あらすじ
オカッパ法師のカッパ巻きから脱出した2号ライダーはアジトに潜入し、キレーダを救出する。
だが、その前にウニデーモンが立ちはだかる。
一方、捕らわれの身となった洋は、海中の杭に縛られたままで…。
行川アイランドの大決斗 がんがんじい大空を翔ぶ!?
もし本郷猛=仮面ライダー1号の単独客演が実現していたら、本郷猛がカッパの皿を追っていたのだろうか…と想像させられるサブタイトル。
この前後編は、一文字隼人の陽性なキャラクターのおかげで成立している気はする。
前回、オカッパ法師のカッパ巻きによって、かっぱ巻きにされてしまった2号。
一方、ウニデーモンに捕まった洋は、海中の食いに縛られ処刑を待つのみになっていた。
日本中の母親を鬼に変えるというよくわからない計画の中、ピンチに追い込まれた2人のライダーは、この危機を脱し、鬼に変えられた女性たちを救うことが出来るのか。
鬼にされ、操られる踊り子・キレーダ。ウニデーモンの毒牙にかかった洋が危ない!
一方、オカッパ法師のかっぱ巻きにされた、2号ライダーの体が、不気味な音を立て始めていた!
だが、「力の2号」の名は伊達ではない。
かっぱ巻きの締め付けに、その剛力で抗った2号は、空中で高速回転する「ライダー反転スクリュー返し」でかっぱ巻きの拘束を脱出。そこからライダーキックを炸裂させた。
今度は甲羅で受けることも出来なかったオカッパ法師は、水の中へ姿を消し、逃げる。
その頃、沼さんは何故か海岸を一人彷徨っていた。
すっかりプレスリーになりきっていた沼さんは、女性の「エルピス」と呼ぶ声に呼ばれたのだ。
沼さんはその声に導かれ、たくさんの女性に囲まれ、色仕掛けされる。
色仕掛けされた沼さんは、そのままネオショッカーのアジトとなる洞窟へ案内される。
女性たちは、ウニデーモンによって既に鬼にされていたのだ。
オカッパ法師を追っていた一文字隼人は、洞窟へ消える沼さんを目撃するのだった。
一文字隼人は沼さんを追い、単身洞窟へと潜入する。
その奥では、沼さんが女性たちに酒を飲まされそうになっていた。
その酒には、もちろん毒が入っている。
一文字隼人の助けでかろうじて命拾いした沼さんに、鬼となった女性たちが襲いかかる。
鬼となった女性たちに追いかけ回される一文字隼人と沼さん。
女性たちは豆型爆弾を投げつけ、執拗に彼らを狙う。
一方、洋はウニデーモンのアジトで捕まっていた。
「キレーダ…たまらない…!」
ウニデーモンはキレーダの美貌に夢中だ。そこに、魔神提督の通信が入る。
「よくぞ筑波洋を仕留めた!お前を将軍にして遣わす!そやつは、何十人も我々の仲間を殺した憎き奴だ!十分に苦しめた後、少しずついびり殺せ!」
「人間をいびるのは私の得意中の得意!しかし、いろいろな方法がありすぎて、奴をどうやって殺そうか迷ってしまいます!」
なんちゅう会話だと思わずにいられないが、とにかく魔神提督はよせばいいのに筑波洋をじわじわといびり殺すように命令し、人間をいびるのが得意中の得意であるウニデーモンは、筑波洋をいびり殺す方法を考えてテンションが上がりまくる。
ウニデーモンは海中の杭に筑波洋を縛り、潮が満ちると同時に洋を溺れ死にさせる方法を思いついた。さらに、この暑さでは体の水分が失われ、日干しになってしまう。
洋の前で飲料水をわざと溢し、渇きに苦しむ洋を嘲るウニデーモン。
その頃、カッパの皿に乗って空を飛ぶがんがんじいは、なんとカッパの皿をコントロールし、自在に地球周回軌道を飛び回っていた。今度は北極の方に行くのだという。
むやみな豪胆さを見せており、やはりこの男、只者ではない。
その頃、なんとか鬼となった女性たちを撒いた一文字隼人は、再びアジトの洞窟へ潜入した。
だが、間の悪いことに、ウニデーモンは洋の処刑を見るのに飽きたのか、アリコマンドに見張りを任せ、キレーダに会うためアジトの洞窟へ戻ってしまう。
洋はその隙に、必死に自らを縛る縄を解こうとするのだった。
アジトの奥に乗り込んだ一文字隼人はキレーダを発見するが、キレーダは鬼になる。
一文字隼人はキレーダを気絶させ、手枷を外して救出した。
しかしそこに、ウニデーモンが現れ、キレーダを抱えた一文字隼人を追跡する。
なんとか洞窟を脱出した一文字隼人だが、その先は断崖絶壁だった。
一文字隼人は意を決し、キレーダと共に海へ飛び込む。
ウニデーモンとオカッパ法師は、勝利を確信して笑うのだった。
潮が満ち、洋の顔にまで水がかかるほどに潮位が上がっていた。
しかし、洋の手を縛るロープもだいぶ緩み、洋は間一髪、拘束を脱出する。
