あらすじ
マタギの里・山彦村には、三千年前に古代中国の王が「空飛ぶ火の車」で現れ、蛮族を倒したという言い伝えがあった。ドグマの帝王テラーマクロは、自ら鍛え上げたドグマの精鋭部隊・地獄谷五人衆に命じ、空飛ぶ火の車を我がものとするべく、山彦村を襲わせた。
そして、山彦村を壊滅させたドグマは、空飛ぶ火の車を操り日本各地を攻撃する。
だが、ドグマに襲われたマタギの頭領・香坂は死の直前、村の5人の子供たちに、空飛ぶ火の車を止める緊急停止装置となる、5個の光る石を持たせて逃がしていた。
空飛ぶ火の車を破壊する方法はただ一つ、5個の光る石を村の御影石に収めること。
スーパー1は空飛ぶ火の車を破壊し、ドグマの陰謀を阻止することが出来るのか。
最強怪人軍団・地獄谷五人衆出現!空飛ぶ火の車の進撃を阻止せよ!
シャープなデザインやファイブ・ハンドのメカニックな魅力、そして鋭い拳法アクションで瞬く間に人気を博した「仮面ライダースーパー1」は、劇場用オリジナル作品の制作に至った。
東映まんがまつり内で公開されたこの劇場版は、古代中国の王が作り出したとされる巨大戦車である「空飛ぶ火の車」を巡り、ドグマの精鋭部隊、地獄谷五人衆とスーパー1の死闘が展開される、仮面ライダーとドグマの一大決戦を空前のスケールで描くものになっている。
帝王テラーマクロは山彦村に守り神として伝えられる巨大戦車、「空飛ぶ火の車」に目をつけた。
古代中国の王が開発し、今は山彦村に隠されていた空飛ぶ火の車は、その名の通り空を飛び火を吐く、中国の古代文明が生んだ恐るべき兵器だったのである。
テラーマクロはその奪取のために、かつてギョストマを呼び寄せた地獄谷から、ドグマ最強の精鋭怪人軍団・地獄谷五人衆を呼び寄せ、山彦村を襲わせる。
だが、空飛ぶ火の車には安全装置として、自動停止装置が取り付けられていた。
村外れの御影石に5つの光る石をはめ込むことで、空飛ぶ火の車は機能を停止するのである。
ドグマに襲われた村の頭領・香坂は、自分の息子と村の子供たち4人に5つの光る石を持たせ、自らを犠牲にして村から逃がす。だが、ドグマは空飛ぶ火の車を手に入れてしまった。
日本中を空飛ぶ火の車で攻撃するドグマを止めるべく、一也は村の子供たちと合流。
御影石に光る石をはめ込むため、子供たちを追ってきた地獄谷五人衆に立ち向かう。
果たして一也は子供たちを守り抜き、空飛ぶ火の車の脅威を食い止めることが出来るのか。
今回の映画オリジナル怪人として登場する地獄谷五人衆は、皆が帝王テラーマクロ直々に鍛えられたドグマ拳法の達人である、凄腕揃いの精鋭怪人軍団。
鷹爪火見子=サタンホークは鷹の特質を持つ怪人で、演じるマキ上田氏は「バトルフィーバーJ」でエゴスの女幹部・サロメを熱演したことでもお馴染みだ。
地獄谷五人衆のリーダーで、空中を駆けながら鋭い爪で襲いかかる「鷹爪拳」の使い手である。
蛇塚蛭夫=ヘビンダーは、蛇の特質を持つ怪人。長く伸びる右腕を鞭のように振るうドグマ拳法「蛇拳」の使い手であり、さらには分身の術まで身に着けている。
大虎竜太郎=クレイジータイガーは虎の特質を持つ怪人。演じる中屋敷哲也氏は歴代ライダーをスーツアクターとして演じ、スーパー1のスーツアクターとしてもその技の冴えを見せている。
やはりドグマ拳法「虎拳」の使い手であり、体から取り出した槍を使う槍術の達人だ。
熊嵐大五郎=ストロングベアは熊の特質を持つ怪人。
相手を怪力で締め上げるドグマ拳法「熊拳」の使い手で、左腕の鉄球は破壊力抜群だ。
象丸一心斎=ゾゾンガーは象の特質を持つ怪人。
地獄谷拳法「象拳」の使い手であると同時に、バズーカ砲を武器としている。
ドグマはこの空飛ぶ火の車を用いた大規模破壊作戦へ向け、地獄谷五人衆のみならず、過去にスーパー1に倒された怪人や、スカイライダーに倒されたネオショッカーの怪人を再生した「ドグマ復讐兵団」を組織。山彦村を占領し、なんとしても5つの光る石を奪おうとする。
無敵の勇者スーパー1もその戦力に苦戦を強いられたその時。かつて、地球を救うために、たった一つの命をはるかなる愛にかけてネオショッカーと戦った、8人の勇者が帰還した。
