「仮面ライダースーパー1」第11話「SOS!一也よ、ドグマに協力せよ!!」感想

2025年6月7日土曜日

仮面ライダースーパー1 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

ドグマ怪人・ジョーズワニをパワーアップさせるためにドグマが培養した人工細胞・X-9を入れた金色のトランクが、それを純金のトランクだと勘違いした男に盗まれた。
ジョー鰐淵に変身したジョーズワニは、X-9の危険性を説き、一也にX-9奪回の協力を要請する。
しかし、その行く手にはやはりドグマの罠が待ち受けていた。

危険な細胞・X-9を追え!ドグマからのSOS

今回のドグマ怪人は、ワニの特質を持つ怪人・ジョーズワニ。
自らのパワーアップのため、佐野博士に「人工細胞X-9」という細胞を作らせていたジョーズワニだったが、佐野博士は自らの研究が悪に利用されることを恐れ、X-9が入った金色のトランクを持って逃亡。それを追った先に居合わせた一也と交戦するが、戦いの混乱の中で、X-9のは言ったトランクは、それを純金のトランクだと勘違いした青年・古川に奪われてしまう。
だが、X-9は触れた生物を瞬時に取り込んでしまう、恐ろしい細胞だった。

そこでジョーズワニは、X-9が自分のパワーアップのための細胞だという事実を伏せ、X-9の危険性を説くことで一也を説得し、X-9を共に捜索するように要請する。
X-9の危険性を知った一也はその申し出を受け入れ、人が溢れる大都会の中から古川を探す協力をするのだった。紆余曲折の追跡の果て、ついにジョーズワニはX-9を取り込んでしまう。
果たしてスーパー1は、パワーアップしたジョーズワニを倒せるのか?



ドグマに協力を強制させられていた佐野博士は、恐ろしい生命力を持ち、あらゆる他の生命体を食い尽くす性質を持った人工細胞X-9を生み出してしまった。
そこに現れたドグマの怪人・ジョーズワニの人間態、ジョー鰐淵は、X-9が既に完成していると感づくものの、佐野博士は培養の完了までX-9の引き渡しを引き伸ばす。
だが、X-9を培養室まで運んでいたドグマファイターは迂闊にもX-9の入ったシャーレを落としてしまい、外気に触れて突然変異を起こしたX-9はドグマファイターを飲み込んでしまった。
X-9の恐ろしさを知ったジョー鰐淵はX-9の恐ろしい性質を兵器に利用しようとほくそ笑むが、佐野博士は、これをドグマに悪用される前に処分する決意を固めるのだった。

その夜。佐野博士はX-9の細胞片が入った瓶を金色のトランクに入れ、密かにドグマの研究施設からの逃亡を図った。だがすぐに警報装置が作動し、佐野博士はドグマに追われてしまう。
なんとか逃げおおせた佐野博士は、偶然にも夜稽古に励んでいた一也と遭遇。
そして一也の眼の前で、佐野博士はジョーズワニやドグマファイターにに襲われてしまう。
ドグマファイターに刺され、金色のトランクを奪われた佐野博士。
その凶行を止めるべく、一也はスーパー1に変身し、ジョーズワニたちに挑む。

しかし、佐野博士が持っていた金色のトランクを開けX-9を奪おうとしたドグマファイターが、X-9に取り込まれる事故が発生。佐野博士はなんとかX-9をトランクの中に戻す。
だが、偶然にもその現場に居合わせ、佐野博士の持つ金色のトランクを純金のトランクだと勘違いした青年・古川がトランクを佐野博士から奪い、逃亡してしまった。
一也といい古川といい、なんだか偶然通りかかった人間が多い場所だ。

ジョーズワニはトランクを持って逃げた古川を追い、一方の一也も佐野博士からX-9の危険性を聞く。X-9は未だ不完全な細胞であり、外気に触れることで急激に活動を始め、あらゆる生物を取り込んで成長していくのだ。そして、トランクが外気を遮断しておけるのは、わずか30時間。
その30時間の間にトランクを見つけ出さなければ、X-9はあらゆる生物を取り込み地球を滅亡させてしまう恐れすらあるのだ。一也にX-9奪回を託し、佐野博士は息絶えた。

そこに、古川を見失ったジョーズワニたちが戻ってくる。ジョー鰐淵となったジョーズワニは、あろうことか、敵である一也にX-9捜索の協力を要請してきた。
X-9の危険性を佐野博士に聞かされた一也も、この大都会でたった一人の男を見つけ出すにはドグマの組織力がどうしても必要になる。こうして一也は人類のために、ジョー鰐淵はドグマのために、一時休戦してX-9捜索のために協力することになった。

ドグマのアジトでは、メガール将軍が帝王テラーマクロに事の経緯を説明していた。
帝王テラーマクロは、利用価値のある一也に協力を要請した判断を称賛する。
こうして一也とドグマの合同捜査が始まった。
そうとは知らず、純金のトランクを手に入れたと勘違いした古川は、上機嫌だった。
一方、谷モーターショップでは、チョロが偶然、街の様子を中継していたTV画面で、新宿の歩行者天国を歩く古川が映っているのを発見。谷は急ぎ、一也に通信してそれを伝える。

