あらすじ
頭を良くする薬を注射された子供たちが、深夜に夢遊病者のように外出するようになった。
それはネオショッカーの怪人・ドロニャンゴーの作戦で、子供たちを操ろうとしていたのだ。
子供を操る恐怖の薬物 怪人復活を阻止せよ!
怪談シリーズ第4弾は、化け猫をイメージしたエピソード。
今回のネオショッカーの怪人は猫の特質を持つドロニャンゴーだ。
化け猫を思わせる容姿を持つドロニャンゴーの作戦は、女医に化けて子どもたちに「頭が良くなる注射」と称した薬物を注射し、その薬物の真の効果である催眠効果によって子供たちを自在に操り、夜になってから子供たちを集め、その血を抜くこと。
子供たちの血によって、これまでスカイライダーに倒された怪人を蘇生することが出来るのだ。
そして、薬物を注射された子供たちは夜な夜な血を抜かれて生気を失い、心も荒んでいた。
子供たちを見守る筑波洋が、この惨状を黙って見ているわけがない。
果たしてスカイライダーはドロニャンゴーを倒し、生気を失った子どもたちを救えるのか。
街では、「頭を良くする注射」の無料接種が開催され、多くの子供が列を作っていた。
母親に促され、注射を強制される(虐待では?)子供までいる中、しげるたちも注射を自ら受けることにする。だが、駐車を行う女医は、怪しげな雰囲気だった。
その夜、猫の声とともに、怪しげな鈴の音が街中に響き渡る。
その音を聞いた子供たちは、自らの意思もないまま、何処かへと歩いていくのだった。
翌朝、洋が公園を通りかかると、そこに屯する子供たちは顔面蒼白、生気が感じられない。
洋はこの異様な光景に懸念を抱く。
ブランカにいたしげるも顔面蒼白というか白塗りで、すっかり元気をなくしてしまっていた。
元気がないだけでなく、心配する声に悪態をつくなど心まで荒んでしまったしげる。
ナオコの弟のタケシも、同じような様子になってしまっているらしい。
子供たちに流行するこの現象は、果たして伝染病なのか、一体何が起こっているのか。
その夜、「頭を良くする注射」の接種を行っていた女医がその正体を現す。
それはネオショッカーの怪人、ドロニャンゴーだった。
ドロニャンゴーの鳴らす鈴の音を聞いた子供たちは、またしても家を抜け出していく。
ナオコとアキはその行き先を確かめるため、子供たちの後を着いていくのだった。
鈴の音に導かれた子供たちは、今は廃墟である大原診療所の中へ消えていく。
ナオコとアキがそれを追うと、がんがんじいも現れる。
「人知れず、可愛い子ちゃんを守る、正義の味方、がんがんじい!」
だが、がんがんじいは柱に激突し、気絶してしまうのだった。
診療所の奥に進んだナオコとアキは、そこで化け猫のような声を聞く。
その声の方に進んだ2人が見たのは、ドロニャンゴーがしげるたちの前に立つ現場だった。
だが、2人が近づくとしげるたちは消え、ドロニャンゴーの幻影が2人を恐れさせる。
その悲鳴を聞いたがんがんじいが助けに現れるが、ドロニャンゴーの「猫操り」で体が宙に浮いてしまい、しまいには地面に叩きつけられてしまうのだった。
翌日、しげるとタケシはいつのまにやらブランカに横たわっていた。
谷の依頼を受けた医師の診察では、2人は極度の貧血なのだという。
たまたま注射から逃げ出していたアキの弟のオサムの証言で、しげるとタケシが「頭を良くする注射」を接種していたことが判明し、おそらくその注射がこの現象の原因であることがわかる。
洋はまたしても行われていた「頭を良くする注射」の接種を行う集団接種現場に忍び込み、注射液の入ったアンプルを盗み出すことに成功。
谷の知り合いの岸川博士にこのアンプルの中身を分析してもらうことにした。
岸川博士の分析で、注射液の中に鈴のような形状の物質が蠢いていることが判明する。
それはもちろん、頭を良くするものではなく、PXVという、催眠療法に使われる薬に似ているものだった。人間の意志を自在に操る作用があるこの薬が、一連の現象の原因なのか。
洋と谷はさらなる分析を岸川博士に任せ、集団接種会場に戻る。
だが、そこは既にもぬけの殻だった。洋たちは大原診療所に向かう。
夜になり、またしてもしげるたちが大原診療所の中に消えていった。
洋と谷はその後を追い、しげるたちが血を抜かれている現場を目撃する。
しげるたちの貧血は、夜な夜な血を抜かれ続けていたがために起きたことだったのだ。