一文字隼人とキレーダも、なんとか港へ辿り着いていたが、そこに追手が現れる。
その頃、行川アイランドでは、谷やナオコ、アキが洋たちを心配して気をもんでいた。
「沼さん大丈夫かなあ…」
「逃げるのも、頭の回転も、あんまり早い方じゃないもんね!」
そこに、洋からの連絡が入るが、谷たちのもとにも鬼になった女性たちが襲いかかった。
谷が突破口を開き、ナオコとアキは脱出する。
一文字隼人のもとには、ウニデーモンが姿を現していた。
金棒を振り回すウニデーモンの猛威が、一文字隼人に襲いかかる。
一方、洋は急ぎ行川アイランドに戻っていたが、その前にオカッパ法師が現れる。
ウニデーモンに水の中へ落とされた一文字隼人は、2号ライダーに変身した。
2号ライダーは、そのパワーでアリコマンドたちを次々と投げ飛ばしていく。
洋もまた、オカッパ法師と戦うべく、スカイライダーに変身した。
オカッパ法師は頭部の皿を飛ばし、自らそれに乗って襲いかかる。
ウニデーモンは金棒を巨大化させ、滅茶苦茶に振り回して2号ライダーに襲いかかる。
しかし、2号ライダーのライダーキックが金棒をへし折った。
それに怯んだウニデーモンの額に、ライダーチョップが炸裂。
ライダーチョップに苦しむウニデーモンの弱点は、キレーダの宝石を埋め込んだ額だった。
2号ライダーはウニデーモンの額にライダーキックをぶちかまし、ウニデーモンを倒す。
ウニデーモンが倒され、鬼となっていたキレーダは元に戻るのだった。
カッパの皿に乗って空を飛ぶオカッパ法師を、スカイライダーはスカイターボに乗って追う。
そして、スカイターボをジャンプさせ体当りする、スカイターボアタックが炸裂した。
カッパの皿から落ちたオカッパ法師に、スカイライダーは挑みかかる。
スカイライダーのスカイキックは、オカッパ法師の硬い甲羅には通じない。
「俺の甲羅は、爆弾さえも弾いてしまうほど強力なのだ!」
だが、スカイライダーはオカッパ法師の頭部にスカイチョップを炸裂させる。
オカッパ法師は頭部の皿を濡らし、「オカッパエネルギー100万倍」になった。
だが、それによってオカッパ法師の弱点が頭部の皿であることを見抜いたスカイライダーは、99の技のひとつ、「スカイバックドロップ」でオカッパ法師の脳天を大地に叩きつける。
皿を砕かれたオカッパ法師に、スカイライダーはとどめのスカイキックを炸裂させた。
ついに、オカッパ法師もスカイライダーの前に倒されたのである。
オカッパ法師の死によって、がんがんじいの乗っていた皿も爆発。
がんがんじいは大地へ落下する。
洋たちは、再びフラミンゴの行進を見ていた。一文字隼人は、宝石が失われたことをキレーダに謝罪する。だがキレーダは、もう2度と悪人に狙われることがなくなったと感謝するのだった。
そこに沼さんが、先程追われていた女性たちに追いかけられながら戻ってきた。
そして、がんがんじいが空中から地面へ向けて落下する。
二人のコメディリリーフの帰還。
砂浜に頭から落下し、頭部が埋まってしまったがんがんじいは、洋と一文字隼人に助けられる。
だが、海藻が絡まったがんがんじいは、怪人になってしまったとからかわれるのだった。
楽しい笑いが、砂浜に響く。取り戻した一時の平穏が、そこにはあった。
ウニデーモンは額の宝石、オカッパ法師は頭の皿が弱点と明確にされ、そこを狙ったために怪人を打ち破れたという、勝利へのロジックがしっかりした戦闘が見どころのエピソード。
ウニデーモンの宝石を2号ライダーが破壊したことで、ラストシーンでキレーダに宝石が失われたことを謝罪する一文字隼人に繋がるドラマ面との連結も見事である。
オカッパ法師のかっぱ巻き脱出、そしてウニデーモンの金棒の破壊といったパワフルなシーンで、2号ライダーの「力の2号」たる所以を見せつけた演出も素晴らしい。
こうして、「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」を語る際に外せない、先輩ライダーの単独客演エピソードは終わりを告げた。しかし、華やかさを増した「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」はさらなる連作シリーズとして、「怪談シリーズ」を展開する。
今なお「謎の人?」であるがんがんじいの正体もまた、気になるところ。
残すところ1クール強、「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」はさらに加速していく。