あらすじ
スカイライダーはマントコングに誘拐された南博士と亜矢子、そしてアキたちを救うためアジトに潜入する。だが、魔神提督はアジトを爆破して逃げ去ってしまう。
スカイライダーとV3は協力して、ネオショッカーの大自然怪人公園計画を打ち砕くために戦う。
恐怖の人間植物化計画!スカイライダーとV3の力と技が唸る!
前回、筑波洋を湖に引き込み溺死させようとしたタコギャングと、V3の技が通用しないタフネスを見せつけたマントコング。この強敵2怪人に対し、スカイライダーとV3が立ち向かう。
V3はマントコングの足を潰すべく、新技の「空中四の字固め」を披露し、スカイライダーもまた、タコギャングのタコ忍法墨隠れに幻惑されながら、それを打ち破るべく奮闘するのだった。
しかし、「大自然怪人公園」計画を進める魔神提督は、南博士の娘である亜矢子を人質にすることで、ついに南博士に人間を植物に変えてしまうワクチンを開発させてしまった。
そしてその実験台として、囚われのアキたちが植物に変えられそうになってしまう。
果たしてスカイライダーとV3は、南博士たちを救い、大自然怪人公園計画を阻止できるのか。
恐るべきタコギャングの餌食となって、水中に引きずり込まれた洋は、果たして無事なのか。
一方、V3も、ナオコを守って、マントコングと必死の戦いを展開していた。
V3は一瞬の隙をついてマントコングの足を払い転倒させると、プロレス技の逆エビ固めを仕掛けてマントコングの足を破壊しようとする。しかし、マントコングはそれを振り払った。
そこでV3はジャンプして空中戦を仕掛けると、マントコングに空中四の字固めを仕掛ける。
空中で四の字固めを仕掛け、そのまま落下する新技だ。さっきからやたらプロレス的な戦闘だ。
「貴様の足を使えなくしてやる!」
四の字固めで固めたマントコングの足を痛めつけるV3だが、ナオコの悲鳴に気を取られた隙に四の字固めを脱出されてしまい、マントコングは撤退。ナオコも攫われてしまった。
一方、タコギャングに湖に引きずり込まれた洋は意識を失ってしまった。
タコギャングは今のうちにとどめを刺そうとし、陸地に引きずり出す。ちゃんと賢い判断だ。
しかし、洋は意識を失ったふりをしていただけだった。洋はスカイライダーに変身。
「貴様ら人間の敵だ!許さん!スカイ!変身!」
すっかり変身前の口上として定着した「貴様ら人間の敵だ!許さん!」に加え、変身のフレーズも「スカイ!変身!」に変更された。スカイライダーという名前が定着した証とも言える。
スカイライダーがアリコマンドから奪った剣を胸に突き刺されたタコギャングは、タコ忍法墨隠れで煙幕を出し、その隙に撤退するのだった。
ネオショッカーのアジトでは、南博士が娘の亜矢子に会わせるように要求していた。
南博士は、亜矢子の無事を確認するまでは、人間を植物に変えるワクチンを作らないと言う。
魔神提督は、「ワクチンが完成するまでは大切なお客様だ」と言い放ち、檻に囚われた亜矢子と、南博士を対面させる。そして、南博士にワクチンを作らせるのだった。
そこに、捕まったナオコがアジトへ運ばれてきた。
魔神提督は、マントコングが仮面ライダーを倒して人質を奪ってきたと勘違いするが、仮面ライダーを倒したわけではないマントコングは口ごもる。そこに、自分も同じく仮面ライダーにしてやられたタコギャングが、マントコングは仮面ライダーを倒したわけではないと告げ口。
魔神提督は多いに怒り、マントコングを役立たずだと叱責するのだった。
本当に何故かマントコングには厳しいし、タコギャングには甘い。
スカイライダーとV3は合流し、ネオショッカーのアジトのある湖で落ちあった。
湖の何処かにあるアジトの入口を探すスカイライダーとV3。
一方、マントコングは捕らえたナオコをアジトから離れた地点にある十字架の近くに放置し、仮面ライダーたちの目を眩ませる囮にしようとしていた。
だがそこに、がんがんじいが現れる。
「がんがんじい様は、悪のあるところに、必ず現れる!」
背負った傘を広げて落下傘部隊のように崖から飛び降りるがんがんじい。
だが、ただの傘では落下速度が緩むはずもなく、尻餅をつく。
流石に目障りだと思ったマントコングは、がんがんじいをどつき回すのだった。
がんがんじいは背負った大型磁石でマントコングを引きつけようとするが、マントコングが乗ってきたジープの方に吸い付いてしまい、身動きが取れないまま殴打される。
その頃、アジトの入口に近づいていた風見志郎は、ネオショッカーの仕掛けた地雷原を突破。