歩行者天国に到着した一也は懸命に金色のトランクを持った古川を探す。
だが、大都会である新宿では人が多すぎる。そこで一也は機転を利かせ、ビルの屋上から古川を捜索。見事、ドグマから逃亡する古川を発見することに成功した。
ドグマから逃亡する古川は、偶然歩行者天国に遊びに来ていたハルミと良に遭遇し、良に金色のトランクを預けて逃亡してしまった。ドグマはそれに気づかず、古川を追う。
一方、目的不明のトランクを預けられた良も、古川の後を追いかけていった。

結局、古川はジョー鰐淵たちに追いつかれてしまい、トランクの行方について尋問を受ける。
そこに一也も駆けつけ、古川にトランクの行方を尋ねるが、古川は口を割らない。
そこまで金色なだけのトランクに執着しなくてもいいのでは…とは思わなくもない。
結局、ジョー鰐淵がジョーズワニに変身し、古川はその恐ろしさの前に、野球帽を被った少年=良に金色のトランクを手渡したことを明かすのだった。

良を探すドグマの後を追う一也は、偶然にもハルミに遭遇。
今回の脚本は、なんだかやたら偶然の要素が関わってきている。
ハルミから、良が金色のトランクをもっていることを知った一也は、その後を追う。
だが、良はドグマから開放された古川を見つけ出し、金色のトランクを返却していた。
だが古川は早々にドグマに見つかり、橋の上から金色のトランクを落としてしまう。
それを、良を探して偶然にも橋の下にいた一也がキャッチした。
本当に偶然が連続しすぎている。

しかし、金色のトランクはジョー鰐淵に奪われてしまった。
そして、ビルの屋上まで逃亡したジョー鰐淵は、ついにX-9の真の力を明かす。
X-9はジョーズワニのために研究された細胞であり、ジョーズワニの体に注入されればその能力を飛躍的に高める効果を持っていた。そのため、ジョー鰐淵は血眼になってX-9を探していたのだ。
まんまと利用されてしまった一也を嘲笑うように、ジョーズワニは逃亡してしまう。

ジョーズワニが荷台に乗り込んだトラックを、一也はVマシーンで追跡した。
しかし、荷台の中に隠された特殊カプセルの中で、ジョーズワニはX-9を体内に注入。
一也は懸命にトラックを足止めして、停車させることに成功するが、時すでに遅し。
ジョーズワニはX-9の力で身体能力の強化を完了してしまった。

パワーアップしたジョーズワニが一也に襲いかかる。一也もスーパー1に変身した。
スーパー1は、襲いかかるドグマファイターを華麗な技で蹴散らしていく。
しかし、ジョーズワニが強力な顎で噛みつく「ジョーズショック」を繰り出した。
噛みついた相手に高圧電流を流すジョーズショックの稲妻が、スーパー1にダメージを与える。
スーパー1は電流には電流で対抗すべく、エレキハンドにチェンジするが、パワーアップしたジョーズワニの肉体は、なんとエレキハンドの稲妻放電すら効かなかった。
あらゆる生命体を取り込んでしまうX-9の力を得たジョーズワニは、今や攻撃を喰らえば食らうほどにそのエネルギーを取り込んでしまう、無敵の肉体と化していたのだ。

スーパー1はこの窮地を脱するべく、冷熱ハンドにチェンジ。
超高温火炎、そして冷凍ガスを噴射してジョーズワニに浴びせる。
ジョーズワニは冷凍ガスを耐えるべく、X-9のエネルギーを展開しそれを取り込もうとする。
スーパー1は自らのエネルギーが尽きるのが先か、それともX-9のエネルギーが尽き、ジョーズワニが凍るのが先か、一か八かの賭けに出た!そしてその賭けは、スーパー1の勝利。
冷凍ガスで凍結したジョーズワニに、スーパー1はスーパーライダー閃光キックを放つ!
難敵・ジョーズワニもまた、帝王テラーマクロへの忠誠を叫び散るのだった。

戦いを終えた一也は、歩行者天国で待っていたハルミと良のもとに帰還する。
取り戻した平和が、そこにはあった。

危険な細胞・X-9を巡り、一也とドグマが協力することになるという意外な展開が面白いエピソード。やたらと偶然通りかかった~という展開が多かったのは気になるが、結果的に完全に一也を出し抜きX-9を手に入れたドグマの狡猾さが描かれ、その底知れない組織力を感じさせた。

そうして一也を出し抜いてX-9を手に入れ、強化を果たしたジョーズワニの強敵描写も秀逸だ。
3億ボルトの稲妻光線を放つエレキハンドを完全に無効化するそのタフネスは脅威というほかなく、爬虫類怪人故に冷凍ガスに弱い(のであろう)弱点がなければ、さすがのスーパー1といえども一敗地にまみれていた可能性は大いにあり、ドグマ怪人の恐ろしさが見事に演出されていた。

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