「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第24話「マダラカジン 毒ガスの恐怖」感想

2025年1月12日日曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

怪人・マダラカジンは、川口博士が開発した猛毒ガス・ドクロンを入手。
これを大量生産して人間を皆殺しにしようと企てる。
そんななか、川口博士がドクロンを売ったことを知った妹のさゆりは悲しみ、兄を責める。

復讐心が生んだ恐怖の毒ガス 妹の想いは兄に届くのか?

今回のネオショッカーの怪人は、蚊の特性を備えているマダラカジン。
ボルネオのジャングルから招集された怪人で、怪人にバラエティーを持たせる施策として廃止された、初期ネオショッカー怪人の「~ジン」という統一名称を最後に踏襲した怪人でもある。
そんなマダラカジンの作戦は、かつて、実験の失敗で大学の研究室を追われ、その復讐心で毒ガスを研究していた川口博士が開発した毒ガス・ドクロンを大量生産し、人間を皆殺しにすることだ。

マダラカジンはドクロンを完成させた川口博士に接触し、3億円と引き換えにドクロン製造装置を開発させる。だが、川口博士の妹のさゆりは、復讐心と大金に目が眩んで毒ガスを売り渡した兄を人殺しにしないため、ネオショッカーの作戦を阻止せんとするのだった。
果たして仮面ライダーはマダラカジンを倒し、大量殺戮を止めることが出来るのか。

川口博士は、自宅で自ら作り上げた猛毒ガス・ドクロンの生体実験をしていた。
実験台にされたネズミが一瞬で白骨化するドクロンは、100万倍に薄めてもなお人間を殺傷して余りある毒性を持ち、少量撒き散らしただけで、東京中の人間を全滅させることすら可能なのだ。
妹のさゆりは、兄が悪魔の発明を完成させたことに心を痛め、設計図を燃やそうとする。
だが、川口博士は、実験に1度失敗しただけで自らを追放した大学の研究室、ひいては人類全体に恨みを抱いており、ドクロンを外国の軍隊に売払い、大金を手にしようとしていたのだ。

そこに、怪しげな男が現れ、ドクロンを買い取ろうと言い出した。
川口博士はさゆりの静止も聞かず、男との交渉を始める。
交渉を終え去っていく男を止めるべく、後を追ったさゆり。
だが、男は醜悪な怪人としての正体を顕にする。
ボルネオのジャングルから招集されたネオショッカーの怪人・マダラカジンは、姿を目撃した男に右手に装備した注射器を突き刺し、マダラカ毒を注入して抹殺。さらに、さゆりも殺そうと迫る。
だがそこに、悲鳴を聞きつけた洋と茂が駆けつけ、さゆりは難を逃れるのだった。

ドクロンを持ち帰ったマダラカジンは、魔神提督にその威力を見せるため、捕らえた人間たちを閉じ込めた部屋にドクロンを放つ。人間たちは一瞬にして白骨化してしまうのだった。
魔神提督はその威力に満足し、マダラカジンによる、ドクロン大量生産計画を承認する。
そして、マダラカジンはその手始めに、人間たちが遊び浮かれる遊園地、ドリームランドをドクロンで全滅させようと目論むのだった。

さゆりは洋の案内でブランカに保護された。
一方、川口博士はネオショッカーアジトに呼び寄せられ、ドクロン大量生産装置を作っていた。
だが、人間への憎しみと大金に目が眩んだ川口博士は、ネオショッカーに対し、ドクロン大量生産装置を完成させる最後の部品の取り付けを大金と引き換えに行うと取引を持ちかけるのだった。

さゆりは、かつては優しかった兄が、すっかり変わってしまったことを悲しんでいた。
そこに、ネオショッカーとの取引で3億円を手に入れた川口博士が帰宅する。
川口博士はこの3億円を元手に、さゆりを連れ海外へ逃亡しようとしていた。
だがそこに、マダラカジンの化身である男が現れ、装置の最後の部品を要求する。
川口博士は部品を渡すが、マダラカジンは用済みになった川口博士を抹殺しようとする。
そこに、洋と谷が駆けつけた。
マダラカジンは機関銃となっている口腔部・マダラカガンで洋を怯ませ、逃亡する。

マダラカジンを逃がした洋は、川口博士にネオショッカーの狙いを尋ねる。
だが、世間への憎しみに凝り固まった川口博士は口を割らず、あろうことか、ネオショッカーにもやりたいようにやらせておけばいいとまで言い出した。
谷は大勢の人の命がかかっているのだとさゆりを説得するが、さゆりも話そうとしない。
それでも食い下がる洋に、川口博士は激昂し、洋と谷を追い返してしまった。

川口博士は3億円を持って、さゆりと共に海外への逃亡を図っていた。
拒むさゆりを強引に車に乗せた川口博士の車を、洋は尾行する。
マダラカジンは、魔神提督に仮面ライダーに計画が露見したことを責められていたが、逆に仮面ライダーたちを皆殺しにしてみせると宣言。
魔神提督もその自信から、マダラカジンに作戦を一任するのだった。

ブランカでは、茂とナオコ、アキがドリームランドに出かけるとはしゃいでいた。
一方、川口博士は潜伏先のホテルで、まんまと3億円を手に入れたとほくそ笑んでいた。
悪魔に魂を売った兄を悲しむさゆりのもとに、電話がかかってくる。
それは、ネオショッカーがドリームランドでドクロンを使用することを知らせる電話だった。
マダラカジンが、さゆりや川口博士を誘き出すべく電話をかけたのである。
さゆりは警察にそれを知らせようとするが、川口博士は保身のために見て見ぬふりをするように迫り、日本を脱出しようとする。だが、さゆりは兄の発明で大勢の死者が出ることに耐えられない。

