引き起こし、それを基に作られたアイアンモンガーは美佐に惹かれるようになったのだ。地球平和守備隊基地で超重量金が暴れまわったのも、美佐に惹かれていたのだった。

美佐たちが釣った鱒を堪能していると、そこにアイアンモンガーがやってきた。
慌てて逃げる美佐たちだが、アイアンモンガーは刷り込み現象で執拗に美佐に迫る。
「この匂いだ…逃げなくてもいいぞぉ~!さぁ、優しい子…こっちにおいでぇ~!」
発言だけ聞いていたら、まるで変質者だ。
だがそこに、いつの間にやら駆けつけたサンバルカンが現れ、バルカンスティックでアイアンモンガーを攻撃、怯ませた隙に美佐たちを逃がした。

「輝け!太陽戦隊!サン!バルカン!!」
サンバルカンは高らかに名乗りを上げ、軽快な動きでマシンマンたちを破壊していく。
バルシャークの新技、シャークタイフーンが炸裂する。
アイアンモンガーは、火山を模した頭部からアイアン火山弾を放つが、太陽キックで反撃される。
ダメージを追ったアイアンモンガーは、再び超重量金の球体に戻って跳ね回り、その重量で地響きを起こしてサンバルカンを苦しめるが、サンバルカンはスカイジェッターで空から反撃。
そして、サンバルカンがとどめのバルカンボールを叩き込み、アイアンモンガーを倒した。

だが、アイアンモンガーは巨大回路を作動させ、大モンガーとなった。
サンバルカンもジャガーバルカンを呼び、コズモバルカンとブルバルカンを発進させる。
「合体!グランドクロス!チェンジ!サンバルカンロボ!」
大モンガーは球体となってサンバルカンロボに体当たりするが、サンバルカンロボは鉄拳で反撃。
さらに、バルカン砲を発射、バルハンドで振り回し大モンガーにダメージを与えていく。
「太陽剣!オーロラプラズマ返し!」
そして、球体となって体当りする大モンガーに、必殺のオーロラプラズマ返しが炸裂。
太陽剣で弾き返された大モンガーは、そのまま超重量金製造工場までホームラン。
ブラックマグマの超重量金製造工場は、大モンガーに押しつぶされて灰燼に帰すのだった。

嵐山長官と美佐はサファリパークで、象に乗っていた。
アイアンモンガーが何故自分をつけ狙ったのか不思議に思う美佐に、嵐山長官は美佐が初めて超重量金にエネルギーを与えた存在であり、それゆえに記憶されたのだと話す。
機械帝国の調査の結果、富士火山帯のマグマから、良質の超重量金が採取出来ることが解った。
日本は、狙われているのだ。頼むぞ、太陽戦隊サンバルカン!

機械帝国ブラックマグマが日本を狙う理由が改めて説明されたエピソード。
ブラックマグマの主戦力である機械生命体の材料となる超重量金が、日本のマグマを基に生み出されるということは、日本が陥落すればブラックマグマが機械生命体を大量に生み出し、世界全体が戦火に包まれることを意味する。サンバルカンの日本防衛は、世界の命運を左右する戦いなのだ。

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