あらすじ
鬼の怪人・オニメンゴは、遊びながら子どもを手懐けて意のままに操る能力を持っていた。
そして、ドグマ学を子どもに教えるドグマ学校を建設し、「オニメンゴの目」を子どもたちに与えて学校を焼き払おうと企む。良はオニメンゴに魅入られてしまい、学校を焼き払おうとするが…。
子どもを支配する鬼の目玉――狙われた学校を守れ!
今回のドグマ怪人は、1つ目の鬼の如き形相を持つ怪人・オニメンゴ。
ギリシア神話に登場する1つ目の怪物・サイクロプスを思わせる単眼の容姿を持つが、そのいかつい容姿と異なり、持っている能力は子どもと一緒に遊びながら手懐けてしまうというもの。
だがそれは、ただ一緒に遊んでいるだけではない。
オニメンゴと一緒に遊んだ子どもは完全に洗脳され、オニメンゴに授かった、熱線を放つ「オニメンゴの目」を用いて火災を起こそうとしてしまうのだ。
オニメンゴの真の目的は、子どもたちに「ドグマ学」を教えるドグマ学校を建設するために、既存の小学校を子どもたち自身に焼き払わせることにあったのである。
ハルミの弟・良やその友人たちは、山に遊びに行った際にオニメンゴに遭遇。
オニメンゴの能力によって洗脳されてしまい、「オニメンゴの目」を授かってしまう。
「オニメンゴの目」で街中にボヤ騒ぎを起こしてしまう子どもたちは、やがてオニメンゴの先導のもと、小学校を焼き払おうと結集してしまう。
ハルミは良を救うため、オニメンゴたちの前に立ちはだかるのだった。
果たして一也はハルミや良を救い、オニメンゴを倒すことが出来るのか。
今日も朝から鍛錬に励んでいた一也は、一輪車の練習をしていたハルミに出会う。
ハルミは歩行者天国で一輪車をスイスイと乗り回し、みんなを驚かせようとしていたのだという。
そこに、良やその友達たちがやってきた。なんでも、鬼ヶ沢に野ウサギを獲りに行くという。
良は一也を誘うが、一也は用事があって共に行けず、良たちは子どもだけで鬼ヶ沢に向かう。
鬼ヶ沢には、1つ目の鬼がいるという伝説があった。
そんな鬼ヶ沢で、良たちは首尾よく野ウサギを見つける。
しかし、その声を聞きつけたかのように、不気味な声が森に響き始めた。
そして、1つ目の鬼、いやドグマ怪人・オニメンゴが姿を現す。
オニメンゴは目を不気味に光らせて、良たちを追い回すのだった。
その夜。谷モーターショップには、良と一緒に鬼ヶ沢に行った子どもたちの親が詰めかけていた。
なんでも、もう遅い時間だというのに、一向に子どもたちが家に帰ってこないのだという。
谷やチョロ、ハルミ、そして一也は子どもたちを探しに、夜の鬼ヶ沢へ向かった。
しかし、夜通しの捜索にも関わらず、良たちは見つからない。
朝になり、ようやくうずくまっていた子どもたちを見つけることに成功した一也たち。
だが、子どもたちは一言も語らず、良だけがどこにもいなかった。
一也は怯える子どもたちを谷たちに任せ、一人、良を探すために鬼ヶ沢に残った。
一也はスーパー1に変身し、レーダーハンドにチェンジしてレーダーアイを発射し、空から良を探す。こうしたシーンでレーダーハンドを活用してくれる描写が嬉しい。
そして、怪しい木こり小屋を見つけたスーパー1は、急ぎその場所へ向かった。
小屋には良が持っていたナップサックが残されていた。
そして、スーパー1は良たちが聞いた怪しい声を耳にし、小屋の外に出る。
すると、何本もの鉞がスーパー1めがけて飛んできた。それは、オニメンゴの仕業だ。
スーパー1は斧が飛んできた方向へ急ぎ、良がオニメンゴに攫われる現場を目撃する。
その頃、メガール将軍の城に、ドグマ親衛隊が帝王テラーマクロの命令を伝えにやってきた。
帝王テラーマクロは子どもたちにドグマ学を勉強させるため、既存の小学校を全て焼き払い、そこにドグマ学校を建設させるように命じていた。
メガール将軍はこの作戦を実行するため、既にオニメンゴをドグマ渓谷より呼び寄せていた。
しかし、オニメンゴの行方はメガール将軍も知らない。何処か森の中で子どもたちと遊んでいるだろうと嘯くメガール将軍に、ドグマ親衛隊は不謹慎だと怒りを顕にする。
だが、オニメンゴは子どもと遊びながら、手懐けてしまう恐るべき怪人。メガール将軍は、子どもたちを洗脳する力を持つオニメンゴがこの作戦に最適だと考えていたのだ。