そこで、風見志郎の代名詞とも言える、バイクに乗ったままハンドルを離し、変身ポーズを取るおなじみのカットを披露。宮内洋氏のサービス精神が嬉しい。
V3とスカイライダーの接近に感づいたマントコングは撤退した。
ナオコを救出したV3とスカイライダーは、ナオコの口からアジトの入口の情報を得る。
アジトの入口に接近した洋は、ネオショッカーの監視カメラを樹で塞ぎ、異変に気づいたアリコマンドが開けた入口から、アジトの内部に潜入することに成功する。
その頃、ワクチンを完成させた南博士は、用済みとして始末されそうになり、アキたちはワクチンの実験台として、植物に変えられそうになっていた。
ワクチンを量産し、全国の水源地にばらまいて大勢の人間を植物に変えようとする魔神提督。
ついに、亜矢子がワクチンの実験台にされそうになったその時、洋が助けに現れた。
魔神提督は洋にワクチンを打ち込もうとするが、洋は反撃してそれを防ぐ。
そして、アキたちを逃がした洋は、スカイライダーに変身した。
魔神提督は、マントコングがスカイライダーと戦っている間に、アジトを自爆させる手筈を整え、タコギャングと共に逃げてしまう。なんでそんなにタコギャングのことが好きなんだ…。
爆発寸前のアジトで、健気にスカイライダーの足止めをするマントコング。
V3はスカイライダー救出に急ぐが、ついにアジトは爆発してしまった。
V3はハリケーンを飛ばし、魔神提督を追う。
一方、アジトの自爆に巻き込まれたマントコングはなんとか生きていた。
だが、スカイライダーも無事だ。そこに、V3も駆けつける。
V3がマントコングの相手を引き受け、スカイライダーは魔神提督とタコギャングを追った。
魔神提督とタコギャングが乗ったジープの前に先回りしたスカイライダー。
魔神提督はタコギャングにスカイライダーの相手を任せ、火花とともに撤退する。
タコギャングは地面に潜り、地中から触手を伸ばしてスカイライダーを攻撃する。
だが、スカイライダーは触手を攻撃してタコギャングを地中から引きずり出すのだった。
その頃、V3はV3キックを繰り出してマントコングを攻撃する。
だが、マントコングの胸は鋼鉄よりも硬く、ダメージが通らない。
マントコングに抱え上げられたV3は、プロレス技のエアプレーンスピンで投げ捨てられる。
だが、V3はマントコングの腕力の強さを利用し、エアプレーンスピンの反動を生かしてより高くジャンプ。そこから「V3ダブル反転キック」を繰り出し、ついにマントコングを倒すのだった。
最後までどこかプロレスめいた戦いだった。
タコギャングはタコ忍法墨隠れでスカイライダーの視界を遮るが、スカイライダーはDアイの赤外線スコープでタコギャングの姿を察知。暗闇の中でタコギャングと戦う。
そして、タコギャングの触手をねじり上げると、引きちぎって大ダメージを与えた。
さらに、スカイキックを4連発することで、ついに難敵・タコギャングを倒すのだった。
アジトから脱出した南博士は、自らの発明を後悔するが、亜矢子やアキは、ネオショッカーに悪用されずに済んだと南博士を励ます。そこに、谷とユミが救助にやってきた。
洋と風見志郎もそこに現れる。風見志郎がブランカに連絡を入れ、谷たちがやってきたのだ。
ナオコも無事に谷に助けられていた。洋と風見志郎は互いの健闘を称え合う。
「これからも、ネオショッカーはどんな手を使ってくるかわからん。日本を守るのは君だよ」
「そしていつの日か、必ずネオショッカーをこの手で」
「おお、その意気だ!お互い、命が続く限り、頑張ろう!」
風見志郎は再び、世界のネオショッカーと戦うために旅立っていった。
洋はその背に、命の限り悪と戦う不屈の闘志を学ぶのだった。
バイクに乗ったままの変身ポーズや、代名詞とも言える反転キックの新たなバリエーションの披露など、仮面ライダーV3=風見志郎の魅力が十全に描かれた、理想的な先輩ヒーロー客演エピソード。怪人が2人登場したことで、前回まさかの未登場に終わったスカイライダーの活躍もしっかりと描写されており、ヒーローの共演の醍醐味が詰まったエピソードだ。
また、怪人側のキャラも濃く、捕らえたナオコを囮に使う作戦を行うなど頭もそれほど悪くなく、V3ですら正面切って戦えば苦戦を免れないほどのタフネスを誇りながら、何故か魔神提督に軽んじられているマントコングと、そんなマントコングが仮面ライダーを倒せなかったことを告げ口する小物でありながら、何故か魔神提督に気に入られているタコギャングの描写も面白かった。
タコ忍法墨隠れが、スカイライダーの標準装備であるDアイには無力だったのも面白い。
総じて敵も味方も濃密な描写がされた、秀作エピソードだったと言えるだろう。