「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第34話「危うしスカイライダー!やってきたぞ風見志郎!!」感想

2025年2月17日月曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

植物学者・南博士が植物を動物に変えるワクチンを開発した。
さらに、南博士は動物を植物に変えるワクチンも完成間近だった。
ネオショッカーの怪人・マントコングが博士を誘拐し、ワクチンを悪用しようとする。

強敵2怪人の強襲!剛力怪人に、V3が力の限りぶち当たる!

今回のネオショッカーの怪人は、剛力を誇るマントコングと、軟体ボディのタコギャング。
まず筑波洋の前に姿を現したのが、ゴリラの特性を備えているマントコングだ。
「アフリカの王者」を自称し、その異名の通りアフリカから招聘されたマントコングは、魔神提督が考案した「大自然怪人公園」設立のため、植物に動物的特性を与えるワクチンを開発した城南大学の植物学者・南博士を捕らえ、逆に動物を植物に変えるワクチンを作らせるのが目的だ。
そのために南博士の娘の亜矢子を捕らえ、実験人間にするべく、ナオコとアキまで捕らえる。
ゴリラの特性を備えているだけあって怪力を誇り、地面を叩いて小規模の地震を引き起こすパワーと、V3のキックやチョップを受けてもビクともしないタフネスを備えた、強豪怪人だ。

そしてもう1人、ボルネオから日本に招聘されたのが、タコの特性を備えたタコギャング。
全身から伸びる触手で敵を水中に引きずり込み、タコ忍法墨隠れで敵を幻惑させる。
悪知恵を働かせることが得意な性格が魔神提督に気に入られている一方、それを依怙贔屓であると感じているマントコングとは反りが合わない、対象的な性格のコンビになっている。
このあたりは、同じ武闘派と知性派のコンビだったサイダンプとクラゲロンが、なんだかんだと同族意識を持っており、連携を取ろうとしていたのとは対象的だ。

さらに、今回から日本一のスーパーヒーローを名乗る謎の人?、がんがんじいが登場。
鋼鉄の鎧と、背中に背負った幟がトレードマークの謎のヒーロー?であるがんがんじいは、なんとなくネオショッカーの作戦行動に遭遇。ヒーローとして、悪に立ち向かわんとする。
だが、いまいち結果は伴わない。果たして彼は、何者なのだろうか。

こうして、魔神提督肝いりの「大自然怪人公園」設立のため、強豪2怪人が投入された。
しかし、人間を植物に変えようとする恐怖の計画を阻止するべく、またも勇者が帰国する。
ボルネオから、タコギャングを追って日本に帰国したその名は、風見志郎。
かつて、地獄のデストロンを相手に、命の限り戦い抜いた仮面ライダーV3が帰ってきたのだ。
果たしてスカイライダーとV3は、強豪2怪人を相手にどう戦い抜くのか。

ナオコとアキは、ボーイフレンドとともにドライブへ出かけると騒いでいた。
ユミは、そんな二人を羨ましがる。賑やかに出ていった2人を、和やかに見送る洋たち。
だが突然平和な街に少女の悲鳴が響いた。
洋と谷が悲鳴のもとに向かうと、そこではネオショッカーが少女を拉致しようとしていた。
洋は少女を助けようとするが、ネオショッカーは瞬く間に少女を連れ去ってしまった。

洋が後を追おうとすると、そこにネオショッカーの怪人が現れる。
「アフリカの王者、マントコング様が相手だ!」
マントコングはそのパワーで洋を殴打し、地団駄を踏んで地震を引き起こす。
そのパワーから繰り出させる攻撃の激しさに、洋は変身することも出来ない。
そして、少女を拉致したアリコマンドの撤退を確認したマントコングは、仕事は終わったと言い残し撤退した。少女とともにネオショッカーに襲われた男は、「南博士」とだけ言い残し事切れる。

ナオコとアキを乗せた車が山道を走っていると、その車をマントコングが乗った車が追い越していった。ナオコとアキに促され、ボーイフレンドはマントコングを乗せた車を追う。
ガールフレンドの前で良いところを見せたいからとはいえ、やたらと勇敢だ。
そして、同じ山道を、手作りの鎧を着用し、背中に幟をつけた怪しい男が歩いていた。
その男、がんがんじいは、マントコングが乗った車に跳ね飛ばされ、転倒してしまう。
「この~!日本一のがんがんじいに向かって、なんてことすんねんな!」
さらに、ナオコとアキを乗せた車にも跳ね飛ばされてしまうがんがんじいだった。
マントコングはアリコマンドに命じ、ナオコとアキを乗せた車を攻撃させる。

その頃、洋と谷は、城南大学の植物学者・南博士の元を訪ねていた。
ネオショッカーに拉致された少女は、南博士の娘の亜矢子だったのである。
そこに、ネオショッカーからの電話が入る。
ネオショッカーは、南博士が先日発表した、動物的な性質を持った植物を作り出すワクチンと同時に開発されている、動物を植物に変えるワクチンを狙っていたのだ。
そして、電話が入ったと呼び出された南博士もまた、ネオショッカーに拉致されてしまう。