病院に運び込まれた子どもたちは、相変わらず何も語ろうとしなかった。
ハルミは必死に良の行方を尋ねるが、誰も応えようとしない。
すると、ハルミは子どもたちが手に何かを握りしめていることに気づく。
一也からの連絡を受けた谷は、良が怪物に連れ去られた可能性が高いとハルミに伝えるのだった。
その頃、鬼ヶ沢では、オニメンゴが良に呼びかけていた。
「良。お前は勇気のある少年だ!俺はお前がすっかり気に入ったよ!」
オニメンゴがその1つ目から良の瞳に光線を放つと、良の自我はすっかり失われていた。
そしてオニメンゴは、良に不気味な目玉を手渡す。
良がその目玉をかざすと、目玉から熱光線が発射された。
良はその威力に魅了されたかのように、手にした目玉から熱光線を発射していく。
一度下山した一也は、子どもたちから良の行方を訪ねようとする。
しかし、子どもたちは黙して語らない。
ハルミはそんな子どもたちの心を和ませるため、一輪車で皆を楽しませようとしていた。
自分も良が心配でたまらない心を押し隠して…。
子どもたちはそんなハルミの一輪車の車輪を見て、鬼ヶ沢でオニメンゴに襲われたときのことを思い出していた。そして、まるで操られているかのように、何処かへ向かう。
ゴミ捨て場にやってきた子どもたちは、良がオニメンゴに手渡された目玉と同じ「オニメンゴの目」をゴミ箱に翳し、熱光線を発射。ゴミを炎上させてしまう。
その後を追ってきた一也たちによって火は沈火し、子どもたちがオニメンゴの目を手にしていることを知った一也たちは、子どもたちがオニメンゴに暗示をかけられていると推測する。
一也は再び鬼ヶ沢に向かい、オニメンゴの捜索を開始。
そしてそこで、良とオニメンゴが楽しそうに遊んでいる様子を目撃する。
だが、良を取り戻そうとした一也は、ドグマが仕掛けた落とし穴に落ちてしまった。
すかさず、ドグマファイターが一也を生き埋めにしようとする。
一方、子どもたちはオニメンゴの目を用いて焚き火をし、オニメンゴを呼び寄せる歌と踊りを始めた。それはまるで、オニメンゴを呼び寄せる儀式のようでもある。
すると、その声に導かれるかのように、良を肩車したオニメンゴがやってきた。
既にオニメンゴは他の子どもたちも大勢手懐けており、オニメンゴの目を用いて学校を炎上させ、その上にドグマ学校を建設するように命令する。
ハルミはたまらずオニメンゴに向かっていくが、完全に洗脳された良にハルミの声は届かない。
そして、ついにオニメンゴは子どもたちを引き連れ、学校へと進軍を始めた。
ハルミは良をオニメンゴから引き剥がすため、その後を追う。
一也はスーパー1に変身し、落とし穴から脱出。
一方、ハルミは一輪車に乗ってオニメンゴの前に現れ、子どもたちと遊ぶのが好きなオニメンゴの興味を引く。一輪車に興味津々のオニメンゴは、まんまとハルミの口車に乗り、良を返す代わりに一輪車を手に入れた。オニメンゴが一輪車に夢中な隙に、スーパー1が街に帰還した。
オニメンゴの命令で、子どもたちがオニメンゴの目をスーパー1に翳す。
しかし、その熱光線はエレキハンドの稲妻放電で防がれた。
子どもたちがその影響で意識を失ったことで、オニメンゴは破れかぶれとなりスーパー1に挑む。
オニメンゴが呼び出したドグマファイターを、スーパー1は次々に撃破。
金棒を取り出したオニメンゴに、スーパー1はパワーハンドで挑み、金棒をへし折ってしまう。
オニメンゴは今度は鉞を投げまくるが、スーパー1に投げ返され、角をへし折られる。
そして、トドメの「スーパーライダー稲妻落とし」が炸裂し、オニメンゴは倒された。
オニメンゴが倒され、良たちはオニメンゴの暗示から開放された。スーパー1は子どもたちに、学校でたくさん勉強し、たくさん遊ぶように告げて去っていくのだった。
子どもたちと遊びながら手懐けるというよくわからない能力を持ち、帝王テラーマクロの命令より一輪車に興味津々という、オニメンゴのキャラクター性が強烈なエピソード。
メガール将軍がなぜこいつの手腕にあそこまで期待をかけていたかはよくわからない。
一方で、オニメンゴの暗示によって操られ、オニメンゴを呼び寄せる儀式を行う子どもたちの得体のしれない様子はどこか恐怖感を煽るものになっており、不気味なムードで良かった。