1号、2号、V3。ライダーマン、X、アマゾン、ストロンガー。そして、スカイライダー。
宇宙に散った8人ライダーがその身体を修復し、今再び地球に帰還したのである。
今ここに、役者は揃った。
空飛ぶ火の車を破壊して地球の平和を守るために、9人ライダーとドグマの決戦が幕を開ける。
OP映像は、TV前半のOP映像と同じロケーションで新撮されたものが採用された。
VマシーンからVジェットへの変形、地獄谷五人衆の登場などが大きな差異である。
地獄谷五人衆という5人の新怪人を大きくフィーチャーし、彼らのキャラクターを立たせている。
また、この映像はTV後半のジンドグマ編のOP映像にも(地獄谷五人衆を含め)流用されている。
東北地方の山奥に、マタギの里・山彦村がある。
そんな山彦村に、ドグマの魔手が迫ろうとしていた。メガール将軍の指揮下のもと、地獄谷より呼び寄せられたドグマの怪人軍団・地獄谷五人衆が現れたのである。
地獄谷五人衆は見張りのマタギたちを次々に倒し、村長の香坂の元に迫る。
香坂は息子の森太と4人の子どもたちに、山彦村の秘密を守る使命を託し、彼らを逃がした。
香坂の前に現れた地獄谷五人衆は各々名乗りを上げる。
彼らの目的は、帝王テラーマクロの命令で、山彦村に隠されている古代中国の戦車、「空飛ぶ火の車」を手に入れることだった。しかし、空飛ぶ火の車は山彦村の守り神。
ドグマに空飛ぶ火の車を渡すことを拒否した香坂に、地獄谷五人衆は襲いかかる。
しかし香坂が時間を稼いでいる間に、森太たちは密かに村を脱出していた。
香坂はマタギ拳法・山彦で地獄谷五人衆に抗うが、地獄谷五人衆は怪人態に変身。
その力の前にはマタギたちも抗うことが出来ず、香坂たちは気絶してしまう。
香坂の家に備えられていた5本の刀を奪い取った地獄谷五人衆は、その刀を村はずれの御影石に突き刺した。その刀こそ、空飛ぶ火の車の封印を解く鍵だったのである。
メガール将軍は御影石に、空飛ぶ火の車を蘇らせる儀式を行う。
「太陽よ!大気のエネルギーよ!森羅万象、命あるもの、全てのエネルギーよ!御影石に集まり、空飛ぶ火の車を呼び起こせ!三千年の眠りから蘇らせよ!」
儀式は成功し、空に稲光が走る。山彦村の山に落雷が落ち、山中から巨大な龍の頭を持つ戦車が出現した。それこそ、古代中国の王が操ったという、「空飛ぶ火の車」だったのだ。
こうして、空飛ぶ火の車はドグマの手に落ちてしまった。
メガール将軍と地獄谷五人衆が空飛ぶ火の車に乗り込むと、空飛ぶ火の車は火を吹いて空を飛び、サタンホークの操縦で龍の口から火を吹き、山彦村の民家を焼き尽くす。
こうして、山彦村は壊滅。香坂は森太に後を託し、絶命するのだった。
空飛ぶ火の車の破壊描写はミニチュアを駆使した特撮シーンで表現され、迫力満点だ。
森太たちはかろうじて山彦村から脱出したものの、彼らは故郷を失ってしまう。
そして山彦村の惨劇は、玄海老師と弁慶も知るところになった。
玄海老師は弁慶を山彦村に向かわせ、何が起こったのかを探らせる。
一方、パトロールをしていた一也もまた、街の上空に現れた空飛ぶ火の車を目撃した。
メガール将軍は空飛ぶ火の車を操り、その力で街を焦土に変える。
「聞け!俺はドグマ王国のメガール将軍だ!今日はドグマに協力を惜しんだ者たちに罰を与えた!ドグマに反対するものがどうなるのか、よく見ておけ!」
空飛ぶ火の車を操るのがドグマだと知った一也は、ブルーバージョンに乗って空飛ぶ火の車を追った。だが、それを知ったメガール将軍は空飛ぶ火の車で一也を攻撃する。
その圧倒的な力に苦戦を強いられる一也は、仮面ライダースーパー1に変身した。
スーパー1は冷熱ハンドの冷凍ガスを発射し、空飛ぶ火の車を凍結させる。
凍結した空飛ぶ火の車はその勢いを削がれながらも、ミサイルを発射して反撃。
そしてスーパー1がそれを躱している間に、撤退するのだった。
一也は壊滅した街に駆けつけた谷と合流した。谷は、ドグマに逆らう者を見せしめに攻撃した今回の攻撃により、これからドグマに逆らう者がいなくなることを危惧する。
