「仮面ライダースーパー1」第20話「君の家に!ドグマの電話が今夜鳴る」感想

2025年7月7日月曜日

仮面ライダースーパー1 東映特撮YoutubeOfficial

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あらすじ

公衆電話や赤電話、そして家にある電話が突然襲ってくる。それは、ツタを使ってビルの谷間を自在に移動する電話怪人・ツタデンマの仕業だった。
ツタデンマは、電話センター占領作戦を実行。中央電話センター・東山局長の娘を誘拐し...。

受話器から伸びる悪魔の蔦!“電話”が人に牙をむく

今回のドグマ怪人は、蔦と電話の特質を持つツタデンマ。
前回のカセットゴウモルに続き、電子機器と生物の融合した怪人だ。
蔦を受話器に繋がったコードに見立てるデザインワークが見事な怪人で、その受話器を振り回して武器にするほか、受話口から相手の脳細胞を破壊する発狂音波を放つ能力を持つ。
さらに送話口からは、デンマ火炎や殺人ガスを発射、さらにはドグマファイターを召喚する能力まで持っており、電話というモチーフを活かした送受信能力を最大の武器とする怪人だ。

そんなツタデンマの作戦は、中央電話センターの局長である東山の娘を誘拐し、電話センターを占領。そして全国の電話から発狂音波を放って日本中を全滅させることである。
その作戦に気づいたスーパー1も、強力な発狂音波の前に一敗地に塗れるのだった。
果たしてスーパー1は東山親子を救い、ドグマの発狂音波作戦を阻止できるのか。



中央電話センターの責任者である東山局長の娘、東山ヒロコは塾からの帰宅の途についていた。
ヒロコが顔なじみの警官と話をしている最中、突如近くの公衆電話から呼び出し音が鳴り響く。
しかし、そんな場所に公衆電話などあるはずがなかった。
警官は電話をかけた相手に、この電話が公衆電話であることを知らせようとする。
すると、電話の主はヒロコを渡すように迫ってきた。

警官がそれを断ると、電話の主は警官を実験台にすることを宣言。
そして、電話の受話口に、突然不気味な目玉が浮かび上がった。
電話ボックスに閉じ込められた警官はヒロコを逃がそうとするが、電話の送話口から出てきた毒ガスによって、ヒロコの眼の前で絶命してしまう。
そして、逃走するヒロコを、巨大な受話器が追いかけ始めた。

ヒロコは懸命に物陰に隠れるが、ついに受話器に発見されてしまう。
しかしそこに、偶然通りかかった一也が現れた。
ヒロコから、電話のお化けが現れたと聞いた一也の前に、不気味な男が現れる。
工事現場の作業員を騙る男こそ、巨大な受話器の正体、ツタデンマの変装だった。

家に送り届けられたヒロコは、自分の目の前で絶命した警官のことを思っていた。
だが、ツタデンマはなおも執念深くヒロコを狙っていた。
ツタデンマは再び巨大な受話器となって、ヒロコの家に潜入する。
ツタデンマの狙いは、中央電話センターの局長の娘であるヒロコの拉致だった。
ツタデンマは蔦を伸ばしヒロコを攫おうとするが、そこに周囲を見張っていた一也が駆けつける。
一也の抵抗に手を焼いたツタデンマは、ついにその本体を現した。

ツタデンマは電話の送話口からドグマファイターを召喚し、ヒロコを拉致させる。
そして自らは一也の足止めをすると、ヒロコの拉致に成功したことを見計らい撤退した。
再び作業員となって逃亡するツタデンマの前に、一也が現れる。
一也は作業員の正体がツタデンマであることを見抜いていた。
正体を暴かれた作業員はツタデンマに変身し、巨大な受話器で一也を襲う。
一也もスーパー1に変身した。

ツタデンマは電話の受話口からスーパー1に向け発狂音波を放つ。
その威力は、スーパー1の脳にすらダメージを与え、変身を解除させるほどだった。
一也はビルの屋上から突き落とされてしまう。

アジトに戻ったツタデンマは、アジトの巨大電話から電話をかける。
ツタデンマの計画は、日本中の電話に自分の発狂音波を放つことにあった。
そのために、中央電話センターの局長からマスターキーを取り上げ、電話センターを占領するために、局長の娘であるヒロコの身柄を狙っていたのである。
そしてツタデンマは、東山局長をヒロコの具合が悪いという嘘で車に呼び出し、局長へ向けてマスターキーを渡すように迫るのだった。

ツタデンマはデンマ火炎の炎をヒロコに近づけ、局長を脅迫する。
ついに局長は脅迫に屈し、マスターキーをツタデンマに渡してしまうのだった。
そして、ヒロコは無事に局長に返される。しかし、ヒロコは局長の顔に見覚えがない。
「娘!パパじゃないのか!?」
驚愕の声を上げるツタデンマ。局長はなんと、一也の変装だったのだ。
そしてマスターキーももちろん、偽物だった。

一也はヒロコを谷たちに託し、ツタデンマとの戦いに挑む。
巨大な受話器で殴りつけるツタデンマの隙をつき、一也はスーパー1に変身した。
受話器型のヌンチャクを持って襲いかかるドグマファイターを、スーパー1は蹴散らす。
再び発狂音波を放つツタデンマだが、スーパー1は地形を利用してそれを躱す。
長い追いかけっこの果て、業を煮やしたツタデンマは殺人ガスを噴射。
しかし、スーパー1はそれも躱していた。

ツタデンマは、今度はデンマ火炎でスーパー1を襲うものの、スーパー1は冷熱ハンドの超低温ガスでそれを凍りつかせてしまう。さらに、蔦で本体と繋がった受話器を逆に手繰り寄せ、ツタデンマ本体に痛打を与えた。そしてそこに、スーパーライダー月面キックを放つ。
最期を悟ったツタデンマは、自分の受話器でメガール将軍に敗北を報告し、散った。

こうして、東山親子は無事に救われた。
ハルミは、ボーイフレンドとの電話を安心して使えるようになってご満悦だ。
するとそこに、誰かが間違い電話をしたのか、大量の出前が届いた。
電話というのは便利だか、間違い電話は迷惑なのである…。


前回のカセットゴウモルに続き、〇〇音波を得意とする怪人だったツタデンマ。
しかし、カセットゴウモルが「ラジカセ」の音楽と、超音波を操る「コウモリ」の特性を活かしたカセットゴウモルと、「電話」というモチーフを活かし、受話器と電話機本体をつなぐコードを「蔦」で表現したツタデンマが、各々のモチーフを見事に活かした名怪人同士。
能力は少しばかり被っていても、どちらも色褪せることない魅力を持った怪人だ。

巨大な受話器となってどこまでもヒロコを付け狙うツタデンマのホラー的な演出も白眉。
電話ボックスに閉じ込められ、毒ガスによって溶かされる警官の恐怖描写や、ツタデンマの電話の音がどこからともなく聞こえてくる演出は、「電話」という身近なガジェットを介しているからの怪奇描写であり、怪奇アクションドラマとしての完成度が高いエピソードだ。
そんなツタデンマの裏を書くべく、自ら変装した一也と、一也が局長そっくりに変装したにも関わらず、別人であることをすぐに見抜くヒロコの活躍も印象深い。
直接顔を合わせれば、すぐに別人だと分かる絆が東山親子にはあったということだろう。

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