だが、洋がしげるたちを助けようとするとしげるたちは消え、ドロニャンゴーが出現。
ドロニャンゴーは谷に傷を負わせ、診療所の奥へ消えてしまう。
猫の鳴き声や影を追い、洋は診療所の奥に入っていく。
しげるを見つけたと思えば、黒猫の幻影に姿を変えてしまい、洋は混乱する。
そこに現れたドロニャンゴーの念力で、身体の自由を奪われる洋。
「このままでは奴の催眠術で殺されてしまう…そうだ、目をつぶって精神統一をすれば、奴の妖術を破ることが出来るかもしれん!」
前回の住職から教わった瞑想が功を奏したのか、洋は坐禅を組んで精神統一し、ドロニャンゴーの妖術を破るとスカイライダーに変身した。ドロニャンゴーは不利を悟って逃亡する。
翌朝、岸川博士に呼び出された洋と谷は、「頭を良くする注射」の中身が、注射された生き物が特定の周波数の音に応じで自在にコントロールされる薬品であることを教えられる。
そしてその周波数とは、鈴の音の周波数だった。
ドロニャンゴーは化け猫の鈴の音で子供たちを操り、夜な夜な血を吸い取っていたのだ。
洋は鈴の音を逆用し、診療所から子供たちを誘い出すことに成功する。
ネオショッカーのアジトでは、魔神提督が子供たちから抜き取った血のチェックをしていた。
「ドロニャンゴー。仮面ライダーに殺された怪人の全てを生き返らせる薬を作るには、まだまだたくさんの子供の新鮮な血液が必要じゃ!」
「もっともっと大勢の、元気な子供たちを、鈴の音ここに誘き寄せましょう!」
「元気な子供の血液からは、質の良い薬が作れるからのう!」
ドロニャンゴーの目的は、子供たちの血液で怪人を再生させる薬を作ることだった。
だがそこに、子供たちを救出した洋が現れた。魔神提督は撤退し、ドロニャンゴーは「妖術鼓膜破り」で洋の耳を痛めつける。洋は変身ポーズを取ることも出来ない。
そこで洋はアリコマンドを投げ飛ばし、爆発する音で「鼓膜破り」の音をかき消した。
「人造人間キカイダー」でギルの笛を様々な要因でカットするジローを思わせるシーンだ。
音が消えた間にドロニャンゴーの鈴を蹴り飛ばした洋は、スカイライダーに変身する。
「お前のような悪い奴は、永久に地獄に送ってやる!行くぞっ!」
子供たちの命を危険にさらしたドロニャンゴーの前に、スカイライダーの怒りが爆発する!
スカイライダーのクロスチョップを受けたドロニャンゴーは撤退する。
スカイライダーはそれをスカイターボで追った。
その道中、おにぎりを食べていたがんがんじいは、ドロニャンゴーやスカイターボに巻き込まれ、おにぎりを失ってしまうのだった。食べ物を粗末にしてはいけない。
そして、とうとうスカイターボはドロニャンゴーに追いつく。
「どうやらここがお前の終点になりそうだな!」
スカイライダーとドロニャンゴーの最終決戦が始まった。
とっておきの猫操りでスカイライダーの身体を操るドロニャンゴー。
だが、スカイライダーは一瞬の隙を突いて接近し、両足を踏み潰して妖術を封じた。
「これで妖術も使えまい!99の技のひとつ、スカイランニングストーム!」
両腕を押さえ背中合わせのまま走り、連続して何度も頭を大地に叩きつける豪快な技、「スカイランニングストーム」が炸裂し、ドロニャンゴーは岩で頭を砕かれる。
そして、とどめのスカイキックが炸裂し、ドロニャンゴーは倒されるのだった。
戦いが終わって、入院していたしげるとタケシのお見舞いに来た洋たち。
だが、血を吸われて貧血になった2人は、これ以上血を吸われまいと、蚊から隠れていた。
だが、血を吸う化け猫は倒され、もう血を吸われる心配もない。
しげるとタケシに、笑顔が戻るのだった。
化け猫騒動を題材にした怪談シリーズ第4弾は、子供を操り血を抜くだけでなく、妖術で幻惑する恐ろしさも見せたドロニャンゴーの変幻自在の脅かしぶりが印象的なエピソード。
一方、ドロニャンゴーの妖術を坐禅を組んだ精神統一で破る洋は、前回の住職の教えが身についており、連作シリーズならではの楽しみとなっている。
ドロニャンゴーに大ダメージを与えたスカイランニングストームの豪快な演出もかっこよく、パワフルな99の技の演出もここに来て冴えまくっている。
子供の血を抜いてその命を危険に晒したドロニャンゴーへ怒りを爆発させる筑波洋の、子供たちにとって頼れる兄貴分としてのキャラクターも定着を見せ、その魅力を増している。