「仮面ライダー (新) (スカイライダー)」第51話「ネオショッカー 紅白死の大決戦」感想

2025年4月21日月曜日

仮面ライダー (新) (スカイライダー) 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

紅白の鉢巻きを付けた子供たちが、互いに憎みあって戦うようになった。
その鉢巻きは怪人・リングベアが締めさせたものだった。
リングベアはその鉢巻きを利用し、子供たちに洋を襲わせようとする。

その鉢巻きに手を出すな!悪に操られた心に洋が叫ぶ!

今回のネオショッカーの怪人は、熊の特質を持つリングベア。
恐るべき腕力と、胸の三日月を分離させ投擲する「リングブーメラン」を武器とする怪人だ。
さらに、特殊な回路が仕込まれた紅白の鉢巻きを頭に巻いた者に、頭部の紅白の角から特殊電波を放って自我を奪い、憎しみの感情を植え付けて互いに争わせる能力を持っている。

リングベアの作戦とは、子供たちにこの紅白の鉢巻きを締めさせ、互いに争わせること。
そして、洋にも鉢巻きを取り付け、子供たちに洋を襲わせることだった。
子供たちを戦いの道具にしようとするリングベアに、洋の怒りは爆発。
だが、鉢巻きの魔力によって憎しみを植え付けられた子供たちは、容赦なく洋を襲う。
果たして洋はこの危機を脱し、子供たちを利用するリングベアの野望を阻止できるのか。

茂は友人のトシオたちとともに、草野球を楽しんでいた。
するとそこに、怪しげな男が現れ、子供たちにバッティングを指導する。
指導の効果はてきめんで、指導を受けた少年はなんと茂の打球をホームランする。
次の打席に立ったトシオに、男は赤い鉢巻きを締める。
なんでも、この鉢巻きをつければ、野球がぐんと上手くなるというのだ。
しかし、打者側だけ上手くなったのでは、あまりに不公平だ。
茂は自分にも鉢巻きを渡すように頼み込み、男は茂に白い鉢巻を締めるのだった。

しかし、男はネオショッカーの怪人、リングベアが化けた姿だった。
リングベアは頭部の角を怪しく光らせ、白い鉢巻きをつけた茂に、赤い鉢巻きをつけたトシオを襲うように指令を出す。すると、茂はトシオにボールを投げつけデッドボールをお見舞いしただけでなく、文句を言ってきたトシオに掴みかかった。
さらにリングベアは、今度は赤い鉢巻きをつけたトシオに、白い鉢巻きをつけた茂を襲わせる。
2人はリングベアの操るまま、大喧嘩を始めてしまうのだった。
リングベアは実験の成功を大いに喜ぶ。

ブランカに戻ってきた茂とトシオは傷だらけになっていた。
2人が言うには、鉢巻を付けた途端、突然相手のことが憎たらしくなったのだという。
谷はその発言に、不審なものを感じる。
その頃、ネオショッカーのアジトでは、魔神提督がリングベアの報告を受けていた。
アラスカから呼び寄せられたリングベアは、紅白の鉢巻きを巻いた子供たちを角から飛ばす電波で自在に操り、互いに争わせることが出来るのだ。
リングベアは作戦開始の指図を求めるが、魔神提督はどうも気乗りがしない。
以前同じような作戦を行ったが、スカイライダーには通用しなかったからだ。
魔神提督も失敗がかさみ、一度失敗した作戦と似た作戦を繰り返すほど余裕がないのだ。

だがリングベアは、自分の開発した鉢巻に絶対の自信を持っていた。
その性能を証明すべく、魔神提督に赤い鉢巻きを締め、アリコマンドに白い鉢巻を締めたリングベアは、アリコマンドたちに魔神提督を襲わせる。
魔神提督に忠誠を誓うはずのアリコマンドですら、魔神提督を襲うようになる鉢巻きを魔力を身を以て思い知った魔神提督は、リングベアに作戦の実行を承認するのだった。

リングベアは自ら陣頭指揮を撮り、各地で子供たちを拉致し始めた。
そこに洋が駆けつけたが、リングベアは怪力で洋を苦しめる。
そして、胸の三日月を分離させたリングブーメランで洋を襲うのだった。
ツキノワグマの胸の模様を武器にするアイデアが、モチーフを活かした能力設定で良い。
洋はスカイライダーに変身し、リングベアに挑む。

リングベアはベアハッグでスカイライダーの体を締め上げ、さらにハンマー投げでスカイライダーの体を紙クズのように吹き飛ばす。その怪力に、スカイライダーは戦慄する。
「今お前を倒しては仲間の恨みは晴れぬ!もっと痛めつけてから地獄に送ってやる!」
リングベアはリングブーメランを投げつけ、スカイライダーが怯んだ隙に撤退するのだった。

こうして子供たちを拉致したリングベアは、子供たちに白い鉢巻を締め、戦闘訓練を行った。
拉致された子供たちの中には、茂やトシオもいた。
「この頃の子供は、身体ばかり大きいが、ひ弱でいかん!」
脳筋の老害みたいな発言をするリングベアは、茂たちにも戦闘訓練を課すが、子供たちの人数を正確に数えることも出来ないおつむの足りなさを露呈してしまうのだった。
なんだか知らないが異様にキャラが立っている。