一也は命にかけてもドグマの空飛ぶ火の車を食い止めることを決意するのだった。
そこに、良が森太を連れて現れる。森太は村を脱出した後、良の小学校に転校していたのだ。
森太は、村の守り神である空飛ぶ火の車を悪用するドグマへの怒りを隠せない。
そこにハルミが、弁慶からの言伝を持って駆けつけた。一也は急ぎ、弁慶の元へ駆けつける。
赤心寺で弁慶と再会した一也は、山彦村の壊滅と、空飛ぶ火の車の伝説について教えられる。
山彦村は、古代中国の王の一人が、空飛ぶ火の車で蛮族を倒し作った村と言われていた。
そして山彦村の村人たちは、空飛ぶ火の車を守り神として祀っていたのである。
しかし今、空飛ぶ火の車はドグマに奪われてしまった。
だが、古代中国の王は、スーパー1ですら手も足も出ない空飛ぶ火の車が悪人に利用された際の安全装置として、火の車のエネルギーを停止させる自動停止装置を仕込んでいたのである。
一方、ドグマのアジトに戻ったメガール将軍は、帝王テラーマクロに空飛ぶ火の車を手に入れたことを報告していた。その報告に、帝王テラーマクロもご満悦だ。帝王テラーマクロの狙いは、空飛ぶ火の車の力で日本を征服、前線基地にすることで、世界全体を支配することにあったのだ。
さらにメガール将軍は、山彦村から奪った5本の宝剣を帝王テラーマクロに献上する。
だが、帝王テラーマクロは不服そうだ。
メガール将軍は帝王テラーマクロが求めていた、「5つの光る石」を手に入れられなかったのだ。
帝王テラーマクロはメガール将軍の迂闊さを叱責する。
もし、5つの光る石を山彦村の御影石にはめ込めば、空飛ぶ火の車のエネルギーは停止する。
すなわち、古代中国の王が仕込んでいた自動停止装置とは、5つの光る石のことだった。
そしてその光る石は、香坂の手から森太や村の子どもたちに託されていたのである。
メガール将軍は地獄谷五人衆のうち、鷹爪と蛇塚に都会に紛れ込んだ村の子どもたちを探す任務を命じ、残り3人には山彦村の御影石を見張る任務を命じるのだった。
その頃、一也も弁慶から5つの光る石について聞かされていた。
一也もまた、村の子どもたちを探そうとするが、手がかりはマタギ拳法の達人であるということしかない。そこで一也は、彼らと同年代である良に協力を仰ぐことにした。
ハルミの話では、良は転校してきたばかりの森太と気が合うらしい。
だが、森太はクラスのいじめっ子に目をつけられていた。
バットを振り回すいじめっ子に対し、森太は拳法の技を駆使してそれに対抗する。
その様子を見ていた一也は、森太にマタギ拳法の心得があることを見抜くのだった。
森太は姉の千絵とともに帰宅する。一也はいじめっ子たちを窘めるが、いじめっ子たちは、何者かに森太をいじめるように依頼されているだけだった。
その依頼主こそ、地獄谷五人衆のひとり、蛇塚だったのだ。
蛇塚は森太たちを人目のつかない場所に誘き寄せるために、森太をいじめるように依頼していた。
しかし蛇塚が森太たちを襲おうとしたその時、一也が駆けつける。
一也は森太たちに事情を説明し、森太たちは一也への協力を約束。村の子どもたちを集める。
こうして、山彦村の6人の子どもたちが集合した。
森太は駆けつけた良に友人になってくれた感謝と別れを告げる。
だがそこに、地獄谷五人衆の鷹爪と蛇塚が現れた。
5つの光る石を奪おうとするドグマに、子どもたちはマタギ拳法で対抗。
一也は駆けつけた弁慶に千絵を、良に子どもたちを託し、鷹爪と蛇塚に挑む。
熾烈な戦いの中、鷹爪はサタンホークに、蛇塚はヘビンダーに変身。
一也もまた、スーパー1に変身して立ち向かう。
ヘビンダーはこの場を引き受け、サタンホークに子どもたちを追わせた。
ヘビンダーの鞭のような右腕に、スーパー1はエレキハンドのエレキ光線で反撃。
追い詰められたヘビンダーは地獄谷拳法・分身の術でスーパー1を幻惑する。
ヘビンダーの本体を見分けられず苦戦するスーパー1は、赤心少林拳・合掌の極意を発動。
