あらすじ
金属なら何でも吸い寄せる磁石怪人・ジシャクゲンが現れる。
そして、航空会社を支配して日本の制空権を握ろうとする鬼火司令の作戦を実行するため、東西航空へ脅迫状を送って飛行機と飛行場を渡すよう脅迫する。
飛行場が危ない!ジュニア・ライダー隊よ、ジンドグマを追え!
今回のジンドグマ怪人は、磁石の特質を持つ怪人・ジシャクゲン。
子供にも馴染みのある磁石をモチーフにするあたり、ジンドグマ怪人の日常生活で使う器具の中に潜む怪人の恐怖を良く現した、秀逸なモチーフの怪人だ。
その能力はもちろん、全身の磁石から放つ強烈な磁力を操り、あらゆる金属類のみならず、人間の血液中の鉄分を引き寄せることで人間すら吸い寄せてしまう「吸引光線」を武器にしている。
また、上空から三段蹴りを仕掛ける「空中三角蹴り」の使い手でもある怪人だ。
鬼火司令の配下であるジシャクゲンの目的は、日本中の航空会社を支配下に置き、日本の制空権を握ること。そのために、航空会社を自らの磁力で飛行機を墜落させると脅迫した。
心ある航空会社の人々は、日本の空を守るためにその脅迫に反発するものの、ジシャクゲンは、3つの巨大磁石を各地に配置、「魔のトライアングル」を作り出すと、ジャンボジェット機すら引き寄せる強力電磁光線を放ち、次々に航空機を墜落させてしまうのだった。
このまま、日本の制空権はジンドグマに握られてしまうのか。
だが、日本にはスーパー1と、勇気あるジュニア・ライダー隊がいる。
彼らは手分けして3つの巨大磁石を捜索し、ジシャクゲンの陰謀を阻もうと奮闘するのだった。
果たしてジュニア・ライダー隊は巨大磁石を見つけ出すことが出来るのか。
そしてスーパー1は、日本の制空権を守り抜くことが出来るのか…。
良とハルミが両親のために料理をしていると、突然、包丁や調理器具が宙を舞い、家の外まで飛んでいってしまった。それは、己が磁力を発揮していたジンドグマ怪人・ジシャクゲンの仕業だ。
ジュニア・ライダー隊である大介と、同じくジュニア・ライダー隊の一員であるシゲルも、大介の父親の登山用ナイフや鉛筆削りなどが宙を舞い、、ジシャクゲンに引き寄せられてしまう。
ジシャクゲンの行くところ、金属で出来たものは全て吸い寄せられ、ポピーのポピニカで遊んでいたジュニア・ライダー隊の最年少、マサルもその異変を目の当たりにする。
翌日、ジュニア・ライダー隊は集合し、昨日の事件の調査を開始していた。
最年少のマサルも、ミニカーを取り戻すんだと意欲満点だ。
良はジュニア・ライダー隊の本部になった谷モーターショップに通信を送る。
ハルミも谷やチョロに昨夜の調理器具が宙を待った事件を伝えるが、信じてもらえない。
しかし、ジュニア・ライダー隊が街を捜索していると、なんと偶然ジシャクゲンに遭遇した。
ジシャクゲンは街のあちこちに隠れたジンファイターに連絡を取ると、ジンファイターがいる地点へ向けて強力電磁光線を発射する。すると、電磁光線は空へ向けて反射された。
ジュニア・ライダー隊は急ぎ一也に知らせようとするが、最年少のマサルは空気を読まず、ジシャクゲンのいる方向へ自転車を走らせてしまい、ジシャクゲンに発見されてしまった。
いくら最年少とはいえ、露骨に足を引っ張っている…。
ジシャクゲンはマサルのドレミ自転車を磁力で引き寄せ、逃げようとするジュニア・ライダー隊の面々も、人間吸引磁力光線で自転車ごと吸い寄せてしまう。
ジシャクゲンの磁石は、金属ばかりかあらゆる物質を引き寄せる事が出来る。
そして、人間の血液の中の鉄分にも反応し、それを引き寄せてしまうことが出来るのだ。
助けを求める良の声に応え、一也やハルミが助けに現れた。
一也はハルミにジュニア・ライダー隊の面々を任せ、ジシャクゲンとの戦闘に突入する。
ブルーバージョンでジンファイターを蹴散らした一也に、ジシャクゲンは強力磁力光線を発射。
ブルーバージョンすらも吸い寄せてしまう強力な磁力に対抗すべく、一也はスーパー1に変身。
ジシャクゲンはスーパー1に、空高く跳躍して三段蹴りを放つ空中三角蹴りを放つ。
スーパー1も対抗し、冷熱ハンドの超高温火炎を放ち、ジシャクゲンは撤退するのだった。
その頃、ジンドグマのアジトでは、4人の大幹部が食卓を囲み、地獄元帥を待っていた。
魔女参謀たち4人の大幹部はそれなりにいがみあってもいるが、一緒に食卓を囲んでいたりとなぜか異様にアットホームな雰囲気があるのが特徴でもある。
幽霊博士が空腹に耐えかねていると、大幹部用の銀のカトラリーが宙を待った。