車を失ったナオコとアキ、そしてボーイフレンドたちは、必死に下山を試みていた。
さらに彼らは、マントコングたちに襲われ、実験人間として攫われそうになってしまう。
そこに、がんがんじいが通りかかる。
「いつもやったら『がんがんマーチ』に乗って出てくる、その名も高きがんがんじい様だ!」
「『がんがん』だか『どんどん』だか知らんが、俺の邪魔立てをする奴は生かしてはおかん!」
いつもも何も今回が初登場だ。やたらノリが良いマントコングも楽しいやり取り。
マントコングに襲われたがんがんじいは頭突きを誤爆したり、丸太を振り回すが木に引っかかって丸太を落とすなどズッコケぶりを披露。最後にはマントコングに投げ飛ばされるのだった。
そして、マントコングに追い回されたナオコは足を滑らせ、崖の下に落下してしまう。

ネオショッカーに囚われた南博士に、魔神提督は動物を植物に変えるワクチンを渡すように迫る。
「全ての人間どもを植物に変え、この日本全土を我がネオショッカーの大自然怪人公園にする!そこから、どんな敵にも勝つ、強力な怪人が次々に生まれるのだ!」
ワクチンが完成間近であることを知っていた魔神提督は、ネオショッカーのアジトで研究を継続させ、動物を植物に変えるワクチンを完成させるように迫るのだった。

マントコングを追う洋は、傷ついたナオコを発見。治療のため山中の神社を訪れる。
そこで、洋を待っていたのは、仮面ライダーV3=風見志郎だった。
風見志郎はボルネオから、ネオショッカーの怪人であるタコギャングを追ってきたのである。
風見志郎はタコギャングも今回の事件に関係していると考え、洋と協力を誓う。
洋はマントコングを追ってアジトを探し南博士の救出へと向かい、風見志郎はナオコを病院まで送ることになった。だが、アジトを探しに向かう洋の様子は、アリコマンドに監視されていた。

その頃、アキたちはネオショッカーに捕まっており、南博士は娘を巻き込んだことを謝る。
そして、卑劣な魔神提督は、亜矢子を拷問にかけ、南博士にワクチン開発を迫る。
南博士はついにそれに屈し、ワクチン開発を承諾してしまうのだった。
その拷問を指揮していた怪人こそ、風見志郎が追ってきたタコギャングだった。
悪知恵の効くタコギャングは、魔神提督にやたらと気に入られていた。
当然、マントコングはそれが面白くない。
「魔神提督!私を差し置いて!なぜこんな茹でダコに!」
「マントコング!力が強いばかりが能ではないぞ!」

ジープのタイヤ痕から、マントコングがナオコを襲った地点を特定した洋。
そして、そこからタイヤ痕を追うと、そのタイヤ痕は近くの湖の中へ向けて消えていた。
付近の捜索を始めた洋に、湖の中からタコギャングの触手が伸びる。
「我々のアジトに近づく奴は、生きては返さぬ!」
「フランケンシュタイン対地底怪獣」大ダコ出現版の大ダコばりに、洋を触手で絡め取って湖に引きずり込み、溺死させようとするタコギャング。魔神提督はそれに大喜びだ。
「まるでカメレオンの舌に捕まったハエだ!流石はタコギャング!水の中では無敵だわ!」
タコの怪人のことを他の動物のカメレオンで例えるので、なんだかわかりにくい。

そのころ、風見志郎はナオコを抱えて下山を試みていたが、その前にアリコマンドが現れる。
風見志郎はナオコを木陰に隠し、アリコマンドを蹴散らしたが、そこにマントコングが現れた。
「ほう。早速おいでなすったな!」
この風格すら感じる不敵な態度が、まさに風見志郎の真骨彫だろう。
襲いかかるマントコングの一撃をくらった風見志郎は、V3に変身する。
「V3」以後も多くのヒーローを演じてきた宮内洋氏は、流石に変身ポーズのキレが凄すぎる。
V3は連続攻撃を叩き込むが、マントコングのタフネスは並の攻撃では通じない。
V3キック、V3チョップ、V3ダブルキックを次々に繰り出すV3だが、尽く跳ね返される。
「お前のキックやチョップなど、俺には通用せんわい!」

タコギャングの恐るべき毒牙にかかって、水中に引きずり込まれた洋は、もう二度と浮かんでこないのか。そして、まさに空中で激突せんとする、V3とマントコング。
果たして、どちらが木端微塵になるか…!

なんと、主役ヒーローであるスカイライダーが登場しないという異例のエピソード。
前後編ということもあるが、クライマックスの決戦において登場するのが客演したV3だけであり、そのV3もマントコングのパワーとタフネスに追い込まれているという、二人のライダーの苦闘を描いた展開になっている。魔神提督には何故か軽んじられているマントコングだが、特殊能力や悪知恵に頼らない、シンプルに腕力が強い怪人としての強敵描写が見事な怪人だ。

中盤以降の「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」の陽性なムードを象徴する、自称日本一のヒーローであるがんがんじいの初登場エピソードであることも特筆事項だろう。
新たにコメディリリーフを担うことになるがんがんじいだが、前半のコメディリリーフであった飛田今太がドラマ面に何も関わることがなかったのに対し、がんがんじいは力は及ばないとはいえ、ヒーローを名乗って怪人に立ち向かおうとする善意の人ではあるため、見ていても楽しい、出色のキャラクターとなっている。

こうして、強敵マントコングを相手に、苦戦を強いられるV3。
そして、タコギャングによって水中に引きずり込まれた洋も絶体絶命の危機に陥る。
果たして二人のライダーはこの苦境を打開し、人間を植物に変えようとする魔神提督の恐怖の計画を阻止することが出来るのか…。

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