さゆりは単身ホテルを抜け出し、ドクロンの使用を止めるべく、ドリームランドへ急いだ。
「兄さん、ごめんなさい。私、兄さんに人殺しになってほしくないのです。どうしても止めなくちゃいけないんです。さようなら…」
自らの過ちを悟った川口博士の前に、行方を突き止めた洋が現れた。
川口博士は、ドリームランドでドクロンが使われようとしていることを洋に明かす。
そして、ドクロンの使用を止めようとするさゆりの救出を頼むのだった。

一方、さゆりはドリームランドの警備員に、来園者の避難誘導を頼み込んでいた。
だが、警備員は当然のことながら、それを信じようとしない。
そこに、マダラカジンが現れ警備員を抹殺。さらに、さゆりを拉致しようと迫ってきた。
何も知らずドリームランドで遊んでいた茂たちは、ネオショッカーがさゆりを連れ去るところを目撃し、その後を追う。そして、アリコマンドたちがドクロンを設置する現場に出くわすのだった。
ナオコとアキは各々の特技でアリコマンドと戦うが、あっさりと捕まってしまう。

洋と川口博士がドリームランドに到着すると、そこにマダラカジンからの館内アナウンスが響く。
川口博士が呼びされた地点で急ぐと、そこではさゆりや茂たちが捕まっていた。
マダラカジンは身動きすればマダラカ毒でさゆりたちを殺すと洋たちを脅し、3分後にドクロンをドリームランドに放出することを宣言する。
しかし、自分の身を顧みずドクロンを止めてほしいというさゆりの願いを受けた川口博士は、単身ドクロンを止めるべくドクロン放出装置へ駆け出した。
マダラカジンは、川口博士の身体をマダラカガンで撃ち抜く。

洋は川口博士の意思を無駄にしないために、仮面ライダーに変身。
素早い動きで茂たちを救出した。
だが、ドクロン放出まで、残された時間は少ない。
仮面ライダーはマダラカジンを投げ飛ばし、その隙にドクロン放出装置を止めることに成功。
マダラカジンは撤退した。

傷ついた川口博士は、自らの過ちを悟り、さゆりに謝る。
「さゆり…すまん…許してくれ…頼む…奴らのアジトの…猛毒ガスドクロンの発生装置を…爆破してください…頼む…」
川口博士の願いを受けた仮面ライダーはスカイターボを呼び、ネオショッカーのアジトへ向かう。
様々な場所をジャンプで突破していくスカイターボのカットが美しい。
一方、ドリームランド壊滅に失敗したマダラカジンも、追い詰められていた。
「猛毒ガスドクロンのボンベを車に積め!こうなったら破れかぶれだ…東京のど真ん中を、猛毒ガスドクロンを撒き散らしながら走ってやる!」
だがそこに、仮面ライダーが駆けつけた。

「こうなったらお前も道連れだ!猛毒ガスドクロンと一緒に死ね!」
作戦を阻止され破れかぶれのマダラカジンは、武器であるマダラカ剣をアリコマンドに与え、仮面ライダーを攻撃させる。だが、仮面ライダーもマダラカ剣を奪い、アリコマンドを排除。
マダラカジンはマダラカガンで攻撃するが、反撃のスカイパンチを受ける。
そして、白いスカーフを仮面ライダーに掴まれ、体ごと振り回されてしまうのだった。
目が回り、平衡感覚を失ったマダラカジンは、もはや仮面ライダーの敵ではない。
仮面ライダー必殺のスカイキックが炸裂し、マダラカジンは爆発四散するのだった。
そして、ネオショッカーのアジトも爆発。猛毒ガスドクロンは、永久にこの世から失われた。

川口博士も、全治2ヶ月で退院することになった。
兄を思うさゆりの優しい心に感極まり、涙を流すナオコとアキ。
茂はそんな2人を、「お姉ちゃんたちも泣くことがあるの?」とからかう。
洋と谷たちも、笑顔でその様子を見つめる。平穏な日常が戻ってきたのだった。

次回予告では、筑波洋が「高いところから跳んだり、危ないことするんじゃないぞ!」と、危険な仮面ライダーごっこを注意する一幕があった。
「仮面ライダー」のイカデビル回で本郷猛と滝和也が、ミツルとナオキに「仮面ライダーのライダーキックはな、仮面ライダーだから出来るんだ!」と危険な仮面ライダーごっこと叱る一幕があったが、本編の尺を取って展開されたそちらと比べると、次回予告内で済ませることで本編のドラマの邪魔をしない配慮がされており、後発ならではの工夫が光る。

魔神提督に対し、口では妙に自信満々だったが、ドリームランドにドクロンを流す計画が失敗し、破れかぶれになってしまうマダラカジンのキャラが立っていたエピソード。
世間への復讐心から悪魔の発明・猛毒ガスドクロンを完成させてしまい、ネオショッカーという本物の悪魔にそれを売り渡してしまった兄を心配し、兄を大量殺人者にしないために奮闘するさゆりの優しい心と、それに打たれ改心する川口博士を通し人間の善性を描いた展開も秀逸だった。

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