あらすじ
ドグマは勢力を広げるため、石油王国の皇太子であり一也の親友であるイスマエルを狙った。
恋人との結婚式のために来日したイスマエルを拉致し、怪人・カマキリガンをイスマエルに変装させ、石油の輸出を止めると脅し、住民ごと1つの街を差し出すよう日本政府に迫ったのである。
親友・イスマエルと日本の危機に、沖一也は単身ドグマの要塞に潜入した。
だがそこに、怪人・カマキリガンの罠が迫る。
祝福の鐘か、破滅の序曲か!? 一也、友のために疾走せよ
今回のドグマ怪人は、カマキリの特質を備えた怪人であるカマギリガン。
渦巻くように回転する巨大な「眼」が特徴で、「カマキリ」+「眼」でカマギリガンだ。
両腕に持った鎌で敵を挟み斬り裂く、「死の大バサミクロス」を必殺技として備えている。
そんなカマキリガンの任務は、一也の友人であり、日本の石油の80%を輸出しているアブラダ王国の皇太子であるイスマエルに化け、日本の街1つを前線基地として手に入れること。
そのために、イスマエルに化け、日本政府に石油の輸出を止めると脅して1つの街を差し出すように迫った。だが、その不審な態度を、一也や恋人のケイ子に怪しまれてしまう。
カマギリガンは本物のイスマエルを前線基地建設の奴隷としており、一也は急ぎ本物のイスマエルの救出に向かうが、狡猾なドグマによって囚われの身になってしまう。
そして、偽のイスマエルとケイ子の結婚式が執り行われる中、結婚行進曲の終わりとともに落ちるギロチンにかけられてしまうのだった。果たして一也は、この危機を脱する事が出来るのか。
アブラダ王国から、一也の友人である王国の皇太子、イスマエル皇子が来日した。
一也は空港でイスマエルを出迎える。2人はアメリカの大学での級友だった。
そして、イスマエルを出迎える人がもう一人。イスマエルの婚約者のケイ子である。
2人は久々の再会を喜び合う。
イスマエルは父の許しを得て、ケイ子と結婚式を行うべく、この日本に来日したのだ。
一也を交えた厳重な警備の中、イスマエルは滞在先のホテルへ向かう。
イスマエルとケイ子は、一也の紹介で知り合った。
彼らの結婚は二人の恋だけでなく、日本とアブラダ王国の間を取り持つものでもある。
石油の産出国であるアブラダ王国から日本は、国内で使われる石油の80%を輸入しているのだ。
そして、いよいよ二人の婚約発表となる記者会見が間近に迫った。
だが厳重な警備をかいくぐり、イスマエルのもとにドグマ怪人・カマギリガンが現れる。
カマキリガンはその瞳を不気味に回転させながら、自分がイスマエルの代わりになると嘯く。
そしてカマギリガンは、瞳を怪しく輝かせるのだった。
だがその直後、まるで何事もなかったかのように、イスマエルが自室から出てきた。
そして突然、イスマエルは街を一区画、住民ごと渡すように要求してきた。
そしてそれを断れば、石油の輸出を止めると言い出したのである。
その様子を怪しく思った一也は、イスマエルの指示で外につまみ出されてしまった。
一也はあまりに様子の違うイスマエルの様子に、イスマエルが偽物とすり替わったと推理。
そこにチョロが、イスマエルが要求した街の様子を見て帰ってきた。
学校や病院を取り囲み、軍隊が警備を固めている異様な様子を知った一也は、再びイスマエルの様子を見て、自分の目でイスマエルの異変を確かめに向かうことにした。
チェックマシーンで内部メカの点検を終え、一也は急ぎイスマエルのいる街へ向かった。
軍隊が警備を固める建物に、イスマエルが入っていくのを目撃した一也は、屋上からロープを垂らして壁面を伝い、ケイ子とイスマエルがいる部屋の窓に張り付く。
ケイ子は様子が変わったイスマエルに困惑し、結婚を引き延ばそうとしていた。
だが、イスマエルは頑なに結婚を急ごうとする。
ケイ子は思いやりを失くしたイスマエルが偽物だと察知し、一也にそれを伝えるのだった。
ドグマのアジトでは、メガール将軍が帝王テラーマクロに呼びつけられていた。
帝王テラーマクロは、日本侵略のための前線基地建設のために、イスマエルとカマギリガンを成り代わらせる作戦を立てていた。イスマエルの指示で街の一区画を差し出させ、その一区画を科学の粋を集めた設備で固めた、ドグマの前線基地に変えようとしていたのである。
