あらすじ
火を吹いて爆発する火焔爆弾時計。
時計怪人・火焔ウォッチは東京を一瞬にして火の海にしようという幽霊博士の秘密作戦を進める。
その野望を阻止するため、スーパー1は火焔ウォッチに立ち向かっていく。
その廃品回収に手を出すな!火を吹く時計の東京全焼作戦!
今回のジンドグマ怪人は、幽霊博士の配下である時計の怪人、火焔ウォッチ。
全身のあらゆる場所に、偏執的なまでに時計が取り付けられているのが特徴の怪人だ。
その能力は、胸の時計の針を操作することで、時を戻したり自らの速度を上げる超常的なもの。
ある意味、「仮面ライダーカブト」のクロックアップ/ハイパークロックアップの先駆けだ。
両腕には時計の針を模した鋭い槍が備わっており、その攻撃力は侮れない。
そんな火焔ウォッチの目的は、火を吹いて爆発する爆弾が仕込まれた時計を各家庭に配り、一斉に爆発させることで東京を火の海に変える「全東京火の海作戦」を実行すること。
そのために、廃品回収業者に化け、古い時計を新品の時計に交換すると嘯き、火焔爆弾時計を配り、全東京火の海作戦の準備を着々と整えつつあった。
だが、ジュニア・ライダー隊の中心である良と、最年少のマサルが偶然にも時計を交換してもらおうとしていたことで、その計画は露見。ジュニア・ライダー隊は急ぎ、時計を回収する。
だが、良とマサルは火焔ファイターの手に落ち、人質にされてしまった。
果たしてスーパー1は良とマサルを救い、火焔ファイターを倒すことが出来るのか。
学校から帰宅の途についていたジュニア・ライダー隊の大介とタケシに、トラックの運転手が声をかけてきた。なんでもタケシがトラックの前を通った1000人目の子供ということで、その記念に置き時計をプレゼントするのだという。知らない人に物をもらってはいけません。
その夜、タケシがベッドの上で置き時計を眺めていると、なんと、置き時計が火花を吹き始めた。
その置き時計には、ジンドグマのマークが刻まれている。
火花を吹き、宙を飛ぶ時計に襲われるタケシは、通信で一也に助けを求めた。
置き時計は火花を吹くどころか爆発し、タケシの部屋のカーテンが燃える。
窓を破り助けに入った一也に助けられ、タケシは気絶したものの無事だった。
しかし、一也はそこで、その様子を見ていた幽霊博士を目撃し、その後を追う。
幽霊博士は一也の相手をジンファイターに任せ、姿を消すのだった。
ジンファイターを倒し、ジンドグマの目的を尋問する一也。
だが、ジンファイターが身につけていた時計が爆発し、一也は爆発に巻き込まれる。
タケシの時計やジンファイターの時計を爆発させたのは、怪人火焔ウォッチの仕業だった。
火焔ウォッチが胸の時計の針を操作することで、時計が爆発するのである。
しかし、一也は間一髪スーパー1に変身しており無事だった。
火焔ウォッチに挑みかかるスーパー1だが、火焔ウォッチの体からは不気味な音が鳴り響く。
時計爆弾を投げつけて攻撃する火焔ウォッチは、さらに時計の針を進めてスピードアップ。
そのまま撤退するのだった。
ジンドグマのアジトでは、幽霊博士が悪魔元帥に、火の海作戦の進捗を報告していた。
しかし、他の三幹部は幽霊博士のことを軽んじているようで、幽霊博士の報告を嘲笑いながら聞いている。幽霊博士は他の三幹部に吠え面をかかせるべく、計画を開始するのだった。
翌日。タケシに時計を渡したトラックの運転手が、時計の廃品回収に現れた。
壊れた時計を新しい時計と無料で交換するという、破格の条件に街中の子どもたちが集まる。
新しい時計をもらおうと並んだ行列の中には、良とマサルもいた。
マサルはなんと、姉のミチルが大切にしている腕時計を勝手に持ち出していた。
悪びれる様子もないし、なんだかとんでもないヤツだ…。
その頃、ミチルは自分の宝物である腕時計を持ち出したマサルを探して谷モーターショップを訪れ、良と一緒に時計の廃品回収に向かったのではないかと教えられるのだった。
「あんの小倅め…!」
いつの時代の人だろうと思わさせられるボキャブラリーだ…。
だが、良とマサルが時計を交換して貰う前に、時計は品切れになる。
しかし他人の時計を交換して貰おうとしているくせに諦めきれないマサルはトラックの荷台に潜り込んでなんとしても時計を交換してもらおうとするのだった。
仕方なく、良も一緒についていく。マサル、本当にとんでもないヤツだ…。
結局、トラックは良とマサルを乗せたまま出発してしまい、ミチルや他のジュニア・ライダー隊の面々は入れ違いになってしまうのだった。
その頃一也は、意識を取り戻したタケシから事情を聞いていた。
タケシから、もらった時計が火を吹いたことを知らされた一也は、ハルミからの通信で良とマサルがいなくなったことを知り、急ぎハルミたちと合流する。