白い鉢巻を締められたトシオは、リングベアの指令で操られ、ブランカを訪れた。
そして、洋を呼び出すものの、沼さんがふざけて自分が洋だと答えてしまう。
指令に操られるままのトシオは、沼さんを洋と思い、沼さんに赤い鉢巻を締めてしまった。
そして、赤い鉢巻の指令に操られた沼さんは、白い鉢巻を締めたトシオに襲いかかろうとする。
トシオを追いかけていった沼さんの前に、同じく白い鉢巻を締めた子供たちが現れた。
リングベアの指令で操られた子供たちは、手に持った棒で沼さんを叩きまくる。
しかし、赤い鉢巻きを締めているのが洋ではないと気づいたリングベアは子供たちを下がらせ、自らもリングブーメランを投げつけた隙に撤退してしまうのだった。
沼さんは軽口を叩いたばっかりに、とんだ災難にあってしまった。

沼さんに締められた赤い鉢巻を回収した谷は、子供たちが鉢巻きで操られていると推理する。
しかし、子供たちが相手では、洋が戦うことなど出来るはずもない。
洋は、卑怯なネオショッカーのやり口に怒りを滲ませるのだった。
子供たちを利用されることに激しい怒りを燃やす洋の、子供たちへの優しさの描写が良い。

その頃、がんがんじいこと矢田勘次がスクーターで走っていると、助けを求める子供の声を聞きつけた。急いで鎧を着たがんがんじいが駆けつけると、そこにはリングベアが。
「俺はなあ、正義の味方、日本一のがんがんじい様やぞ!」
「がんがんだかじんじんだかわからんが、お前なんかにゃ用はない!」
結局、リングベアに見逃されたらしいがんがんじいは、洋と出くわし、洋をネオショッカーの元へ案内する。しかし既にそこには誰もおらず、リングベアからのメッセージが残されていた。
それは、子供たちを助けたければ地獄ヶ原まで来いという挑戦状だった。

洋が急ぎ地獄ヶ原まで向かうと、そこでは子供たちが戦闘訓練を強制されていた。
紅白の鉢巻きを締められ、互いに相手を憎み合う指令を出された子供たちには、洋の声も届かない。子供たちが互いに殺し合う姿を楽しむリングベアに、洋は激昂する。
リングベアは、子供たちに殺し合いをやめさせる代わりに、洋に降参を迫った。
子供たちを想う洋は、ついに、リングベアに屈してしまう。
しかしリングベアは、子供たち全員に白い鉢巻きを締め、洋には赤い鉢巻きを締めた。
そして、子供たちに洋を殺すように指令を出してしまう。

リングベアに操られるまま、洋を棒で叩きまくる子供たち。
洋は赤い鉢巻きを取ろうとするが、鉢巻きは一向に外れない。
そして、残酷なリングベアは、今度は洋に子供たちを殺すように指令を出すのだった。
鉢巻きの魔力が洋を操り、洋は子供たちに棒を振るってしまう。
子供たちを想う洋の心を踏み躙るリングベアの残虐さに、洋の怒りが燃える。

すると、その怒りに天が応えたのか、奇跡が起こった。
子供たちが洋の頭に振るった棒が赤い鉢巻きに当たり、洋の頭から鉢巻きが外れたのだ。
その隙に洋は子供たちの方位から脱出。
コンクリート壁の向こう側へ跳躍し、スカイライダーに変身する。
なおも子供たちを操りスカイライダーを襲わせるリングベア。
その卑怯さに、スカイライダーの怒りが燃える。

子供たちを操る電波がリングベアの角から放たれていることを見抜いたスカイライダーは、スカイキックでリングベアの角を破壊。電波が消えたことで、子供たちは正気に戻る。
激昂したリングベアは、やけくそ気味に怪力でスカイライダーを攻め立てる。
そして、アリコマンドがヌンチャクの鎖をスカイライダーに絡め、スカイライダーを拘束。
リングベアは身動きの取れないスカイライダーに体当たりを繰り返した。
さらに、スカイライダーにアルゼンチン・バックブリーカーを極めるリングベア。
スカイライダーの背骨が軋んでいく。

しかし、スカイライダーの闘志は死んでいなかった。
隙をついてアリコマンドの拘束を外したスカイライダーは、空中に飛んた敵の首を両足で挟み、そのまま脳天を地上に叩き付ける99の技のひとつ、「ライダータイフーン脳天落とし」をリングベアに決める。そして、トドメのスカイキックを炸裂させた。
リングベアは、その身を心配して駆け寄ったアリコマンドたちを巻き込み、爆死する。
リングベアは何故か知らないが、アリコマンドたちには慕われていたようだ。

無事に回復した沼さんや茂たちは、洋とともに草野球を楽しむ。
洋は茂にバッティングを指導するが、茂たちはバッティングの指導に懲り懲りだった。

次回より最終三部作が始まるということで、通常エピソード最後の怪人となったリングベア。
子供たちを操り洋を襲わせるだけでなく、洋に子供たちを殺させようとする残酷さが印象に残るだけでなく、4以上の数を数えられない脳筋具合、プロレス技を駆使するパワフルな戦闘スタイルといった個性豊かな怪人となっており、ユニークな印象を持つ怪人だった。

アリコマンド少年隊に続き、子供たちに洋を襲わせようとするネオショッカー。
それは、洋が初期エピソードから子供たちを励まし、頼れる兄貴分として子供たちに接してきたことを狡猾に利用した、非道な作戦だ。なにより、子供たちの自我を奪い、自らの手先にしようとする計画は、人間の自由を踏み躙るものにほかならない。
仮面ライダーは人間の自由を守るため、ネオショッカーと戦わなくてはならないのだ。

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