変身の呼吸と同じように、心を大気と一体にし、邪心を除くことでヘビンダーの本体を見抜いたスーパー1は、ヘビンダーの本体に赤心拳・諸手打ちを炸裂させた。
その威力に、へビンダーは倒されるが、休む間もなくサタンホークがスーパー1に襲ってきた。
しかし、玄海老師の助けでサタンホークは撤退するのだった。
一也たちは赤心寺で合流し、山彦村に向かおうとする。だがそこに、良や森太たちの姿はない。
森太はドグマを許せない気持ちから先走り、5つの光る石を御影石にはめ込むため、山彦村に子どもたちだけで向かってしまったのである。一也は急ぎ、ブルーバージョンで山彦村に向かった。
しかし時を同じくして、ドグマも空飛ぶ火の車を山彦村に向かわせていた。
急がなくては、良や森太たちが危ない。
その頃、森太たちは山彦村に到着していた。両親たちの仇を討たんとする彼らの士気は高い。
しかし、ドグマの脅威は彼らでは太刀打ちできないほどだ。
一也、そして玄海老師と弁慶は山彦村へと急ぐ。
過酷な山道で、良の足に血豆が出来てしまい、子どもたちがそれを治療した。
だがその間に、ドグマファイターが彼らを見つけ、光る石を奪おうとする。
一方、スーパー1はレーダーハンドにチェンジし、レーダーアイで子どもたちを発見した。
しかしそうしている間に、子どもたちの前に地獄谷五人衆の大虎が出現。
良を人質に取り、子どもたちに光る石を渡すように要求してきた。
親友である良を見捨てられない森太たちは、光る石を大虎に渡してしまう。
そこに間一髪、スーパー1が助けに現れた。
スーパー1は光る石を奪い返し、子どもたちを逃がす。
大虎は怪人態であるクレイジータイガーに変身し、スーパー1に襲いかかった。
クレイジータイガーは槍を振り回してスーパー1に襲いかかるが、スーパー1は槍を奪い、逆にそれを投げつけクレイジータイガーを倒すことに成功する。
子どもたちは後を追ってきた谷と合流し、谷のジープで空飛ぶ火の車から逃亡する。
しかしジープも止まってしまい、谷と子どもたちは懸命に御影石へと急ぐのだった。
メガール将軍は子どもたちへ網を投擲し生け捕りにしようとするが、スーパー1がエレキハンドで網を切断、落下した子どもたちをキャッチすることでそれを阻む。
怒りのメガール将軍は、空飛ぶ火の車の全火力をスーパー1に集中した。
スーパー1はブルーバージョンを駆り、その攻撃を躱していく。
そしてスーパー1が空飛ぶ火の車を引き付けている間に、森太たちが御影石にたどり着く。
だがそこに、待ち伏せをしていた地獄谷五人衆の熊嵐が現れた。
このまま光る石は奪われてしまうのかと思われたその時、玄海老師と弁慶が現れる。
熊嵐はドグマ怪人・ストロングベアに変身し、玄海老師に襲いかかった。
玄海老師もまた、弁慶に子どもたちの守りを任せ、ストロングベアに挑む。
玄海老師は得意の棒術でストロングベアを完全に圧倒し、赤心少林拳の極意でこれを撃破した。
おやじさんこと立花藤兵衛や滝和也が怪人と格闘することは今までのシリーズでもあったが、怪人を(一応)普通の人間が完全に倒してしまうのはおそらくシリーズ初の出来事。
ライダーである沖一也の師ということもあって説得力はあるが、いくらなんでも強すぎる。
こうして子どもたちは無事に守られ、5つの光る石が御影石に収められた。
すると、御影石より放たれた虹色のエネルギーが空飛ぶ火の車に放たれる。
パワーダウンした空飛ぶ火の車を破壊しようとしたスーパー1の前に、怪人軍団が現れた。
それは、スーパー1やスカイライダーに倒された怪人が再生した、ドグマ復讐兵団だった。
ドグマ復讐兵団はスーパー1を取り囲む。
さすがのスーパー1といえども多勢に無勢、突破できずにいたその時。
「伝説」が帰還を果たした。
「スーパー1!ここは我らに任せろ!」
「1号ライダー!」
「いかにも、仮面ライダー1号!」
1号、2号、X、アマゾン、ストロンガー、ライダーマン、スカイライダー。
「おおっと待った!俺は仮面ライダーV3!スーパー1!ここは俺たちに任せろ!」
そして、仮面ライダーV3!