ジュニア・ライダー隊の面々から、昨日タケシが時計をもらった男が時計の廃品回収・交換を行っていたことを聞かされた一也は、その時計がジンドグマのものであることを察知。
ジュニア・ライダー隊に、時計の回収を命じ、自身も良たちが乗ったトラックを捜索する。
廃品回収のトラックは停車するが、あれだけ時計を交換してもらおうとしていたマサルは眠気と空腹に襲われていた。のんきなものである。
しかし、結果的にマサルの行動がジンドグマの陰謀をキャッチする一助となった。
トラックの運転手が、ジンファイターに指令を出していたのである。
良とマサルは、トラックの運転手たちが入っていったアジトへと潜入する。
トラックの運転手は、火焔ウォッチの変装だった。火焔ウォッチは爆発する時計を街中に配り、一斉に爆発させることで東京を火の海に変えようとしていたのである。
火焔ウォッチは、時計を爆発させるタイマーを動かし始めた。
刻一刻と爆発の時間が迫る中、ジュニア・ライダー隊は懸命にジンドグマの時計を回収する。
そしてついに、ジンドグマ時計の爆発の時間がきた。
火焔ウォッチの体から聞こえてきた不気味な音は、爆破タイマーの音だったのだ。
ジュニア・ライダー隊による回収によって、ジンドグマ時計は一箇所に集められており、街中が火の海になる最悪の事態は避けられた。一方、良とマサルは、本部に通信を送る。
しかし、その電波を感知されたことで、良とマサルはジンドグマに見つかってしまった。
必死に隠れる良とマサルだが、マサルは今度はおしっこがしたいと言い出す。
さっきから、何でもかんでもやりたい放題だ。
結局、ジンファイターに見つかってしまう良とマサルだが、マサルはおしっこを漏らすことでジンファイターの拘束から脱出、逃亡する。
その頃、火焔ウォッチは改めて東京を火の海に変るべく、再びトラックの運転手に化けて時計の廃品回収を行っていた。しかしジュニア・ライダー隊の呼びかけでそれは阻まれた。
正体が露見した火焔ウォッチは、ジュニア・ライダー隊に襲いかかる。
そこに、スーパー1が駆けつけた。
スーパー1はジンファイターを倒すが、火焔ウォッチはまたしても時計の針を進めてスピードアップし逃亡を図る。スーパー1はブルーバージョンでそれを追うが、火焔ウォッチは今度は時計の針を逆回しすることで、スーパー1の時間を逆回しにする超常的な能力を発揮。
スーパー1はそれに対抗すべく、ブルーバージョンのパワーをアップさせるものの、火焔ウォッチを逃がしてしまった。そこに、マサルからの通信が入る。
改めてジンファイターに捕まってしまったマサルの助けの声に応え、スーパー1はジンドグマのアジトへと急ぎ、マサルをジンファイターから救出する。
良を救うべく、アジトに乗り込んだスーパー1。
しかし、火焔ウォッチは良を人質にして、スーパー1の行く手を阻む。
「この時計塔の針が12時を告げる時、東京は一瞬にして火の海になるのよ!」
東京が火の海になるまで、残り2分。しかしスーパー1は火焔ウォッチの隙をつき、部屋の壁を蹴って火焔ウォッチの舌から伸びるゼンマイを破壊。良を助け出すことに成功する。
スーパー1は時計塔の時計の歯車を止め、ジンドグマ時計の爆発を阻止。
火焔ウォッチとの決戦に挑む。
火焔ウォッチは相手の動きをスローにする「時間差攻撃」でスーパー1を翻弄するが、スーパー1はエレキハンドにチェンジし、エレキ光線で火焔ウォッチの内部メカを破壊。
時間差攻撃を封じると、トドメのスーパーライダー旋風二段蹴りを炸裂させた。
敗北を悟った火焔ウォッチは悪足掻きとしてアジトもろとも自爆しスーパー1を道連れにしようとするが、スーパー1と良、マサルは無事に脱出。スーパー1は良とマサルの勇気を称えるのだった。
自分が速度を上げるだけでなく、敵の時間を操ってしまうという、冷静に考えるとなんだか凄い能力を持っている火焔ウォッチの個性が爆発していたエピソード。
街中に爆弾時計をばらまき、一斉に爆発させることで東京を火の海に変えてしまうという大規模な破壊工作を目論む途方もないスケールに、そのための手法として廃品回収で少しずつ街中に時計をばらまくという地道な手法がミスマッチなのも面白い。
そんな火焔ウォッチへの対抗策となったエレキハンドは、これまでも活躍が多かったものの、機械的なモチーフのジンドグマ怪人に対しては、より効果的な武器として活躍を見せている。
最年少であるがゆえに、いかにもトラブルメーカーという役回りとなっているマサルだが、もしマサルが姉の時計をなんとしても交換してもらおうとしなければジンドグマのアジトを発見できていなかったことを思えば、トラブルメーカーながらに役には立っている。
とはいえ、姉の宝物を勝手に廃品回収に出そうとするのはちょっと怖いので、親御さんにちゃんと叱られてほしい気もしなくもない…。