帝王テラーマクロは、王子に成り代わるなら王子の周囲に怪しまれないようにせねば…と危惧するが、時すでに遅し、一也にもケイ子にも怪しまれていた。
ドグマに支配された街を調査していた一也は、ドグマの基地建設現場を発見する。
そしてそこで、過酷な労働を強制されていた、本物のイスマエルを発見した。
一也は急ぎ、ドグマファイターを蹴散らして本物のイスマエルの救出に向かう。
だがそこに、カマギリガンが現れた。カマギリガンは、いつの間にかチョロを人質にしていた。
チョロは一也が心配で着いてきてしまったところを、人質にされたらしい。
抵抗できない一也は、ドグマに捕まってしまう。
一也やチョロ、本物のイスマエルは、教会の地下のアジトに連行された。
そして、本物のイスマエルは縛り上げられ、一也とチョロはギロチンにかけられる。
このギロチンは、地上の教会の花嫁花婿の椅子に連動しており、椅子に花嫁花婿が座れば刃が落ちる仕組みになっていた。カマギリガンは、自分が化けた偽のイスマエルとケイ子との結婚式と同時に、一也たちを始末しようとしていたのである。
「結婚行進曲が終わる時が貴様たちの最後だ。皇子様、ゆっくりと二人の首が落ちるのをご覧ください…」
そしてついに、偽のイスマエルとケイ子との結婚式が執り行われようとしていた。
チョロは手首の関節を外して拘束を抜けようとするが、それもかなわない。
偽のイスマエルは一也の命を人質に、ケイ子に結婚式を進めろと脅迫するのだった。
そして、ついに結婚行進曲が鳴り響く。
それは、一也の処刑まで、残された時間はもう幾ばくもないことを示していた。
一也は変身の呼吸によって、拘束された状態でスーパー1に変身する。
ついに偽のイスマエルたちが椅子に座り、ギロチンの刃が落ちた。
だがそこに、本物のイスマエル、そして一也が姿を現す。
一也はスーパー1に瞬間的に変身して拘束を脱出、チョロとイスマエルを救ったのだ。
追い詰められたカマギリガンは正体を現し、ケイ子を人質に逃亡を図る。
ドグマファイターの群れを蹴散らした一也は、変身の呼吸によってスーパー1に変身する。
そして、Vジェットに乗ってカマギリガンの載った車を追跡するのだった。
VマシーンからVジェットの変形シーンが詳細に描かれ、大きな見どころになっている。
海岸に辿り着いたカマギリガンは、用意されたモーターボートで脱出しようとする。
だが、そこには、Vジェットの猛スピードで先回りしたスーパー1がいた。
「ここが貴様の死に場所だ!行くぞ!スーパーライダー二段蹴り!」
ドグマファイターを鋭い技で次々に破壊していくスーパー1は、ケイ子を逃がす。
ついに、カマギリガンとの最終決戦が始まった。
カマギリガンは両腕の鎌を交差させ斬り裂く、「死の大バサミクロス」でスーパー1を攻める。
だが、スーパー1はパワーハンドにチェンジ、カマギリガンの鎌を掴むと、それを恐ろしいほどの怪力でねじりあげ、ついにへし折ってしまった。
スーパー1はさらに、カマギリガンの触覚をもへし折り、大ダメージを与える。
昏倒するカマギリガンに、「スーパーライダー閃光キック」が炸裂。
カマギリガンは倒された。
こうして、無事に再会したイスマエルとケイ子。
イスマエルは母国へケイ子を連れて行き、一也に結婚式に来てくれるよう頼む。
一也も、「結婚行進曲だけは勘弁してくれ」と軽口を叩きつつ、それを約束するのだった。
そして、一也とイスマエルは再会を誓い、別れるのだった。
目の回転ギミックやメカディテール、両腕の鎌など、ドグマ怪人らしい生物的フォルムとメカディテールの融合した造形が素晴らしいカマギリガンが印象的なエピソード。
そのカマギリガンの最大の武器である鎌をへし折ってしまうことで、スーパー1のパワーハンドの剛力が印象的に演出されており、こちらの性能描写も素晴らしいものがある。
一也・スーパー1の変身前後共にドグマファイターの大群との戦闘シーンも長く描写されており、ドグマファイターの投げナイフを躱し続ける一也のアクションが大きな見どころだった。
また、スーパー1になってから一転して華麗な技でドグマファイターを瞬時に蹴散らしてしまい、「スーパーライダー」に相応しい技と力を見せつける殺陣も見応え抜群。
レーダーによる探知と超スピードでカマギリガンの行く手に先回りするVジェットのスーパーマシンらしい性能描写も見事であり、スーパー1の装備の魅力に溢れたエピソードだった。