かつて、ネオショッカー大首領を倒すべく宇宙に散った8人ライダーが、帰還を果たしたのだ!
ちなみに、V3の声はオリジナルキャストである宮内洋氏が担当している。
スカイライダー23話といい、風見志郎としての登場ではないのにフットワークが軽い。
神曲「九人ライダー永遠に」が流れる中、ついに集結を果たした9人ライダーが並び立つ。
8人ライダーの助けを得たスーパー1は、空飛ぶ火の車の破壊へと向かった。
8人ライダーはその力と技に命を乗せてぶち当たり、ドグマ復讐兵団を次々に撃破。
V3たちの回転キックが炸裂し、ドグマ復讐兵団は壊滅するのだった。
そして、スーパー1も空飛ぶ火の車と決着をつけるべく、冷熱ハンドにチェンジ。
超低温ガスで空飛ぶ火の車を完全に凍結させたスーパー1は、ブルーバージョンで大ジャンプ。
ブルーバージョンの突撃で龍の頭を破壊された空飛ぶ火の車は炎上、墜落するのだった。
なんとか脱出したメガール将軍は、地獄谷五人衆の生き残り、サタンホークとゾゾンガーにスーパー1抹殺を命じる。スーパー1もまた、この戦いに終止符を打たんと応戦する。
サタンホークの鷹爪拳と、ゾゾンガーのバズーカ砲に苦戦するスーパー1。
しかし、スーパー1はエレキハンドのエレキ光線でゾゾンガーのバズーカ砲を破壊。
そして冷熱ハンドで超高温火炎と冷凍ガスを同時発射。超高温火炎でサタンホークを焼き尽くし、冷凍ガスでゾゾンガーを凍結させると、トドメのスーパーライダー閃光キックでゾゾンガーを倒し、返す刀のスーパーライダー月面キックで、サタンホークを倒すのだった。
こうして、空飛ぶ火の車を巡る死闘に終止符を打たれ、戦いはまたも正義の勝利に終わった。
スーパー1は山彦村の子どもたちに、大自然と友だちになって強く生きるように諭すのだった。
そして8人ライダーも、スーパー1の健闘を称える。
かつて生き別れた8人ライダーと再会を果たした谷が、満面の笑みを浮かべているのが感慨深い。
「これからも、人類の未来のために頑張ろう!」
8人ライダーは再び、世界の平和を守るために世界中に旅立っていく。
スーパー1や谷、子どもたちは、その背中をいつまでも見送るのだった。
仮面ライダーは不滅だ。
いつでも、どこでも、人々が彼らを求めるときには必ず来てくれる。
9人の仮面ライダーよ、永遠なれ!
かつて強敵怪人ギョストマを輩出した地獄谷より呼び寄せられ、帝王テラーマクロ直々に鍛えられたドグマ拳法の達人である怪人軍団・地獄谷五人衆や、大規模な特撮によって迫力満点の破壊シーンを演出、スーパー1を火力で圧倒する脅威を見せつけた空飛ぶ火の車の登場と、劇場用新作にふさわしい映画スケールの演出が見事な名作である。
光る石を巡るスーパー1とドグマとの攻防や、各々が個性的な武器を持った地獄谷五人衆とスーパー1との決斗シーン、一也の師である玄海老師の活躍と、アクションシーンも見どころが多い。
ドラマ面でも、空飛ぶ火の車を巡るスーパー1とドグマの攻防が一本筋の通った作劇を展開しており、これまでのお約束であった再生怪人軍団や歴代ライダーの登場シーンですら、若干の付け足し感があるほどに、「スーパー1」の劇場用新作として一貫した完成度の高い映画に仕上がっている。
総じて、エンタメ性と一本の中編映画としての完成度を両立した、秀作エピソードだろう。