ジシャクゲンがアジトに帰ってきたのである。
本来、銀は磁石に吸い寄せられないが、ジシャクゲンの磁石はあらゆる物質を引き寄せるのだ。
幽霊博士たちは磁力のスイッチを切り忘れたジシャクゲンを叱責する。
するとそこに、悪魔元帥がようやく姿を現した。
しかし、ジンドグマの大幹部は銀のカトラリーで食事をするのがマナーらしく、ジシャクゲンのせいで清潔なカトラリーを失った幽霊博士は、食事にありつけず落胆するのだった。
なんだか面白い集団だ。
一人だけカトラリーが無事だった悪魔元帥が食事を楽しむ中、鬼火司令は作戦の報告をする。
鬼火司令はジシャクゲンに命じ、日本の航空会社を支配下に置く作戦を進めていたのである。
東西航空の社長のもとに、ジンドグマからの命令書という名の脅迫状が届いた。
それは、ジンドグマの支配下に入り、飛行機と飛行場の全てを明け渡すように命じるもの。
そしてそれに背けば、恐るべき報復が行われるという脅迫だった。
東西航空の社長は日本の制空権を守るべく、この脅迫を断固として跳ね除ける。
それを知ったジンドグマは、恐るべき報復を開始した。
ジシャクゲンが、強力電磁光線を各地に配置された3つの強力磁石へ向けて発射し、磁石の働きで増幅された強力電磁光線が、上空へ向けて放たれる。
その結果、磁力に吸い寄せられた東西航空の航空機は墜落、爆発炎上してしまったのだ。
夥しい犠牲を出してしまった東西航空の社長は、日本の制空権を守る使命感と、ジンドグマの恐ろしさの間に板挟みになるが、そこに一也が現れた。
ジンドグマの脅迫を知った一也は、日本の制空権を守る決意を固めるのだった。
一也はジュニア・ライダー隊の面々を引き連れ、街の各地を調査。
その結果、いくつかの場所で方位磁石が狂うほどの強烈な磁場を観測する。
その地点を地図上で結ぶと、それは三角形になっていた。
ジンドグマはこの「魔のトライアングル」で、ジシャクゲンの磁力を増幅していたのだ。
スーパー1は磁場が確認された地点に、巨大磁石が設置されているのを発見した。
そしてその防衛任務に就いていたジンファイターを倒す。
一也のバックアップを受けた東西航空の社長は、ジンドグマの脅迫を改めて拒否。
鬼火司令は怒り狂い、ジシャクゲンに日本の空を飛ぶ航空機全てを破壊させようとする。
ジシャクゲンは再び「魔のトライアングル」で強力電磁光線を放とうとするが、巨大磁石のある地点は既にジュニア・ライダー隊が制圧していた。
もはやジシャクゲンに、航空機を墜落させる術はないが、そんなことを知る由もないジシャクゲンは、強力電磁光線を発射しようとし、航空機が墜落しないことに慌てふためく。
そこに、スーパー1が現れた。
「無駄だ、ジシャクゲン!お前が仕掛けた磁石は、俺が外した!お前の計画は潰したぞ!」
もはやなすすべなしのジシャクゲンは、ジンファイターを呼び出しスーパー1との決戦に挑む。
スーパー1は鋭い技で次々にジンファイターを打ち倒し、ジシャクゲンに挑んだ。
「こうなったら貴様を吸い寄せてやる!強力吸引光線!」
吸引光線で吸い寄せられ、動きを封じられたスーパー1は、パワーハンドにチェンジ。
吸引光線を逆手に取り、一気に間合いを詰めてパワーハンドの怪力をジシャクゲンに叩き込む。
追い詰められたジシャクゲンは、磁力を使ってスーパー1を振り回すが、それが裏目に出た結果スーパー1を見失ってしまい、その隙にキックを食らってしまう。
そして、トドメのスーパーライダー十字回転キックが炸裂し、空痛で爆発四散するのだった。
戦いは終わり、マサルは一也から新品のミニカーをプレゼントされていた。
「ぼくはやっぱりミニカーがひとりでにうごいたほうがおもしろいです」
磁石事件に凝りていないマサルに、谷とチョロが磁石でミニカーを動かしてみせる。
取り戻した一時の平和が、そこにはあった。
鉄だけでなくあらゆる物質を引き寄せる磁石怪人の能力描写が面白いエピソード。
スーパー1との対決シーンも、磁石で引き寄せられるのを逆手に取ったスーパー1のパワーハンド戦法や、磁力でスーパー1を振り回すジシャクゲンなどユニークな殺陣が見応えがあった。
前回結成されたジュニア・ライダー隊の活躍エピソードとして、複数の箇所に仕掛けられた巨大磁石を制圧するべく、ジュニア・ライダー隊が各地に散ってスーパー1に協力するのが見どころ。
スーパー1一人では人手が足りないところを助ける、彼らの勇気が演出されていた。
マサルが空気を読まないところは、最年少なので仕方ないだろう…。